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進化を続ける電子ペーパーAndroidタブレット「BOOX」シリーズを、おすすめの用途とともに紹介します(2023年初頭編)

BOOX series_2023
こんにちは、natsukiです。ウインタブで度々取り上げ、個人的にも入れ込んでいる、電子ペーパーディスプレイを搭載したAndroidタブレット「BOOX」シリーズについて、あらためてその特徴と、ラインナップを紹介します。なんじゃそれ?という人から、なんか見かけたことあるけど、何に使うの?という人まで、電子ペーパーにあまり興味を持ってこなかった人にも、BOOXシリーズ最新のラインナップから、その独特の魅力をお伝えできればと思います。

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この記事で紹介するのは、2023年2月現在のラインナップとなります。電子ペーパーというのは、まだまだ発展途上な部分もある技術なんですが、それだけに、新しい製品が出るたびに前世代機と比べて分かりやすく体感できるグレードアップを果たしていることも多く、そういう技術の進歩に感動できるのも、BOOXシリーズの醍醐味です。

1.BOOXって、どんなことに使えるの?

電子ペーパーの特性

boox poke4 lite
まずは、電子ペーパーって何なの?というところから。電子ペーパーの魅力は、ともかく、その「見やすさ」に尽きると言っていいでしょう。ディスプレイ自体を発光させないため、長く見ていても目が疲れにくく、直射日光下でも問題なく視認が可能など、まさに「紙のような」質感で表示します。

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一方で、様々なデメリットも抱えています。まず、基本的に「モノクロ」です。最近になってカラーの電子ペーパーディスプレイも発売されつつあり、これについては製品ラインナップのところで後述しますが、まだ多くの製品はモノクロです。そして重要なのが、反応速度が遅いということです。BOOXシリーズは、この電子ペーパーの宿命である反応速度に、様々なアプローチで果敢に挑んでいて、技術的興味からすると新しい世代のBOOXが出るたびに反応速度の向上が楽しみなんですが、それでも、「電子ペーパー」という枠の中では驚異的な反応速度を獲得した最新の「BOOX Tab」シリーズですら、動画視聴には向かず、スクロールにカクツキ感があるというレベルです。こう書くと、そんなもん実際の使いみちがあるのか?と感じてしまうかもしれませんが、これらのデメリットを抱えても、用途によっては、十分すぎる実用性と魅力があるんです。

なお、電池持ちがよい、という話もよく見ますが、これは電子書籍のように、「一つの画面を長時間動かさない」場合です。頻繁に画面を切り替えるような用途の場合は、相応に電池を消耗します。要するに、用途によって大きく異なるということです。

「Kindle」や「KOBO」のような、電子書籍閲覧

kindle
電子ペーパーディスプレイを備えるタブレットで、世界的に圧倒的に普及しているのは、Amazonの「Kindle」タブレットでしょう。同様のコンセプトで、楽天の「KOBO」などもあります。一つの画面を長時間表示して、スクロールなどの動きが不要な電子書籍閲覧は、電子ペーパーの適性と非常に合った用途です。KindleやKOBOなどの電子ペーパータブレットは、それぞれのメーカーの電子書籍閲覧に特化していて、その分、操作はかんたんでとっつきやすいのが特徴です。ただしもちろん汎用性は低く、基本的に特定の電子書籍を読むことしかできず、PDFやテキストファイルなどの一般的なファイルを保存して読むことにすら制約があります。

BOOXシリーズの場合は、OSにAndroidを採用しているため、電子書籍は、普通のAndroidスマホやタブレットと同様に、電子書籍アプリをインストールすることで閲覧できます。電子書籍アプリはカラー液晶表示を前提としているため、ページめくりの効果や表示の潰れなどを調整してあげる必要があるのですが、その最初のひと手間さえ厭わなければ、KindleとKOBOの両方など、複数の電子書籍ストアをまとめて読むことが可能です。また、hontなど、専用のタブレットを持たない電子書籍ストアの書物についても、Kindleのように電子ペーパーで閲覧することが可能です。もっとも、表示の具合やページめくりボタンの使用可否など、相性もかなりあるので、その点は注意が必要です。この相性については、電子ペーパー専門店「SKT」のサイトに分かりやすいまとめがありますので、ご参照ください。

