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UPERFECT X Proの実機レビュー - 15.6インチのタイプカバー型キーボード付きモバイルモニターは、クセが強すぎる!

uperfect x pro
こんにちは、natsukiです。世にもめずらしい、「タイプカバー型キーボード」を備えたモバイルモニター「UPERFECT X Pro」を購入したので、ご紹介します。また、我慢できずにゲテモノに手を出してしまいました。先に結論を言うと、はっきり言ってかなり「ネタ寄り」の製品です。また、メーカー製品ページの説明にあるように、基本的にGalaxyなどの「デスクトップモードを備えるスマホ」での使用に最適化されていて、ミニPCで使ってみると相性が悪い部分があります。が、極めてニッチな特性を持つのもまた事実。望む需要にピッタリはまるという人も、もしかするといるかもしれません。

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1.製品概要

スペックは次の通りです。

ディスプレイサイズ:15.6インチ
タッチ対応:有り
解像度:FHD(1920×1080) / 4K(3840×2160)
色域:sRGB 100%

内蔵スピーカー:ステレオ
内蔵バッテリー:10,000mAh
入力電力:PD 30W

ポート類左側:1×3.5mm aux、1×USB-C OTG
ポート類右側:1×ミニHDMI、2×Type C(1×Thunderbolt3およびUSB3.1をサポート、1×Power)

キーボード:英語レイアウト、84キー
キーボードバックライト:無し
キーボードタッチパッド:有り

まず、ディスプレイ。15.6インチサイズで、後述のようにそれなりにナローベゼル。解像度はFHDと4Kを選択可能です。今回、私が購入したのはFHD解像度のものとなります。タッチ操作に対応し、ステレオスピーカー内蔵、電池駆動も可能と、モバイルモニターとしては「全部入り」と言えます。

そしてポート類ですが、上のスペック表は、メーカーの製品ページの記述を整理したものです。ところが、この表記では、挙動がイマイチよく分からない。実際にはやや特殊な挙動をし、「USB Type-Cケーブル1本でモバイルモニターに給電しながらディスプレイ・キーボードその他全部使う」ことはできません。電池駆動をしないならば、かならず給電用に1本ケーブルが必要になります。これは、理由あってのことではあります。詳しくは、後述。

タイプカバーキーボードは、英字配列の84キー。バックライトは無しでタッチパッドは有りとなっています。

2.筐体

同梱品など

まずは、実物の筐体を見ていきましょう。

box
箱は、無骨なものです。けっこうへこんでいましたが、中の梱包材はしっかりしたもので、箱が多少潰れようが製品にダメージは行きにくいようになっています。

bundled items
同梱品一覧です。ケーブル類は充実。特にType-Cケーブルは充電・データ通信だけでなく、ディスプレイ信号にも対応しているものなので重宝します。電源アダプターは最大30W出力で、コンセントのタイプは、注文時に選択可能です。……えーっと、マニュアルは? はい、かなり特殊な製品にもかかわらず、マニュアルがない! 管見の限り、メーカーサイトなどを探しても、ダウンロードマニュアルも見つかりませんでした。製品本体にはUSB Type-Cポートが3つあって、特にロゴの表記とかないんですが、それぞれの挙動は自分でつないで調べろと? この段階で、すでにそうとう突き放した製品だという感じがします。

本体

front
モバイルモニター本体です。15.6インチなのでそれなりに大きいながら、ベゼルはかなり細く仕上げてあります。

back
裏面は、平面ではなく、ご覧のような段差タイプ。筐体素材は金属製で剛性は十分にあります。

stand
スタンドはキックスタンド式。

stand_open
キックスタンドは、180°展開可能です。というか、ポート接続の都合から、しまうときはこっち側の方が便利です。

right side
向かって右側には、USB Type-C×2と、mini HDMI。USB Type-Cは、上側が電源供給、下側が映像その他データ通信なのですが、後述のように独特な挙動をします。

left side
向かって左側には、ダイヤル式ボタン(長押しで電源、回転でメニュー表示)、USB Type-C(OTG対応、周辺機器接続用)、3.5mmオーディオジャック。こちら側は、モバイルモニターから「さらに別の周辺機器につなぐためのもの」で、USB Type-Cはモバイルモニターへの給電には対応しません。「モバイルモニターからの」給電は可能です。

weight
重量は、キーボード込みで実測1456.3g。15.6インチサイズにキーボードが付いていれば、まあ、こんなところでしょうか。

キーボード

keyboard
注目のタイプカバーキーボードです。キー配列は「Enter」の右側に縦一列あるオーソドックスな英字配列。「Delete」キーが、右上端ではなく、「BabckSpace」直上にあります。

