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HONOR CHOICE Earbuds X3 Liteの実機レビュー - 低価格ながら高い解像度感とクリアな低音の表現力を備えたオールマイティなワイヤレスイヤホン

Earbuds X3 Lite
こんにちは、natsukiです。HONORブランドの最新ワイヤレスイヤホン「HONOR CHOICE Earbuds X3 Lite」のレビューをお届けします。HONORブランドのイヤホンは、ウインタブでも今までにいくつかレビューしており、私も昨年に「HONOR CHOICE Earbuds X」をレビューしていますが、今回のHONOR Earbuds X3 Liteも、機能的には最小限でシンプルな構成のHONOR CHOICE Earbuds Xと同系統の製品です。20ドル台という廉価帯の製品で、音楽視聴時のノイズキャンセリングなどの高度な機能は備えていませんが、アプリでのイコライズに対応し、音質面では妥協のない仕上がりとなっています。ただしソフト面の調整にクセがあり、詳しくはレビュー内で解説します。

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1.HONOR CHOICE Earbuds X3 Lite スペック

スペックは、次の通りです。
形状:カナル型
色:白
充電ポート:USB Type-C
防水評価:IPX4
重量(イヤフォン片方):4.4g(実測4.2g)

Bluetoothバージョン:5.3
Bluetoothコーデック:AAC/SBC

ノイズキャンセリング機能:通話時の音声のみ
低遅延ゲームモード:あり
デュアルデバイス接続:あり

使用時間: 音楽再生時―最大6時間、音声通話時―最大4時間
充電ケース込み使用時間: 音楽再生時―28時間、音声通話時―17時間

スペック的には、廉価なワイヤレスイヤホンの定番となっています。ノイズキャンセリング機能は、通話時に音声のみを強調するタイプで、音楽視聴時に機能するものではありません。数少ない特徴の、デュアルデバイス接続は、後述のように非常に便利です。

対応コーデックはAACまで。Bluetoothは最新の5.3対応です。なお、今回のレビューでは、コーデックはAAC、Bluetoothは5.0接続で評価しています。防水能力はIPX4なので、いわゆる生活防水のイメージでよいでしょう。風呂場で使ったりはやめましょう。再生時間は、これだけあれば必要十分だと思います。

2.HONOR CHOICE Earbuds X3 Lite 筐体

box
実物を見ていきましょう。箱です。内部も含めて、特筆する部分はありません。

bundled items
同梱品一覧です。シンプルですね。換えのイヤーパッドは、はじめから装着済みのものを含めて3種類が付属します。紙類は、保証書とマニュアル。マニュアルは多言語ですが、残念ながら日本語には対応していません。ただ、このHONOR CHOICE Earbuds X3 Liteは操作性がシンプルで、アプリは日本語にも対応しているため、マニュアルを読まずとも問題なく利用可能かと思います。

case
ケースです。楕円状のケースで、自立しません。まあ、転がるわけではないので実用上の問題はないと思います。充電インジケーターと、充電用USB Type-Cポートがあります。

earphones
イヤホン本体です。ご覧のようにカナル型で、スマートな形状。肩部分にタッチボタンがあるものの、それを示す造形はなく、視覚的には存在が見えないデザインになっています。

weight
重量は、カタログスペックでは4.4gとのことでしたが、実測4.2gでした。軽いことはいいことです。ワイヤレスイヤホン一般としても、軽量な部類に入るでしょう。

3.HONOR CHOICE Earbuds X3 Lite 音質

基本的な音質

本製品の基本的な音質は、このクラスのイヤホンとしては非常に高い水準にあると評価できます。特徴として、全音域で解像度に優れ、同時に鳴り合う音のひとつひとつの要素をしっかりと個別に聴かせてくれます。特に低音は、ただ迫力があるというだけでなく、クリアに音が飛んできます。低音をアピールするイヤホンは数多くありますが、この価格でこれだけ表現力も兼ね備えていることには驚きました。方向性としては、残響感の少ないスッキリとした音質となるため、空間表現は苦手としています。それでも、分離感が優れているため、「広さ」こそ感じにくいものの、「音源の位置」はしっかり感じ取ることができます。

ただし、です。このHONOR CHOICE Earbuds X3 Liteは、スマホでの標準のイコライズがかなり攻めた調整になっています。おそらく外出時などの雑音のある環境で聴くことを想定してか、曲の輪郭を強調するベース重視のドンシャリ型の調整になっているんですが、率直に言ってちょっとやりすぎで、もちろんメリットも有りながら、本機が本来持つ表現力を犠牲にしていると感じる部分もありました。そこで以下の音質評価は、標準の状態と、対応アプリを使って、比較的フラットなイコライズ調性になる「ポップ」モードとの、2つで行っています。