よくある質問:SKT

あるいは、テキストリーダーアプリの導入によって、青空文庫などの閲覧も快適です。私は、「読書尚友」というアプリをインストールして、青空文庫まるまるすべてと、いろんなところから手に入れた、膨大な量のテキストファイルとHTMLファイルの文献を、いつでも見られるようにしています。

読書尚友 - オフラインで青空文庫すべてを持ち歩ける、電子ペーパータブレットとも相性抜群のAndroid用テキストビューアアプリ:ウインタブ紹介記事

もちろん、PDFなどの、Androidで普通に閲覧できるファイルは問題なく閲覧可能。特に、PDFファイルについては、BOOX専用のNeo Readerという非常に高機能なアプリが提供されています。WordやExcelなども、もちろん対応アプリをインストールして利用可能。もっとも、このあたりの一般的なオフィスアプリについては、閲覧はともかく編集になると、反応速度の問題から、操作が快適とは言い難い面はあります。

ノート機能も充実

kindle scribe
スクロールをあまり必要としないノート機能も、電子ペーパーと相性のよい機能です。従来より、ペン入力によるノート機能を重視した電子ペーパータブレットは多く存在します。
SONYの「DPT-CP1」や、富士通の「QUADERNO」、キングジムの「フリーノ」など。変わり種としては、2画面をくっつけた楽譜専用の「GVIDO」なんかもありましたが、残念ながら販売終了しています。このジャンルは、最近にわかに活気づいていて、「HUAWEI MatePad Paper」「Kindle Scribe」「Lenovo Yoga Paper」などが相次いで登場しています。これらは、主にPDFファイルの閲覧、書き込みや、ノート機能に特化したタブレットです。

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BOOXの7.8インチ以上の端末で、比較的新しい世代の製品は、基本的にペン入力に対応します。BOOXの場合、ペン入力を使う機能は、PDF閲覧などに使う専用のリーダーアプリ「Neo Reader」と、レイヤー機能やAIによる文字読み取り機能を備えた高機能なノートアプリの2種類がメインです。上述のノート機能専用端末との使い勝手の差は、それぞれに特徴があって一概には言えないのですが、ざっとの比較ではレイヤーを備えるなど、BOOXが高機能です。また、一般的なクラウドストレージを使えるなどのファイル共有のしやすさもBOOXの大きなアドバンテージでしょう(Kindle Scribeは、ファイル取り込みに専用手段を使わなくてはならず、一癖ある)。私は、X-proleなどによるWi-Fiを通じたファイル共有も結構使いますね。あとは、他社では比較的珍しい、小さめの7.8インチをラインナップに備えています。個人的に、とても好きなサイズ感です。

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書き心地もこだわり抜かれていて、最新世代の機種は、ペンタブや液タブなどのペン入力専用ガジェットも含むあらゆるペン入力端末と比較しても、トップクラスの精細さを誇ります。また、ペン先と保護フィルムの摩擦感も絶妙です。これは、筆圧段階の数値といったスペックシートには現れない、BOOXの素晴らしい部分です。

ただし、ペン入力機能は、電子ペーパーの特性から、基本的にNeo Readerと専用ノートアプリでしかまともに使えません。Androidなので、アイビスペイントなどのイラストアプリも一応はインストールはできるものの、残念ながら、反応が遅すぎたりリフレッシュという画面の切り替えがうっとおしかったりで、実用的ではありません。

「ポメラ」のようなテキスト入力端末として

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キングジムが販売する、知る人ぞ知る名ガジェット「ポメラ」シリーズというものがあります。ひたすら、テキスト入力のみに特化したガジェットで、根強い人気を誇るシリーズです。

