MSIが「ビジネス・クリエイターノート」のModern 14に新たなバリエーションモデルを追加しました。Modern 14については過去にウインタブで紹介記事を掲載していますが、もともと「PS42 Modern」という14インチモバイルノートが2019年秋に「Modern 14」と「Prestige 14」に枝分かれしたもの、と理解しています。PS42 Modernは14インチサイズながら1.19 kgという軽量筐体になっていて、しかも外部GPUのGeForce GTX1050 Max-Qまで搭載するという、ハイスペックマニアのビジネスマンが狂喜するような仕様でした。枝分かれした(と思っている)Modern 14のほうは軽量筐体はそのままに外部GPUが搭載されず、一方でPrestige 14のほうは筐体も新しくなり、さらなる性能アップを果たした、という色分けになっています。
今回Modern 14のほうに追加された「A10RB-808JP」は外部GPUのGeForce MX250を搭載しつつ価格をかなり低めに抑えた、ビジネスマンやクリエイターに歓迎されるモデルだと言えます。
1.スペック
このスペック表はA10RB-808JPのもので、他のバリエーションモデルについては考慮していません。注目したいのがCPUとGPUの組み合わせで、Modern 14の既存モデルは「Core i7-10510U/外部GPUなし」という構成になっていたところ、A10RB-808JPは「Core i5-10210U/GeForce MX250」となりました。つまり、CPUがスペックダウンし、そのかわりGeForceが搭載された、ということです。おそらく価格との兼ね合いもあるんでしょうし、ビジネスマシンとしての性能を維持しつつグラフィック性能を大幅に高める、という意図もあるのだろうと思います。
RAMは8GB、ストレージは256GBで、RAMに関してはMSI指定販売店で最大32GBまで増設が可能です。一方でストレージはスペックの割に少し小さめかと思います。ビジネスマシンとして使うのであれば十分だと思いますが、クリエイターノートとしては(使い方によっては)不足気味になるかもしれません。
あとは既存モデルから変更がありません。ディスプレイは14インチのFHD解像度、ノングレアタイプで、ほぼ間違いなくIPS相当のものが搭載されています。また入出力ポートに関してはUSB、HDMI、SDカードリーダーと、必要なものが十分揃っていると思います。ただし、MSIの製品ですけどゲーミングノートという位置づけではないので有線LANポートはありません。
サイズは既存モデルおよびPS42 Modernと同じです。というか、この製品の筐体はPS42 Modernから変わっていないですね。14インチのPCとしてはサイズがかなり小さく、重量も1.19 kgと文句なしの軽さです。このサイズ感はModern 14の大きな魅力になっていると思います。
2.筐体
この製品の筐体はPS42 Modernと同じものだと推測していますので、筐体品質や使用感について、詳しくはPS42 Modernの実機レビュー記事をご参照ください。
MSI PS42 MODERN 8RC レビュー - 14インチ、1.19 kgのモバイルノートなのにGeForce GTX1050搭載!羊の皮をかぶった狼!?(実機レビュー)
正面から見ると、上部および左右のベゼル幅が非常に細くなっているのがわかります。美しいデザインですが、そのかわりWebカメラが上部ベゼルではなく下部ベゼルに配置されている点に注意が必要です。いわゆる「鼻毛の手入れが必須になるカメラ(ビデオチャット時を想定)」です。
天板です。MSIの「ドラゴン・ロゴ」は目立たないものになっています。筐体素材はアルミ合金で、天板にはヘアライン加工が施されています。筐体色はやや濃いグレーで、色を除けばPS42 Modernと全く同じと考えていいでしょう。
キーボードです。14インチサイズなのでテンキーはありませんが、Enterキーの右に一列あるタイプになります。PS42 Modernと同じ仕様と思われます。PS42 Modernではアルファベットキーのキーピッチは上下左右とも約19 mmと十分な余裕があり、キーストロークは標準的な深さでした。また、ホワイトのバックライトも装備されます。
この画像は英語配列になっていますが、日本仕様は日本語配列です。それと、ひとつ気になる点として、「左下にFnキーがない」ということが挙げられます。私はFnキーをほとんど使わないので特に困りませんでしたが、日頃「左下のFnキー」を多用している人には少々不便なレイアウトかと思います。
側面と入出力ポートの配置です。特に不満はありませんが、USB Type-Aポートが左右に一つずつ振り分けられていたらさらに便利だったかとは思います。しかし、GeForceを積んでいるとは思えないくらいの薄さですよね!
3.価格など
MSI Modern 14(A10RB-808JP)は1月18日の発売で、1月18日時点ではアプライドのみで販売されており、アプライドでの価格は税込み104,280円となっています。既存の「Core i7/RAM8GB/512GB SSD」という構成のモデル(A10M-477JP)が税込み109,800円(PCショップアーク)で販売されていて、それとは5,000円強の価格差になっています。Core i7と大容量ストレージをとるか、GeForceをとるか、という感じですね。
今回追加されたA10RB-808JPを含め、Modern 14シリーズはPCとしての性能が非常に高く、筐体も薄くて軽く、そして価格も低めということで、スペックにこだわりたいビジネスマンや外出先でPCを使いたいクリエイターにはとても魅力的な製品だと思います。
4.関連リンク
Modern-14-A10RB-808JP:アプライド