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HP Spectre x360 16-f レビュー - GPU「Arc A370M」に4K有機ELディスプレイ搭載の大型コンバーチブル2 in 1


HPのコンバーチブル2 in 1「Spectre x360 16-f」の実機レビューです。この製品は同社の人気モデル「Spectre x360 14-ef」の「大型版」ですが、外観はよく似ているものの、システム構成はかなり大きく異なり、クリエイターノート的な性格のある製品です。

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ここがおすすめ
・第12世代Core i7に外部GPUのIntel Arc A370M搭載
・抜群に美しい筐体デザイン、凝った筐体構造
・16インチと大型でタブレットモードやテントモードにできる2 in 1
・高い発色品質かつ4K解像度の有機ELディスプレイ
・筆圧対応のペン入力に対応、ペンも付属
・ノートPCとしては最高水準のスピーカー品質
ここがイマイチ
・「黒地に金」の筐体色は好みがわかれそう?
・モバイル利用には不向きなサイズ
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HP Spectre x360 16-f 製品詳細icon
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1.Spectre x360 16-f スペック

スペック表

  Spectre x360 16-f
OS Windows 11 Pro
CPU Intel Core i7-12700H/ Core i7-1260P
外部GPU なし/Intel  Arc A370M(4GB)
RAM 16GB/32GB(3200MHz, DDR4)
ストレージ 1TB/2TB SSD(PCIe NVMe M.2)
光学ドライブ なし
ディスプレイ 16インチIPS(3072×1920)タッチ
16インチOLED(3840×2400)タッチ
ネットワーク Wi-Fi6E(802.11 a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.3
入出力 USB4 Typc-C(Thunderbolt 4)× 2、USB Type-A(10Gbps)、HDMI、オーディオジャック、microSDカードリーダー
カメラ Webカメラ(5MP)顔認証対応
バッテリー 駆動時間 9-15時間
サイズ 358 × 246 × 18.9 mm (最薄部)
重量 1.96 kg

バリエーションモデル

・Core i7-12700H/-/16GB/1TB/IPS(3072×1920)
・Core i7-1260P/Arc A370M/32GB/2TB/OLED(3840×2400)
 ※左からCPU/GPU/RAM/SSD/ディスプレイ

コメント

上記記載の通り、Spectre x360 16-fには2つのバリエーションモデルがあり、下位の「パフォーマンスモデル」は外部GPUを搭載せず、そのかわりゲーミングノートにも使われている高性能なCPU、Core i7-12700Hを搭載しています。一方で上位の「パフォーマンスプラスモデル」はCPUのパフォーマンスがやや下がるものの、外部GPUのArc A370Mを搭載していることもあり、高いグラフィック性能が期待されます。

また、両モデルとも高精細なディスプレイを搭載していますが、上位のパフォーマンスプラスモデルは有機ELで4K解像度、タッチ対応し、ペン入力(4,096段階の筆圧と傾き検知に対応するMicrosoft Pen Protocol2.0方式)が可能と、クリエイター向けとして現時点のノートPC市場で望みうる最高水準の仕様となっています。

もちろんHPの最上位ブランド(マスターピース)、Spectreシリーズの製品なので、筐体の仕上げも「凝りまくって」いて、所有感を満たす外観になっています。なお、今回のレビュー機は上位の「パフォーマンスプラスモデル」です。

2.Spectre x360 16-f 外観と使用感

HP Spectre x360 16-f 電源関連
まずは同梱物から。Spectre x360 16-fにはACアダプター、電源ケーブル、そしてウォールマウントプラグ(通称ダックヘッド)が付属します。コンセントが手近にある場合はACアダプターにウォールマウントプラグを接続して使い、コンセントが少し遠い場合はACアダプターに電源ケーブルを接続して使います。ACアダプター+ウォールマウントプラグの実測重量は378 g、ACアダプター+電源ケーブルだと444 gでした。この製品は外部GPU搭載機ということで、ACアダプターが135W出力になっていて、単体での重量が337 gと、一般的なモバイルノートやスタンダードノートよりも重くなっています。ここは仕方のないところではありますが、外出先に持ち出す際は、できるだけウォールマウントプラグで済ませるようにしたいですね。

