
DellのノートPC「XPS 14 (DA14260)」の実機レビューです。2025年のブランド再編で一時的に消えかけたXPSブランドですが、2026年にファンの期待に応える形で復活しました。ウインタブでXPSの実機レビューをするのは3年半ぶりですが、以前は「XPSは世界で一番美しいノートPC」と思っていたので、今回レビューできることを楽しみにしていました。
なお、このレビューはDellよりレビュー機の貸し出しを受け実施している「アフィリエイト広告」です。
・Core Ultra X7 358Hが素晴らしい!
・アルミ削り出しの高級感ある筐体
・輝度が高く、発色品質の高いディスプレイ
・超個性的で使いやすいキーボード
ここはイマイチ
・モバイルノートとしてはやや重い
目次
1. スペック
スペック表
| 項目 | 仕様 |
| OS | Windows 11 Home/Pro |
| CPU | Intel Core Ultra 5 325 Core Ultra X7 358H |
| RAM | 16GB/32GB/64GB (LPDDR5x, 7467MT/s) ※32GB/64GBはLPDDR5x, 9600MT/s |
| ストレージ | 512GB/1TB/2TB/4TB SSD (M.2 PCIe NVMe) |
| ディスプレイ | 14インチ (1,920×1,200) 14インチOLED (2,880×1,800)タッチ |
| 無線通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0 |
| ポート類 | USB Type-C (Thunderbolt 4)×3 オーディオジャック |
| カメラ | Webカメラ (8MP/1080p)顔認証対応 |
| バッテリー | 70Whr |
| サイズ | 309.52×209.71×15.2 mm ※OLEDモデルは厚さ14.62 mm |
| 重量 | 1.38 kg ※OLEDモデルは1.36 kg |
バリエーションモデル
XPS 14は注文の際にシステム構成をカスタマイズすることができます。レビュー機のシステム構成は下記のとおりです。
OS:Windows 11 Home
CPU:Core Ultra X7 358H
RAM/SSD:32GB/512GB
ディスプレイ:14インチ (1,920×1,200)
2. 外観と使用感
ACアダプター

ACアダプターは出力が100Wと大きめです。これは搭載CPUのCore Ultra X7 358Hのターボパワー時出力80Wをカバーできる仕様と言えます。電源ケーブル込みの実測重量は333 gとやや重いです。
天板と底面

天板です。筐体は「上質な削り出しアルミニウム」と開示されており、歴代XPSシリーズと同様に質感の高いものになっています。筐体色は「グラファイト」という濃いグレーでカラーバリエーションがなく、この色しか選べません。

底面です。非常にシンプルなデザインで、画像下部 (ヒンジ側)に通気口が、左右にスリット状のスピーカーグリルがあります。XPS 14は10W出力のクワッド (4)スピーカーを搭載しています。
側面

前面

背面
前面と背面です。ポート類やボタン類はありません。思っていたよりも角ばった形状だと感じました。

右側面

左側面
左右の側面です。XPS 14のポートは右側面にUSB Type-C (Thunderbolt 4)とイヤホンジャック、左側面にUSB Type-C (Thunderbolt 4)×2のみです。高規格ですが、HDMIやUSB Type-Aがありませんので、手持ちの周辺機器との互換性を確保するために小型のハブやドッキングステーションが必要になるケースが出てくるかもしれませんね。
ディスプレイ

XPS 14は2種類のディスプレイを選べます。2,880×1,800解像度の有機ELパネルでタッチ対応し、100%DCI-P3の色域に対応するものと、1,920×1,200解像度の液晶でタッチ対応せず、100%sRGBの色域に対応するものです。どちらのディスプレイもリフレッシュレートは最大120Hzです。
レビュー機のディスプレイは1,920×1,200解像度の液晶パネルのものでした。「非光沢」と開示されていて、確かに映り込みは気にならないのですが、ちょっと見た感じだと光沢タイプに近く、画面が鮮やかに感じられました。100%sRGBと開示されている通り発色品質は高く、また輝度も最大500 nitなので明るさも十分です。
キーボード

