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有線での映像出力に非対応のスマホを、WAVLINKのUSB映像出力アダプターを利用して、外部ディスプレイに有線映像出力させてみる

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こんにちは、natsukiです。今回は、実験的な試みの記事です。有線による映像出力に、本来は対応していないスマホを、なんとか外部ディスプレイに有線接続して映像を表示させようというものです。結論を言えば、専用のアダプターとアプリを使うことで、機能的には実用レベルで可能です。

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1.趣旨

目的

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スマホが高機能化し、各種アプリも充実する昨今、スマホを親機にして、大画面で動画を視聴したり、オフィスワークを行ったりということは、もはや十分に実用的になってきました。SamsungやHUAWEIのフラグシップ機など、早くからこういった「デスクトップ機能」の充実を図ってきたスマホは多くあります。Galaxy買えば、今回の話はそれでおしまい。

その一方で、有線での映像出力には、対応していないスマホの方が多いのが現状です(もっとも、Samsung DeXの最新版は無線ですが、ここでは関係無いので省きます)。そこで、そういったスマホから、何とか有線で外部ディスプレイに映像出力できないか、というのが今回の趣旨です。

無線による代替手段の存在

大前提になりますが、現在のほぼすべてのスマホは、Miracastなどの無線接続での画像出力機能(いわゆる「キャスト」機能)を備えます。メディア視聴が目的ならば、この機能で十分事足りることが多いでしょう。一方、オフィスワークやゲームともなると、無線では無視できない遅延の問題が出てきます。最近では、ワイヤレスHDMIやミリ波による映像転送などの、遅延の少ない手段も開発されてきていますが、ワイヤレスHDMIはかなり高価でそもそも機器が有線映像出力に対応していることが前提となり、ミリ波での映像転送はまだ普及しているとは言い難いため、ここでは度外視します。

今回は、そもそもが実験的試みなので、これらの代替手段との比較は行いません。上述のように、無線映像出力の方法は複数ありますし、スマホや外部ディスプレイの性能、使用環境、目的などによってメリットデメリットもまちまちであろうかと思います。その辺のご判断は読者の皆さんにお任せいたします。

2.使用スマホとディスプレイ

スマホは「XIAOMI 12T」

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本体となるスマホは、「XIAOMI 12T」を使用します。Antutu v9ベンチマークで余裕の80万点越えをたたき出す、処理能力の面では十分に余裕のあるスマホです。

外部ディスプレイは「UPERFECT X Pro」

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外部ディスプレイは「UPERFECT X Pro」を使用します。単体としては、解像度FHDのオーソドックスな外部ディスプレイです。なお、バッテリーを内蔵するため、電源につながなくても動作します。一方、「キーボード付き」というかなりめずらしい特徴を持ちます。せっかくなので、キーボード接続も試してみます。

3.USBからの映像出力アダプター

変換アダプター「WAVLINK UG7601HC」

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本来、有線での映像出力に対応していない機器から映像を出力するには、(映像出力に対応していない)USBから映像出力への専用の変換アダプターが必要になります。今回は、USBからHDMIへの変換に対応した「WAVLINK UG7601HC」を使用します。USBから映像への変換アダプターとしては、WAVLINK、Plugable、StarTechあたりが定番ブランドで、特にWAVLINKは老舗と言っていいでしょう。ちなみに、Amazonで5,000円弱で購入したものです。ニッチな製品だけあって、なかなかいいお値段しますね。

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入力側は、レガシーなUSBとUSB Type-Cの両方に対応。出力側はHDMIですが、コネクタによってDVI出力も可能です。また、メーカサイトの製品情報から、Androidで使用することが可能なのも確認。

なお、「WAVLINK UG7601HC」は、「映像出力非対応のUSBから映像出力させる」製品ですが、一般的なUSB Type-CからHDMIへの変換アダプターは、大元のUSB Type-Cが映像出力に対応していることを前提としたものがほとんどなので、混同しないようにしてください。また、同様の製品でも、パソコンでの使用しか想定されておらずスマホ用のアプリが存在しない場合があります。そのような場合、他製品用のアプリなどで動作するかどうかはまったく未知数なのでご注意ください。