HP Spectre x360 16-f ペン
Spectre x360 16-fにはHP MPP アクティブペンが付属します。ペン入力に対応する製品の場合、ペンが付属するものとしないものがありますが、ペンを単品で購入すると1万円クラス、ということも珍しくないので、標準で付属する、というのはありがたいところです。なお、ペンには予備のペン先3本も付属していました。

HP Spectre x360 16-f ペン
ペンは2ボタンで充電式です。この画像は充電ポート(USB Type-Cポート)をお見せするためにペンの後部を(引っ張って)伸ばしたところです。

HP Spectre x360 16-f ペン装着
このペンはディスプレイ面の右側にマグネットで取り付けることができます。ただし、本体にくっつけておけば自動的に充電される、という構造ではありませんので、充電の際はUSB Type-Cポートを使って有線で、ということになります。また、マグネットがついているのはディスプレイ面の右側だけで、左側とか上部には取り付けることができません。

HP Spectre x360 16-f レザースリーブケース
それと、上位モデルだけあって、レザー(PUレザーです)のスリーブケースが付属していました。

HP Spectre x360 16-f 天板

HP Spectre x360 16-f 底面
天板と底面です。天板のロゴはHPのプレミアムタイプのもの、また背面の下側には2つのスピーカーグリルがあります。筐体素材は金属です。

HP Spectre x360 16-f 左側面
左側面です。天板側、キーボード面側それぞれが緩やかに丸みを帯びた美しい仕上がりになっています。また、側面にはゴールドのアクセントストライプが入っており、高級感を演出しています。こちらにはHDMIとUSB Type-Aポート、それと…

HP Spectre x360 16-f 左側面
筐体の後部が斜めにカットされており、ここにイヤホンジャックがあります。

HP Spectre x360 16-f 右側面
右側面です。こちらにはmicroSDカードリーダー、USB Type-C(Thunderbolt 4)、DC-INジャック、そして左側面と同様に、

HP Spectre x360 16-f 右側面
後部の斜めにカットされている部分にUSB Type-C(Thunderbolt 4)があります。

HP Spectre x360 16-f キーボード

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キーボードです。明るさを2段階に調整できるバックライトがつき、キーピッチは約19.0×19.0mm、キーストロークは約1.3mmと開示されています。キーピッチ19mmというのはPC用キーボードの標準サイズなので、使っていて狭苦しさを感じることはありません。また、キーストロークはやや浅めですが、最近のノートPCとしては標準的といえます。ちょっと注意したいのは「テンキーレス」という点でしょうか。ただ、Spectre x360 16-fの製品特性上、経理業務なんかに使うケースは多くないと思いますので、ホームポジション(キー入力のための基本の指の位置)が中央に来るテンキーレスレイアウトのほうが使いやすいと思います。テンキーレスなぶんサイズに余裕が出て、左右にスピーカーグリルを装備しています。この製品は底面に2つ、キーボード面に2つ、合計で4つのスピーカーを搭載します。

キーボードの使用感

打鍵音は小さめで、静かな場所でもそれほど気を使わなくていいと思います。SpaceキーやEnterキーは多少音が大きくなりますが、それでも静かな部類です。配列について、この製品は右のAltキーと方向キーの間に指紋センサーがありますが、操作中に誤って指紋センサーに触れても無反応なので、作業の邪魔にはなりません。それ以外の配列はおおむね素直と感じられ、作業中に特定のキーを探すようなことはありませんでした。

キーの押下圧は少し大きめ(つまり、ちょっと重いということです)ですが、長文を打っていて疲れる、というほどのことはなく、むしろ「しっかり感」があるので使いやすいと感じました。気持ちよくタイピングができる、高品質なキーボードだと思います。

HP Spectre x360 16-f 正面
正面から見たところです。ベゼル幅は極細、という感じではありませんが上下左右とも細く、特に下部ベゼルは他社製品と比較してかなり薄く感じられます。

ディスプレイの使用感

4K解像度の有機ELということで、発色品質は抜群です。ウインタブはなにげに有機ELディスプレイのレビュー経験が多いのですが、有機ELは黒の表現力がすごい(しっかり黒い)ので、原色が引き立ち、非常にくっきりとした画面になります。

