
ウインタブでは様々な製品の実機レビューをしています。中でもWindowsのノートPCとAndroidのタブレットのレビュー数が多いです。AndroidタブレットにはSamsungのGalaxy Tab S11やXiaomi Pad 8 Proなど、極めて高性能でお値段も張る製品がありますが、ウインタブがもっぱらレビューしているのは中国メーカーの低価格帯タブレットです。
これらの製品はAmazonで1万円台から手に入るので、購入のハードルは高くありません。しかし、「買うのはいいけど、何に使うのか?」「手元にPCとスマホがあればタブレットは不要なのでは?」という疑問もありますね。
「Androidタブレットとの付き合い方」のひとつとして、「ノートPCの代替」というのがあります。この記事ではタブレットにキーボードとマウスを接続し、「ウインタブの記事執筆」を完結できるか試してみました。
使用機材
タブレット

この企画 (記事)の主役となるAndroidタブレットは「ALLDOCUBE iPlay 70 Pad Pro」です。12.1インチとやや大型で2,560✕1,600と高い解像度のディスプレイを搭載し、キーボードとマウスを接続して使う際に便利な「デスクトップモード」にも対応しています。搭載SoCはHelio G100で、Antutu Ver. 11のスコアは約54万点と、ゲーム用としてはやや非力なものの、オフィスワークには「十分使える」性能だと思います。
キーボード

ALLDOCUBE iPlay 70 Pad Proのレビューでは純正のキーボードカバーも一緒に使いましたが、この企画ではサードパーティ製のキーボード「ロジクール MX KEYS MINI」を使用しました。特に深い理由はないのですが、純正キーボードが英語配列であったことと、純正キーボードが用意されているタブレット製品は数が少なく、サードパーティ製のキーボードで試すほうが読者にとってもイメージしやすいのでは?と考えたためです。
…いや本当は、この企画ってなにかとストレスがかかりそうな気がしたので、せめて日本語配列で気持ちよくタイピングできるMX KEYS MINIのほうが幾分かは安心、だと思いまして…。
マウス

