「H2testw」で容量偽装をチェック!あなたの使っているUSBメモリやSDカードは大丈夫?

h2testw
こんにちは、natsukiです。様々な場面で活躍する、USBメモリ、SDカード(microSDカード)、外付けHDD、外付けSSDなどの、外付けストレージ。多くの方が利用していると思います。そして、当たり前ですが、どうせ買うならできるだけ安く買いたいもの。これらの製品は、様々な種類が様々な価格で販売されています。価格の差は、データ転送速度などの性能差やブランド、ファッション性といった付加価値による場合もありますが、並行輸入品だったり、割引があったり、様々な事情から、国内の販売相場よりもずいぶん安く販売されている場合もありますね。そんなとき!要注意なのが、容量を偽装した偽物が紛れている可能性があることです。今回は、容量偽装を見抜くためのソフトである「H2testw」を紹介します。あなたのそのストレージ、大丈夫ですか?

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1.容量偽装を見抜くのは、案外大変

fake microsdcard
はい、こいつら、どれも容量を偽装したニセモノです。なあに、あえて冒険すればすぐ手に入りますよ(笑) ところが、こいつらの容量偽装を見抜き、必要に応じて販売元に補償を求めるだけの確証を得るのは、案外大変です。

ある程度までは、問題なく記録できてしまう

これが容量偽装の恐ろしいところです。容量を偽装したニセモノのストレージは、容量が少ないストレージの容量を実際より大きく装っているため、ある程度の分は記録できてしまうんです。例えば、上の写真のmicroSDカードは、いずれも30GBくらいまでは問題なく記録できてしまいます。けっこう多いですね。もちろん、どこまで記録できるかはものによりますが、一定のファイルを記録してみて大丈夫だからOK、とは言えないわけです。

プロパティやディスク構成などから見抜くのは不可能

property
これは、額面「256GB」表示の、容量偽装されたmicroSDカードのプロパティですが、プロパティ情報のどこを見ても、正常な製品との違いは見られません。
disk
「ディスクの管理」から見ても、問題は見られません。上の画像は、「ディスク1」は512GBの正常なmicroSDカードで、「ディスク2」は額面256GBの容量偽装が行われているmicroSDカードです。ご覧の通り、ディスク構成に不審な部分はありません。強いていえば、額面256GBで、実容量250GBは多すぎるというくらいでしょうか。

フォーマットしても容量に変化無し

format
こういうのは、フォーマットすれば化けの皮がはがれるんじゃ……、と思いきや、フォーマットしても容量は変わりません。Windowsデフォルトの右クリックからのフォーマットツール以外にも、SDメモリーカードフォーマッターなど、いくつかのフォーマットツールを試していますが、ダメです。容量偽装品をつかまされたとき、販売者に問い合わせると、よく「ちゃんとフォーマットして」と返されるんですが、それじゃダメなんですな。

データ転送速度に異常がある場合は、疑ってみる価値ありだが、立証はできない

cdm
これらの容量偽装されたストレージは、本来の規定のデータ転送速度が出ない場合が多いです。ただもちろん、実際のデータ転送速度には、様々な要因が絡むので、他の原因によってデータ転送速度が遅くなっている可能性も十分にあり得ます。規定のデータ転送速度が出ないからといって、即容量偽装とは限りません。データ転送速度からは、怪しさを感じることはできても、それだけで容量偽装を特定することはできないということです。

ただ、妙にデータ転送速度が遅かったり、データ転送速度のベンチマークを行ったときに不可解な挙動が発生した場合は、可能性の1つとして容量偽装があり得る、ということは覚えておいてもいいでしょう。

2.「H2testw」で容量偽装を見抜こう

そ・こ・で、この「H2testw」の出番となります。おそらく、もっとも普及している容量偽装を暴けるソフトです。例えば、こういったトラブルの多いAliexpressのレビュー欄を見れば、このH2testwが最もよく使われていることがすぐに分かります。私の個人的な経験上も、容量偽装の製品の返金請求に、H2testwでの検証は決め手でした。あ、もちろん、それだけじゃなくて、いろいろと総合的に主張してますよ。ともかく、容量偽装を暴くなら、まずこのソフトです。