では、BOOXも同様に使えるか?というと、もう一歩というところでした、これまでは。実は、ポメラシリーズにも電子ペーパーディスプレイを採用したラインナップがあったんですが、正直、あまり評判は良くなかったようです。その理由は、おそらく反応速度の遅さです。電子ペーパーは、先述のように反応速度が遅く、テキスト入力をバリバリ行うときには、その遅さが気になります。バックスペースを連打したときとかに顕著ですね。BOOXシリーズには、「リフレッシュモード」という画質を犠牲にして反応速度を上げる機能があり、これを使えば一応の実用レベルにはなるのですが、肝心の画質が劣化するようでは、本末転倒の感はあります。ちなみに、モードによっては電池消費も激しいです。

boox tab ultra
しか〜し、後述のように、最新世代の「Tab」を冠する機種は、独自技術「BSR(BOOX Super Refresh)」により大幅な反応速度の向上を果たして、テキスト入力にそれなりに耐えうるレベルまで改善してきました。今後のBOOXシリーズは、ワープロのようなテキスト入力端末としての魅力も増しそうです。

つまり?

つまり、「電子書籍やHTMEL、テキスト、PDFなどの資料閲覧」「PDFへの書き込みや、自由に描けるノート機能」が、BOOXの基本的な機能になります。こう書くとシンプルですが、この組み合わせだけでも、実際にはかなり使いでがあります。さらに、OSがAndroidなので、様々なアプリをインストールすることで、これら機能の実用性を高めることはもちろん、その可能性を無限に広げることができるわけです。

もっとも、電子ペーパーであることの制約は大きいため、すべてのアプリが使えるわけではないどころか、まともに使えるアプリはそうとうに限定され、それらも、表示設定などを適切に調整してやる必要があります。総じて、いきなり簡単に使えるのではなく、各自の用途に合わせて、自分で試行錯誤してカスタマイズする、という性格も強いガジェットです。ここを面白いと感じるかめんどくさいと感じるかは、BOOXとの相性の大きな分かれ目かもしれません。もちろん、私はカスタマイズに大興奮なタチです。

なお、同様な「AndroidをOSに採用した電子ペーパータブレット」には、「LikeBook(Meebook)」「Bigme」など他社のシリーズもあります。私自身、一時期LikeBookに浮気したこともありました。それぞれ、なかなか面白い製品も出しているんですが、ラインナップの豊富さにおいてはBOOXが圧倒しているので、この記事ではBOOXのみをとりあげます。

2.サイズによるラインナップ紹介

それでは、BOOXの具体的なラインナップを紹介していきましょう。まずは、ディスプレイのサイズ別に、主な用途と合わせて紹介していきます。

軽量で閲覧専用の6インチ「BOOX Poke 4 Lite」、7インチ「BOOX Leaf」

poke4 lite
最小サイズの6インチディスプレイを備えるのが、「BOOX Poke」シリーズ。最新機種は「BOOX Poke 4 Lite」です。

leaf2
一回り大きい7インチサイズなのが「BOOX Leaf」シリーズ。最新機種は「BOOX Leaf2」です。この2種類はサイズが違いますが、まとめて紹介してしてしまいます。というのも、後述の外付けディスプレイを除けば、現行のBOOX製品で、この2種類のみがペン入力機能を備えていないためです。つまり、閲覧専用の端末になります。すると、KindleやKOBOとの差別化が薄く感じてしまいますが、それでも、PDFやテキストファイル、HTMLなど、電子書籍以外の資料を簡単に閲覧できるだけで、十分に魅力的です。