HP Spectre x360 16-f HP Display Control

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また、HP Display ControlによってsRGB、Adobe RGB、DCI-P3に準拠したモードを選択できますので、クリエイターの人の作業分野に適した色味に設定することも可能です。ビジネスとか動画視聴など、一般的な用途で使うのであれば「デフォルト」にしておくか「自動カラー」にしておけば問題ないと思います。

なお、このディスプレイは基本「グレア(光沢)」タイプですが、アンチリフレクションコーティングが施されており、映り込みは一般的なグレア・ディスプレイに比べて抑えられています。ただし、ノングレア(非光沢)タイプよりは映り込みは大きくなります。個人的には有機ELの発色品質を十分に発揮するにはグレアタイプであることは必須だろうと思いますし、多少なりとも映り込みが抑えられているだけでもありがたいと思いますね。

Webブラウジングや動画視聴はもちろん、クリエイターのニーズにもしっかり応えることのできる品質だと思います。

HP Spectre x360 16-f タブレットモード

HP Spectre x360 16-f テントモード

HP Spectre x360 16-f スタンドモード
Spectre x360 16-fはコンバーチブル2 in 1筐体なので、ご覧の通りタブレットモード(上の画像)、テントモード(真ん中の画像)、スタンドモード(下の画像)に変形して使うことができます。

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スピーカーの使用感

「これノートパソコンの音か?」というくらいの音が出ます。過去のレビュー経験上、最高水準ですね。

HP Spectre x360 16-f Bang&Olufsen Audio Control

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アプリ「Bang&Olufsen Audio Control」にはレディメードの音質メニューがあり、イコライザーでマニュアル調整もできますので、好みの音質にすることができます。もともとHPのBang&OlufsenスピーカーはノートPC用スピーカーとして高品質ですが、この製品ではクアッドスピーカーの威力が大きく、臨場感、ステレオ感とも非常に高水準です。音楽を視聴していて、ついつい音量を上げてしまう感じです。

ちょっとだけあら捜しをすると、キーボードでテキスト入力をしながら使う場合、底面のスピーカー(主に低音用と思われます)と手首の位置が干渉して、わずかに音質が変化してしまいます。極端な変化というわけでもないのですが、音質が素晴らしいこともあって、少し気になりました。

また、音量を上げても音が割れません。さすがに重低音は少し弱めですが、薄型のノートPCなので、ここは仕方のないところでしょう。ちょっと無理やりに弱点を指摘してしまいましたが、個人的には「文句なし」と評価していいスピーカーだと思います。

Webカメラ

HP Spectre x360 16-f カメラ

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Spectre x360 16-fのWebカメラは画素数5MPと非常に高精細です。この画像では私の顔を塞いでいますが、あまりにもカメラがキレイに映るので、恥ずかしくて隠してしまいました…、というのは冗談ですが、それくらいキレイに映ります。

また、この画像はアプリ「HP Command Center」内の「Glam Cam」という項目なのですが、各種エフェクトも豊富で、自分をキレイに映すだけでなく、ジェスチャ機能(例えば手をかざして資料のページ送りをするなど)まで搭載しています。加えて健康管理機能(画面と顔の位置が近すぎないか、長時間座りっぱなしではないか、など)やセキュリティ機能(背後に人が立つと警告メッセージが出る、いわゆるゴルゴ13機能など)まで搭載していますので、非常に便利に使えると思います。

ペン入力

私はイラストを描く趣味がなく、適切なレビューが難しいです。一応「筆圧の効き具合」「ペン先のズレ(視差)」「ペン先の遅れ(入力の遅延)」について確認してみました。使用したアプリは「Microsoft Whiteboard」です。イラスト制作用のアプリではなく、おそらく使用するアプリによっても印象が変わってくると思いますので、この点についてもあらかじめご了承ください。

結論から言うと、筆圧は良好で、特にキャリブレーションはしていませんがペン先のズレも小さいと感じました。

そういえば、携帯ショップなどで「iPadにタッチペンでサインしてくれ」と言われることがありますよね?あそこで使うペンは筆圧に対応していないタッチペンですが、はっきり言って「これで自分の筆跡としていいのか?」というくらいに書き味が悪いですよね?