XPSシリーズの最大のデザインアクセントはキーボードですね。このようにタッチパッドが見えません。ただし、タッチパッドはしっかりついており、パームレストとタッチパッドの境目が見えない、というだけなのでご安心くださいw

横から見るとタッチパッドとパームレストの境目がうっすらと見えます。また、キーボード (キートップ)は「ゼロラティス (キーとキーの間に隙間がない)」で、これも特徴的です。精密な測定器具がないので推測になりますが、この画像を見る限りキートップにはわずかなくぼみがつけられているようです。
キーピッチは横19.05 mm、縦18.05 mmと標準的ですが、ゼロラティスのため、キートップのサイズは大きめです。当初「デザイン優先で、ちょっと使いにくいのでは?」と思いましたが、そんなことはありませんでした。
配列は素直な部類だと思いますし、タイピング音は静かでSpaceキーなどの大きなキーの音も抑えられています。また、タッチパッドが見えないことも実用上の問題は感じませんでした。キーストロークはやや浅めと感じられたものの、打鍵感は気持ちのいいもので、長時間のテキスト入力も快適にこなせました。
この記事の公開前に他の方のレビューを見たところ「ゼロラティスキーボードは誤操作しやすく使いにくい」というものがありました。キーボードの使用感にも個人差はあると思いますが、ウインタブとしては「そんなことは1ミリもなかった」と言っておきます。
ヒンジ開口

ヒンジを最大開口したところです。最近よく見る「水平位置 (180度開口)はしません。
スピーカー/カメラ/マイク
スピーカー
XPS 14は「Waves MaxxAudio」という音響システムを搭載しています。しかしユーザーが細かく音質を調整できる機能はありません。ハードウェアとしては「クワッド スピーカー設計(3 Wメイン x 2チャネル + 2 W Tweeter x 2チャネル = 合計10 Wのピーク出力)」と、凝った仕様になっています。
動画や音楽の視聴をしてみたところ、音質は素晴らしいと評価します。低音から高音までクリアに聞こえ、音圧も感じられました。ノートPC用のスピーカーとしてはトップクラスの品質だと思います。
カメラ

XPS 14はCore Ultraシリーズ3を搭載するCopilot+ PCなので、Windowsスタジオエフェクトが使えます。ただし、先日レビューをしたZenbook SORA 16 (Snapdragon X2 Elite Extreme搭載)と比較すると機能は少ないです。というか、最近はCopilot+ PCでなくともNPUを内蔵するCPUを搭載する製品であればXPS 14とほぼ同等の機能が使えることが多いです。
カメラ画質は高いです。家族とWebミーティングをしてみましたが、「すごくきれい!」と言われました。
マイク
マイクに関してもユーザーが調整できる機能は見当たりませんでしたが、ノイズキャンセリング機能は搭載されており、マイクテストでは拍手の音、机をたたく音をしっかり消してくれました。
3. 性能テスト
ベンチマークテスト
ベンチマークテストの実施にあたり、付属のACアダプターを使ってレビュー機を電源に接続し、アプリ「MyDell」の電源設定を「ウルトラパフォーマンス」にして測定しました。
ウインタブでCore Ultraシリーズ3 (Panther Lake)搭載機をレビューするのはこれで2度目です。前回はCore Ultra 7 355を搭載するMSI Prestige 14 AI+ D3Mでした。XPS 14はより高性能なCore Ultra X7 358Hを搭載しており、特に内蔵GPUのIntel Arc B390の実力には期待していましたが、期待以上の結果になったと思います。
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PCMarkのスコアです。ビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。ウインタブが最も重視しているテストです。
参考1(外部GPU非搭載機):
Core Ultra 7 355:8,254
Core Ultra 9 185H:8,099
Ryzen AI 9 365:7,896
Ryzen AI 7 350:7,791
Ryzen AI 9 HX 370:7,511
Core Ultra 7 258V:7,527
Ryzen 7 8845HS:7,446
Ryzen 9 8945HS:7,110
Ryzen 9 PRO 6950H:6,987
Ryzen 7 8840U:6,949
Ryzen 7 PRO 6850H:6,858
Core Ultra 7 155H:6,849
Ryzen AI 5 340:6,767
Ryzen 5 8645HS:6,708
Core 7 150U:6,700
Core i9-13900H:6,542
Core Ultra 5 135H:6,485
Core Ultra 7 255U:6,404
Core Ultra 7 155U:6,392
Core Ultra 5 125U:6,376
Core i9-13900HK:6,344
Core Ultra 5 225U:6,334
Ryzen 5 7535U:6,021
参考2 (外部GPU搭載機)
Core Ultra 9 275HX/RTX5070:9,120
Core i9-13980HX/RTX4090:9,187
Core i9-13980HX/RTX4080:8,981
Core i7-13700HX/RTX4070:8,057
ウインタブでは直近、外部GPU搭載のゲーミングノートPCをレビューしておらず、最新CPU+最新GPU搭載機のスコアがありませんが、その前提で言うと「過去最高のスコア」となりました。PCMark 10はどちらかというとCPU性能が重視されるテストではありますがグラフィック系のシミュレーションも含むため、GPU性能も影響します。上でも書きましたが、Core Ultra X7 358HはGPUにIntel Arc B390を内蔵しており、PCMark 10のテスト項目に含まれる画像加工などの比較的ビジネス寄りで軽量なグラフィック処理には十分な実力を発揮できるということでしょう。また、GeForce RTX50シリーズのような非常に高性能なGPUにとって、PCMark 10のグラフィック系項目は「負荷が軽すぎて真価が出ない」のかもしれません。

