
GMKtecがPC「NEO-X1/X1 Pro」の発売を予告しました。GMKtecではこの製品を「次世代MoDTゲーミングPC」と称しています。MoDTとは「Mobile on Desktop」のことで、ノートPC向けのパーツ (主にCPU)を搭載する小型デスクトップPCを指します。用語としては20年くらい前から存在しているようなのですが、私は知りませんでした。
このNEO-X1/X1 Pro、この記事執筆時点では正確な発売日や筐体の詳細について開示されていませんが、スペック表と価格は明らかになっていますので、主にスペックについてご説明します。
1. スペック
スペック表
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU | AMD Ryzen 9 9955HX AMD Ryzen 9 9955HX3D |
| 外部GPU | NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti NVIDIA GeForce RTX 5070 |
| RAM | 32GB/64GB (DDR5-5600) ※最大96GB |
| ストレージ | 1TB/2TB SSD (PCIe 4.0 M.2 2280 NVMe) ※SSDスロット構成 • M.2 22110 / 2280 (PCIe 5.0 ×4)×1 • M.2 2280 (PCIe 5.0 ×4)×1 |
| ディスプレイ | なし |
| 無線通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4 |
| ポート類 | 前面 USB 2.0 Type-A×2、USB Type-C (5Gbps) オーディオジャック 背面 USB 2.0 Type-A×2、USB Type-C (10Gbps) USB 3.2 Gen 2 Type-A (10Gbps)×2 HDMI 2.1 TMDS (4K@60Hz) DisplayPort 1.4 (8K@60Hz) LAN (RJ45、2.5GbE) 外付けアンテナ端子、3.5mmマイク入力 3.5mmライン出力、3.5mmライン入力 GPU (GeForce側) HDMI 2.1b (8K@60Hz) DisplayPort 2.1b (8K@60Hz)×3 |
| Webカメラ | なし |
| 電源 | SFX 850W電源内蔵 ※80 PLUS Gold認証、CMOSボタン電池内蔵 |
| サイズ | ハンドル除く:350×165×265mm ハンドル含む:350×165×310mm |
| 重量 | 約7kg |
バリエーションモデル
NEO-X1:Ryzen 9 9955HX/GeForce RTX 5060 Ti/32GB/1TB
NEO-X1 Pro:Ryzen 9 9955HX3D/GeForce RTX 5070/64GB/2TB
2. CPU/GPU/RAM/SSD
搭載CPUはNEO-X1が「Ryzen 9 9955HX」、NEO-X1 Proが「Ryzen 9 9955HX3D」です。型番こそ最新の「Ryzen AI」シリーズとは異なりますが、AMDのノートPC向けプロセッサにおける絶対的なウルトラハイエンドモデルです。Copilot+ PC対応の上位型番である「Ryzen AI 300 / AI Max」系が省電力や内蔵NPUによるAI処理性能に重きを置いた設計だとすれば、末尾に「HX」を冠するこの2型番は、デスクトップ用シリコンをそのまま持ち込んだ純粋な「パワーモンスター」と言えます。
ノートPC向けハイエンドの代表格である「Ryzen AI Maxシリーズ(Strix Halo)」との決定的な違いは設計思想にあります。Ryzen AI Maxが「強力な内蔵GPUにより外部GPU(dGPU)を不要にする」コンセプトであるのに対し、Ryzen 9 9955HX / 9955HX3Dは「GeForceなどの強力な外部GPUと組んで真価を発揮する」ことを前提としています。また、Ryzen AI Maxが50 TOPS超の強力なNPUを搭載する一方で、本プロセッサはNPUをあえて非搭載としており、CPUパワーの追求に特化しているのも特徴です。

こちらはPassMarkが公表しているCPUベンチマークスコアの比較です。PassMark(CPU Mark)はGPUやNPUのグラフィック・AI性能が反映されないため「純粋なCPU演算能力」の指標となりますが、数値の上でもRyzen 9 9955HX / 9955HX3DがRyzen AI Maxシリーズをしっかり上回っていることがわかります。
特にすごいのが「Ryzen 9 9955HX3D」のスコアです。調べてみたところ「PassMarkの総合スコアにはデータ圧縮やソートなどメモリレイテンシに依存するテストが多く含まれる」とのことで、128MBという巨大なL3キャッシュ (3D V-Cache)を備える9955HX3Dの強みが発揮され、頭一つ抜けた数値を叩き出しているようです。
ちなみに、価格ドットコムで確認したところ、Ryzen 9 9955HX/Ryzen 9 9955HXを搭載するノートPCはASUSとGIGABYTEで販売されており、9955HX搭載機は40万円台半ば、9955HX3D搭載機は50万円台半ばから80万円台 (搭載するGPUによって異なります)でした。
一方、GPUは「デスクトップPC用のGeForce」です。つまり、同じ「RTX 5060 / RTX 5070」でもウインタブがよくご紹介しているゲーミングノートPCに搭載されているものよりもずっと高性能です。あと、そもそもノートPC用のGeForceには「RTX 5060 Ti」という型番はありません。
RAMは2スロットと思われ、「SO-DIMM」という記載になっていましたのでノートPC用ですね。NEO-X1は標準で32GB、NEO-X1 Proは64GBとなり、どちらも最大で96GBまで搭載可能です。SSDはNEO-X1が1TB、NEO-X1 Proが2TBで、こちらも2スロットあり、PCIe Gen 5にも対応しています。
3. 筐体
筐体についてはトップ画像にある1枚のみが開示されており、またスペック表にあるように電源の仕様やポート構成が開示されています。まあ、CPUとRAMがノートPC用でWi-Fiなど無線通信の規格が高いというのはありますが、この製品は「基本デスクトップPC」ですよね。サイズはデスクトップPCとしては小型 (GMKtecの説明だと従来型タワーPCの2/5サイズ)ですが、ミニPCとしては大きすぎです。
4. 価格など
GMKtec NEO-X1 / X1 ProはGMKtec公式サイトに製品ページ (販売予告ページ)があり、発売日は未定、価格はNEO-X1が342,999円、NEO-X1 Proが469,999円と表示されています。また製品ページにメールアドレスを登録するフォームがあり、ここでメールアドレスを送信しておくと発売後に使える8,000円OFFクーポンがもらえます。
5. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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