デフォルトの「標準」イコライズは、攻めたドンシャリ型

ということで、デフォルトのイコライズは、かなり攻めたドンシャリ型になっています。スマホからの接続だと、専用アプリの有無に関わらず、デフォルトはこの調整になります。これがけっこう強烈にやっていて、音の粒立ちや分離感がシャープに際立つ一方、音色は荒々しく、ザラつくと感じかねないレベルまで攻めています。高音域の伸びも、良いとは言えません。低音をきっちり表現することに自信があるからこその、そこを聴かせたいイコライズなのかも知れませんが、好みの分かれる調整と感じました。ちなみに、パソコンからの接続だと(細かい接続条件は複雑になるので検証していません)、まったく違うフラットな響きになるため、意図的な調整ではあるようです。

ロック系音楽や、男性ヴォーカルとの相性は比較的よく、米津玄師「M八七」などは、さらに孤独感の引き立つソリッドな響きを聞かせてくれます。ていうか、通常はさほど目立たないサビのハモりが、こんなにきっちり多声で聞こえてくるのは他のイヤホンではないぞ。

一方で、女声のヴォーカルだと、声質から苦手部分も見えてきます。Ado「新時代」では、中低音の荒々しさをさらに際立たせる一方、冒頭フレーズ最後の跳躍や間奏でのハミングのようなハイトーンはやや細った印象となってしまいます。また、LiSA「炎」のような女声をしっとり聴かせるような曲は、ヴォーカルのツヤが褪せてしまい、相性はいまいちです。

尖りがちな音色は、器楽部分とも相性の差が強く、Alexandros「閃光」くらいまでのストレートな響きなら、音の各要素が独立し合って、これはこれで迫力ある効果を生み出すんですが、残響の激しいテクノ系の澤野弘之/Tielle「Into the Sky」や、音の要素が多いAimer「残響散歌」あたりになると、飽和しすぎて粗さが気になりはじめます。

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オーケストラ曲の場合、各楽器の音はよく分離して聞こえ、ティンパニやバスドラムの響きもシャープで、強引な低音ブーストにありがちなモヤット感はありません。しかし、やはり音色が硬すぎて、実際の楽器の再現度は低い。ここはおそらく人によって評価の分かれるところで、オーケストラに劇伴のような迫力を求める人には、こういう表現も有りだと思うんです。例えば、映画館(特にアクションやSF)で鳴るオーケストラの音と、生演奏って全然違いますからね。しかし、私のようにクラシックをメインで聴く場合は、この音色の粗さは、やはり気になってしまうところです。

アプリによる「ポップ」イコライズで万能に

対応アプリ「HONOR AI Space」には、「標準」「ボーカル」「ポップ」「スーパーバス」の4つのイコライズがあります。それぞれ、具体的にどう調整しているのか表示されないんですが、このうち「ポップ」は、明らかに中音域を強化して、比較的「フラットな」響きになります。普通、こっちを標準にして、「標準」は「ロック」とかのラベルにするんじゃないですかね?という感じです。

この「ポップ」であれば、音色のふくよかさがグッと高まり、女性ヴォーカルやクラシックも含めて、オールマイティに聴けます。Ado「新時代」のハイトーンからロートーンまで、幅広い音域をしっかりと芯の通った響きで楽しめ、LiSA「炎」のように切々と歌い上げる表現も、十分に声のツヤを堪能できます。男声でも、ヴォーカルそのものを味わいたいなら、こちらの方でしょう。それでいて、ベースの輪郭も鮮明なため、ロック系もしっかり迫力があります。

標準イコライズだと破綻気味になる、澤野弘之/Tielle「Into the Sky」や、Aimer「残響散歌」も、こちらのイコライズなら、ベース音を深く響かせつつ、音色表現を失いません。クラシックは、さすがにコンサートホールのような空間表現は厳しいながら、低音のシャープさはそのままに、音色の再現力は十分に納得できるものになります。

というように、「ポップ」の方が汎用性の高い調整になっていて、繊細かつ豊かな表現力を持ちます。本機のハード面での品質の高さは、むしろこっちのイコライズでこそ感じることができるでしょう。正直に言って、個人的にはなぜこちらを標準にしないのか理解に苦しむくらいです。特に、静かな環境で音楽に集中するならば、ジャンルを問わず(ロックであっても)、まずは、こちらのイコライズで聴くことをお勧めします。

なお、その他のイコライズについて、「ボーカル」は、バランスが悪いのか、音質の粗さまで増すような尖ったチューニングで、汎用的ではありません。「スーパーバス」は、そのまんま低音超重視にバランスを偏らせる調整なんで、お好みで。

4.HONOR CHOICE Earbuds X3 Lite 使用感

ペアリング

接続は、スマホなどの接続機器側で、「Earbuds X3 Lite」を選択するだけ。非常に単純で迷うことはないでしょう。

安定性は、おおむね問題ありませんが、まれに接続が途絶えることがありました。いったんケースにしまってからまた取り出して再接続することで問題なく使用でき、頻度も多くはありません。

