
MSIのノートPC「Prestige 14 AI+ D3M」の実機レビューです。CPUにCore Ultraシリーズ3 (Panther Lake)を搭載するCopilot+ PCで、ディスプレイにも有機ELパネルを採用、ビジネスモバイルノートとして非常に魅力的なスペックの製品です。
なお、このレビューはMSI Japanよりレビュー機の貸し出しを受け、実施しています。
・Core Ultraシリーズ3 (Panther Lake)搭載のCopilot+ PC
・RAM32GB/SSD1TBと十分な容量
・発色が美しい有機ELディスプレイ
・バッテリー駆動時間が長い
ここはイマイチ
・モバイルノートPCとしてはやや大きめ
目次
1. スペック
スペック表
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home / Pro |
| CPU | Core Ultra 7 355 / Core Ultra X7 358H |
| RAM | 32GB (LPDDR5X, オンボード) |
| ストレージ | 1TB SSD(M.2 NVMe) |
| ディスプレイ | 14インチOLED (1,920×1,200) 60Hz |
| 無線通信 | Wi-Fi 7(11be)、Bluetooth 6.0 |
| ポート類 | USB Type-C (Thunderbolt 4)✕2 USB 3.2 Gen2 Type-A✕2、HDMI オーディオジャック |
| カメラ | Webカメラ (207万画素) 顔認証対応 |
| バッテリー | 81Whr (動画再生 最大約19時間) |
| サイズ | 315.6✕221.9✕13.9mm |
| 重量 | 1.32 kg |
バリエーションモデル
Prestige 14 AI+ D3M (クラムシェルノート)
・D3MG-2611JP:Pro/Core Ultra X7
・D3MG-2619JP:Home/Core Ultra 7/Office
※レビュー機はD3MG-2619JPです
2. 外観と使用感
ACアダプター

ACアダプターはノートPC用でよくある「ACアダプター+電源ケーブル」ではなく、ケーブルが一体化し、アダプターから直接コンセント (プラグ)が生えている構造でした。出力は65Wで実測重量はご覧の通り184 gと軽量です。
天板と底面

天板です。筐体はアルミ合金製で筐体色はプラチナグレイです。この画像だとやや白っぽく見えますが、実際にはわずかにゴールドが混ざった感じの色味でした。エッジ部分が丸みを帯びた形状で手触りも良好です。天板にはMSIビジネスPC向けの「新ロゴ」が描かれています。このロゴの実物を見るのは私も初めてです。

底面です。画像下部左右にスピーカーグリルがあります。Prestige 14 AI+ D3Mは2スピーカー+2ウーファーを搭載しています。
側面

前面です。こちらにはポート類やボタン類はありません。このアングルから見ると筐体のエッジ部分が丸みを帯びているのがわかります。

背面には通気口があります。また上部の左右に突起がありますが、これはPrestige 14 AI+ D3Mのヒンジが180度開口するため、開口時に天板の傷つきを防止するための保護材です。

左側面です。画像左からHDMI、USB Type-C (Thunderbolt 4)×2があります。また、この製品にはDC-INジャックはなく、この2つのType-Cポートのいずれかを使って充電/給電します。

右側面にはイヤホンジャックと3.2 Gen2 Type-A✕2があります。薄型ノートながらUSBポートは合計で4つ、HDMIポートもついていますので、使い勝手は良いと思います。
ディスプレイ

ディスプレイは14インチで解像度は1,920×1,200、パネルは有機ELです。色域は「DCI-P3相当」と開示されており、非常に美しい発色です。また、アプリ「MSI Center S」で「sRGB、AdobeRGB、DisplayP3、動画、オフィス、ブルー軽減」に色味を変更することができます。

