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CPU新製品紹介 - Pentium Gold G7400(読者投稿:近郊ラピッドさん)

Pentium Gold G7400
こんにちは、近郊ラピッドです。今回はハードウェアについての記事になります。それでは、今回もよろしくお願いいたします。

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1月14日からPentium Gold G7400の販売が開始されました。CES 2022で発表されていたモデルでしたが、Core iシリーズから少し遅れての登場となりました。同時にCeleron G6900も販売が開始しています。

今回は主にCore i3と比較して利点や弱点を検討したいと思います。

ウインタブ注:今回ご紹介するPentium Gold G7400は「デスクトップPC用のCPU」です。ウインタブで主に取り上げているノートPC用のCPUではありませんのでご注意ください。また、記事内には執筆者の予想に基づく記述がありますが、あくまでも「予想」であることにもご注意ください。

1.基本情報

製品名 Pentium Gold G7400
開発コード名 Alder Lake(第12世代)
半導体技術 Intel 7
コア数 高性能Pコア(Golden Cove) : 2
高効率Eコア(Gracemont) : 0
スレッド数 4
クロック 3.7GHz(ターボブーストなし)
キャッシュ L2 : 2.5MB L3 : 6MB
PBP(TDP) 46W
内蔵グラフィックス Intel UHD Graphics 710(0.3~1.35GHz、16EU(実行ユニット数))
CINEBENCH R23 Core i3-12100のスコアから計算し、マルチスレッドは3780pts、シングルスレッドは1445pts程度になると予想(間違っていたら申し訳ありません)
1月現在の価格
10,480円(税込み、PCワンズなど多くのショップでの価格)

基本的なスペックや価格は上記の表にまとめました。

Pentium GシリーズはKaby Lake世代のPentium G4560以降ずっと2コア4スレッド、ターボブーストなしです。しかもG7400が発売されるまではskylake系マイクロアーキテクチャを採用し続けていました。そのため世代が交代してもクロックが0.2GHz程度上がる以外の変化がなく、なかなか性能が上がりませんでした。

第7世代Core(Kaby Lake)の頃はCore i3も2コア4スレッドでターボブーストがなく、Pentiumと比較してもiGPU(内蔵グラフィックス)の性能の差やAVX2命令のサポート程度しか大きな差はありませんでした。しかし第8世代(Coffee Lake)でCore i3は4コア4スレッドに昇格し、第9世代(Coffee Lake Refresh)ではターボブーストが付き、第10世代(Comet Lake)では4コア8スレッドに昇格しました。そのためPentiumとCore i3の差は段々と開いています。

今回のPentium Gold G7400も2コア4スレッドなので依然としてCore i3との性能差は大きなものとなっています。またクロックが多少落ちてしまっていますので、また少し差が開いてしまったと言えます。ただ、Pentiumも第12世代(Alder Lake)に刷新され、Golden Coveコアを採用したためクロック当たりの性能が大幅に向上しています(公式ではskylakeから+28%とされていますが、もっと伸びている気がします)。またグラフィックス性能やメモリのサポート、キャッシュ搭載量などが向上しています。欲を言えばターボブーストも欲しかったところですが、第13世代(Raptor Lake)に期待したいところです。

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確かに上位モデルと比較すればかなり見劣りしてしまうのは否めません。しかし、例えばノート向けのCore i5-8350Uと比較するとCINEBENCH R23のスコアはシングル・マルチ共にPentiumの方が上回ると予想されます。その点を踏まえると、現行のデスクトップ向けPentiumは一般用途には十分な性能を既に持っていると言えるでしょう。

2.他の製品との比較

Core i3-12100(F)とCeleron G6900(前後のグレードとの比較)

Pentium Gold G7400
Celeronと比較すると結構性能差があります。今世代のCeleronは少し価格が高いので、性能差を考えるとPentiumの方がお買い得だと思います。一方でCore i3と比較するとそれ以上に性能差があるのが分かります。グラフィックスも差を付けられています。

Pentium Gold G6405(一つ前の世代との比較)

Pentium Gold G7400
この比較は全面的にG7400が優勢と言えるでしょう。クロックは下がっていますがクロック当たりの性能向上でカバーできています。グラフィックス性能・電力効率・演算性能が順当に上がっています。

Pentium 8505(同じ世代のモバイル向けとの比較)

Pentium Gold G7400
個人的にはPentium 8505とPentium Gold G7400のどちらの方がCINEBENCH R23 のマルチスレッドのスコアが高いのかが気になります。個人的にはモバイル向けは電力制限が厳しめに設定されると思いますし、デスクトップ向けが上回るのではないかと予想しています。ただ、15W制限下でもターボブーストがしっかり効くなら、モバイル向けが上回る可能性もあると思います。この辺りは実際に搭載機種が発売されないと分からないですね。

また、Eコアが4つあるとはいえPコアがたった1つで電力制限の厳しい8505と、Eコアが無いとはいえ一応Pコアは2つあり、電力制限に余裕があるG7400では実際に高負荷処理を実行したときにどちらの方が早く処理が終わるのかも気になるところです。

表を見ると分かる通り、Pentiumはモバイル向けとデスクトップ向けで全く性格が違うのが面白いです。堅実なデスクトップ向け、尖っているモバイル向けと言う感じがします。実性能がどうなるか楽しみです。

3.Pentium Gold G7400の特徴

利点と活用方法

Pentium Gold G7400は従来よりも大幅に性能が上がっていて、なおかつ電力効率も上がっているので以前の世代よりも使いやすくなったと言えます。

G7400はPBPが46Wとなっており、省電力性が高くなっています。そもそも6コアのCore i5-12400すらピーク時90W程度で済むので実際に46Wも使うシーンは中々ないと思います(CINEBENCH R23実行時ですら46Wにはならないと思います)。発熱もかなり穏やかなものになると予想されますので、騒音を出来る限り出さないPCを自作したい場合にはPentiumは選択肢の一つに入ると思います。

またAlder Lake版DeskMini(まだアナウンスされていませんが、登場することを期待しています)の様な小型デスクトップPCのベアボーンキットがもし登場すれば、それに組み合わせることも出来るようになると思います。

弱点

ただ、プラス8000円程度でCore i3-12100が買えてしまうのが弱点です。しかも内蔵グラフィックスのないCore i3-12100Fとは3500円程度の差しかないので、グラフィックスカードを持っている人ならCore i3を買った方がお買い得です。

またEコアが搭載されておらずPコアも2コアしかない点や内蔵グラフィックスが16EUに落とされている点も、上位モデルと比べると気になってしまいます。

Pentium Gold G7400の特徴のまとめ

PentiumはCore i3以上との性能差が大きい点がどうしても目立ってしまいます。それでいて価格差がそこまで大きくないのが最大の弱点と言えます。とはいえ今世代のPentiumは演算性能が大幅に向上しており一般用途に使うには十分な性能を持っていますので、予算を抑えてPCを組む場合には有力な選択肢になると言えるのではないでしょうか。

ただ、現在は在庫がまだ潤沢でない点や、マザーボードの価格が落ち着いていない点も弱点になっていますので、その点には注意が必要でしょう。

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4.関連リンク

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