
INNOCNのPCモニター「CB27U1」の実機レビューです。ウインタブでは過去に数回INNOCNのPCモニターをレビューしており、直近でレビューした「27D1U」はレビュー終了後も検証用のモニターとして継続使用させてもらっています。今回レビューするCB27U1は27D1Uと同様に「27インチ・4K解像度」の製品ですが、27D1Uよりも各所のスペックが高い、クリエイター向けの上位モデルです。
なお、このレビューはメーカーより実機のサンプル提供を受け実施しています。
・27インチ・4K解像度で高い発色品質
・非常に多機能でクリエイターも納得の設定項目
・高さ・ピボット・スイング・チルトが可能
・薄型で高級感のある筐体
・USBハブ付属
ここがイマイチ
・スピーカーなし
・ゲーマー支援機能 (クロスヘアなど)はなし
※読者クーポンコード「BBJAB9JI」(7月2日まで)
1. スペック
スペック表
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| ディスプレイサイズ | 27インチ (フラットタイプ、非光沢) |
| パネル形式 | IPS (視野角178度) |
| 解像度 | 3,840×2,160 |
| 発色 | 99% DCI-P3/99% Adobe RGB/100% sRGB/HDR500 ΔE < 1 |
| 最大輝度 | 400 cd/m2 |
| リフレッシュレート | 120 Hz |
| 応答時間 | 7 ms |
| インターフェース | HDMI×2、DisplayPort USB Type-C×2 |
| スピーカー | なし |
| サイズ | 613×195×552 mm |
| 重量 | 5.2 kg |
特徴
27インチのフラットタイプ (ゲーミングモニターなどで見かける湾曲タイプではありません)、視野角が広い (178度)のIPSパネル (非光沢)を採用し、解像度は4K (3,840×2,160)です。
発色品質も高く、色域は「99% DCI-P3/99% Adobe RGB/100% sRGB/HDR500」に対応します。またリフレッシュレートも120Hzと高いため、スクロールや画面遷移が滑らかです。
なお、この製品はスピーカーを搭載していません。デスクトップPCやミニPCと接続して使う場合、別途スピーカーを用意する必要があります。
2. 外観

同梱物です。画像左上が電源ケーブル、左下がACアダプター、右上がスタンド、右端がベース (台座)です。ケーブルはDisplayPort – DisplayPort、HDMI – HDMI、USB Type-C – USB Type-Cの3本が付属します。
それと、この画像の中央下にグレーの長方形のものがありますが、これはなんと「USBハブ」です。ハブの両端はUSB Type-AとUSB Type-C、ポートは「USB Type-A×3、イヤホンジャック」です。

INNOCNのモニターは工場出荷時にキャリブレーションが行われており、キャリブレーションレポートが付属します。画像右端にあるのがクイックスタートガイドです。

組み立て前の本体背面です (ディスプレイ面保護のため、梱包用シートを敷いています。お見苦しくて申し訳ありません)。ご覧の通り「純白」という感じで、一般的なPCモニター (黒やグレーが多いですよね?)とは雰囲気の異なる「華やかさ」を感じます。

ポート構成です。画像左からHDMI×2、DisplayPort、USB Type-C (映像用)、DC-INジャック、USB Type-C (ハブ接続用)です。先日レビューしたINNOCN 27D1Uではポートが「下向き (垂直方向)」にあり、配線をする際にモニターを「下から覗き込む」必要がありましたが、この製品は「横向き (水平方向)」なので視認性が良く、配線が非常にラクでした。

