ASUSがPC市場でも希少な「デタッチャブル2-in-1」タイプのモバイル・ゲーミングPC「ROG Flow Z13」をリニューアルしました。CPUにはRyzen AI MAXシリーズを搭載(ウインタブが把握している限り国内初)し、筐体仕様やキーボードも従来モデルから変更されています。
1.スペック
スペック表
ROG Flow Z13 GZ302EA | |
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen AI MAX+ 395 AMD Ryzen AI MAX 390 |
外部GPU | なし |
RAM | 32GB/64GB(LPDDR5X-8000, オンボード) |
ストレージ | 1TB SSD(PCIe 4.0 ×4接続) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.4インチ(2,560×1,600)タッチ、180Hz |
ネットワーク | Wi-Fi7(a/b/g/n/ac/ax/be)、Bluetooth 5.4 |
入出力 | USB4 Type-C(映像出力、PD対応) ×2 USB3.2 Gen2 Type-A、HDMI オーディオジャック、microSD |
カメラ | イン5MP(顔認証対応)/アウト13MP |
バッテリー | 70Whr(動画約10.6時間) |
サイズ | 本体:300×204×12.9-14.9 mm キーボード込:300×209×18.7-20.7 mm |
重量 | 本体:1.2 kg/キーボード込:1.59 kg |
バリエーションモデル
GZ302EA-AI912C:Ryzen AI MAX 390/RAM32GB
GZ302EA-AI916C:Ryzen AI MAX+ 395/RAM32GB
GZ302EA-AI916G:Ryzen AI MAX+ 395/RAM64GB
コメント
ここのところ、「IntelとAMDのCPU一覧表」をコツコツと作っている関係で、最初に「搭載CPU」に目が行きました。Ryzen AI MAXシリーズ(Strix Halo)のRyzen AI MAX 390(12コア24スレッド、Radeon 8050S)とRyzen AI MAX+ 395(16コア32スレッド、Radeon 8060S)で、Ryzen AI 300シリーズ(Strix Point)と同様にZen5コアを搭載しつつもZen5cコア(非常にざっくりいうと、IntelのEコアに近い、高効率コアです)を採用しておらず、内蔵GPUのRadeon 8060Sは3D MarkのTime Spyのスコアが1万点をオーバーした(GeForce RTX4060 Laptop GPUと同等)、という情報(公式情報ではありません)もありました。
そのせいもあってか、ROG Flow Z13 GZ302EAは従来モデルにあったGeForce 搭載のバリエーションモデルはありません。まあ、モバイルPCでもあるので、RTX4060に近いグラフィック性能を備えているのなら、消費電力が非常に大きい外部GPUを搭載しない、という選択も自然ですよね。
Ryzen AI MAXシリーズのスペックと型番の一覧表はこちらをご覧ください。
また、RAMはオンボード4チャンネルです。ちなみに私は現在、GMKtec EVO-X1というRyzen AI 9 HX 370を搭載するミニPCをレビュー中ですが「オンボード、8GB×4チャンネル」、また先程レビュー記事を掲載した吟遊詩人さんのHP OmniBook Ultra 14-fd(Ryzen AI 9 HX 375搭載)の購入レビューでも「8GB×4チャンネル」だったので、Strix PointやStrix Haloでは「これが標準」なのかもしれないですね。ただし、IntelのLunar Lake(Core Ultraシリーズ2)のようにCPUがRAMと一体化している構造ではないようです。
デタッチャブル2-in-1(タブレット部分が本体、着脱式のキーボードが付属する構造)であるのは従来モデルと同じですが、サイズは少し変わっていますので、筐体も新しくなっています。
ディスプレイは13.4インチの2.5K(2,560 × 1,600)解像度で、有機ELパネルではありませんが、ASUSの高品質ディスプレイに使われる「Nebula」の称号がついており、100%DCI-P3、Dolby Vision対応、PANTONE認証取得と、素晴らしい発色品質を備えています。もちろんタッチ対応し、前面ガラスはゴリラガラス・ウィクタス、リフレッシュレートも180Hzと高速です。
また、着脱式のキーボードもパワーアップしています。キーキャップのサイズが大きくなり、なんと「Nキーロールオーバー」にも対応します。タッチパッドも従来モデルから28%大型化しました(この画像では英語配列になっていますが、日本仕様は日本語配列です)。
外観は「ROGらしく」派手ですねw タブレットが本体の製品ですが、4スピーカーを搭載し、Dolby Atmosにも対応しているので、迫力あるサウンドが楽しめると思います。
2.価格など
ASUS ROG Flow Z13 GZ302EAはASUS Storeで販売中で、2月26日現在の価格は下記のとおりです。
GZ302EA-AI912C:AI MAX 390/RAM32GB:379,800円
GZ302EA-AI916C:AI MAX+ 395/RAM32GB:449,800円
GZ302EA-AI916G:AI MAX+ 395/RAM64GB:469,800円
うん、安くはないですねw もちろんハイエンドな2-in-1なので、高価ながら魅力的なのは間違いありません。
3.関連リンク
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コメント
RyzenAI MAXはクワッドメモリチャンネルなので最低構成が4つ
という話だと思うのでRyzenAI9 HX370のとは話が異なるような…
にしても高い
内蔵GPUで十分という文言を本気で具現化したAPUだから予想はしてたけど…
ミニPCなら2000ドル程度でTDPも120Wだからもう少しコスパいいのかな?
すみません、一応ChatGPTと議論を交わしてみました(最近良くやってます)が、Ryzen AI MAXはデュアルチャネルでも動作するみたいです(違っていたらすみません…)。
このCPUを搭載するPCをレビューできるのはまだかなり先になると思いますが、ネットの断片的な情報によれば相当の実力みたいですよね。GMKtecとかでもRyzen AI MAX機を出してきそうですけど、いまGMKtecのEvo X1というミニPCとAD-GP1という外付けCPUをレビュー中で、ガジェット好きがメカ的な面白さに期待するならこのセットかな、などと思ったりしています。
オンボードで表記される1チャネルは32bitなので、256bit幅を持つStrixHaloの場合、最大構成だと8チャネル表記になると思われます