
UGREENの「Maxidok 10-in-1 Thunderbolt 5 ドッキングステーション」の実機レビューです。製品名にある通り、Thunderbolt 5規格に対応する高性能なドッキングステーションで、これまた製品名にある通り「10-in-1」と多数のポートを備えています。
この製品のレビューをさせていただくのにあたり、「私はThunderbolt 5対応の機材を持っていない」という点が引っかかりました。実際、このレビューでThunderbolt 5ならではの速度や映像出力を体感することができませんでしたが、試用してみて「それでも買う価値はある」と思いました。
なお、このレビューはUGREENより機材のサンプル提供を受けて実施しています。
・Thunderbolt 5に対応
・10-in-1の他ポート構成、しかも高規格
・セルフパワー (140W)なので動作の安定性が高い
・ストレージの転送ロスが小さい
ここはイマイチ
・HDMIポートがない
1. スペック
スペック表
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| ポート | Thunderbolt 5×2 DisplayPort USB 3.2 Gen 2 Type-A×3 SDカードリーダー microSDカードリーダー LAN (RJ45) 3.5mm オーディオジャック |
| (うち映像対応) | Thunderbolt 5✕2 DisplayPort Windows: 1画面 8K@60Hz/2画面 6K@60Hz macOS: 1画面 8K@60Hz/2画面 6K@60Hz |
| (うちデータ) | Thunderbolt 5: 120Gbps×2 USB Type-A: 10Gbps×3 |
| 上流給電(ホスト向け) | 最大100W |
| 下流給電(デバイス向け) | 2×ThunderBolt 5 15W |
| 電源アダプタ定格 | 140W |
| イーサネット | 1GbE |
| SDカードリーダー速度 | 170MB/s |
| ストレージ用スロット | なし |
| サイズ | 152✕104✕31 mm (実測値) |
| 重量 | 753 g (実測値) |
Thunderbolt 5とは
| 規格名称 | 速度 | 映像出力 (Alt Mode) | 給電 (USB PD) |
| USB 3.2 Gen 1 | 5 Gbps | 製品による (必須ではない) | 製品による (必須ではない) |
| USB 3.2 Gen 2 | 10 Gbps | 一般的(必須ではない) | 一般的(必須ではない) |
| USB4 | 40 Gbps | ほぼ全製品 (必須ではない) | ほぼ全製品(最大240W) |
| Thunderbolt 4 | 40 Gbps | 必須(4K×2、8K×1) | 必須(最大100W) |
| Thunderbolt 5 | 80〜120 Gbps | 必須(4K×3、8K×2) | 必須(最大240W) |
最初に「規格」の話を。このようにThunderbolt 5はデータ転送では最大80Gbps (片方向だと最大120Gbps)もの速度を誇り、映像出力とUSB PDの性能もThunderbolt 4までの規格を大きく上回ります。
次にMaxidokが謳う性能について簡単にご説明します。
Thunderbolt 5は内部に4本のレーンがあり、1レーンあたり40Gbpsでデータを転送することができます。
通常時(双方向 80Gbps)
「送信に2本(80Gbps)」+「受信に2本(80Gbps)」を割り当てます。これが双方向(対称)モードです。
ブースト時(片方向 120Gbps)
高解像度モニターへの出力など、送信側に巨大なデータが必要な場合、受信用のレーンを1本借りてきます。
その結果、「送信に3本(120Gbps)」+「受信に1本(40Gbps)」という配分になります。
よって、上の表のとおり「80Gbps~120Gbps」という「幅」のある速度表記となります。Maxidokもこれにならった説明になっていますね。
Maxidokはセルフパワーのドッキングステーションなので、常時給電が必要です。付属のACアダプターの出力は140Wと大きいですが、最大100WでノートPCの充電/給電が可能です。ただし、Thunderbolt 5の規格上の充電能力は最大240Wなので、Maxidokの充電能力はThunderbolt 5の規格上限よりも低いという点にご注意ください。
こちらが映像出力の性能です。Windowsの場合、最大3画面出力が可能ですが、単一画面出力の場合はThunderbolt 4と変わりません。2画面以上に出力する場合に性能差が出ます。とはいえ、「4K2画面」までならいいとして、「8K2画面」とか「4K3画面」というのはゲーマーとかクリエイターの人を除けば「浮世離れしている」感もありますね。
実際のところ「Thunderbolt 5に対応するPCや周辺機器はまだ非常に数が少ない」です。少し確認してみたところ、MSI Raider 18やDell Alienware 18 Area-51などのハイエンドクラスのゲーミングノートで対応PCがあるくらいですね。(冒頭にも書きましたが)もちろん私の手持ちのデバイスでThunderbolt 5に対応するものは「ゼロ」ですし、読者の中でThunderbolt 5対応機種を持っている人はほとんどいないのではないか、と思われます。
この点を踏まえると、いまMaxidokを購入する意味はない、と思ってしまいますが、私の評価はそうではありませんでした。それを以下にご説明します。
2. 外観

同梱物です。意外と数が多いですね。右上がACアダプター、その下に3本の電源ケーブルがありますが、それぞれUSプラグ (日本のコンセントで使えます)、EUプラグ、UKプラグです。国内で使うぶんにはEUプラグとUKプラグは不要です。
左上が取扱説明書で、日本語を含む多言語で書かれています。ポートの規格・対応速度・対応電力などが書かれていますので、必要に応じて確認しましょう。左下が「各種認証の説明」および「フランス国内の法規制に基づく (と思われる)ペーパー」です。