keypich
キーピッチが、なぜか20.5mmと、通常の19mmよりも大きいです。

cover
あたり前ですが、装着すればサイズはぴったりで、保護性能は十分。

joint
本体との接続はマグネット式、なんですが、個体差なのか、ツメのはまりがイマイチで、ドッキングにはきっちり手で差し込んであげる必要があります。Surfaceシリーズのように「パチンと小気味よくドッキング」はしてくれません。

closeup
素材は、アルカンターラもどき、といったところ。指紋は付きにくいんですが、そもそも縁がぶつ切り状態で特に加工もされていないため、お世辞にも高級感があるとは言えません。後述しますが、タイプ感も微妙なところがあり、はっきり言ってビルドクォリティはあまり高くありません。期待があっただけに残念。

3.使用感

接続

green g2
私がこのUPERFECT X Proを購入した主な目的は、ミニPCで使用するためでした。画像は、「TRIGKEY GREEN G2」。USB Type-Cからの映像出力に対応します。

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type-c x2
が、結論を言うと、「USB Type-Cケーブル1本で、データ通信とモニターへの給電をまとめて行う」ことは、本製品ではできません。えええええ?なんで!?いまどきのモバイルモニターの多くができますよね。ましてやこの製品はモバイルモニターとしてはやや高価な製品なんだし……。バッテリーを備えた製品ではあるので、「Type-Cケーブル1本で」「パソコンと」接続して使用する場合は、バッテリーを使うことになります。モバイルモニターへの給電を行いながら使うなら、ご覧のように、上段USB Type-Cポートで給電し、真ん中のUSB Type-Cポートで、映像とキーボード・タッチパネル情報などの通信を行います。

hdmi
もちろん、mini HDMIからモニターへの映像入力も可能ですが、HDMIは映像と音声のやりとりのみなので、この場合は当然、キーボード・タッチパネルは使えなくなります。

smapho
いろいろつないで試していると、分かりました。こいつ、モバイルモニター「から」給電を「出力」してる! これ、どういうことかというと、この製品自体が、「デスクトップモードを持つスマホ」で使うことを第一に想定して造られているため、真ん中のデータ通信機能を持つUSB Type-Cは、1本で「映像やキーボード・タッチパネルのデータ通信」と「モバイルモニターからスマホへの給電」を担うようになっているんです。なるほど、製品のコンセプトとに応じた仕様というのは分かりまして。ただ、こういうポートの機能詳細は、製品ページとかにはっきり書いてくれないかなぁ。

設定

設定画面は、ダイヤルキーのスライドで呼び出します。

menu1
menu2
menu3
メニューはご覧の通り。電源マークは、先ほどの、「モバイルモニターからスマホへ給電」する機能のON/OFFです。基本的には、直感的に分かりやすいメニューだと思いますが、それでも一切の説明が無いのは不安なので、紙のマニュアルくらいは付けて欲しかったところです。

ディスプレイ

disp
ディスプレイは、FHDと4Kを選択可能で、今回購入したのはFHD解像度です。発色は、液晶ディスプレイとしては悪くなく、十分な品質です。グレア液晶のため、映り込みは強いですが、これは多くのモバイルモニターに言えることです。この点は、「普通に使えるモバイルモニター」といって良いでしょう。タッチ感度も良好で、特に問題に感じることはありません。

スピーカー

このディスプレイにはスピーカーも付いています。ただし、音質は……、まあ予想通り。事務用品と思いましょう。OTG対応USB Typ-eCポートや3.5mmオーディオジャックもありますので、音楽鑑賞ならそちらで。

キーボード

この製品最大の特徴のキーボードなのですが、仕様上の問題と、おそらく個体差の問題から、率直に言って、打鍵感はあまりよくありません。

まず、先述のようにキーピッチがなぜか大きめの20.5mm。これはやはり、私は大きすぎて違和感を感じます。キーの打鍵感そのものは、「普通の安価なノートパソコン」な感じで、打鍵音はさほどうるさくなく実用十分です。しかし、これは個体差と思われるものの、私が購入した製品は「J」「S」のキーの建て付けが明らかに悪く、他のキーと打鍵感が異なります(反発が弱い感じ)。タッチが違うため打っていて気持ち悪いのですが、機能的に使えないわけではないので、不良と言うよりビルドクォリティの問題でしょう。

keyboard_joint
最もいただけないのが、これ。前提として、タイプキーカバーにマグネットなどは装着していないため、角度を付けることができません。そこまではいいんですが、関節部分の素材に弾力がありすぎて、キーボード全体が机からわずかに浮いてしまうんです。当然、打鍵のたびにキーボードがバタバタして打ちづらいことになります。関節部分に折り目を付けることで多少マシになりはしましたが、弾力でだんだん戻ってくるし、あんまり折り目を付けると断線も心配です。ここは、もうちょっとなんとかならなかったものかと思います。