さすがにSpectreのペンはそれとは段違いです。本物のペンで紙に書くのと比較して、わずかに遅延を感じるものの、書き味はあまり変わりません。なので、打ち合わせ中にWhiteboardアプリでメモを取るとか、要点をハイライトするとか、簡単な図を描くとかの用途では紙とか本物のホワイトボードに書くのと大差ありません。

個人的には絵描きさんがイラストを描くのに使ったり、ビジネスシーンでホワイトボードとして使ったりする際に非常に有効なものだと評価できます。ディスプレイサイズも16インチと大きいので作業もしやすいですし。

バッテリー駆動時間

実際に条件やタスクを少しずつ変えながら使用して、2時間ほどバッテリー消費量をチェックしてみました(HP Command Center内の電源モードは「スマートセンス」にしていました)。「まるっと」書くと「2時間で47%消費した」、つまりバッテリー駆動時間は約4時間、ということになりますが、ディスプレイの輝度や作業内容によって結構なばらつきがありました。

最初にディスプレイ輝度を70%にして画像加工ソフトGIMPで簡単な画像加工を45分ほどやってみたところ、バッテリー消費量は15%でした(バッテリー駆動時間約5時間に相当)。次にディスプレイ輝度を100%にしてブラウザー上でYouTubeを開き、音量を30%にしてYouTubeで動画鑑賞を75分したところ、バッテリー消費量は32%でした(バッテリー駆動時間4時間弱に相当)。

有機ELそのものは特にバッテリー消費量が激しいわけではないので、おそらく「ディスプレイ輝度を上げる」「音を大きくする」といった操作によって割と大きめにバッテリー消費が変わってくるものと思われます。ある意味当たり前の話ではありますが、ディスプレイ輝度を下げて音を出さないようにすればバッテリー駆動時間は5時間以上は確保できるのではないか、と思います。

3.Spectre x360 16-f 性能テスト

ベンチマークテスト

HP Spectre x360 16-f

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ベンチマークテストの実施にあたり、設定アプリ「HP Command Center」のデバイスモードを「ハイパフォーマンス」に設定しています。

HP Spectre x360 16-f PC Mark

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表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PC Markのスコアです。どちらかというとビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。また、このテストではCPU性能の影響が大きいとされますが、テスト内容にグラフィック系のシミュレーションも含むため、外部GPUの性能も少なからず影響します。

参考(過去データから一部抜粋):
HP Pavilion 15-eh(Ryzen 7 5825U)5,954
ASUS M3700WY(Ryzen 7 5825U):5,905
dynabook RZ/HV(Core i7-1260P):5,564
ASUS Vivobook S 14X OLED(Core i7-12700H):5,528
dynabook AZ/HV(Core i7-1260P):5,503
富士通LIFEBOOK AH(Core i7-1260P):5,475
dynabook GZ/HV(Core i7-1260P):5,468
VAIO SX14(Core i7-1280P):5,452
VAIO SX12(2022)(Core i7-1260P):5,437
MSI Modern 14 C12M(Core i7-1255U):5,366
VAIO SX14(Core i7-1195G7):5,278
ASUS Vivobook 15x OLED X1503ZA(Core i7-12700H):5,244
Lenovo ThinkPad X13(Core i7-1165G7):5,205
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):5,076
ASUS Zenbook 17 Fold OLED UX9702(Core i7-1250U):5,074
DELL Inspiron 14 AMD(Ryzen 5 5625U):5,031
ASUS VivoBook 15 K513EA(Core i7-1165G7):5,017
DELL XPS 13 Plus(Core i5-1240P):4,980
dynabook MZ/HS(Core i7-1165G7):4,967
Microsoft Surface Laptop Studio(Core i7-11370H、RTX3050Ti):4,955
dynabook MZ/MV(Core i7-1255U):4,924
dynabook SZ/MV(Core i7-1255U):4,902
HP Spectre x360 14(Core i7-1255U):4,834
HP ENVY x360-bf(Core i7-1250U):4,833
Microsoft Surface Laptop Go 2(Core i5-1135G7):4,066

PC Markのスコアは「Core i7-1260P搭載機としては標準的、しかし外部GPU、Arc A370M搭載のメリットが感じられない」という結果になりました。このテストが想定するビジネスシーンでの利用には全く支障がない、と言いますか、ごく快適に使える水準ではありますが、Arc A370Mを積んでいるぶん、もう少し高いスコアが出てほしかった、とは思います。

