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Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 レビュー - 高い性能と美しいディスプレイ、薄型で美しいデザインの14.5インチノート

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14
レノボのノートPC「Yoga Pro 7i Gen 8 14」の実機レビューです。製品名に「Pro」とある通り、Yogaシリーズの上位モデルで、14.5インチとモバイルノートとしても使えるサイズ感ながら、第13世代のCore-Hプロセッサー(ゲーミングノートなどにも使われるCPU)を搭載、外部GPUのGeForceを搭載するモデルも選べる高性能な製品です(GeForce搭載モデルは記事執筆時点で販売が停止されています)。

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ここがおすすめ
・第13世代Core-Hプロセッサー搭載
・高いディスプレイ品質
・薄型で個性的なデザイン
・MIL規格準拠の堅牢な筐体
ここはイマイチ
・外部GPU搭載モデルが販売停止
販売サイトはこちら
Pro 7i Gen 8(14,Intel):Lenovo

1.スペック

スペック表

  Yoga Pro 7i Gen 8 14
OS Windows 11 Home/Pro
CPU Intel Core i5-13500H/Core i7-13700H
GPU なし/GeForce RTX3050/GeForce RTX4050
※GeForceはLaptop GPU
RAM 16GB/32GB(LPDDR5-5200, オンボード)
ストレージ 512GB/1TB SSD(M.2 PCIe-NVMe Gen4)
光学ドライブ なし
ディスプレイ 14.5インチIPS(2,560 x 1,600)90Hz
14.5インチIPS(3,072 x 1,920)120Hz
ネットワーク Wi-Fi6E(a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth5.1
入出力 USB Type-C(Thunderbolt 4)、USB 3.2 Gen2 Type-C(映像出力・PD対応)、USB3.2 Gen1 Type-A、HDMI、オーディオジャック
カメラ Webカメラ(1080p)顔認証対応
バッテリー 73 Wh(最大 約18時間)
サイズ 325.5 x 226.49 x 15.6 mm(最薄部)
重量 1.49 kg~

バリエーションモデル

・Core i5/-/16GB/512GB/2,560 x 1,600
・Core i7/RTX3050/16GB/1TB/3,072 x 1,920(カ)
・Core i5/-/16GB/1TB/2,560 x 1,600(カ)
 ※左からCPU/GPU/RAM/SSD/ディスプレイ
 ※(カ)はカスタマイズ対応モデル
 ※カスタマイズ対応モデルは2月24日現在、販売停止

レビュー機の構成

レビュー機は「Windows 11 Home/Core i7-13700H/GeForce RTX4050/RAM16GB/1TB SSD/3,072 × 1,920ディスプレイ」という構成でした。2月24日現在、この構成のモデルは販売されていません。

2.外観と使用感

同梱物

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 ACアダプター
ACアダプターです。外部GPU搭載機なので出力は140Wと大きく、サイズもやや大ぶりです(ゲーミングノートよりはずっと小さいです)。電源ケーブル込みの実測重量は431 gでした。

現在販売中の外部GPU非搭載モデルだとこれよりも小さいサイズのものが付属すると思います。

天板と底面

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 天板
Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 底面
筐体は金属製(アルマイト処理されたアルミ製)でご覧の通りシンプルなデザインです。筐体色はストームグレーといい、やや濃いグレーです。

側面

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 前面

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 背面
前面と背面です。いずれもポート類やボタン類はありません。こうしてみると筐体の下側(キーボード側)がかなり強く丸みを帯びていて、かなり個性的です。

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 左側面
左側面には画像左からHDMIとUSB Type-C × 2があります。画像右側のType-CポートがThunderbolt 4、その左がUSB 3.2 Gen 2規格で、どちらも映像出力とUSB PDに対応します。つまり、どちらのポートからでも充電ができる、ということです。