比較してみると、より安価なのは「BOOX Poke 4 Lite」ですが、容量16GBはかなり少なめ。「BOOX Leaf2」の方が、デザイン性に優れ、容量も32GBと大きく、さらにページめくりボタンを備えmicroSDカードによるストレージ拡張に対応と、使い勝手が大きく改善しています。システム面では大きな差はないので、せっかくならユーザビリティーの面で様々にグレードアップしている「BOOX Leaf2」の方が満足度はぐっと高いと思います。もっとも「BOOX Poke 4 Lite」も、約150gの軽量さという利点はあるので、このあたりは用途に応じて。

BOOX Poke4 Lite:BOOXメーカーサイト
BOOX Poke4 Lite 6インチ GooglePlayが使える電子ペーパーAndroid11タブレット:SKTSHOP

BOOX Leaf2:BOOXメーカーサイト
BOOX Leaf2 7インチ電子ペーパー搭載 GooglePlay 物理ボタン MicroSDXC使用可:SKTSHOP

BOOX Poke4 Liteの実機レビュー - 文庫サイズの小型軽量でどこへでも連れて行ける電子ペーパーAndroidタブレット:ウインタブ実機レビュー記事
BOOX Leaf2 - コンパクトサイズで手頃な価格のE-Ink搭載Androidタブレット、物理ボタンがついてさらに使いやすくなりました:ウインタブ紹介記事

手帳としても活躍できる7.8インチサイズの「BOOX Nova」

個人的にイチオシのサイズです。このサイズ以上のBOOXシリーズは、ペン入力が可能で、資料に書き込んだりノートとして使ったりと、用途がグッと広がります。7.8インチというのは、電子書籍にもメモ帳にもちょうどよいサイズ感で、BOOXの魅力である「閲覧」と「書き込み」をともに最大限満喫できること請け合い。これ以上大きくなると、取り回しの問題はもちろん、文字のみの電子書籍は読みづらくなってくるんですよね。私にとって、この「BOOX Nova」シリーズは、「スマホは忘れてもBOOX Novaは忘れない」というくらい最高の相棒です。現行のBOOX Novaシリーズは、大きく分けて2つのラインナップがあります。

美しいデザインと高精度なペン入力が魅力の「BOOX Nova Air」

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基本的にはこちら。一昨年より販売されている「BOOX Nova Air」シリーズです。最新版は「BOOX Nova Air2」となります。「Air」を冠するBOOXは、まずぱっと見て、デザインの美しさが素晴らしい。また、前世代機に比べて、ペン入力の精細さが大幅に向上しています。電子書籍や資料の閲覧に、または日々の手帳として、さっと取り出しぱっと使える。専用カバーにはページめくりボタン付きのバリエーションもあります。なお、「BOOX Nova Air」と「BOOX Nova Air2」は、処理能力が多少向上して、筐体の柄が変わったくらいの違いです。

BOOX Nova Air2:BOOXメーカーサイト
BOOX Nova Airシリーズ 7.8インチ 電子ペーパー GooglePlay 物理ボタンが使える:SKTSHOP

BOOX Nova Air2 レビュー - 電子書籍リーダーに手帳に、ちょうどいいサイズ感で、高精度なペン入力と便利なページめくりボタン付き専用カバーも備えた7.8インチ電子ペーパータブレット:ウインタブ実機レビュー記事

カラー電子ペーパーを試したいなら「BOOX Nova Air C」

nova air c
「カラー電子ペーパー」という、極めて意欲的なディスプレイを搭載した機種です。ただし、カラー電子ペーパーは、まだまだ表示そのものが成長中の技術のため、モノクロの通常の電子ペーパーと比べると、全体的に画面が暗めで、カラー部分は解像度が落ちます。そのカラー表示も、液晶画面ほど鮮やかなものではありません。技術の進歩を体感できるという意味では非常に魅力的なのですが、「電子ペーパーのことをわかっている人向け」の製品だとは思います。