デュアルデバイス接続

デュアルデバイス接続は、非常に便利。機器切り替えに、イヤホンを操作する必要がありません。実際に、パソコンとスマホ、というパターンで接続してみましたが、片方でYOUTUBEを再生し、片方ではYOUTUBEを開いているけれど一時停止している、という状況では、再生している方に自動的に切り替わります。賢い! 要するに、2台に接続しておけば、あとはスリープしていなくても、音声や動画を再生している方に自動的に切り替わるわけです。同時に再生した場合とかは、条件がややこしくなるので細かく検証していませんが、実用的には、どちらかが再生しているという条件で切り替われば十分でしょう。

装着感

装着感は、イヤーピースの選択にもよりますが、けっこう奥まで差し込む感じで、しっかりとしたフィット感があり安定性は高いです。4.2gと軽量なこともあって、軽く走っても振り回されるような感じはありません。

音漏れ

常識的な音量であれば、静かな環境でも音漏れは気にしなくていいレベルです。

遅延

AAC接続で、比較的音ズレしやすいYOUTUBEベルリンフィル公式チャンネルなどを視聴しましたが、動画視聴をしている分には顕著なズレは感じませんでした。リズムゲームなどは私があまりプレイしないため、きちんとした評価ができませんが、ゲーム用には低遅延のゲームモードも備えているので、気になる場合はそちらを使うとよいでしょう。

5.専用アプリ「HONOR AI Space」

app
イコライズなどの、HONOR CHOICE Earbuds X3 Liteの設定には、アプリ「HONOR AI Space」を使います。マニュアルは日本語がありませんでしたが、アプリはちゃんと日本語にも対応しています。さてこのアプリ、ちょっと注意が必要です。まず、記事執筆現在、このアプリはAndroid版しかなく、iOS版はありません。もうひとつ、このアプリは、アプリ名からも分かるようにHONORブランドのワイヤレスイヤホン以外の他の製品にも、共通して対応するものとなっています。そのため、インストール時にかなり広汎な権限を要求してきます。ただ、HONOR CHOICE Earbuds X3 Liteを使うだけなら、記事執筆現在の私の環境では、通知と「Bluetoothの接続変更」のみを許可するだけで問題なく動作しています。

設定項目で、実際によく使うのは、「EQサウンドモード(イコライズ)」と「ショートカット」でしょう。

eq
「EQサウンドモード(イコライズ)」は、「標準」「ボーカル」「ポップ」「スーパーバス」の4つの調整があります。それぞれ、具体的にどのようなイコライズになっているのかは表示されず、カスタマイズもできません。先述のように、「ポップ」は多用すべきイコライズ調整です。

tap
「ショートカット」、つまりイヤホン本体タッチ操作です。こちらも、あまり選択肢は多くありません。シングルタッチは機能なし。ダブルタッチは画像のような機能で、左右別々に設定できます。音量調整ができないのは、個人的に残念な部分です。トリプルタッチはゲームモードのON/OFF、長押しは着信拒否と、この2つの操作は左右共通で、他の機能は割り当てられません。

こういったアプリによるカスタマイズの幅が小さいのは、価格帯を考えれば仕方のない部分でしょう。

HONOR AI Space:Google Play

6.HONOR CHOICE Earbuds X3 Lite まとめと価格など

このHONOR CHOICE Earbuds X3 Liteは、シンプルな構成のワイヤレスイヤホンです。機能面では、特殊なものはなく、操作のカスタマイズも限定的です。しかし、音質面での妥協はなく、音の解像度と分離感に優れ、そのクリアさが低音域にまで十分に及んでいるのは、特筆すべき性能です。特にイコライズを「ポップ」にすると、ジャンルを問わずオールマイティーに繊細な響きを楽しめます。この価格でこれだけの表現力があるのかと驚かせる、カジュアルなワイヤレスイヤホンとしては文句なしの音質を備えています。

ただし、標準のイコライズが、かなりクセの強いドンシャリ型になっている点には注意が必要です(ソフト面の調整なので、今後変わる可能性はあります)。ここを調整する専用アプリが、記事執筆現在はAndroid版しかないため、iPoneとの相性はよくありません。一方、デュアルデバイス接続は優秀で、再生している方の機器に操作をしなくても自動的に切り替わるため、パソコンと併用したい人にはかなりお勧めできます。

価格は、Aliexpressの「HONOR Mobile OfficiaI Store」で、24.99ドル(3,787円)となっています。20ドル台という廉価帯で、あまりお金をかけずにできるだけ音質を追求したいという要求に、ピッタリ応えてくれる製品です。

7.関連リンク

HONOR CHOICE Earbuds X3 Lite:HONOR Mobile OfficiaI Store(AliExpress)
HONOR AI Space:Google Play

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