昔は「有機ELパネルは焼付きが心配」などと言われていましたが、ASUSやMSIでは有機ELパネルの保護機能も搭載しています。
キーボード

キーボードは「シングルカラーバックライト内蔵テンキーレス日本語キーボード」と開示されています。アルファベットキーのキーピッチは手採寸で約19 mmと余裕があり、キーストロークはノートPC用としては若干深めくらいです。
タイピング音は静かな部類ですが、Spaceキーはちょっと大きめな音が出ます。押下圧はやや大きめ (ちょっと重いという意味です)で感触は良く、長時間のテキスト入力も快適にこなせました。
Prestige 14 AI+ D3Mは「アクションタッチパッド」を搭載しており、アプリ「MSI Center S」で設定のカスタマイズが可能です。
ヒンジ開口

Prestige 14 AI+ D3Mはヒンジが180度 (水平位置)まで開口します。この構造だとビジネスミーティングなどで向かい側にいる人と画面共有がしやすくなります。
スピーカー/カメラ/マイク
アプリ「MSI Center S」にはAIゾーンというメニューがあります。現状オンデバイスAI、というかNPU内蔵のメリットが生きる部分としてノイズキャンセリングとカメラエフェクトなどが挙げられると思いますが、Prestige 14 AI+ D3MにはAI LANマネージャー、スマートブライトネス、スマートガードといった独自機能もあります。
これはWindowsスタジオエフェクトの設定画面です。自動フレーミングやアイコンタクトといったAI機能が使えます。ただ、先日レビューしたASUS Zenbook SORA 16よりは項目数が少ないです。
スピーカーとマイクのノイズキャンセリングもMSI Center Sで行います。マイクについてはスタンダード、Studio EQ、会議の最適化といった選択項目もあります。

音響システムはDTS Audio Processingです。内蔵スピーカーでしばらく音楽を聴いてみましたが、低音から高音までクリアな音質で、見かけによらず低音もしっかり再現されました。ノートPC用スピーカーとしてはかなり高品質だと思います。
3. 性能テスト
ベンチマークテスト
ベンチマークテストの実施にあたり、レビュー機を純正ACアダプターで電源に接続し、MSI Center Sのユーザーシナリオを「Performance Boost」に、Windowsの電源設定を「最適なパフォーマンス」にしました。
表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PCMarkのスコアです。ビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。ウインタブが最も重視しているテストです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 9 185H:8,099
Ryzen AI 9 365:7,896
Ryzen AI 7 350:7,791
Ryzen AI 9 HX 370:7,511
Core Ultra 7 258V:7,527
Ryzen 7 8845HS:7,446
Ryzen 9 8945HS:7,110
Ryzen 9 PRO 6950H:6,987
Ryzen 7 8840U:6,949
Ryzen 7 PRO 6850H:6,858
Core Ultra 7 155H:6,849
Ryzen AI 5 340:6,767
Ryzen 5 8645HS:6,708
Core 7 150U:6,700
Core i9-13900H:6,542
Core Ultra 5 135H:6,485
Core Ultra 7 255U:6,404
Core Ultra 7 155U:6,392
Core Ultra 5 125U:6,376
Core i9-13900HK:6,344
Core Ultra 5 225U:6,334
Ryzen 5 7535U:6,021
外部GPUを搭載しないノートPCでは過去最高のスコアとなりました。レビュー機が搭載するCore Ultra 7 355というのは8コア (4P+4LPE)8スレッドで、Core Ultraシリーズ3 (Panther Lake)の中ではどちらかと言うと省電力タイプの型番なのですが、それでも「新世代らしい」スコアになったと思います。