下側面です。電源ボタンやOSDメニューの操作ボタンはこの位置にあります (設置時には本体の右下になります)。
ご注意:
INNOCN CB27U1は4K解像度で最大のリフレッシュレートは120Hzです。つまり、4K@120Hzでの表示が可能ということですが、4K@120Hzでの表示はケーブルやハードウェアも高い仕様が要求されます。
HDMIを使用する場合:
PCがHDMI 2.1規格に対応していること。HDMI 2.0規格の場合は4K@60Hzが上限です。ただし、HDMI 2.0規格でも比較的新しいCPU (第13世代Intel CoreやRyzen 6000シリーズ以降など)やGPU (GeForce RTX30シリーズ以降など)では内部でDSC (Display Stream Compression)エンコーダーを駆動させる機能を搭載しており、この場合は4K@120Hz表示が可能です。また、お使いのPCのHDMIポートが1.4規格以前の場合はDSCは使えませんので、4K@120Hz表示はできません。
DisplayPortを使用する場合:
お使いのPCのDisplayPortの規格が2.0以上の場合は4k@120Hz表示が可能です。また、1.4規格の場合はDSC機能で4K@120Hz表示に対応します。1.2規格以前だと4K@120Hz表示はできません。

組み立て (ベースとスタンドの取り付け)をしてみました。工具は一切不要で、どなたでも簡単に組み立てできます。所要時間は1分未満でした。

左:最も低い位置、右:最も高い位置
高さ調整は上下に約170mm可能で、スタンド部分を手で押し引きするだけです。それと、この画像を見ていただくと、前面だけでなく背面もフラットな形状で、薄型であることがわかります。このへんも高級な印象があります。

角度調整は-5度~+20度。デスクトップ用モニターなのでこれで十分かと思います。

また、左右にスイングすることもできます。

正面から見たところです。下部ベゼルは少し太めですが、上部と左右のベゼルは細く、没入感が得られると思います。

ディスプレイを回転して縦向きにして使うこともできます。個人的には縦向きは全く使いませんが、お仕事の関係などで縦向きにしたい人には便利かと思います。あとSNS廃人にもいいかも…。
3. 設定

本体の下側にボタンが5つありましたが、このうち電源ボタンを除く4つのボタンを駆使してOSD (On Screen Display、ディスプレイに表示される操作メニュー)を操作します。

私はOSDの操作が非常に苦手です。というか、ボタンだけで多様な設定項目を操作するのは面倒ですよね?しかし、CB27U1にはOSDとほぼ同機能の設定アプリが用意されています。これならマウスで操作できるので非常にラクです。
実際、OSDメニューの設定項目は非常に多く、色空間ではAdobe RGB、DCI-P3、sRGB、Rec.709、MacViewなど11種類、色温度や輝度、コントラストなどを細かく設定できるようになっています。私はクリエイターではないので、ここまで細かい調整項目は不要とすら感じましたが、クリエイターさんなら制作内容に応じて最適な環境を選べると思います。