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 右側面
右側面です。画像左からWebカメラのプライバシーシャッター、電源ボタン、イヤホンジャック、USB Tyep-Aです。この製品はコンバーチブル2 in 1ではなく、クラムシェルノートPCなのですが、電源ボタンが側面にあります(コンバーチブル2 in 1筐体だと側面に電源ボタンがある製品は珍しくありませんが、クラムシェルノートPCではあまり見かけません)。

ディスプレイ

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 ディスプレイ
ディスプレイのベゼル幅は細く、特に下部ベゼルが細いため、スリムさが強調されているように感じられます。

Yoga Pro 7i Gen 8には2種類のディスプレイがあり、レビュー機が搭載していたのは14.5インチIPS液晶、3K(3,072 × 1,920)解像度、100%DCI-P3、輝度400nit、リフレッシュレート120Hzというスペックのものでした。なお、現在このディスプレイを搭載するモデルは販売が停止しており、「14.5インチIPS(2,560 × 1,600)リフレッシュレート90Hz、100%sRGB」という仕様のもののみとなっています。

100%DCI-P3という開示内容の通り発色品質は高く、リフレッシュレートも120Hzと高速なので、PCゲームのプレイや普段使いでもなめらかなスクロールを楽しめます。ただし、リフレッシュレートは120Hzに固定してしまうとバッテリー消費量が大きくなってしまいますので、仕事に使う際はAuto、もしくは60Hzにしておくほうがいいでしょう。

発色品質についてはメーカー側で開示されていますが、実際に手持ちのPCモニター(27インチ、100%sRGBのもの)と比較しても全く見劣りすることがなく、自然で鮮明でした。

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 Lenovo Vantage

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また、設定アプリ「Lenovo Vantage」で発色のモードを「sRGB」「DCI-P3」に設定することができます。

キーボード

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 キーボード

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キーボードです。「84 キー(Fn キー+Windows キーを含む)、JIS 配列、バックライト・キーボード」と開示されています。また、キーボード面の両サイドにスピーカーグリルがあります。

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Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 キーボード
キーピッチは手採寸で訳19 mmと標準的、キーストロークは約1.5 mmと開示されています。打鍵音は小さく、静かな場所で使っても周囲にあまり気を使い必要はないでしょう。配列もおおむね素直で、極端に小さくて押しにくいキーもありませんでした。

ノートPC用のキーボードとしてはクセが小さく、使い始めてすぐに慣れることができると思います。

また、スピーカーですが、画像にもある通りキーボード面に2つ、底面に2つ、合計4つを搭載しています。音質はノートPC用としては高水準で、特にキーボード面にもスピーカーがあることから、クリアで臨場感の高いサウンドが楽しめます。

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 Dolby Access

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音響アプリはDolby Accessで、利用シーンごとのプリセット設定が使え、グラフィックイコライザーも搭載しているので、音質の調整も可能です。

その他

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 ヒンジ最大開口
もともとレノボで「Yoga」という名称はコンバーチブル2 in 1に使われていたのですが、製品ブランドとしての「Yoga」はコンバーチブル2 in 1だけではなく、クラムシェルノートもあります。このYoga Pro 7i Gen 8もクラムシェルノートですが、ヒンジは180度(水平位置)まで開口可能です。

3.性能テスト

ベンチマークテスト

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 Lenovo Vantage

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ベンチマークテストの実施に当たり、レビュー機を電源に接続し、設定アプリ「Lenovo Vantage」の設定を「エクストリーム・パフォーマンス」にして測定しました。

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 PC Mark

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表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。どちらかというとビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。このテストではCPU性能の影響が大きいとされますが、テスト内容にグラフィック系のシミュレーションも含むため、外部GPUの性能も少なからず影響します。