上面

底面
上面と底面です。筐体素材は金属製でどっしりとした感触です。上面にはメーカーロゴのみ、底面には各種認証マークなどが記載されています。

前面です。画像左からUSB 3.2 Gen 2 Type-A×3、SDカードリーダー、microSDカードリーダー、そして電源ボタンがあります。

背面です。左からUSB Type-C (Thunderbolt 5)、DisplayPort、有線LANポート、DC-INジャック、セキュリティロックスロットがあります。

左側面です。右側面の画像は掲載しませんが、左右側面ともポート類やボタン類はありません。

本体から生えているUSBケーブル Type-Cケーブルです (着脱はできません)。このケーブルはPC (母艦デバイス)との接続用なので、当然Thunderbolt 5規格に対応しており、ケーブルの太さもかなりのものです。
3. 使用感

Maxidokを手持ちのノートPC「Lenovo ThinkPad X13 Gen 4」に接続してみました。また、下記の通りMaxidokに周辺機器 (端子)を接続してみました。
・27インチ4K (3,840×2,160)解像度のモニター
・M.2 2280 の外付けSSD(NVMe)
・microSDカード (UHS-I Class10、最大読出速度100MB/s)
・USBキーボード
・有線LANポート
・MaxidokからThinkPadへの充電
なお、キーボードについては「動作して当たり前」なので、ここでは触れません (ちゃんと動作しましたw)。
まず、映像出力ですが、接続したモニターの仕様上限値 (3,840×2,160解像度、リフレッシュレート60Hz)での出力ができました。Thunderbolt 4接続でも4K解像度・リフレッシュレート120Hzの出力が可能ですが、接続したモニターが120Hzには対応していないので、この画像の出力内容で限界です。
ただ、ここで気づいた点があります。「MaxidokにはHDMIポートがない」という点です。私は「USB Type-C – DisplayPort」のケーブルを持っているので、それを使いましたが、まだHDMIでモニター接続をしている人は多いと思いますので、この点はご注意ください (場合によっては対応ケーブルを購入する必要があります)。

CrystalDiskMarkでmicroSDカードの速度を測定してみました。KIOXIA EXCERIA、メーカー公称の最大読出速度は100 MB/sという製品ですが、このスコアは「極めて優秀」だと思います。microSDカードが未使用の新品であったことも要因かもしれませんが、Maxidokの品質も非常に高いと言っていいでしょう。

次にSSDのスコアです。私が使った外付けSSDはNVMe規格でメーカー公称の速度は最大1,000MB/sなのですが、「Thunderbolt/USB4には対応していない」とのことなので、USB 3.2 Gen 1規格でのスコアになりました。USB 3.2 Gen 1 (5Gbps)の理論上限値は625MB/sですが、オーバーヘッド (制御データ等)を除いた実効速度は通常 440〜460MB/s 程度とされていますので、ここでもほぼ満点の速度が出たと思います。

これ、有線LANの速度です。「遅え~」と思われますよね。でも、私の自宅の光回線だと「こんなもん」です。ちなみにメインで使っているデスクトップPCで同様のテストをしたところ、ほとんど同じ数値だったので、少なくとも「ただでさえ遅い私の自宅のネット回線はMaxidokを接続してもほとんどロスがないので、非常にありがたい」ということは言えます。
充電についてはノートPCで最大52Wで充電されることを確認しました。ただ、ノートPCの充電に関してはPC側でかなり高度な制御を掛けており、Maxidokのメーカー公称値最大100Wというのは確認ができませんでした。
最後に、私の「体感」を書きます。これまで述べてきた通り、Thundebolt 5に対応していないPCにそれほど高規格ではない周辺機器を接続して試してみましたが、完全に「期待していた通り」の性能が発揮されたと思いますし、「140Wのセルフパワー」ということで動作が非常に安定していたと感じます。電源に接続している限り (というか電源に接続しないと使えないんですけど)、各種の機能は余裕を持って動作すると考えていいでしょう。
Thunderbolt 5に対応していないデバイスであっても、Maxidokを使うメリットはしっかり感じられると思います。
4. レビューまとめ
UGREEN Maxidok 10-in-1 Thunderbolt 5 ドッキングステーションはAmazonで販売中で、4月27日現在の価格は27,923円です。
ノートPCユーザーがドッキングステーションを使用するメリットは非常に大きい、というのがウインタブの見解です。「外出先ではノートPCを使い、自宅や事務所ではノートPCにモニターやキーボード、有線LANケーブルなどを接続してデスクトップPCのようにして使う」場合、ドッキングステーション側に周辺機器をすべて接続しておけば、あとはPCとドッキングステーションをケーブル一本で繋ぐだけでデスクトップPC的な環境が出来上がるので非常にラクです。
ドッキングステーションは数千円で購入できるバスパワー (ドッキングステーション本体への給電が不要)でコンパクトかつ安価なものもありますし、Maxidokのようにセルフパワーで大型、かつ値の張るものもあります。コンパクトで安価なドッキングステーションが悪いということはありませんが、バスパワーの場合、複数のポートを同時に使うとうまく動作しないケースもありますし、セルフパワーの製品に比べどうしても安定性が低くなります。よって、自宅や事務所などでたくさんの周辺機器を同時に接続し、安定した作業をするのであればセルフパワーの製品のほうが安心です。
今回のレビューではMaxidokのセールスポイントである「Thunderbolt 5の実力」を試すことができませんでした。しかし、Thunderbolt 4接続でも、140Wで動作することによる安定性やストレージの速度ロスの小ささなどは実感できました。価格は決して安くはありませんが、それだけの価値のある製品だと思います。
5. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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