CPU性能を測定するCINEBENCHです。ウインタブではCINEBENCH 2024の過去データが多数あり、CINEBENCH 2026についてはASUS Zenbook SORA 16(Snapdragon X2 Elite Extreme搭載)およびMSI Prestige 14 AI+ D3M (Core Ultra 7 355搭載)のレビューで測定しています。
CINEBENCH 2024の過去データ (一部抜粋):
Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100:147、1,622
Core Ultra 9 275HX:132、2,094
Core i7-14700:122、1,177
Core Ultra 7 258V:121、676
Core i9-13900HK:117、827
Core i9-13900H:117、687
Core i7-14650HX:115、1,244
Core Ultra 7 355:115、552
Ryzen AI 9 HX 375:114、1,144
Ryzen AI 7 350:114、878
Core Ultra 9 185H:111、910
Ryzen AI 9 HX 370:110、942
Ryzen AI 9 365:109、1,008
Snapdragon X Elite:108、1,038
Snapdragon X Plus X1P-42-100:108、754
Core Ultra 7 155H:105、964
Core Ultra 7 155U:101、533
Core Ultra 7 255U:101、516
Core Ultra 5 225U:98、482
Core Ultra 5 125U:95、533
Core Ultra 5 125H:95、516
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
CINEBENCH 2026の過去データ:
Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100:618、6,689
Core Ultra 7 355:469、2,190
過去データで際立つのはSnapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100で、これと比較するとXPS 14が搭載するCore Ultra X7 358Hのスコアは見劣りします。しかし、Core Ultra シリーズ2のLunar LakeやArrow Lakeを凌ぎ、マルチスレッド (マルチコア)性能ではRyzen AI 300 (Strix Point)よりも低めではありますが、全体としてかなりの高水準です。