参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX、RTX4090):9,187
MSI Vector GP78 HX 13V(i9-13980HX、RTX4080):8,981
HP Victus 16(i7-13700HX、RTX4070):8,057
MSI Prestige 16 AI Studio B1V(Ultra 7 155H、RTX4060):7,298
ASUS ROG Ally(Ryzen Z1 Extreme):6,654
HP Pavilion 15-eh(Ryzen 7 5825U)5,954
DELL Inspiron 14 5430(Core i7-1360P):5,929
DELL Inspiron 14 5435(Ryzen 7 7730U):5,915
HP Dragonfly G4(Core i7-1355U):5,774
DELL Inspiron 13 5330(Core i5-1340P):5,677
富士通LIFEBOOK NH WN1/H1(Core i7-12700H):5,614
VAIO F14(Core i7-1355U):5,553
dynabook AZ/HV(Core i7-1260P):5,503
MSI Prestige 13 Evo A12M(Core i7-1280P):5,500

スコアのほう、7,000点オーバーと、PC Markが想定するビジネスシーンでの利用では十二分に高いものになりました。

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 CINEBENCH R23
続いてはCPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このテストではGPU(GeForceなど)の搭載有無は影響を受けないとされています。

参考(過去データから一部抜粋):
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX):2,149、30,358
MSI Vector GP78 HX 13V(i9-13980HX):2,112、29,156
MSI Creator Z16P B12U(i9-12900H):1,918、17,827
Lenovo LOQ 16IRH8(i7-13620H):1,857、14,383
Microsoft Surface Laptop Studio 2(i7-13700H):1,847、14,184
VAIO F14(i7-1355U):1,837、7,400
MSI Prestige 16 AI Studio B1V(Ultra 7 155H):1,827、16,421
Lenovo Legion Pro 5i Gen 8(i7-13700HX):1,823、19,975
マウス DAIV 6P-RT(i7-12700H):1,814、12,873
dynabook AZ/HV(i7-1260P):1,809、8,940
ASUS Vivobook Pro 15X OLED K6501ZM(i7-12650H):1,806、14,632
MSI Katana 15 B13V(i7-13620H):1,802、11,620
MSI Modern 14 C12M(i7-1255U):1,797、8,791
ASUS ROG Ally(Ryzen Z1 Extreme):1,784、13,962
VAIO SX12(2022)(i7-1260P):1,769、9,334
富士通LIFEBOOK NH WN1/H1(i7-12700H):1,754、11,953

レビュー機はCore i7-13700Hを搭載していますが、シングルコア、マルチコアとも概ね妥当、他のCPUとの相対的な比較では非常に高い、と言っていいスコアになりました。

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 3D Mark
参考:
MSI Titan GT77 HX 13V(i9-13980HX、RTX4090):22,052、38,273、15,196
MSI Vector GP78 HX 13V(i9-13980HX、RTX4080):19,011、35,262、12,345
HP Victus 16(i7-13700HX、RTX4070):12,677、27,892、7,528
Lenovo Legion Pro 5i Gen 8(i7-13700HX、RTX4070):12,574、26,501、7,351
MSI Katana 15 B13V(i7-13620H、RTX4050):9,278、21,399、4,986
Lenovo LOQ 16IRH8(i7-13620H、RTX4050):9,087、20,397、4,999
MSI Bravo 15 C7V(Ryzen 7 7735HS、RTX4050):8,767、20,659、5,037
Microsoft Surface Laptop Studio 2(i7-13700H、RTX4050):8,384、19,357、4,504
※左からTime Spy、Fire Strike、Port Royalのスコア

参考:Speedway
MSI Vector GP78 HX 13V(i9-13980HX、RTX4080):4,864
Lenovo Legion Pro 5i Gen 8(i7-13700HX、RTX4070):2,969
HP Victus 16(i7-13700HX、RTX4070):2,942
MSI Prestige 16 AI Studio(Ultra 7 155H、RTX4060):2,067
Microsoft Surface Laptop Studio 2(i7-13700H、RTX4050):1,861

過去データにあるGeForce RTX4050搭載機と比較して明らかに低いスコアとなりました。Yoga Pro 7i Gen 8はゲーミングPCではないため、GPU供給電力が抑えられているためと思われます。