ダウンロード方法

ダウンロードは、サイトがドイツ語のためやや戸惑うかもしれません。まずは、下記サイトにアクセスします。

H2testw 1.4

download_cookie
いきなり、上記のようにドイツ語でクッキーの許可を求める表示が出るので、初めてだと、ちょっと焦るかも。「Akzeptieren」を選択してクッキーを許可するか、それが嫌なら、ブラウザの設定でクッキーをブロックするようにすれば(どうやるかはブラウザによって違いますが、最近はほとんどのブラウザについている機能のはずです)、この画面は表示されません。

download
そして「Zum Download」をクリック。

download2
すると、このダウンロードページへ行くので、「Download」からダウンロードします。

download folder
インストール不要のソフトのため、実行は、ダウンロードされたzipファイルを解凍して、「h2testw.exe」を実行するだけです。

対象のストレージからデータを退避

容量偽装を確認するためには、全記憶領域をチェックする必要があるので、対象のストレージは、あらかじめデータを空にしておきましょう。

使い方

language
使い方は非常に簡単です。ただし、日本語対応はしていません。起動すると、デフォルトはドイツ語になっています。私はドイツ語できないので、言語をEnglishにして話を進めます。

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test start
あとは「Select target」で対象のドライブを選択して、「Write + Verify」をクリックするだけです。管理領域などが設定されていて、完全に全領域がチェックできない場合もありますが、ともかくスタート。

なお、全領域にデータを書き込んでチェックを行うので、非常に時間がかかります。特に、容量偽装が行われているストレージは、データ転送速度も遅い場合が多いので、なおさらです。

結果の見方

Lexar_U3V30A1_256gb_h2testw
それでは、チェック結果を見てみましょう。「Copy to clipboad」で、結果をテキストでクリップボードにコピーします。さて、上の画像は、問題ない「256GB」のmicroSDカードのチェック結果です。簡単な英語ですが、確認しておくと、
・238736MB中の238734MBをテスト(2MBはテストできなかった、これはチェック前に分かります)
・エラー無しでテストが終了しました:容量偽装はないということです。
・シーケンシャルライトのデータ転送速度は53.0MB/s
・シーケンシャルリードのデータ転送速度は65.2MB/s
ということになります。
データ転送速度の数値は、計測方法の違いから、おおむねCrystalDiskMarkより厳しめの値が出る傾向にあります。
fake_h2testw-1
fake_h2testw-2
はい、こちらが、容量偽装が行われている「256GB」のmicroSDカードの結果です。まず、ご覧のように結果欄が赤く表示されます。内容を見てみましょう。
・255937MB中の254911MBをテスト
・このメディアは不具合のある可能性があります、と表示
・28.2GB(59163447セクター)は正常に記録されました
・220.7GB(462894281セクター)は失われました
・シーケンシャルライトのデータ転送速度は19.3MB/s
・シーケンシャルリードのデータ転送速度は12.8MB/s

ぬうぅ、やってくれたのう!はい、実に約220GBのデータが失われました。28.2GBは記録できているので、おそらく32GBのmicroSDカードを偽装しているものと思われます。28.2GBまでは記録できてしまうところが、いやらしい。

また、このmicroSDカードは「U3」と表記されていたので、データ転送速度は30MB/sを越えていないといけないはずが、リード・ライトともに大きく下回っています。ただし、データ転送速度のカタログスペックは理想的な状態の数値なので、先にも触れたように、正常なストレージでも実際のベンチマークでそれだけの値が出ないことはよくあります。この例の場合、256GBと大容量なこともあって、チェック時間は、実に9時間以上!

と、いうわけで、このmicroSDカードは容量偽装を行っているニセモノだということが判明しました。

使用後

使用後には、ストレージにチェック用のファイルが大量に詰まっています。自動では消してくれません。手動で消去するか、フォーマットしましょう。

3.次点のチェックソフト「Check Flash」

check flash
同様なチェックが可能なソフトとして、「Check Flash」というソフトもあります。私は実は、「H2testw」よりもこの「Check Flash」の方を古くから使っていて、私が使った限りでは、「H2testw」で検出した容量偽装は、「Check Flash」でもちゃんと検出できています。ダウンロードは、以下のページから。

Check Flash

使用例

check flash_result
容量偽装のmicroSDカードをチェックしたときの例です。右側の赤いのは不良セクタを示しています。うわー真っ赤っか(笑)

「H2testw」とどっちがよい?