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さて、このカラー電子ペーパを搭載する最新製品は「BOOX Nova Air C」なんですが、今買うべきかと聞かれると、ちょっと迷いどころです。というのは、カラー電子ペーパーの新世代「Gallery 3」というのが、従来のカラー電子ペーパーからかなりの進歩を遂げているようなんです。すでにGallery 3搭載のBOOXが開発中であることはアナウンスされているので、今年中には発売されるでしょう。電子ペーパーというジャンル自体が日進月歩なため、こうして先を待っているとキリがないんですが、それでも、このGallery 3は待つ価値があるくらいの進歩のようです。Gallery 3搭載のBOOXは、個人的にも、今年かなり注目しているもののひとつです。

BOOX Nova Air C:BOOXメーカーサイト
BOOX Nova Air C 7.8インチ カラー電子ペーパー Android EInk タブレット 電子書籍:SKTSHOP

BOOX Nova Air Cの実機レビュー - 進化し続ける7.8インチ「カラー」電子ペーパータブレットを徹底レビュー!:ウインタブ実機レビュー記事

先進的な機能を優先的に搭載する10.3インチ「BOOX Note」

「ノート」として書き込むのに扱いやすい10.3インチサイズが「BOOX Note」シリーズです。他社電子ペーパータブレットを見回しても、ノート機能重視の機種では近年もっとも種類の多いサイズです。一方で、文字の電子書籍閲覧には、やや大きすぎるかもしれません。またBOOXシリーズの場合、このサイズには先進的な機能が優先的に導入される傾向があります。最近だと、デザイン性に優れる「Air」を冠するシリーズや、最新のリフレッシュ技術「BSR(BOOX Super Refresh)」を備えた「Tab」を冠するシリーズが、まずはこのサイズから発売されています。そういうこともあり、従来よりBOOXシリーズの中でも同時展開のラインナップが豊富で、場合によってはイマイチ差別化が明確でない場合もあります。現行販売品では、3種のラインナップがあります。

電子ペーパーノートならまずこれ「BOOX Note Air」

note air2 plus
電子ペーパーノートを求めるなら、まず第一に検討すべき機種がこの「BOOX Note Air」シリーズです。上述のように、BOOXの中でもAirを冠する製品はデザイン性に優れ、ひと目見て、おおッとなる魅力があります。「BOOX Note Air(初代)」は、従来型のBOOX Noteに比べて、スペックと価格を抑えた廉価版の性格があったのですが、「BOOX Note Air2」では、大幅なスペックアップとユーザビリティの向上を果たしました。なお「BOOX Note Air2」と最新の「BOOX Note Air2 Plus」の違いは、カラーとバッテリー容量だけです。文字の閲覧中心なら、さほどバッテリー消費は気にならないと思うのですが、漫画閲覧やノート機能はややバッテリーを喰います。想定される用途によって、Plusにするかどうか選ぶと良いでしょう。

BOOX Note Air2 Series:BOOXメーカーサイト
BOOX Note Air2Plus / Air2 10.3インチ:SKTSHOP

BOOX Note Air2の実機レビュー - スタイリッシュな電子ペーパー搭載のAndroidタブレット、高精度なペン搭載で「電子ペーパーノート」ならこれで決まり!:ウインタブ実機レビュー記事(Plusの付かない方ですが、スペックはほとんど変わりません)

ハード構成違いの「BOOX Note」

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製品名に「何も付かない」BOOX Noteです。最新機種は「BOOX Note5」。上述のように、初代「BOOX Note Air」発売段階では、スペックを抑えて廉価でデザイン性に優れた「BOOX Note Air」か、高機能な「BOOX Note」という差別化があったんですが、「BOOX Note Air2」が高機能化してスペック上の差がほとんどなくなったため、価格がひとまわり高いことや、デザイン性でAirが際立つことから、相対的に魅力が減じてしまった感はあります。BOOX Note Air2とは、機能面での差はほとんどないものの、指紋認証を備えるなどハード構成が異なる部分もあるので、想定される用途を考えて、選ぶと良いでしょう。