グラフィック性能を測定する3DMarkのスコアです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 7 258V:4,397、8,611、35,677
Core Ultra 9 185H:4,143、8,223、31,710
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 365:3,895、8,885、34,303
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 135H:3,454、7,235、24,791
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Ryzen 9 8945HS:3,282、7,893、31,591
Ryzen AI 7 350:3,268、6,991、28,542
Ryzen 7 8840U:2,943、7,206、27,471
Ryzen 5 8645HS:2,437、6,253、24,401
Core Ultra 7 255U:2,430、4,916、20,096
Core Ultra 5 225U:2,372、4,897、20,396
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Ryzen AI 5 340:2,123、5,159、22,941
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core 7 150U:1,512、4,138、14,563
Core i5-1334U:1,386、3,672、13,157
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア
3DMarkのスコアはPCMarkのスコアに比べて「ちょっと微妙」です。前世代のCore Ultraシリーズ2と比較すると「Lunar Lake (Core Ultra 7 258V)、Arrow Lake-U (Core Ultra 7 255Uなど)よりは高め」と言えます。また、Arrow Lake-Hについては過去データがありませんがCore Ultra シリーズ1のH型番 (Meteor Lake-H、Core Ultra 7 155Hなど)よりは低めです。
Core Ultraシリーズ3でも、Core Ultra X7 / X9だと内蔵GPUにIntel Arc B390という非常に高性能なものを搭載していますので、これよりもはるかに高いスコアになると思われますが、レビュー機のCore Ultra 7 355はIntel ArcではなくIntel Graphicsが内蔵GPUとなり、前世代から性能が上がっているものの、前世代のIntel Arc iGPUよりは少し見劣りするのかな、と思います。

CPU性能を測定するCINEBENCHです。ウインタブではまだCINEBENCH 2026のデータが少ないので、ここではCINEBENCH 2024の過去データと比較をしてみました
CINEBENCH 2024の過去データ (一部抜粋):
Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100:147、1,622
Core Ultra 9 275HX:132、2,094
Core i7-14700:122、1,177
Core Ultra 7 258V:121、676
Core i9-13900HK:117、827
Core i9-13900H:117、687
Core i7-14650HX:115、1,244
Ryzen AI 9 HX 375:114、1,144
Ryzen AI 7 350:114、878
Core Ultra 9 185H:111、910
Ryzen AI 9 HX 370:110、942
Ryzen AI 9 365:109、1,008
Snapdragon X Elite:108、1,038
Snapdragon X Plus X1P-42-100:108、754
Core Ultra 7 155H:105、964
Core Ultra 7 155U:101、533
Core Ultra 7 255U:101、516
Core Ultra 5 225U:98、482
Core Ultra 5 125U:95、533
Core Ultra 5 125H:95、516
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
シングルコア (シングルスレッド)のスコアは非常に高く、一方で8コア/8スレッドということもあり、マルチコア (マルチスレッド)のスコアは低めです。

SSDの読み書き速度を測定するCrystalDiskMarkのスコアです。PCIe 4.0✕4接続のSSDとしては妥当、そしてビジネスノートPCとしては非常に高速でもあります。
バッテリー駆動時間
MSI Center Sのユーザーシナリオを「エコサイレント」、Windowsの電源設定を「最適な電力効率」、ディスプレイ輝度を70%、音量を30%、キーボードバックライトをオン (3段階あるうちの最も暗いもの)にして、下記の作業をしました。
画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を約35分
ブラウザー上でYouTubeの動画視聴・音楽鑑賞を約30分
ブラウザー上でテキスト入力を約15分
上記トータルで約80分使用し、その間のバッテリー消費は9%でした。単純計算だと1時間あたり約6.8%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は約14.7時間となります。これ、異様にバッテリー持ちが良いです。そのため後日再度同様の測定をしてみましたが、結果は大差ありませんでした。Core Ultraシリーズ3のバッテリー持ちは素晴らしいですね!
4. レビューまとめ
MSI Prestige 14 AI+ D3M (D3MG-2619JP)はMSIストアやPCショップアーク (MSI公認サポート店)で販売中で、4月27日現在の価格は278,800円です。Core Ultra 7 355/RAM32GB/SSD1TB/有機ELディスプレイというシステム構成で重量は1.32 kgとやや重いですが、そのぶんディスプレイも大きめでとても使いやすいモバイルノートだと思います。
現状、RAMやSSDの容量に余裕を持たせようとすると価格が一気に跳ね上がってしまいますが、この製品は最初からRAM/SSDの容量が十分確保されていますので、決して割高とは感じられませんね。
5. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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