タッチパッドの質感と感度は良好。ここは文句ありません。

総じて、一応使えはするものの、ヘビーユースするにはいまひとつな品質です。モニターと一体という利点はあるので、頻繁に使用場所を移動するような場合には便利ですが、半据え置き的に使うなら、このキーボードを使う意味は薄いかと思います。

バッテリー保ち

先述のように、本体側へ向けて給電する機能があるので、それをONにするかどうかでバッテリー保ちは変わります。給電機能OFFでなら、5時間くらいは保ちそうといったところです。「モバイルモニター」としては、十分な保ちと言えるでしょう。

green g2_usb
なお、モバイルモニターへの給電は、5V出力のUSB Type-Aからも可能です。ただし、確認したのはUSB3.0です。実際、ミニPCのTRIGKEY GREEN G2で使用する場合は、ディスプレイ出力とキーボード・タッチパネル接続にUSB Type-Cを使ってしまう都合から、給電にはUSB3.0(Type-A)を使いますが、問題なく給電可能です。もっとも、当然ながら給電出力が限られるので、使用中のバッテリー充電はほぼプラスマイナスゼロになります。もちろん、ちゃんと付属の電源アダプターから給電してあげれば、使いながら充電可能です。

まとめ

クセが強すぎて評価が拡散気味になったので、まとめておきます。

「モバイルモニター」としての性能は、表示、キックスタンド、サイズ感、いずれも申し分ないものです。

接続は、まず製品のコンセプトとして「デスクトップモードを備えたスマホ」に最適化したポート構成になっているという前提があります。従って、USB Type-Cケーブル1本で、「ディスプレイ、タッチパネル、キーボード」と「モバイルモニターからスマホへの給電」が可能となっており、逆に、「モバイルモニターへの給電」には独立したケーブルが必要となります。使用目的に合わせた仕様としては納得なのですが、このあたりの説明がメーカーの製品ページなどでは不足しているので、購入前に分かるきっちりした情報が欲しいところです。

製品最大の特徴であるタイプカバー型キーボードは、アイデアとしては優秀なものの、その品質は率直に言っていまひとつです。設計上の問題というよりは、本体との接続部分の造りが甘い、関節部分の素材に弾力がありすぎてキーボードが浮いてしまう、キータッチの均等でないキーが存在する、というように、ビルドクォリティの問題なのが、なんとも惜しいところではあります。

4.価格と販路など

UPERFECTブランドの製品は、通常のモバイルモニターならば日本のAmazonで扱っている物もあります。しかし、こういう特殊な製品を購入するなら、メーカーサイトかAliexpressの「Uperfect Official Store」(トップブランドマークがついているので、Aliexpress基準でのメーカー直売か公式販売代理店)あたりが信頼できる販路でしょう。価格は、セールにもよるものの、基本的にAliexpressの方が安いです。

で、このUPERFECT X Proの価格ですが、かなりします。Aliexpressで、大型セール時でもFHD画質が40,000円台半ば、4K画質が50,000円代半ばです。私は、Aliexpressの、例によって複雑怪奇なクーポンやポイントを駆使して、ほぼ40,000円ポッキリで買いました。決してコスパの良い製品ではなく、また、品質的にももうひと頑張り欲しいところですが、現状、他に類似品がなく(ALLDOCUBEが似たような製品を出したことはありましたが、あまり売れなかったのかすぐに終売になっていました)ほとんど唯一無二の特性を持つ製品ではあるので、ピンポイントではまるニーズはあるかも知れません。UPERFECTブランドは、こういう変わり種モバイルモニターを次々とラインナップしているので、その心意気は認めたいところ。今後のクォリティアップに期待です。

5.関連リンク

UPERFECT X ProLapdock15.6インチ1080P/4Kタッチスクリーン:メーカーサイト
Uperfect X プロ 充電式ポータブルモニタータッチスクリーンキーボード:Aliexpress内「Uperfect Official Store」(私が実際に購入した出品者です)

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