GMKtecのミニPC「NucBox K8 Plus」をご紹介します。GMKtecの製品(特にハイスペック機)は、「あえて少し前の世代のCPUを搭載し、高いパフォーマンスを発揮しつつコストパフォーマンスも非常に高い」ものが多いです(新しい型番のCPUを搭載しているモデルもあります)。ウインタブでも先日「NucBox M7」「NucBox M7 Pro」という、「搭載CPUはRyzen 6000番台だが性能は十分に高く、『鬼コスパ』(これマジです)」なミニPCをレビューしていますが、M7とM7 Proは「間違いなく読者に強くおすすめできる製品」だと思っています。
さて、今回ご紹介するNucBox K8 Plusはこの2月に発売された「NucBox K8」の改善版(メーカーの表現だと「再設計版」)で、筐体をM7/M7Proと同じタイプのものに変更しています。
この製品の筐体はウインタブがレビューしたNucBox M7/M7 Proと同一なので、筐体の外観や内部、ポート構成についてはこちらのレビュー記事もご参照ください。
GMKtec NucBox M7 レビュー - Ryzen 7 PRO 6850Hを搭載してお値段5万円台前半、コスパ抜群のミニPCです
GMKtec NucBox M7 Pro レビュー - Ryzen 9 PRO 6950H/32GB/1TBで価格は6万円台半ば。コスパ抜群のミニPC、OCuLinkポートもついてます!
1.概要
スペック表
GMKtec NucBox K8 Plus | |
OS | Windows 11 Pro |
CPU | AMD Ryzen 7 8845HS |
GPU | なし |
RAM | 32GB(DDR5 5600, 最大96GB) |
ストレージ | 1TB/2TB SSD(M.2 2280, PCIe4.0) ※2スロットあり |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | なし |
ネットワーク | Wi-Fi6、Bluetooth 5.2 |
入出力 | USB4 Type-C(40Gbps)× 2 USB3.2 Gen2 Type-A × 2 USB2.0 Type-A × 2 HDMI、DisplayPort OCuLink、LAN(RJ45)× 2 オーディオジャック |
カメラ | なし |
バッテリー | なし |
サイズ | 132 × 125 × 58 mm |
重量 | 637 g |
バリエーションモデル
・RAM32GB/1TB SSD
・RAM32GB/2TB SSD
コメント
OSはWindows 11 Proで、ウインタブのこれまでの経験上、GMKtecの製品はOSライセンスに問題はありません(安価な中華ミニPCでしばしば見られるボリュームライセンスではなく、OEMライセンスです)。搭載CPUはRyzen 7 8845HSです。
これはPassmarkが公表しているベンチマークスコアです。参考としてIntel Core Ultra 7 155H、先日レビューしたNucBox M7が搭載するRyzen 7 PRO 6850H、NucBox M7 Proが搭載するRyzen 9 PRO 6950Hのスコアも掲載していますが、ご覧の通りRyzen 7 8845HSは非常に高性能です。ただし、8845HSはAI処理チップNPUも内蔵していますが、オンデバイスAI性能に関してはCore Ultra 7 155Hよりも低めです。
一方でグラフィック性能も高く、PCゲームやクリエイティブワークに関してはRyzen 7 PRO 6850H/9 PRO 6950Hよりも数段上です。仕事用としてだけでなく、ゲームなど各種エンターテイメント・クリエイティブワークにも使いたいのであればM7/M7 ProよりもこのK8 Plusのほうが向きますね。
筐体はNucBox M7/M7 Proと同じです。ウインタブの経験上、この筐体は「ちょっと大きめだが品質は素晴らしい」と評価できます。まず、ミニPCとしては珍しく筐体の上下に冷却ファンがあり、発熱対策がしっかりしています。M7/M7 Proの実機レビューではPCゲーム/ベンチマークテスト中にCPU温度が最高で90℃強まで上がりましたが、サーマルスロットリングは発生しませんでした。
ポートも充実しています。USBポートが合計で6つ(うち2つがUSB4規格)、HDMIとDisplayPortも装備しており、最大で4画面出力が可能です。また、有線LANポートも2つあります。
それと、OCuLinkポートもついていますので、外付けGPU(eGPU、GPU BOX)が接続でき、その性能をフルに発揮できます。
RAMスロットは2つ(空きなし)で最大96GBまで増量ができ、SSDに関してはM.2 2280の空きスロットがありますので、簡単に増設ができます。

GMKtec NucBox M7
この筐体は上面(天板)にアクリル版がついていて、遠目で見ると高級感があります。また、筐体内部へのアクセスも上面から行います。「開口がめちゃめちゃ簡単」とまでは言いませんが、メンテナンス性は高いです。
2.価格など
GMKtec NucBox K8 PlusはGMK公式サイトとAmazonで販売中です。10月28日現在の価格は下記の通り。
ベアボーン(OS/RAM/SSDなし):61,459円、-
32GB/1TB:84,507円、99,999円
32GB/2TB:92,189円、89,980円(製品ページのクーポン使用)
※左側の価格は公式ストア、右側がAmazon
購入のタイミングによっても変わってくると思いますが、この記事執筆現在だと、ウインタブから見て「Amazonで32GB/2TBモデル」が最もお買い得感が大きいと感じます。
NucBox M7/M7 Proほどの「爆安感」はないものの、8万円台でRyzen 7 8845HS/32GB/2TBのミニPCが買えるのはお得だと思いますし、この製品は筐体の品質も素晴らしいので、M7/M7 Proよりもワンランク上のミニPCがほしい、という方にはおすすめです。
3.関連リンク
NucBox K8 Plus:GMK公式サイト
NucBox K8 Plus(32GB/1TB):Amazon
NucBox K8 Plus(32GB/2TB):Amazon

コメント
AI性能以外が完全に一致しているRyzen 7 7840HS搭載機が7~8万で買えますので8845HS搭載機は罠なんですよね。せめて同じくらいの値付けであれば良いのですけど。
私も(高齢化してきたせいか)若干アンチAI的な気持ちがありますけど、世の中的にもメーカー側の商業的意図からも、「AI性能(NPU性能)」は格好のアピールポイントになると思いますし、実際ユーザー側でもそういう人が少なくないと思うので、少し高くても8845HSを選ぶ人はいるでしょうね。