BOOX Note5:BOOXメーカーサイト
BOOX Note5:SKTSHOP

最新のリフレッシュ機能に、なんとカメラやキーボードまで付いた革新的機種「BOOX Tab Ultra」

tab ultra
昨年度のBOOXシリーズ最大の目玉と言っていいでしょう。電子ペーパータブレットの新たな世界を切り開く革新的機種が「BOOX Tab Ultra」です。「Ultra」の呼称はダテじゃない! 特徴は、大きく3点。まず、新技術「BSR(BOOX Super Refresh)」によって、電子ペーパーとしては反応速度が飛躍的に高まったこと。「電子ペーパーとしては」との但し書きはつくものの、テキストエディタとして十分使えるくらい、ブラウザなどのスクロール表示も、まあ許せるくらいに向上しています。電子ペーパー最大のネックを改善したことで、さらなる可能性が広がります。

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2つ目は、BOOXシリーズで初めてカメラを搭載したこと。ノート機能が充実するにつれて、実際に使っていると、やはり、実物の紙などをその場で取り込みたいというニーズが生まれてきます。これまでは、スマホで撮ってデータを同期するにしても、実際にやってみるとなかなかクセがありました。このカメラ搭載で、ペーパーレス化が大いにはかどります。

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3つ目に、本格的な専用キーボードがオプションで発売されたこと。これでもはや、上述のBSRによる反応速度向上も相まって、BOOXは「電子ペーパーパソコン」と呼べる領域に突入しました。

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実は、BOOX Note用の専用キーボードは従来から販売されており、私も持ってはいるんです。ただ、本体との固定がしっかりしていなかったり、そもそも反応速度の問題で本格的なキーボード入力に難があるため、お世辞にも使いやすいとは言い難い、いかにも後付けな実験的要素の強い製品でした。今回のBOOX Tab Ultraのキーボードは、明らかに「本格度」が違います。まあ、その分、BOOX Tab Ultraの価格はBOOX Note Air2の約1.5倍。専用キーボードも付けると10万円超えにはなってしまいます。

BOOX Tab Series:BOOXメーカーサイト
BOOX Tab Ultra 10.3インチ Android 電子ペーパー タブレット BSRによる高速動作実現:SKTSHOP

BOOX Tab Ultra - 10.3インチE-Ink搭載Androidタブレット、ディスプレイのレスポンスが大幅にアップ!専用キーボードもあります:ウインタブ紹介記事

A4サイズで見やすい13.3インチの「BOOX Tab X」

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Android搭載のBOOXシリーズとしては最大となるのが、13.3インチの「BOOX Tab X」です。ほぼA4サイズであるため、多用されるA4サイズの紙の資料を「実物大で」扱うことができるのが魅力です。例えば、楽譜なんかですね。ちなみに、楽譜に特化したタイプのBOOXもあるにはあるのですが、残念ながらグローバル展開はされていません。この大型のサイズは、画面分割機能を利用して、資料を参照しながらなノートを取るといった使用方法にも適します。

前世代の「BOOX Max」シリーズと比べ、最新の「BOOX Tab X」は、13.3インチにもBOOX自慢の新技術「BSR(BOOX Super Refresh)」を搭載して、反応速度を大幅にアップしました。ただ、10.3インチの「BOOX Tab Ultra」が、カメラや専用キーボードなどの用途そのものを拡張する革新的なハード構成であるのに比べると、こちらのハード構成は基本的には前世代機と変わりません。その分、価格も据え置きですが、もともとこのサイズの電子ペーパータブレットは高価なため、10万超えにはなってしまいます。

BOOX Tab X:BOOXメーカーサイト
BOOX Tab X GPU搭載13.3インチ電子書籍リーダー:SKTSHOP

BOOX Tab X - 13.3インチと大型のE-Ink搭載Androidタブレット、独立GPU「BSR」で高速な動作を実現:ウインタブ紹介記事

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楽譜を表示する場合には、専用のBluetoothペダルも販売されています。まあ、この用途の場合は、さすがに見開きで使える紙にはかなわないですが、パート譜くらいなら実用に耐えうるでしょう。なお、専用ペダルはかなりマイナーな周辺機器のため、販路が限られるのは難点です。

