こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。この記事ではウインタブが最近紹介したり、実機レビューをした製品の中から特に面白いと感じた製品ジャンルを2つ取り上げてみたいと思います。中華製品(ウインタブでは並行輸入品で日本向けの仕様になっていない製品をこう呼んでいます)は近年めざましく品質が向上していますが、スマホなんかを見てみると、「アスペクト比18:9の縦長ディスプレイ、背面デュアルカメラ、MT6750系かHelio P系のCPU」ということで均質化してしまっていて、ハズレを引くリスクは小さくなっているものの、以前のような独創性というか怪しさみたいなものが薄れつつあります。そうなると残りは「価格が安いこと」になってしまい、それはそれで魅力的なのですが、面白さという点では少し後退してしまった感もあります。
しかし、探してみると中華ならではの面白さを残す製品もまだまだありますよね!
目次
1.CeleronにGeForceを組み合わせたノートPC
T-bao Tbook X8S Pro
OS: Windows 10
CPU: Intel Celeron J3455
GPU: NVIDIA GeForce 920M
RAM: 6GB
ストレージ: 128GB eMMC
ディスプレイ: 15.6インチIPS(1,920 × 1,080)
サイズ: 360 × 235 × 18 mm / 1.7 kg
価格: 309.99ドル(34,086円、2月24日現在)
紹介記事:T-bao Tbook X8S Pro - GeForceを積んで300ドル?いくらなんでも安すぎな15.6インチノートPC
製品ページ(geekbuying):T-bao Tbook X8S Pro
Daysky D-book Pro
OS: Windows 10
CPU: Intel Celeron N3450
GPU: NVIDIA GeForce 940M
RAM: 6GB
ストレージ: 64GB eMMC + 64GB SSD
ディスプレイ: 14.1インチ(1,920 × 1,080)
サイズ: 335 × 223 × 15 mm / 1.3 kg
価格: 434.99ドル(47,592円、2月24日現在)など
紹介記事:Daysky D-book Pro - 14.1インチでCeleron N3450 + GeForce 940MX!のモバイルノートPCが爆誕!大丈夫なのか?
製品ページ:
Daysky D – book Pro:Banggood
Daysky D – book Pro:Gearbest
この2機種、ウインタブの常連読者の人なら強く印象に残っていると思います。Celeron N3450は比較的低価格(エントリースペック)のノートPCに広く使われているもの、Celeron J3455は本来デスクトップ用のCPUで、N3450よりも若干高性能なものです。この2機種は、「CeleronにGeForceの外部GPUを組み合わせた」という点で、非常に独創性のある製品となっています。一般にGeForce GPUはゲーミングノートなどに搭載されていて、PCのグラフィック性能を劇的に向上させる働きをします。しかし、パソコンの動作を総合的に制御するのはあくまでCPUで、Celeronというスペックが高いとはいえないCPUにGeForceを組み合わせることにより、どのくらいのパワーアップが実現できるのか、現時点ではなんとも言えません。
また、搭載されているGeForceも920M(T-bao)と940M(Daysky)ですから、はっきり言うと型落ち品ということになりますし、性能も上位のGTXシリーズと比較するとかなり見劣りはします。しかし、私の経験上、エントリークラスのGeForceであっても、搭載するかしないかによってめちゃめちゃグラフィック性能が変わってきますので、最低グレードだろうと型落ち品だろうと、「ないよりもずっとマシ」であることは間違いありません。ただし、それはCPUがCore i5とかi7の場合ですけどね。上にも書きましたが、Celeronとの組み合わせで何が起こるのかはわかりません。
それと価格です。特にT-baoの方は異常に安い水準になっています。あまりにも安いし、以前T-baoはWindowsのライセンス絡みで問題を起こしたことがありますので、この製品を扱うgeekbuyingに問い合わせたところ「OSは正規ライセンスで、以前のような問題はありません」という回答をもらっています(ただし、ウインタブではこの件を自分自身で確認できていません)。
私が注目したいのは、このパターン(CeleronとGeForce)の製品が複数のメーカーから立て続けに登場した、という点です。中華メーカーでは、「一社が何かすると他社が追随する」という傾向が非常に強いです。おそらく深センには筐体とかベアボーンとかマザーボードなどを扱うサプライヤーがたくさんいて、各社とも共通のサプライヤーから部品を仕入れているんでしょう。なので、このパターンのノートPCは2018年に増える可能性があると思います。
ウインタブでは現在T-bao Tbook X8S Proの実機レビューができるように手配中です。また、可能であればDayskyのほうもぜひレビューしてみたいです。「何が起こるのかわからない」というのが実機レビューをする際に一番ワクワクするんですよね!
