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Teclast X10 3G - 過度の期待は禁物ながら、お買い得感あり(読者レビュー:かのあゆさん)

Teclast X10 3G
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です、中国の通販サイト「GEARBEST」に実機を提供していただき、先日ウインタブで実機レビューした中国のAndroidタブレット「Teclast X10 3G」の読者レビューです。いや、むしろ「外部ライターによるレビュー」といったほうがいいかもしれません。この製品はちょっとクセというか扱いにくいところがあり、上級レベルのAndroidユーザーでないとレビューするのが厳しいだろう、という判断で、通常の読者レビューのようにレビュアーを募集せず、「私が知ってる人」にレビューをお願いしました。

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レビュアーは「かのあゆさん」で、Androidに関し上級レベルの知識がある人です。レビューは大変勉強になります。その一方で「PCとAndroid SDKを使っての日本語化」とか「Root化」とか「カスタムROM」などの、私のようなWindowsユーザーが詳しくない部分についてもう少しいろいろ教えていただきたいなあ、と思いました。これは製品レビューなので、そういうことまで書いちゃうととてつもない文字数になってしまいますから無理としても、できればWindowsユーザー向けのAndroid講座みたいなのをお願いできるといいなあ、と思っています。では、かのあゆさんのレビューをどうぞ!

1.はじめに

はじめまして。今回ウィンタブさんにてレビューを書かせていただくことになったかのあゆというものです。 普段はガジェット系個人ブログ「かのあゆブログ」を運用しております。

今回は中国Teclast社が販売している10.1インチAndroidタブレット「Teclast X10 3G」のレビューとなります。

2.XPERIAタブレットっぽいデザイン

Gearbest内の商品ページやTeclast公式の商品ページを見て真っ先に感じたのは「これXPERIAタブレットっぽいなぁ」という印象だったりします。

Teclast X10 カメラ部分のリング
実物が手元に来てもその印象は変わりませんでした。XPERIA Z/Z2タブレットそっくりなデザインなんですよね。背面カメラの金属のリング部もXPERIAっぽいです。ただXPERIAタブレットシリーズが背面に強化ガラスを採用しているのに対してTeclast X10 3Gは流石にプラスチックを採用していますが、この価格帯の中華タブレットによくあるような安っぽさはあまり感じないデザインになっています。

物理ボタンは電源ボタン、音量ボタン。スロット類はACアダプタジャック、microUSBポートx1、microSD(XC対応)スロット、SIMスロット(3G通信対応。通常SIMサイズ)となります。そう。この機種機種名にもある通りこの価格帯のタブレットとしては珍しくSIMカードスロットも搭載されています。流石にLTEには非対応ですが、SIMカードを刺せば3Gネットワーク経由で単体で通信することも可能です。

ただし今回は都合上ここら辺はレビューしませんが、海外に持ち込んだときに現地のSIMカードを差してカーナビがわりに活用することもできます。GPSも内蔵しているのでナビがわりにはぴったりかと思われます。

Teclast X10 3G スピーカー
背面スピーカーはモノラル。音質は価格相当といったところでボリュームをあげると音が割れるのでむしろBluetoothスピーカーをペアリングして使った方が幸せになれるかもしれません。

液晶は視野角が広いIPS液晶で表示は十分きれいです。かつてこの価格帯の中華タブレットは製造コストは安いものの視野角が狭く画質も劣るTN液晶を採用したものが多かったのですが、近年では製造コストも安くなったこともあってか安価なタブレットでもIPS液晶搭載のものが増えました。かつてAndroid 2.2~4.0時代の激安中華タブレットを何台か使ったことがあるのでこれだけでもいい時代になったものだなぁと思います。

3.UIはAndroid標準準拠。Google純正アプリはGoogle Play StoreとGmailのみ。

Teclast X10 3G アプリ
搭載OSはAndroid 5.1 “Lolipop”。すでに日本国内でもぼちぼちAndroid 6.0.1”Marshmallow”搭載端末が出始め、今夏には次期バージョン「N」の足跡も聞こえてきている状況ですが、そもそもAndroid 5.0以降のバージョンはマイナーアップデートといってもいいようなもので細かい機能拡張が行われている程度ですのでLolipopでも使い勝手が大きく変わるということはありません。

Teclast X10 液晶
システムUIは特にメーカーによるカスタマイズがされていない標準のもので、デフォルトのランチャーアプリはこれまたAndroid標準のLaunchar3となっています。本体初期化後の初期設定ウィザードは本機では搭載されておらず、初期化後はデフォルト言語が中国語にセットされたうえでいきなりホームランチャーの画面が表示されます。ただしGoogle Mobile Serviceが全くインストールされていないわけではなく、最小限のコンポーネントとしてGoogle Play StoreとGmailのみはデフォルトでインストールされていますので、起動後設定から「Accounts」でGoogleアカウントの追加を行うことはもちろん可能です。(というか追加を行わないとGoogle Play Storeが利用できないので追加必須ですね)。

本当に最小限のコンポーネントしかインストールされておらず、Google検索やGoogle Nowカードの利用に必要なGoogleアプリやブラウザのChrome(いわゆるAndroid標準ブラウザ自体はデフォルトでインストールされています)、Google MapsやYouTube、Google Play Musicなどは一切インストールされていないので必要なコンポーネントを後からインストールしておくといいかもしれません。ついでに日本語IMEのGoogle日本語入力も必須なので入れておいたほうがいいと思います。ATOKなど別のIMEを利用するのであれば必要ありませんが、とりあえず本機には日本語IMEが標準ではインストールされていないので何らかの日本語IMEをインストールする必要があります。