私が使った限りで感じる、「Check Flash」の「H2testw」と比べた場合のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット
・日本語にも対応
・細かい設定が可能

デメリット
・細かい設定が可能な分、理解する必要もある
・「H2testw」ほど普及していない

もとより、この比較はあくまで、容量偽装を暴くという目的のみで考えた場合ですよ。基本的には、容量偽装を確認するなら、H2testwを使う方がいいと思います。理由は、普及の度合いです。少なくともAliexpressの場合、「H2testw」によるチェック情報は膨大にあるんですが、「Check Flash」によるチェック情報はそれと比べるとわずかです。とりあえずH2testwを使っておいた方が、広く使われている分、何かと話が通りやすいかと思います。

4.大手メーカーは、自社製品の確認手段を用意している場合もあるが……

比較的大手のメーカーは、自社製品の正規品を判定するための、独自の仕組みを設けている場合もあります。これらはメーカーの数だけあるので、すべてを紹介するわけにはいきませんが、代表的なものをあげておきます。そういうものもあるということは、知っておくとよいでしょう。

シリアルナンバーチェック ―「SanDisk」など

このタイプが一番よく見かけますかね。メーカー公式サイトのサポートページに、シリアルナンバーなどの商品情報を入力するタイプです。SanDiskはこれです。SanDiskの場合は、ユーザー登録が必要なんですが、メーカーによっては必要ない場合もあります。ただこれって……、「そのシリアルナンバーの製品が間違いなく存在している」ことの証明にはなるけれど、シリアルナンバーを模倣したコピー品には通用しないですよね?そんなものがあるのかは知りませんが。

SanDiskのように、ユーザー登録と併用することで、「はじめてチェックされたそのシリアルナンバーの製品」であることは証明されるけれど、外付けストレージなんて、いちいち製品登録しないで使う場合も多いだろうし……。理屈をこねればキリはありませんが、ちょっとモヤッと感の残る確認手段ではあります。

正規品確認ソフト ―「Samsung」

Samsungは、(micro)SDカードとUSBメモリ向けの、正規品かどうかを判定するソフト「Samsung Memory Card & UFD Authentication Utility」を配布しています。下記リンクの、一番下の「CARD & UFD SOFTWARE」の「Samsung Memory Card & UFD Authentication Utility」からダウンロードできます。

Download – SSD Tools & Software

メーカー純正の専用ツールソフトによる判定なんで、これは安心ですね。

銀はがしQRコード ―「MIXZA」「Netac」など中華大手

scratch
製品パッケージに銀スクラッチがついていて、これを削るとQRコードが現れるので、このQRコードを読み取れば、メーカーサイトに接続されて、正規のパッケージか判定されるという仕組みのものもあります。私が知る限り、中華メーカーながら比較的大手のメーカーに見られる手法です。判定しているのは製品そのものではなくてパッケージだったり、そもそも中華メーカーだったり、疑い出せばキリがありませんが、これをやっている中華メーカーは、中華メーカーの中でもそれなりに気合いが入っているということは言えるかも知れません。

5.まとめ

メーカーによる正規品判定は、どれも、時間をかけずに判定できるのがメリットです。ただし、完全に判定できるかどうかは、あくまで理屈の上ですが不安な場合もありますし、そもそも、そういった正規品判定手段を設けいていないメーカーも多くあります。その点、「H2testw」は、microSDカードだろうが、USBメモリだろうが、SSDでもHDDでも、外付けでも内部ストレージでも、およそ一般的なストレージであれば、汎用的に使えます。難点は、大容量であればあるほど、チェックに相当な時間がかかること。こればかりは、全領域をチェックしてくれているのでしかたありません。

いずれにしても、一般論として、出所が怪しかったり、あまりにも安いストレージは、容量を偽装されているかもしれません。怪しいと思ったら、「H2testw」でチェックです!

6.関連リンク

H2testw 1.4
Check Flash

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