Boox Blue Page Pedal:BOOXメーカーサイト

電子ペーパーの外付けディスプレイ「BOOX Mira」

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このシリーズは、他のBOOXシリーズと根本的に異なり、単独では動作しない純粋な「電子ペーパーディスプレイ」です。必然的に、「本来電子ペーパーで表示することが想定されていないもの」をわざわざ電子ペーパーで表示するので、使用者側に明確な使用意図が求められます。極めてニッチながら、刺さる人には刺さる製品と言えるでしょう。まあ、電子ペーパーは、他のタイプのディスプレイと比べると、サイズがでかくなるのに応じて価格が大きく上昇するので、お値段を見た段階でノリで買うようなことはないと思いますが…………

13.3インチの「BOOX Mira」

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「BOOX Mira」は、13.3インチサイズで、専用カバーにキックスタンドを備える、モバイルモニター寄りの製品です。タッチ操作も可能。もちろん、VESA規格のマウントにも対応しているので、ディスプレイスタンドに設置することも可能です。注意事項として、現状、Apple社製品と、接続アダプターによる相性があり、またAMD CPUとの相性も悪いようです。

BOOX Mira Series:BOOXメーカーサイト
BOOX Mira,13.3インチEInkモニター:SKTSHOP

BOOX Mira - 13.3インチE-Inkパネル搭載のセカンドモニター。モバイルモニターとしても使えそうなデザインです:ウインタブ紹介記事

25.3インチの「BOOX Mira Pro」

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25.3インチと大型の「BOOX Mira Pro」です。こちらは完全に据え置き型のディスプレイ。タッチ操作も対応しません。お値段は20万円台後半。だから電子ペーパーはでかくなると高くなるんだって。やはりシステム的にもややクセはあるようで、本体側に相応の処理能力を要求する他、接続方式によって反応速度の具合が違うようです。決して汎用的な製品ではありませんが、ここまでラインナップを揃えてくること自体、BOOXシリーズの懐の深さを示すものでもあります。

BOOX Mira Series:BOOXメーカーサイト
BOOX Mira Pro 25.3インチEInkPCモニター:SKTSHOP

BOOX Mira Pro - 目の疲れを軽減してくれる、25.3インチの大画面E-Inkモニター:ウインタブ紹介記事

3.2023年のBOOXの見どころ

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個人的に期待している、今後のBOOXシリーズの展望を整理しておきたいと思います。まずは、「BOOX Tab Ultra」ではじまった、「BSR(BOOX Super Refresh)」「カメラ付き」「専用キーボード」というのが、他のサイズにどのくらい導入されるかですね。実は、7.8インチサイズにも、「BOOX Tab8」というBSR搭載のラインナップが開発されているんですが(カメラは付いてない)、残念ながら中国国内での展開のみでグローバル版は発売されていません。価格が上がってしまうのは悩ましい点ですが、カメラは欲しいですよねぇ。

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それから、カラー電子ペーパーの進歩。先述のように、次世代電子ペーパー「Gallery 3」は、かなりの品質向上が見込まれています。カラー電子ペーパーにBSRが対応できるのかは分かりませんが、その辺の組み合わせがうまくいけば、さらにBOOXの可能性が広がります。BOOXでアイビスペイントなどのイラストアプリを使いこなせる日も遠くない!? ライバル製品としては、このところBigmeブランドが、カラー電子ペーパータブレットに非常に挑戦的な機種を投入してきているので、ぜひBOOXと競い合って電子ペーパーの新たな世界を見せて欲しいものです。