それでも外部GPU非搭載のPCよりは圧倒的に高いスコアはマークできているため、RTX4050の恩恵は十分にある、とは思います。ただし、「RTX4050を搭載しているので、ゲームプレイもさぞ快適だろう」と考えてしまうと、ちょっと不満を感じることになると思います。

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 FF15ベンチマーク

参考:
Lenovo Legion Pro 5i Gen 8(i7-13700HX、RTX4070):11,696
MSI Katana 15 B13V(i7-13620H、RTX4050):8,846
ASUS Vivobook Pro 15 OLED K6502VV(i9-13900H、RTX4060):8,838
Lenovo LOQ 16IRH8(i7-13620H、RTX4050):8,741
MSI Bravo 15 C7V(Ryzen 7 7735HS、RTX4050):8,557
ASUS ROG Flow X13 GV302(Ryzen 9 7940HS、RTX4060):8,017

ファイナルファンタジー15(FF15)のベンチマークについても3D Markとほぼ同じ状況である、と言え、RTX4050搭載機としては低いスコアです。

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 FF15ベンチマーク
グラフィック品質を「標準」に落とせば割と快適にプレイできそうなスコアになりました。

Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8 14 Crystal Disk Mark
ストレージの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markです。PCIe 4.0 ×4接続のスコアとしても高速な部類で、ほとんどの利用シーンでストレスを感じないでしょう。

バッテリー駆動時間

設定アプリLenovo Vantageの設定を「バッテリー省電力」にし、ディスプレイ輝度70%・リフレッシュレート120Hz、音量30%、バックライト点灯(輝度を一番下げた状態)で、下記の作業をしてみました。

・画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を約35分
・ブラウザー上でYouTubeの動画視聴・音楽鑑賞を約30分
・ブラウザー上でテキストライティングを約10分

上記トータルで約75分使用し、バッテリー消費量は29%でした。単純計算で1時間あたり約23%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は4時間半弱くらい、ということになります。

JEITA2.0規格に基づくメーカー開示のバッテリー駆動時間は17時間ですが、これは絶対に無理です。ディスプレイを暗くするとかの省エネ努力をして5時間、というのが妥当なところだと思います。

発熱とファン音

まず、文書作成とか簡単な画像加工、動画視聴程度のライトユースであればほとんどファン音はなく、発熱も全く気になりません。ベンチマークテスト中はキーボード面上部に多少熱を感じますが、他のノートPCと比較して著しく熱くなるという感じではありません。また、発熱によりキーボード操作に不快感がある、ということもないですね。

ファン音についてもベンチマークテスト中は多少騒々しくなりますが、簡易騒音計で測定しても50db程度なので、(私の場合は)それほど気になりませんでした。

4.レビューまとめ

ここまで、Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8の実機レビューをしてきましたが、レビュー機と同じシステム構成のモデルは現在販売が停止されています。この記事執筆時点で販売されているのは「Core i5-13500H/外部GPUなし/RAM16GB/512GB SSD/2,560 x 1,600ディスプレイ」というモデルで、価格は124,850円です。参考までに、レビュー機のスペック「Core i7-13700H/RTX4050/RAM16GB/1TB SSD/3,072 × 1,920ディスプレイ」だと19万円強~20万円弱くらいの価格でした。

レビュー機がGeForce RTX4050搭載、ということで、どうしてもパフォーマンスの高さに目が行ってしまいますが、筐体のサイズ感や高級感、ディスプレイ品質についても高水準な製品だと思います。また、ベンチマークスコアに関してはRTX4050搭載のゲーミングノートほどのスコアは出ていませんし、現在販売中の「Core i5-13500H/外部GPUなし」という構成であっても、「この製品らしさ」は十分に体感できると思いますし、むしろ外部GPU非搭載モデルのほうが製品としてのバランスが良く、価格も安いので、より魅力的と言えるかもしれませんね。

5.関連リンク

Pro 7i Gen 8(14,Intel):Lenovo

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