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定格で最大5.5GHzのデスクトップ向けCPU、Core i9-12900KSのスペックの詳細と考察

Core i9-12900KS
こんにちは、近郊ラピッドです。最近Intelがデスクトップ向けAlder Lakeの中でも特にハイエンドのモデルとなるCore i9-12900KSの発売日や詳細なスペックを明らかにしました。

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今回は、既存のCore i9-12900Kと比較して、何が変わっているのかという点について比較して行きたいと思います。なお、前述の通り、今回はデスクトップ向けCPUについての記事となりますので、ご了承ください。

1.Core i9-12900KSの概要

スペック表

製品名 Core i9-12900KS
コア/スレッド数 16コア/24スレッド
Pコア/スレッド数 8コア/16スレッド
Eコア/スレッド数 8コア/8スレッド
Pコアブーストクロック インテル Thermal Velocity Boost 周波数:5.5GHz
Turbo Boost Max 3.0 周波数:5.3GHz
Max Turbo周波数:5.2GHz
Eコア最大クロック 4.0GHz
世代 Alder Lake
半導体プロセス技術 Intel 7
キャッシュ L2キャッシュ:14MB L3キャッシュ:30MB
対応メモリ規格 DDR5-4800
DDR4-3200
PBP/MTP 150W / 241W
内蔵グラフィックス インテル UHD グラフィックス770
(32EU(実行ユニット数)、最大1.55GHz)

この表を見ても分かる通り、Core i9-12900KSの最大の特徴はターボブーストクロックが最大で5.5GHzとなっている点です。保証対象外となるオーバークロックを実施せずに定格で5.5GHzもの非常に高いクロックを実現しているのは驚異的です。ただし、全てのコアに高負荷を掛けた場合にどの程度のクロックとなるかは不明です。

ちなみに、Eコアの最大クロックも引き上げられており、最大4.0GHzに達しています。Pコアの5.5GHzという数字を見ると大分低く感じますが、それでもEコアがAtom系の流れを汲んでいる事を考えると、かなり高いクロックの様に感じます。

価格は税込10万5800円となっており、ハイエンドCPUの中でもかなり高い部類となっています。しかし、このCPUは「スペシャルエディション」であり、他のハイエンドCPUよりも一際高い最大クロックを実現していることを考えると、結構妥当な価格の様にも感じます。

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発売時期や在庫について

2022年4月5日22時より発売開始となっており、既に予約受付も開始されています。初回入荷数も潤沢になるとの情報もありますが、今後も安定して入手できるのかは不明です。また、「スペシャルエディション」との位置付けとなっていますが、数量限定品ではないそうです。

2.Core i9-12900Kとの比較

Core i9-12900KS
12900KSと12900Kを比較してみました。定格クロックやターボブーストクロックに差があることが分かります。

12900KSのPBP(従来のTDPに近い概念)は150Wと、12900Kよりも25W上昇していますが、MTP(ピーク時の消費電力、ただし設定によってはこの消費電力枠をずっと維持できる)は241Wとなっており、12900Kから据え置かれています。

シングルスレッド性能は12900KSの方が上回る一方で、マルチスレッド性能はどの程度差が付くのかは今の所不明です。ただし、12900KSは12900Kの選別品のようなので、もしかすると同一消費電力におけるマルチスレッド性能も多少差があるのかもしれません。PBPは引き上げられているため、PBPの枠内の消費電力でCPUを稼働させる場合は確実にマルチスレッド性能が高くなっているでしょう。

3.Core i9-12900KSについての考察

12900KSの最大の利点は、非常に高いシングルスレッド性能にあると言えます。12900Kよりも定格で0.3GHz、割合にして約5.8%も最大クロックが上昇しているため、シングルスレッド性能も同様に引き上げられているものと考えられます。

すでに12900Kの時点でCINEBENCH R23のシングルスレッドテストのスコアが2000前後にまで到達していますが、12900KSは更に高いスコアを出すでしょう。上手くいけば2100近くまで到達するかもしれません。

12900KSは発売時の価格が10万円越えと高価なCPUになっていますが、このシングルスレッド性能の高さを考えると、少しでもクリエイティブ作業を高速化したいと考えている方には魅力的なCPUになっていると思います。

ただ、12900Kが7万円台で販売されているため、個人的にはかなり高く感じます。しかも、12900Kはオーバークロック可能であり、定格の5.2GHzから更に引き上げることも不可能ではありません。

しかし、オーバークロックは自己責任で行う行為であり、また5.5GHzまでクロックを引き上げることができるという保証はありません。それを考えると、定格で5.5GHzまで動作することが公式に確認されており、何の設定をしなくとも非常に高いシングルスレッド性能を発揮できる12900KSを使う方が無難な選択だと言えるでしょう。

確かに12900KSのコストパフォーマンスはそこまで高くないかもしれません。しかし、こうした「スペシャルエディション」のCPUは高価なハイエンドCPUの選別品であり、少しでも高い性能を求める方が価格の高さを承知の上で購入する製品のため、ある意味コストパフォーマンスを気にする必要は無いようにも感じます。

4.終わりに

今回はCore i9-12900KSについてご紹介しました。このCPUは最大クロックが非常に高い点が印象的であり、シングルスレッド性能は驚異的なものと思われます。ただし、価格も非常に高くなっているため、PCパーツの購入資金に余裕のある方でないと中々手が届かない製品となっています。12900KSを搭載したBTO PCなども今後登場する予定となっていますが、恐らくかなり高価なPCになると思われます。

ベンチマークスコアは今後判明して行くと思われますが、果たしてどの程度12900Kより高くなっているかが楽しみです。

5.参考リンク

インテル® Core™ i9-12900KS プロセッサー:Intel

6.関連リンク

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