ロジクールのMX Anywhere 3Sです。コンパクトマウスの上位モデルですね。この企画では「Bluetooth接続できればそれでOK」だったのと、企画上は脇役と言っていいであろうマウスに問題があると、記事の本旨から外れてしまう、ということで手持ちのマウスでは最優秀と言えるこの製品にしました。
アプリ等
ブラウザー
Android OSで文書作成などの仕事をする上でブラウザーの役割は非常に重要です。もっと言うと「Chromebookを例に挙げるまでもなく、できるだけブラウザー上で作業したい」ものです。
この企画ではGoogle Chromeを使いました。Android版のChromeは非常に優秀で、iPlay 70 Pad Proのような大画面デバイス (タブレット)で使用する場合、UIがほぼPC版Chromeと同じになります。厳密にはPC版Chromeから省略されている機能もありますが、ご覧の通り上部には「タブ」も表示されますし、WordPressに関しても私が常用している機能は問題なく使えました (おそらくプラグインなどで操作上の不具合が出るケースもあるのだろうと思います)。
ただし、ちょっと使いにくいところもあります。Chromeと他のアプリを同時に使用する場合、タスク (アプリ)の切り替えがしにくいんです。画面分割機能もありますが、ウインドウサイズの自由度が小さくて、個人的には仕事には使いたくないです。よって、タスクの切り替えではいったんホーム画面に戻らなくてはなりません。
上の画像で「3ボタンナビゲーション」にしていますよね?これはジェスチャーナビゲーションにしてしまうと「マウスとの相性が非常に悪い」ためです。
こちらはiPlay 70 Pad Proの目玉機能である「デスクトップモード」です。画面下にタスクバーが出ており、起動中のアプリアイコンが表示されています。この場合はタスクの切り替えは簡単ですが、よく見るとChromeの上部にタブがありません。デスクトップモードにするとChromeのUIがスマホ・小画面デバイス用になってしまいます (タブの切替方法はスマホと同じく、タスクバー右の数字アイコンをタップして行います)。
デスクトップモード (PCモード)での挙動は製造メーカーによって異なりますし、そもそもPCモードを実装しているタブレットのほうが少数派なので、これ以降はデスクトップモードではなく、通常モードを使いました。
画像加工アプリ
私、長年「自分がAndroid OS上でウインタブの記事を書く場合、最大のネックは『画像加工アプリ』である」と思っていました。しかし、最近素晴らしいアプリ (Webアプリ)を発見しました。
「Photopea」と言います。ブラウザー上でも動作します (Webアプリ)し、Androidアプリにもなっています。基本無料で、画面右にちょっと大きめの広告が表示されますが、「月8ドルもしくは年間50ドル」を支払えば広告が消え、5GBのクラウドストレージや所定のAIクレジットがもらえます。まあ、今回は無料の状態のままで使いました。
操作方法は私が常用している画像加工ソフト「GIMP」に比較的近く、個人的には「使いやすい部類」だと思いました。
Officeアプリ
Office系のアプリではWPS OfficeとMicrosoft Office Onlineを試しました。Android版のOfficeアプリ (Microsoft 365 Copilot)はディスプレイサイズが10.1インチ以上だとMicrosoft 365のサブスクリプションが必要なため、iPlay 70 Pad Pro (12.1インチ)では編集ができません (私はMicrosoft 365は解約済みです)。
Office系のアプリに関しては「比較的高水準の機能を使っている」ビジネスマンが多いのではないかと思います。VBAマクロとかピボットテーブルとかですね。Office OnlineではVBAは依然として使えませんがピボットテーブルは使えるようになりました (ただし、私は日常的にピボットテーブルを使っていないので、PC版Officeのピボットテーブルとの機能差については言及できません)。
これはOffice Onlineの画面です。この画面は「セルに数字を入力していき、フィルハンドルを使って下のセルに連続した数字を入力したもの (オートフィル)」です。関数についてもIFとかVLOOKUPなど、かつて私がよく使っていたものには対応していました。
以前は「Office Onlineなんて使い物にならない」と思っていましたし、今でもそう思っている読者の人も多いのではないかと思いますが、「かなり改善されている」と感じました。Office OnlineについてはMicrosoftアカウントがあればブラウザー上で手軽に試せますので、「自分にとって必要な機能」がカバーされているか確認してみてください。
一方、WPS Officeです。少なくともスプレッドシート (Excelに相当)は、個人的にはかなり厳しいと感じました。見た目はExcelそっくりなのですが、操作性がかなり大きく異なります。
これはWPS Officeでオートフィルを使おうとしたものです。Excelのオートフィルはセル右下の点 (フィルハンドル)をマウスでドラッグするだけですが、WPS Officeでは対象のセル群を選択した後、マウスの右クリックで「フィル」というのを選び、それからドラッグします。
これは一例に過ぎません。WPS OfficeはExcelとは操作性が異なる部分が多々あり、さらにセルに入力する際、必ず2バイト文字 (かな入力)になってしまいます (日本語IMEを使っている場合)。なので、数字の入力では「常に変換が必要 (2バイトで入力しても数字として認識されるので、実際には「入力と確定」で二度Enterを押さなくてはならない、という意味)」です。…ということで、少なくとも私はAndroid版のWPS Officeでスプレッドシートを使う気にはなれませんでした。
一方、この記事のトップ画像はWPS Officeのスライド (PowerPointに相当)を使っています。上にご紹介したPhotopeaで画像を加工し、それをスライドに読み込んで文字入れしました。本格的なプレゼンテーション資料はまだ試していません。
Office系アプリについては他にGoogleドキュメントや有償・無償のサードパーティーの互換アプリが多数ありますので、どれがベストなのか、ということは一概には言えません。今後も検証をしていきたいと思いますが、私自身は「ExcelやPowerPointをごくたまに使う程度」の使用頻度なので、実体験に基づく評価というのはなかなか難しいですし、「とりあえずOffice Onlineで十分なのでは?ブラウザー上で動かせるし」と思いました。
pCloud
私がメインに使っているクラウドストレージはpCloudです。pCloudにはAndroid用のアプリがあり、インストールしました。アプリのUIは悪くありませんが、保存しているExcelファイルなどをアプリ上でプレビューするとかなり画面が乱れてしまいますし、編集は別アプリ (WPS Officeなど)になってしまうので、編集が必要なものはローカルにダウンロードしてから使うのが現実的です。
アプリを入れておけば「Files (Windowsのエクスプローラー相当)」からのアクセスも可能なので、UIはWindowsと異なりますが、実用上は問題なく使えました。また、PhotopeaやOffice Onlineからのアクセスも問題ありませんでした。
感想 ー きつい…、しかし楽しい
実はこの記事はAndroidタブレットで執筆しています。Windows PCは一切使っていません。で、所要時間ですが、「体感的にはWindows PCの3倍の時間」がかかりました。ただし、使い物にならないということではなく、「Windowsとは微妙に、あるいは大きく異なるUIや機能に戸惑いながら、我慢してここまで来た」ということで、要するに「慣れていない」というのが理由です。
例えば画像加工アプリのPhotopeaは無料で使えるサービスとは思えないくらいの機能を備えていますが、操作性がGIMPと全く同じなはずもなく、「あれ?レイヤーの縮小ってできないのかな?(もちろん実際はできる)」とか、「画像の回転ができない! (もちろん実際はできる)」など、調べながら使っていたのでやたらと時間がかかり、かつイライラしてしまった、ということです。
ただね、私の仕事であればほぼ100% Androidタブレットでも代替可能であるとは言えると思います。あとは「慣れ」が必要なのと、Office系アプリなどでより使いやすいものを探すという「探究心」は必要かと思います。
…それと、なんだかんだ言いつつも「楽しい」というのはありますので、引き続きこの企画というか試みを継続していきたいです。あと10本くらいウインタブの記事を書いてみたら、もう少し違った景色が見えてきそうな気はします。それと、今回はZoomなどでのWebミーティングは試せていませんので、次回以降で他の機能も試し、ご報告したいと思います。
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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