4.販路

BOOXシリーズを購入するにあたっては、その販路は、基本的に2つに絞られると思います。

まずは、メーカーサイト「The Official BOOX Site」。ただし、PayPal決済のみ、日本円決済非対応、海外発送なので時間がかかる、アカウントを作らなくてはいけない、など、海外サイトなので当たり前ながら、AliexpressやBanggoodのような総合通販サイトに比べるとちょっと面倒ではあります。ちなみに、「onyxboox.com」というサイトもありますが、ここは北米の「authorized resellers」だそうです(The Official BOOX SiteのQ&Aより)。

一番安心なのは、国内の電子ペーパー専門店「SKT」から購入することです。なお、SKTは直販サイト「SKTSHOP」の他に、Amazon、楽天、Yahooショッピングにも出品していますが、SKT直販サイトだと周辺機器の割引特典などがつく場合も多いので、要チェックです。メリットは、言うまでもなく安心の保証と、注文したら数日ですぐ届くということ。BOOXシリーズは、やはりかなり特殊なタブレットではあるので、サポートは重要です。SKTが必ずつけてくれる簡易マニュアルだけでも価千金です。

他の国内の販路としては、BOOXもだんだん知名度が上がってきたのか、ビックカメラなどの家電量販店で販売している場合も見かけるようになりました。ただ、製品情報を見てみると、SKTの方がはるかに製品への理解が深いことは分かると思います。あとはセール価格やポイントなどで判断すればよい部分ですが、製品そのものへのサポートという面では、やはり専門店であるSKTに一日の長があるでしょう。なお、Amazonなどには怪しい出品者もみかけるので、Amazonや楽天などで購入する際は、当たり前ですが出品者情報には十分注意しましょう。

または、Aliexpressなどの海外通販で扱いがある場合もあります。ただ、現状で私が見ている限りでは、メーカー直販やSKTとさほど価格が変わりません。Aliexpressの場合は、BOOXの公式ショップはないため、保証などの問題もあります。もちろん、セールやクーポンなどでよっぽど安くなる場合なら検討の価値はありますが、日頃Aliexpressを多用する私から見ても、ことBOOXシリーズに関してはAliexpressで購入する必要性は薄く感じます。

5.関連リンク

The Official BOOX Site:BOOXメーカーサイト
SKT:SKT製品紹介サイト
SKTSHOP:SKT直販サイト

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コメント

  1. 匿名 より:

    BOOXは似たようなのが多すぎる

    • natsuki より:

      ご覧のように、「最新の」「サイズ別」で整理するとよいかと思います。
      まあ、それでも10インチクラスは、昔から実験的な製品や微妙に構成の違う製品を投入したりと、かなり錯綜してはいますね。

      ちなみにこれでも、グローバル版のあるものだけの話で、中国国内のみの製品を加えるとさらに大変なことになります。多くのバリエーションを生み出して、市場の様子を探りつつ、電子ペーパータブレットというジャンルを開拓し続けているのもBOOXのすごいところの一つなんですが、それが製品を分かりづらくしている面は確かにあるでしょう。ネーミング規則もけっこうノリで付けてるっぽく、例えば「BOOX Tab X」は、「BOOX Max Tab」にすれば13.3インチの新製品だって分かりやすいのに、とは私も思います。
      そんなこともあるので、今回の記事を書きました。整理に役立てば何よりです。

  2. 匿名 より:

    Tabシリーズが出てからnatsukiさんの記事を待っていましたよ!

    • natsuki より:

      ありがとうございます。実は個人的には、昨年度に期待していた本命はBOOX Tab8だったのですが、残念ながらグローバル版は発売されませんでした。で、我慢できずにBOOX Nova Air2に走った次第です。今年のBSR搭載機の展開に、あらためて期待です!

  3. タケシ より:

    とてもわかり易くて感動しました。boox検討中でして、参考になりました。ありがとうございました。

    • natsuki より:

      ありがとうございます。そう言っていただけると、書いたかいがあります。クセのあるガジェットではありますが、使用目的や環境にうまくハマれば、手放せない相棒になりますよ。