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Windowsタブレットの国内シェア15%に思うこと

タブレットのシェア
こんにちは、Twitterでは「窓マン」という名前に改名したウインタブ(@Wtab8)です。先日「日経トレンディネット」がすごく面白い記事を書いていました。

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アップルがASUSに負けた! タブレット市場でシェア逆転劇発生:日経トレンディネット

記事の主題はタブレットのトップメーカーがAppleからASUSに変わったということですが、他にも興味深い内容が含まれていました。

OS別のシェアを見てみると、2014年上期はAndroidが46.0%のシェアを獲得。次いでアップルが38.0%となっている。これに対して、Windows 8.1とWindows 8は合計で15.7%となっている。

このなかには「Surface」が含まれていないことも考慮する必要があり、量販店などの声を聞くと、Surfaceが加われば20%台に到達するのは間違いなさそうなのだ。

昨年の国内のタブレット販売台数は545万台(出所:マイナビニュース「2013年のタブレット販売台数、前年比79%増の545万台 – GfK調査」)で、今年はやや伸び率が鈍化しているものの、6月の販売台数は前年比26%増(出所:日経トレンディネットの上記リンク記事内)ということなので、恐ろしくアバウトな試算をすると

「昨年の545万台をベースに25%くらい台数が増えているとすると、今年の販売台数は680万台くらいになる。上半期にその半分の340万台が売れたとして、Windowsタブレットはシェア15%くらいなので50万台強売れたことになる」

ということになります。非常に大雑把な計算なのですが、根拠レスでもありません。私達「普通の人」がイメージする上で、「この半年にWindowsタブレットは50万台売れてるのね」というくらいがわかりやすいかなと思います。ウインタブはWindowsタブレットに関連する情報を取り上げているので、このペースなら順調にアクセス伸びるね、と思いました。

生い立ちが違うWinタブとiPadとAndroidタブ

Windows8のイメージ
さて、ここからが本題です。いつも書いていますが、Windowsタブレットというのは「パソコン」です。スペックの良し悪しはありますが、フルスペックのWindowsがインストールされています。

仮に

<上流>PC→タブレット→スマホ<下流>

とします。上流が偉くて下流がダメという意味ではなく、裾野に行くに従って普段使いが多く、販売台数も多く、万人向け、というくらいの意味合いで使っています。

Windowsタブレットは「PCから下流に伸びた製品」ということが言えます。一方iPadとAndroidタブは、異論はあると思いますが「パソコン」ではありません。若干「パソコン=Windows」というバイアスがかかった見解ですが、PCの作業を完全にタブレットに落としこむことが出来ない、という意味です。いうなれば「スマホのお化け」ですね。つまりiPadとAndroidタブは「スマホから上流に伸びた製品」です。PCとスマホの中間に位置するのがタブレットだと言ってよいと思いますが、現在のWindowsタブレットとiPad、Androidタブの競争というのは外観や価格は似ていますが、実態は「異種格闘技戦」といってよいでしょう。

そして、生い立ちを考えてみれば、それぞれの得意分野がはっきりします。スマホのお化けであるiPadとAndroidタブはゲームをしたり、動画を観たり、Webブラウジングをするのなら全く不満はありませんし、それぞれのアプリストア(App ストアとかGoogle Play)をフル活用できるので、アプリの調達に苦労することはありません。パズドラもモンストも遊べます。その代わり、いくらiOSやAndroid用に作られたOfficeが用意されようと、Google Docsが進化しようと、それは本当のOfficeじゃなくて、書式は崩れますし、マクロも動きませんし、ピボットテーブルとかも使えません。フル機能のOfficeを使えるのはフル機能のOfficeだけ、つまりWindowsタブレットだけです。

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一方WindowsタブレットはPCでの作業をそのままタブレットに持ち込むことができるという意味で非常に優れたビジネスマシンだと思います。その代わりWindowsストアは貧弱ですし、WindowsPhoneストアのアプリは動きません。MicrosoftではWindowsストアとWindowsPhoneストアの統合を計画していますが、過去のアプリ資産がそう簡単に統合できるとも思えないので、すぐにApp ストアやGoogle Playには追いつけません。いつになったらWindowsストアにNAVERとかVineとかパズドラが並ぶのかもわかりません。

書かなくてもわかると思いますけど

Appleというのは独自性の高い戦略を取る会社なので、MacOSとiOSをうまく棲み分けながら伸ばしていくという技を使える可能性があります。それと、iPhoneにせよiPadにせよブランドイメージを確立しているので、トップシェアではなくとも、安定した一定のシェアを確保できるでしょう。GoogleはChromebookをテコにPC市場に切り込んでいく戦略でスマホ→タブレット→PCという階層を完成させようとしています。スマホとタブレットでトップシェアを握っているので、PCで大成功されたらMicrosoftはお手上げです。

若年層の生活の中心となるデバイスはスマホでしょう。友人とのSNS(特にLINEやってないと話にならない)やゲームを楽しめれば十分ですしね。なのでタブレットを選ぶ際にはスマホとの連携、スマホによく似た操作性を期待すると思います。iPhoneを使っていたらiPad、GALAXYとかXperiaを使っていたらAndroidタブを選ぶでしょう。一方、会社勤めをしている、若干年齢層が上の人達の生活の中心は会社でありWindows PCなので、できることならWindowsと同じ操作性で、いざというときに仕事にも使えるWindowsタブレットというのは魅力的な選択肢になります。艦隊これくしょんが引き金になったとはいえ、現在のWindowsタブレットの販売を支えている人は、こちらのタイプが主流なんじゃないでしょうか。

モダンUIのイメージ
でも、WindowsはWindowsでもVistaとか7ならおなじみだけど、8は会社で使ってないし、あのタイルの画面はPCで使うと鬱陶しいので嫌い、という人もたくさんいますね。慣れてしまうとモダンUI(タイルの画面)は非常に使いやすく、8インチのタブレットではもはや必須といえる存在なのですが、これがPCの世界に行くと邪魔者扱い。このあたりにスマホ→タブレット→PCと一気通貫でインターフェースを合わせる難しさがあります。

それでも、上流から降りてくる流れ、というのは日本では成功していると思います。それがシェア15%につながっているわけですね。でも、下流から上がってくる流れは皆無です。当たり前です。日本でWindowsPhoneが買えないんだから。スマホの普及台数を考えたら、下流からの流れを作れないままシェア15%というのは驚異的ですし、逆に「何してんねん、Microsoft」というため息も出ます。

結論 Windowsタブはまだ伸びる、WindowsPhoneを出すなら今!

Nokia Lumia930
Windowsタブレット、シェアが急激に上がるということはないと思いますが、法人向けの需要が立ち上がり始めているので、この先も拡販が見込めると予想しています。法人向けも絡めて、ということなのでボリュームゾーンは8インチから10インチにシフトするかもしれませんが。

でも、上に書いたように、スマホからタブレットへの流れを作れないとAndroidのシェアは簡単には崩せないでしょう。今の日本のタブレット市場、Windows陣営は下流のスマホ製品が欠落したままで戦っていますが、Windowsタブレットがそれなりのシェアを確保できるようになっているので、中流(タブレット)から下流への流れも期待できます。スマホありきでタブレットを選ぶんじゃないくて、タブレットありきでスマホを選ぶ、という人達ですね。少なくとも私はそのうちの一人です。

通信キャリアにはもう期待してません。NokiaジャパンからSIMフリーのLumia出してもらえませんかね。もちろん技適マーク付きで。飛びつくWindowsタブレットユーザー、多いと思います。

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