HP Spectre x360 16-f 3D Mark
続いてはグラフィック性能を測定する3D Markのスコアです。ゲーミングPCでは最も重要になるテストですね。

参考1(RTX3060クラスの一部抜粋):
DELL G15(Core i7-12700H、RTX3060):9,274、19,738、5,233
ASUS ROG Strix SCAR 15(i9-10980HK、RTX2070SUPER):8,435、20,017、5,049
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H、RTX3060):8,273、18,927、-
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P、RTX3060)):8,023、18,153、4,491
ASUS TUF Dash F15(i7-11370H、RTX3070):7,767、17,671、5,136
MSI Pulse GL66 11U(Core i7-11800H、RTX3060):6,974、15,408、4,088
HP ENVY 15(i9-10885H、RTX2060 Max-Q):5,597、13,382、3,150
※左からTime Spy、FireStrike、Port Royalのスコア

参考2(RTX3050クラスの一部抜粋):
ASUS Vivobook Pro 16x OLED(Ryzen 7 5900HX、RTX3050):4,470、9,640
Microsoft Surface Laptop Studio(Core i7-11370H、RTX3050Ti):4,462、8,943
MSI GF63 Thin 10U(Core i5-10500H、RTX3050):4,187、9,486
MSI Bravo 15 B5(Ryzen 7 5800H、Radeon RX5500M):4,170、10,596
Lenovo Legion Y7000(i7-9750H、GTX1650):3,722、8,164
ASUS TUF Gaming A15(Ryzen5 4600H、GTX1650):3,637、8,779
※左からTime Spy、Fire Strikeのスコア

えー、ウインタブでArc A370M搭載機のベンチマークを測定するのは今回が初めてですが、現状だと「GeForce GTX1650よりも低め」という評価にならざるを得ないですね。もちろん外部GPU非搭載機よりはずっと高いスコアが出ていますので、「外部GPUによるグラフィック性能の底上げ効果」はあります。なので、搭載する意味がない、なんてことは全くありませんが、ことゲーミングでは少々不満の出る結果だと思います。まあ、ガチでゲームをするのでなく、ライトにゲームを楽しむのであれば悪くないですけどね…。

なお、Arc A370Mはレイトレーシング対応、ということなのですが、上記の「Port Royal(レイトレーシングのベンチマーク)」のスコアを見ていただくと、「ほぼ無理」ということがわかると思います。

HP Spectre x360 16-f CINEBENCH R23
CPU性能のみを測定するCINEBENCH R23のスコアです。このテストではGPU(GeForceなど)の搭載有無は影響を受けないとされています。

参考(過去データから一部抜粋):
dynabook AZ/HV(Core i7-1260P):1,809、8,940
ASUS Vivobook Pro 15X OLED K6501ZM(Core i7-12650H):1,806、14,632
MSI Katana GF66 12U(Core i7-12700H):1,800、15,593
MSI Modern 14 C12M(Core i7-1255U):1,797、8,791
ASUS Vivobook S 14X OLED(Core i7-12700H):1,745、11,543
HP Spectre x360 14(Core i7-1255U):1,666、7,671
VAIO SX14(Core i7-1280P):1,661、9,354
MSI Stealth 15M B12U(Core i7-1280P):1,659、13,793
dynabook GZ/HV(Core i7-1260P):1,655、7,586
VAIO SX12(2022)(Core i7-1260P):1,647、8,813
HP ENVY x360-bf(Core i7-1250U):1,636、7,295
dynabook RZ/HV(Core i7-1260P):1,634、8,524
ASUS Zenbook 17 Fold OLED UX9702(Core i7-1250U):1,609、6,424
ASUS ROG Strix G15 G513RW(Ryzen 9 6900HX):1,580、14,830
dynabook MZ/MV(Core i7-1255U):1,558、5,094
dynabook SZ/MV(Core i7-1255U):1,551、5,160
ASUS ROG Flow X16 GV601(Ryzen 7 6800HS):1,543、13,832
ASUS Vivobook 15 OLED K512EA(Core i7-1165G7):1,497、5,555
MSI GP66 Leopard 11U(Core i7-11800H):1,491、12,210
ASUS Vivobook Pro 15 OLED(Ryzen 7 5900HX):1,482、12,108
dynabook MZ/HS(Core i7-1165G7):1,477、5,526
ASUS M3700WY(Ryzen 7 5825U):1,454、9,046
MSI Bravo 15 B5(Ryzen 7 5800H):1,422、11,241
DELL Inspiron 14 AMD(Ryzen 5 5625U):1,364、8,013
Lenovo Legion 560(Ryzen 7 5800H):1,348、11,419
Lenovo IdeaPad Slim 550 14(Ryzen 5 5500U):1,170、6,973
ASUS ZenBook 14(Core i5-8265U):1,023、3,691
HP Pavilion x360(Core i5-7200U):790、1,740