UG7601HC USB 3.0 to HDMI 4K Display Adapter:WAVLINKメーカーサイト
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アプリ「SMI InstantView」

この手の変換アダプターには、専用のアプリが必要になります。WAVLINK製品は、メーカサイトのサポートページでアプリを提供しています。ただし、WAVLINK UG7601HC対応のアプリは、Androidの場合、提供がapkファイルの形式です。まあ、メーカーが提供しているので大丈夫とは思いますが、apkファイルからのインストールは極力避けたいものです。

Driver:WAVLINKドライバーページ

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よくよく見ると、WAVLINK UG7601HCはSiliconMotion製のチップを利用してるようで、であれば、Google PlayにあるSiliconMotion製品用の映像出力制御アプリ「SMI InstantView」をそのまま使えるんじゃないかと考え、私はそっちを導入しました。

SMI InstantView:Google Play

実際、特に問題なく使えます。ただし、もちろんメーカーによる動作保証があるわけでも無く、アプリのバージョンなどによる相性問題も考えられるので、自己責任で。

4.接続と挙動

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接続します。「スマホ(USB Type-C) ― 変換アダプタ(HDMI) ― ディスプレイ」と接続するだけ。

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接続時には「SMI InstantView」が起動します。初接続の時と再接続の時で多少画面が違いますが、内容は同じようなものです。

遅延などの使用感

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接続は、スマホを大きく動かすようなことをすると不安定になる場合があり「SMI InstantView」が再起動することがありますが、置きっぱなしの状態では問題ありません。で、気になる遅延です。ご覧の通り、軽量な動作ではほぼ「0.02秒」、おそらく1フレーム分の遅延です。

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負荷をかけてみましょう。ヘビー級アプリ「原神」で、画像を最高品質にし、比較的負荷の高い滝だらけの地形でチェックしました。ご覧のように、「0.02秒~0.05秒」といったところです。

もちろん、本体となる「XIAOMI 12T」に十分な処理能力があるということも勘案しなくてはいけませんが、少なくともオフィスワークにはまったく問題のないレベルで使用できます。ゲームは、リズムゲームなどのタイミングがシビアなものはきついでしょうが、原神くらいざっくりとしたゲームであれば十分プレイ可能です(「原神」の場合は、ジョイパッド非対応なのでどう操作するかという問題が出てくるがそれは別の話)。

キーボードもつないでみる

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調子に乗って、キーボードまでつないでみます。WAVLINK UG7601HCは、あくまで「映像・音声出力のみ」なので、さすがにUSBハブを利用する必要があります。

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使用したハブは「ORICO PW11-8P」です。

結論を言えば、動作はします。ただし、映像出力が不安定で、「SMI InstantView」が頻繁に再起動を繰り返しました。実用にはちょい厳しい。電力の問題か、接触の問題か、ハブやディスプレイとの相性かなど、要因の追求までは詰めていません。キーボードなど追加で周辺機器を接続する場合は、Bluetoothで接続した方がよさそうです。

5.まとめ

ご覧のように、USBから映像出力させる専用アダプターを使用すれば、本来、有線での映像出力に対応していないスマホでも、スマホに十分な処理能力さえあれば、かなりの低遅延で映像出力させることが可能です。ただし、このような趣旨の変換アダプターはパソコンで使用することが想定されている製品が多いため、あらかじめメーカーの製品情報などから、そのアダプターに対応したスマホ向けアプリがあるかどうかを確認しましょう。

実用性は……、各自でお考え下さいということで。

6.関連リンク

UG7601HC USB 3.0 to HDMI 4K Display Adapter:WAVLINKメーカーサイト
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Driver:WAVLINKドライバーページ
SMI InstantView(SiliconMotionシステム映像出力制御アプリ):Google Play

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