HPがコンバーチブル2 in 1タイプのChromebook「Chromebook x360 14」「Chromebook Plus x360 14」を発売しました。HPは以前からChromebookに力を入れており、多数の製品を扱っていましたが、最近は製品数も減り、ウインタブが毎週掲載しているセール情報記事でChromebookを取り上げる機会も減ってしまいました。しかし、HPのChromebookは健在ですね。
ニューモデルは2機種ですが、基本的に筐体は同じ(筐体色が異なります)でスペックが異なります。
1.スペック
スペック表
製品名 | Chromebook x360 14 / Chromebook Plus x360 14 |
OS | Chrome OS |
SoC | X360:Intel N200 Plus x360:Intel Core i3-N305 |
RAM | 8GB(オンボード, LPDDR5 4800MHz) |
ストレージ | x360:128GB UFS Plus x360:256GB UFS |
ディスプレイ | 14インチIPS(1,920 × 1,080) タッチ |
LTEバンド | — |
SIM | — |
ネットワーク | Wi-Fi 6(a/b/g/n/ac/ax)、 Bluetooth 5.3 |
入出力 | USB Type-C(5Gbps、映像出力/PD対応)× 2、USB Type-A(5Gbps)、オーディオジャック |
カメラ | x360:92万画素(HD画質) Plus x360:207万画素(FHD画質) |
バッテリー | 駆動時間 最大約10時間15分-11時間 |
サイズ | 323 x 210.3 x 20.4 mm |
重量 | 1.5 kg |
コメント
CPUはx360(無印)がIntel N200、Plus x360がCore i3-N305です。
Passmarkが公表しているベンチマークスコアです。参考としてIntelの最新型番、Core 5 120Uのスコアも掲載しました。N200とi3-N305は結構大きなスコア差があり、i3-N305は第11世代のCore i5-1135G7(スコア9,827)くらいの実力があります。
Chrome OSはもともと「ブラウザー上でWebアプリを操作し、作ったデータはクラウドに保存する」という使い方が想定され、この使い方の場合は低性能なCPUでもそこそこ快適に動作する(もちろん高性能なCPUのほうがさらに快適ですけど)のですが、現在だとGoogle Playのアプリを使ったり、Linuxを動かしたりといったことも簡単にできるようになっていますので「CPUは低スペックでもOK、ストレージなんて最小で大丈夫」ということも言いにくくなりました。
私も先日レビューしたASUS Chromebook CM30 DetachableでLinuxのソフトウェア「GIMP」を試してみました。私はLinuxについて「初心者とすら言えない」レベルの知識しかないのですが、それでも非常に簡単にLinuxを導入できたことが驚きでした。
しかし(Linuxも軽量なOSと言われているものの)GIMPの動作はさすがにもっさりしていて、「Linuxのソフトウェアを使うならもう少し高いスペックのChromebookのほうがいいだろう」と感じました。
そういう話をし始めると「最初からWindows(あるいはMac)でよくね?」ということになってしまうのが難しいところですw ともあれ、無印のx360とPlus x360の間には大きめの性能差がある、ということは知っておきましょう。
RAMは2機種とも8GB、ストレージはSSDではなくUFSで無印が128GB、Plusが256GBです。ストレージについてもCPUのところで書いたことと同じで、トラディショナルな使い方だけなら128GBもいらないと思いますが、AndroidアプリとかLinuxのソフトウェアとかも含め、データをローカルに保存するようなことをするのであればそれなりの容量は必要になりますね。
ディスプレイは14インチのIPS液晶で解像度は1,920 × 1,200です。この製品はコンバーチブル2 in 1なのでタッチ対応もします。「筆圧に対応するUSIペン」については説明がなく、オプション設定もないので、おそらく使えないものと思われます。
通信まわりではWi-Fi6に対応しますが、LTE/5G対応はしません。
2.筐体
14インチサイズのノートPCとして、そんなに小さいほうではありません。またコンバーチブル2 in 1筐体ということもあり、重量も1.5 kgと少々重いです。この画像はPlus x360 14のもので筐体色は「メテオシルバー」といい、樹脂筐体です。
無印のx360 14も同一の筐体(サイズが全く同じです)ですが、筐体色はグレイシャーシルバーでロゴデザインも異なります。
キーボードは「バックライトキーボード (日本語配列)」とだけ開示されていて、HP製品としては珍しくキーピッチ・キーストロークについて説明がありませんでしたが、もともとChromebookはキー数が少ないですし、筐体も14インチなので狭苦しさはないと思います。また、キーボード面の左右にスピーカーが配置されているので、音質も悪くないでしょう。
側面と入出力ポートの配置です。USBポートはすべてGen1規格(伝送速度5Gbps)で、2つのType-Cポートは映像出力とUSB PDに対応します。というか、この製品はDC-INジャックがないので、2つのType-Cポートのいずれかを使って充電/給電することになります。
コンバーチブル2 in 1筐体なので、テントモード、スタンドモード、タブレットモードにして使うこともできます。
3.価格など
HP Chromebook x360 14 / Chromebook Plus x360 14はHP公式ストアで販売中で、4月21日現在の価格はx360 14が88,000円、Plus x360 14が110,000円です。ただし、この価格は「定価」で、HPは発売後少し経ってからセール価格(キャンペーン価格)を適用することが多いので、この先価格が下がると思います。
以前は「Chromebookなんて一番安いのでも大丈夫」的なことを思っていましたが、いいか悪いかは別としてChrome OSも機能が豊富になり、いろいろな使い方が楽しめるようになっていますので、Core i3くらいを搭載し、ストレージ容量にも余裕のあるPlus版くらいが安心なのかもしれませんね。
4.関連リンク
HP Chromebook x360 14 製品詳細:HP
HP Chromebook Plus x360 14 製品詳細:HP
コメント
高価格高性能のChromebookは全然アリだと思います。
ChromebookにはChromebookの良さ(安全・高速・共有)があり、良いChromebookを買おうとしてる時にWindowsやMacが候補に上がってくる事はありません。
需要は少ないと思いますが、HPを含め各メーカーが継続的に高性能な機種を出してくれるのは嬉しく思います。
Snapdragon X Elite 積んだ薄くて軽いの出てくれないかな
私は平成前期~中期にかけてサラリーマンをやっていて、「Excelが必須」という時代だったので、どうしてもWindowsとかMacに目が行ってしまいます。Chromebookについては表層的な使い方に終始しており、先日ASUSのChromebookレビューの際に初めてLinuxソフトウェアを導入してみた程度です。表層的な使い方という前提だと、「性質上、初期化(PowerWash)が気軽にできる」というのが大きなメリットだと感じましたね。Windowsだと初期化するのに結構度胸がいりますから。また、乏しい軽ケイン上ですがChrome OSでもCPUの性能が高いことの恩恵というのは理解できます。ただ、最初に書いた通り、どうしてもWindowsのほうに目が行ってしまうので、10万円出すならCore 5のWindowsノートPC買うわ!となってしまいますw