こんなのもあります。この画像では「紙張」というのを選んでいますが、ここでA4とかB5といったサイズを指定すると画面上に選んだ用紙サイズの「枠線 (ガイド線)が表示されます。このほかにもクリエイター支援の補助機能が充実していると感じられました。
一方で「クロスヘア (画面に照準が表示される)」のようなゲーマー支援機能はほとんどありませんでした。
4. 使用感
同梱されていたキャリブレーションレポートによれば、sRGBモードでの平均ΔEは0.87、Adobe RGBで0.79、DCI-P3でも0.95と、一般に「色の違いがほぼ分からない」とされるΔE 2を大きく下回る高い精度になっています。メーカーは100% sRGB、99% Adobe RGB、99% DCI-P3と開示しており、Web閲覧などの一般的なPC用途はもちろん、クリエイティブワークでも自然で正確な色表示が可能と思われます。
発色品質についてはメーカーがキャリブレーションレポートをつけ、しっかり開示していますので、私の目視による感想を書くまでもないと思います (もちろん「素晴らしい!」と感じました)。また、上でご説明した通りOSDおよび設定アプリでの画質調整項目も非常に多く、これらの調整項目は「クリエイターに寄り添った多機能・高機能なもの」と言えます。
参考までにINNOCN 27D1Uとのスペックを掲載します。
色空間:100%sRGB、95%DCI-P3、HDR400、Adobe RGBについては開示なし
リフレッシュレート:60Hz
ΔE:sRGB 0.67、DCI-P3 1.06
最大輝度:350 cd/m2
応答速度: 6ms
※ΔEは製品付属のキャリブレーションレポートの数値
キャリブレーションレポートでの比較ではsRGBのΔEで27D1Uのほうが若干優れた数値になっていますが、27D1UはそもそもAdobe RGBのキャリブレーションレポートがありませんでしたし、DCI-P3についても色空間・ΔEともCB27U1に及びません。27D1Uではリフレッシュレートが60Hz止まりであり、輝度もやや低めです。また、設定 (OSD、CB27U1では設定アプリ)項目の細かさも顕著な差があります。発色品質はもちろん、画質を非常に細かく調整できるという点でもCB27U1のほうがクリエイターのニーズにしっかり応えられると思います。
これは4K (3,840×2,160)解像度、Windowsの設定で表示倍率を100%にしたものです。この画像は縮小されたものですし、しょせんスクリーンショットなので鮮明に見えて当たり前ではありますが、目視で確認してもフォントは全く潰れておらず、鮮明に見えます。
ただし、私の視力では (27インチディスプレイとはいえ)さすがに文字が小さすぎて辛いです…。
こちらは4K (3,840×2,160)解像度、表示倍率150%にしたものです。表示領域は小さくなりましたが、それでも私が普段使っている解像度・倍率よりは表示領域が広いです。また、この大きさなら私でもなんとかいけるかな、という感じ。
4K (3,840×2,160)解像度、表示倍率200%にするとこんな感じ。これ、私がいつも使っているのと同じくらいの表示領域になっています。視力がいい人なら「ちょっと大きすぎ」かもしれません。
ちなみに、Windowsの設定では基本的に表示倍率を100%より小さくすることはできません。しかし、ブラウザーの設定で表示倍率を100%よりも小さくすることができますので、FHDディスプレイであっても4Kディスプレイと同じか、それ以上の表示領域にすることはできます。ただし、文字や画像を無理に縮小する (例:10ピクセルのフォントを無理やり5ピクセルに収めるようなこと)ことになるので、フォントが潰れてしまったり、線が太くなったり細くなったりと、表示が乱れます。

最後に付属のハブです。このハブは両端にケーブルがあり、片方 (USB Type-Cのほう)をモニターに、もう片方 (USB Type-Aのほう)をPCに接続できるようになっています。USBメモリースティックを挿してみたところ問題なく認識しました。また、この場合はモニターに接続する必要はありません。つまり、PCとハブさえ繋がっていればOKです。一方、イヤホンジャックにイヤホンを接続してみたときはハブはPCとモニターの両方に接続されている必要がありました。つまり、イヤホンは「PCモニター側のサウンドデバイス」として認識された、ということです。
あらゆる周辺機器を繋いでみたわけではありませんが、おそらくUSB Type-Aポートに機器を接続する場合は「PC側のデバイス」と認識されモニターとの接続は不要、イヤホンジャックに機器を接続する場合は「モニター側のデバイス」と認識されモニターとの接続が必要、ということなのだろうと思います。
5. まとめ
INNOCN CB27U1はAmazonで販売中で、通常価格は66,890円ですが、6月18日現在、製品ページにクーポンがあり、60,201円で購入できます。さらにウインタブ読者向けのクーポン「BBJAB9JI」をいただいており、これを使うと56,856円となります。
先日レビューした27D1Uも4K解像度で価格もずっと安く (6月18日現在29,250円)、ウインタブの記事執筆やレビュー機器の検証に使わせてもらっていますが、個人的には全く不満を感じません。
しかし、CB27U1は発色品質が27D1Uよりも文字通り「ワンランク上」です。さらに「かゆいところに手が届く」設定アプリの使い勝手、120Hzの高リフレッシュレート、高級感のある薄型筐体や広い可動範囲など、あらゆる部分で価格なりの、あるいはそれ以上の価値を実感させてくれます。
幸い手元に27D1Uがありましたので、それと比較しつつCB27U1の優位性とか、価格が高い根拠を実感することができました。結論として、私のような一般ユーザーなら27D1Uでも満足できるが、クリエイターや趣味でクリエイティブワークを楽しんでいる人にはCB27U1がおすすめ、と思います。
6. 関連リンク
※読者クーポンコード「BBJAB9JI」(7月2日まで)
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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