Teclast X10 3G アプリ一覧1
Teclast X10 3G アプリ一覧2
そのほかのプリインストールアプリはAndroid標準のシステムアプリ以外はUC Browser、Google Pinyin Input、中華圏ユーザー向けの独自アプリストア、中国語版Clean Masterなど中華タブレットではおなじみのアプリケーション群となります。

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Teclast X10 3G アプリのアンインストール
ただしこれらのプリインストールアプリはすべてアンインストール可能なので、購入後すべてばっさりアンインストールしておくことをお勧めします。ただしTeclast Boot ManagerのみはOSの起動時に自動起動するアプリを管理できるユーティリティのようですので一応残しておくことを推奨します。

Teclast X10 3G 日本語なし
ウィンタブさんのレビューでも記載されていますが標準状態では言語設定に日本語はありません。海外版Galaxyシリーズなど一部の端末では設定に日本語がなくてもGoogle Play Storeで配布されているMorelocare2を利用することでシステムUIや付属アプリも含め日本語化できる機種もあるのですが、本機の場合はそもそも日本で販売されていないこともあってかシステム自体に日本語言語ファイルが含まれていないようで、MoreLocale2を使ってもシステムUI関連は英語のままになってしまいます。ただしこの作業を行うことでGoogle Play StoreやGoogle設定アプリなどは日本語化されますのでやっておいて損はないと思います。

Teclast X10 3G OEM Unlocking
設定画面の開発者オプションは本来であれば隠し機能扱いで端末情報にあるビルドナンバーを10回連打しないとアンロックされない仕様になっているのですが、本機では最初からアンロックされています。よく見ると開発者オプション内に「OEM Unlocking」という項目がありますが、これはGoogleのリファレンス端末であるNexusシリーズなど一部の機種にも存在する項目で、これを有効にすることによりPC側で「Fastboot」コマンドを打ち込むことでブートローダーをアンロックすることができます。この作業を行うことでメーカーが署名していないカスタムROMを導入することが可能になります。日本で販売されているAndroid端末ではそもそもブートローダーのアンロックを意図的にできなくしている機種が多いのでこういう仕様の端末はNexus以外では非常に珍しいと思います。本機の登場がまだ浅いので現状ではまだ出ていないようですが、今後カスタムROMのリリースも期待できそうな感じです。

4.一応オクタコアSoC搭載ではあるが…

Teclast X10 3G CPU-Z
Teclast X10 3G CPU-Z その2
Teclast X10 3G CPU-Z その3
搭載SoCはMediaTek製のMTK8392。Cortex A7アーキテクチャに準じたオクタコアプロッサとなります。MediaTek製のSoCは日本でもSIMフリーのスマートフォンやタブレットなどに多く搭載されるようになってきました。

ただし確かにオクタコアプロセッサで間違いはないものの、MediaTekのハイエンド向けオクタコアプロセッサはこれとは別に”Helio X10“というSoCが存在し、本機に搭載されているMTK8392は性能的にはローエンド~ミッドレンジ向けとなるため、過度の期待は厳禁です。

Teclast X10 3G GeekBench
実際各種ベンチマークのスコアもAntutuが30940、GeekBench3のスコアがシングルコア372、マルチコア2069とそれなりなものになっています。

また内蔵されているGPUもARM製のMali-450 MP(2コア)で、これが発表されたのが4年前の2012年と大幅に古い世代のものとなるため最新の3Dゲームを動かすには役不足なスペックとなります。

Teclast X10 3G 3D Mark
実際3DMark Ice Stormのベンチマークスコアは4508とかなり低く、

Teclast X10 3G Need For Speed No Limits
Electronic Artsがリリースしている3Dレースゲーム「Need For Speed No Limits」を試しにプレイしてみたところ、プレイ自体は可能でしたが処理落ちしている場面がいくつか見受けられました。

またTeclastによるOSのチューニングが甘いのか、ベンチマークスコア的には2013年に発売したSnapDragon S4 Pro(実際にはSnapDragon 600のダウンクロック版を搭載)を搭載したNexus 7(2013)や2014年にAmazonから発売したFire HD 6(MediaTek製クアッドコアSoC搭載)と同程度なのですが、Google Nowランチャーなど一部の動作がもっさりしておりここら辺は非常に残念な感じでした。体感動作的にはNexus 7(2013)やFire HD 6のほうがサクサク動いているような印象です。それでもWEBブラウズや動画鑑賞程度であればあまりストレスがたまることはないと思います。

5. 12,078円で購入できるのであれば“あり”。定価の2万なら国内で販売されているメーカー製タブレットを購入したほうが…

本機は現在GearBest内では定価の19,001円の36%OFFとなる12,078円で販売されています。日本国内で販売されている10.1インチAndroid端末はKEIANのKPD108Rとなりますが、こちらはクアッドコアのRockChip製RK3128となり、液晶解像度が1,024 x 600、内蔵ストレージも8GBというスペックとなるため、そういう意味では液晶解像度1,280,x,800でオクタコアSoCを搭載し、内蔵ROM容量が16GBでGPS、(日本国内では基本的には利用できないとはいえ)3G通信に対応したSIMカードスロットが搭載された本機はシステムUIが完全に日本語化できないことを除いてもお買い得感はあると思います。逆に定価の19,001円だと中古で国内メーカーの同サイズのAndroidタブレットが購入可能なため、正直性能面を見てもどうかなぁというのが正直な印象でした。

ただし前述のとおり標準でブートローダーのアンロックが可能で、今後のカスタムROMの開発次第ではいろいろ遊べそうな一台になりそうな気がします。

6.関連リンク

Teclast X10 3G - ウインタブ初!10.1インチ中国Androidタブレットを試す(実機レビュー):ウインタブ
Teclast X10 3G Phablet:GEARBEST

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