繰り返しになりますが、CINEBENCH R23は外部GPUのArc A370Mの搭載有無はスコアに関係ありません。なので、Core i7-1260P単体の性能を示しています。スコアの方もCore i7-1260P搭載機としては標準的くらいの結果になりました。

HP Spectre x360 16-f Crystal Disk Mark
最後にSSDの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markのスコアです。これ、RAID0構成など、特殊な仕様ではないノートPCとしては超高速です。アプリの起動やデータ伝送などでストレスを感じることはまずないでしょう。

発熱とファン音

外部GPUにArc A370Mという、ウインタブとしては未知の型番を搭載しているということで、特に3D Markについて繰り返し実施しています。その際の発熱量、ファン音ですが、いずれも小さめでした。発熱についてはキーボード面に少し熱を感じるものの、一般的なノートPCと変わらない水準で、ゲーミングノートよりは発熱量が少ないです。おそらく、高負荷な作業中でも不快感を感じることはないでしょう。また、ファン音についても常識的、というか、負荷の高い場面でも「うるさい」と感じる水準ではありません。騒音計による測定は不要と判断したくらいですね。

一方、ExcelとかWord、WebブラウジングやWebミーティングといったビジネスシーンで想定される作業をする場合、発熱、ファン音とも全く気になりません。無音と言っていいくらいの水準です。

4.Spectre x360 16-f レビューまとめ

HP Spectre x360 16-fはHP公式ストアで販売中で、2月14日現在の価格は税込み229,800円から、となっています。レビュー機「パフォーマンスプラスモデル」は税込み299,800円です。なお、この製品はウインタブ読者クーポンの対象になりますので、クーポンを使用すれば7%OFFとなる税込み213,714円から購入ができます(パフォーマンスプラスモデルは税込み278,814円)

筐体の美しさや質感はノートPCとして最高水準だと思います。世界最大のPCメーカーのトップブランド(製品ブランド)だけあって、期待を裏切りません。また、レビュー機が搭載していた4K有機ELディスプレイの発色品質も素晴らしく、クリエイターの人も納得できるものだと思います。あと「16インチという大画面PCをタブレットモードにして高品質なペン入力ができる」というのは絵描きさんにはたまらない魅力と言えます。いくらペン入力性能が高くても、タブレットモードにできないのであればまともに絵なんて描けませんし。

一方で、外部GPUのArc A370Mのグラフィック性能についてはちょっと期待を下回ったかな、と思います。この製品の場合、動画編集や画像加工などのクリエイティブワークに使うことを想定される人が多いと思いますので、それらの用途であれば十分、とは言えると思うのですが、あまりゲーム向きではないでしょうね。もちろん外部GPU非搭載機よりはずっと快適にゲームが楽しめますが…。

Spectre x360 16-fは特にペン入力を多用するクリエイターの人、パフォーマンスに余裕のあるビジネスマシンを探している人に向く製品だと思います。あと「所有する喜び」を与えてくれる製品であることは間違いありません。

5.関連リンク

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コメント

  1. PYU より:

    下位のモデルにだけグラボが付いてるのは珍しいですね

  2. 匿名 より:

    Arc3シリーズ(ACM-G11)のコンセプトである「CPU統合グラフィックス機能よりも上位のゲーム体験が楽しめる」からすれば妥当なスコアだと思いますね。
    iGPUとして評価の高いRadeon 680mのtime spyスコアを上回る性能を「期待外れ」と感じるならArc5、7シリーズ(ACM-G10)搭載機を選択しましょう。