そうそう、この記事の趣旨とは少し外れますが、Dayskyのほうは「D-book V9」「A3」という、デュアルストレージ(SSD + SSDやSSD + HDD)を搭載したノートPCもリリースしてますよ。
2.キーボードがセットされるAndroidタブレット
VOYO i8 Plus
OS: Android 7.0
CPU: MediaTel MT6753
RAM: 3GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 10.1インチIPS(1,920 × 1,200)
サイズ: 242 × 172 × 10 mm / 580 g
価格: 195.99ドル(21,551円、2月24日現在、キーボードとスタイラス込み)
紹介記事:VOYO i8 Plusの実機レビュー - 質感がよく使いやすい本体と「すごい」キーボード、愛すべき中華タブ
製品ページ(geekbuying):VOYO i8 Plus
PIPO P10
OS: Phoenix OS + Android 7.1
CPU: Rockchip RK3399
RAM: 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 10.1インチIPS(2,560 × 1,600)
サイズ: 255 × 164 × 7.8 mm / 510 g
価格: 255.99ドル(28,008円、2月24日現在、キーボードとスタイラス込み)
※2月28日現在、販売はスタートしていません
まずVOYO i8 Plusですが、この製品はAndroidタブレットながら「Surfaceタイプ」です。つまり、タブレット本体にキックスタンドを備え、薄型の専用キーボードがセットされます(タブレット単体でも購入可能)。また、2,048段階の筆圧に対応するスタイラスペンもセットになります(ペンなしも購入可能)。Androidタブレットとしてのスペックは中位クラスで、それほど高性能とはいえませんが、この製品が想定しているであろう、キーボード接続をしてのオフィスワーク(Office互換のWPS Officeが付属します)には十分な実力があります。
一方、PIPO P10のほうはSurfaceタイプではありませんが、キーボードとスタイラスペンが付属します。OSは通常のAndroid 7.1とキーボード・マウスでの利用に適したAndroidベースのPhoenix OSのデュアルブートとなります。CPUのRK3399というのはあまり見かけない型番ですが、Antutu(バージョン6)であれば7万点程度をマークできる高性能なものです。ディスプレイも2,560 × 1,600とかなり高精細です。
2017年後半くらいから、中華では比較的スペックの高いAndroidタブレットが増えつつあります。この2機種に関しても、そのような流れを汲んでの登場、ということになると思いますが、特にVOYO i8 Plusの「SurfaceタイプのAndroidタブレット」という製品コンセプトには感銘を受けちゃいましたねw また、この製品の専用キーボードは「あまりにも…」という形状をしていまして、それでいて割としっかり使えるというのも面白かったです。
Windowsのほうは相変わらず小型タブレットの低調が続いていて、それは中華の世界でも同じなのですが、Androidのほうはここ最近、高性能なものや、ここに紹介する2機種のようにWindowsっぽい使い方を提案する製品も出てきており、2018年も少しは期待してもよさそうです。
紹介記事:PIPO P10 - Phoenix OSを搭載した10.1インチタブレット、キーボードとスタイラスペンも付属します
製品ページ(Banggood):PIPO P10:Banggood
※なお、PIPO P10は2月24日現在「Alert Me On Arrival(到着お知らせ)」というステイタスになっており、販売はスタートしていません。
コメント
やはり
Daysky D-book Proは気になりますね
スチームのソフト色々いじってみたい
なおさん、こんにちは、コメントありがとうございます。確かに。とりあえずベンチマークは回してみたい。
こんにちは。私はgeekでx8s proを2/25に購入していますが、未だに発送の気配がありません。気長に到着を待つことにしています。
さて、質問です。リカバリメディアは付属してくるとは思っていませんが、何かあったときどのような対処方法がありますでしょうか?
中華ノートは初めての経験なのでぜひ教えてください。
これからも面白い記事楽しみにしています。
こんにちは、コメントありがとうございます。回復ドライブの作成とかシステムイメージのバックアップがあります。タスクバーの検索窓に「回復」と入れれば回復ドライブの作成ができます。また、システムイメージの完全バックアップも取れます。さらに買ってすぐなら初期化するとかもありでしょう。Windows 10環境でのバックアップについては富士通のこのサイトをご覧ください。https://www.fmworld.net/cs/azbyclub/qanavi/jsp/qacontents.jsp?rid=3&PID=8604-6224