グラフィック性能を測定する3DMarkのスコアです。
参考1(外部GPU非搭載機):
Core Ultra 7 258V:4,397、8,611、35,677
Core Ultra 9 185H:4,143、8,223、31,710
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 365:3,895、8,885、34,303
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 135H:3,454、7,235、24,791
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Ryzen 9 8945HS:3,282、7,893、31,591
Ryzen AI 7 350:3,268、6,991、28,542
Core Ultra 7 355:3,224、6,391、29,902
Ryzen 7 8840U:2,943、7,206、27,471
Ryzen 5 8645HS:2,437、6,253、24,401
Core Ultra 7 255U:2,430、4,916、20,096
Core Ultra 5 225U:2,372、4,897、20,396
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Ryzen AI 5 340:2,123、5,159、22,941
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core 7 150U:1,512、4,138、14,563
Core i5-1334U:1,386、3,672、13,157
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア
参考2 (外部GPU搭載機):
Ryzen 7 8845HS/RTX4060:10,138、22,587
Ryzen 7 6800H/RTX3060:9,359、21,320
Core i7-13620H/RTX4050:9,087、20,397
Core i9-13900H/RTX4060:9,013、20,391
Ryzen 7 5900HX/RTX3050:4,470、9,640
※左からTime Spy、Fire Strikeのスコア
3DMarkのスコアは外部GPU非搭載のノートPCとしては過去最高、外部GPU搭載機と比較しても、少なくともGeForce RTX 3050搭載機よりは上です。ただし、ウインタブの過去データを見る限り、少し古いCPUを搭載するRTX 4050のスコアには及びません。
これを見ると、モンハンワイルズのような新しく、かつ高負荷なゲームをプレイするのは厳しそうですが、やや古めのゲームタイトルであるとか負荷がそんなに大きくないゲームタイトルであれば余裕でプレイできそうですね。

SSDの読み書き速度を測定するCrystalDiskMarkのスコアです。PCIe 4.0✕4接続のSSDとして高速な部類かと思いますし、ビジネスノートPCとしては文句なしの速度になっていると思います。
バッテリー駆動時間
Windowsの電源モード「最適な電力効率」に、MyDellアプリの設定を「静音」に、キーボードバックライトをONに、ディスプレイ輝度を70%に、音量を30%にして、下記の操作をしました。
画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を約20分
ブラウザー上でYouTubeの動画・音楽視聴を約25分
ブラウザー上でテキスト入力を約20分
上記トータルで約65分使用し、バッテリー消費は7%でした。単純計算だと1時間当たり約6.5%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は約15時間20分程度となります。XPS 14のバッテリー容量は70Whと、一般的なモバイルノートよりも大きめではありますが、それにしても「驚異的なバッテリー持ち」だと思います。
Core Ultraシリーズ3搭載機に関して、MSI Prestige 14 AI+ D3M (Core Ultra 7 355搭載)のレビューでも「約14.7時間」という結果になっていましたので、バッテリー持ちについては「極めて優秀」と評価していいと思います。
4. レビューまとめ
Dell XPS 14 (DA14260)はDell公式サイトで販売中で、5月4日現在の価格は320,600円から、となっています。今回のレビューで使用した「Windows 11 Home/Core Ultra X7 358H/RAM32GB/SSD512GB/1,920×1,200ディスプレイ」のモデルの価格は443,800円です。
筐体のデザインや質感は素晴らしく、特にキーボード周りのデザインは「さすが!」と感じられる個性的かつ美しいものでした。また、レビュー機はCore Ultra X7 358Hを搭載していたため、各種ベンチマークテストの数値も、とても外部GPUを搭載していないノートPCとは思えない、高いスコアをマークしました。それだけでなく、バッテリー持ちも従来のIntel/AMD CPU搭載機と比較して「異次元」レベルでした。
あとは「個性的」と評したキーボード周りのデザインが気に入るかどうか、という点と、1.36 kgという、モバイルノートPCとしてはやや重い筐体をどう評価するかでしょう。ちなみにワンサイズ小さい13インチ級の「XPS 13」は「開発中」と伝えられているものの、5月4日現在まだ発表・発売されていませんので、このXPS 14が現状購入しうる最小サイズのXPS 2026年モデルということになります。
最低価格が30万円を超える、Dellのハイエンド・モバイルノートです。もちろん価格に見合う品質・性能の製品であることは間違いないと思います。
5. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
▶ サイト紹介・ウインタブについて




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