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Iiyama 10P1100T-AT-FSM - 実機レビュー(その2・性能・ソフトウェア編)

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こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。「Iiyama 10P1100T-AT-FSM(以下、本機といいます)」のレビュー2回目です。今回はソフトウェアやアプリの使い勝手、それとIntel Atomシリーズとしては高スペックな部類に入る本機の搭載CPU、Z3775Dの性能について書きます。

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1.初期インストールソフト・アプリ

Windowsストアアプリでプリ・インストールされているアプリは非常に少なくて、「Yahoo!天気」と「LINE」、あとはWindows8.1の付属品であるマイクロソフト製アプリ(Peopleとかニュースとか地図とか)だけです。ストアアプリは簡単にインストールできるので、余計なものを入れないでくれたほうがありがたいですよね。

デスクトップソフトのほうはLoilo Scope(画像管理・編集ソフト、体験版)」「Norton インターネットセキュリティ(アンチウイルス・試用版)」「Zoner Photo Studio(画像管理・編集ソフト(体験版)」、そしてユニットコム(Iiyamaと同系列の会社)のデータバックアップソフトなどです。もちろんMicrosoft Office Home&Businessも入っています。デスクトップソフトのほうは体験版の類がちょっと多いかな、という気がします。体験版がありがたいのかウザいのかは人によって異なると思いますが、私個人としてはあまり歓迎しないですね。

本機のストレージ容量は64GBですが、リカバリ領域を除くと50GB強、それにプリインストールソフトが入っているので、初期状態での空き容量は46GB強となっています。リカバリ領域を外出しして、クラウド・ストレージを活用すれば不足するということはなさそうです。

2.Office系ソフトの性能

Microsoft Officeはもちろん何のストレスもなく動きます。通常の入力や計算で体感的に遅いと感じることはありません。ただ、これだけじゃつまらないので、手持ちのASUS VivoTab Note 8とacer Aspire Switch 10と「スピード競争」をしてみました。私が作った非常にサイズが大きく(13MB、最大26万行)、膨大かつ非効率な処理内容のExcelマクロを実行してみて、処理にかかる時間を測定しています。

Core i5のノートPC(2年落ち): 1分30秒
10P1100T-AT-FSM(本機・Z3775D): 4分5秒
VivoTab Note 8(Z3740): 5分35秒
Aspire Switch(Z3735F): 6分15秒

Atomシリーズの処理能力はかなり改善したとはいえ、Core i5あたりと比較すると歴然たる差が出てしまいます。Atomを搭載した3機種はPassmarkが公開しているベンチマーク結果をほぼトレースする結果となりました。やはりZ3775DはAtomとしてはかなり高速ですね。

今回テストに使ったExcelのマクロはちょっとイレギュラーというか、処理内容が重すぎるような気がしていて、実際のビジネスの現場ではもっと軽めの処理になると思うので、体感できる速度差はもっと小さいんじゃないでしょうか。

3.ドラゴンクエストX ベンチマークソフト

ドラゴンクエストXは有料のオンラインゲームですが、ゲームが正常に動かせるPC環境にあるかを事前にチェックできるよう、ベンチマークソフトを配布しています。それで、ドラゴンクエストで遊ぶ、ということではなく、ベンチマークソフトだけ使わせてもらって性能チェックをしてみます。オンラインゲーム用のベンチマークなので、グラフィックまわりの性能が反映されやすいと思いますが、もちろんCPUやRAMも関係してくるはずです。

テストは各機種とも他のアプリをすべて閉じて再起動の上、解像度「1280×720」画質「標準品質」に統一して実施しています。機種ごとに3回テストし、もっとも高いスコアの結果を採用しています。

ベンチマーク ノートPC
まずはCore i5のノートPC(2年落ち)。ドラクエは快適に遊べるようです。

ベンチマーク VivoTab
次にVivoTabです。一気にスコアが5分の1以下になり、ドラクエは無理、という判定が…。VivoTabはもう1年近く毎日ハードに使っているので、経年劣化が現れたかな、という気がします。

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ベンチマーク Aspire
Aspire Switchは何とか4桁乗せ。CPUスペックが勝るVivoTabよりいい結果になりました。

ベンチマーク FSM
これが本機のものです。CPUスペックが高い割にAspire Switchとほぼ同等のスコア。

ここの結果は意外でした。おそらくグラフィックコントローラー(GPU)がみんなIntel HD Graphic(CPUに内蔵されている)なので、これがボトルネックになってCPUのスペック差が反映されにくかった、ということだと思います。

ちょっと脱線しますけど、オンラインゲームをする場合、現在市販されているタブレットだと厳しいようですね。このあとThinkPad 8でも同じテストをするつもりですが、GPUがボトルネックなのであればCPU性能が多少上がってもあまりスコアは期待できないですね。

4.ブラウザゲーム

上記のドラクエベンチマーク結果から考えて、ブラウザゲームの場合でもGPUがボトルネックとなり、CPUの性能差は大きくないのかも、と思っていましたが、意外にも体感差は感じられました。「艦隊これくしょん(艦これ)」と「御城プロジェクト(城プロ)」を試したのですが、「艦これ」については他のタブレット機種同様ほぼ問題なく遊ぶことができ、「城プロ」のほうはVivoTabやAspire Switchよりも明らかに快適に感じられました。ブラウザゲームのほうは比較的GPUにかかる負荷が小さめでCPUの性能差が出やすいのかもしれません。

5.画像加工

実機レビューを書くときの恒例みたいになってしまいましたが、フリーのデスクトップソフト「GIMP」を使ってモデルのサヤマくんをいじってみました。
サヤマ元画像
この画像を

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こうしてみたんですが、大きなストレスもなく加工ができました。ただ、本機よりも低スペックなCPUを搭載しているAspire Switchと比較して著しい高速化という感じはありません。サヤマ君の元画像の背景を抜くときの処理でちょっとだけ待ち時間が発生する、というところもAspire Switchと大きな違いはありませんでした。もちろんこのレベルの加工は問題ない、という結論ではありますけどね。

なお、今回はストアアプリのほうは書いていません。問題がなさすぎて「書くことがない」からです。

6.今回の結論

本機搭載の高性能版Atom Z3775Dですが、事務処理系、Office系のソフトウェアを扱う場合、その恩恵を受けることができます。しかし、グラフィック系のソフトウェアを扱う場合はおそらくGPU性能がボトルネックとなり、他のAtom機に対してはっきりと差をつけるようなパフォーマンスは出ていません。もちろん短期間のテストなので、この先使い込んでいくと本機の性能を実感できる場面が多くあるのだろうとは思います。

タブレットや2 in 1を選ぶ際、個別パーツの性能よりも「パッケージング」のほうが重要ですね。具体的には使いやすい筐体、使いやすいキーボード、バランスの取れた性能、必要十分なディスプレイ…、購入予算とパッケージングのバランスの取れた機種が一番いいということでしょう。

次回の記事でこのあたりについて書きたいと思っています。本機のパッケージングは太鼓判を押せると思っていますよ!

7.関連リンク

Iiyama 10P1100T-AT-FSM - 実機レビュー(その1・筐体編)

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