法令遵守でなんとかドローンを楽しみたい(その17)- Happymodel Mobula6 HDの実機レビュー、最も安価で手軽なFPV空撮ドローン

Happymodel Mobula6 HD レビュー
こんにちは、natsukiです。今回は、録画空撮が可能なFPVドローンの中では、圧倒的な最安値で、扱いも容易な「Happymodel Mobula6 HD」を、紹介、実機レビューします。この機体は、前回の記事で紹介した「Happymodel Mobula6」に、超軽量な録画可能カメラを搭載した派生機です。ドローンを飛ばす楽しみのひとつとしては、やはり「きれいな空撮映像を撮りたい」というのがあると思うんですよ。FPVドローンの中では、このような録画機能付きのドローンを「Cinewhoop」と呼んだりします。その入門機として、価格、性能、管理のしやすさ、どれをとっても、まずはここから、と言える機体です。現在のドローン技術の最先端を感じていただければ幸いです。

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どんな映像が撮れるかというのは、理屈よりみていただいた方が早いでしょう。

Happymodel Mobula6 HD 飛行映像

FPVドローンのため、定点から見下ろして空撮、とかはできません。そのかわり、こんな風な、DJI Mavicでは決して撮れないような映像も撮影可能。カメラは機体正面固定で、そこからどういう映像を撮るかは、操縦者のウデ次第というわけです。

なお、今回レビューする「Happymodel Mobula6 HD」は、Banggoodから提供していただきました。連載の中では、初の提供製品紹介となります。この連載は、個別の製品の紹介よりもドローンの技術を広く知ってもらうことに重きを置いているので、先方の売りたい製品とはかみ合わないんですが、そこをまげて、連載の趣旨に沿った機体を提供してくださいました。ご協力いただいたBanggoodには、この場を借りてお礼申し上げます。

1.スペックと特徴

Happymodel Mobula6 HD レビュー
スペックと特徴をまとめておきます。この「Happymodel Mobula6 HD」の最大の特徴は、「1Sバッテリー、65mmフレームサイズでまともに撮影ができる」というところです。現在までに発売しているFPVドローンで、これを実現しているのは、このHappymodel Mobula6 HDと、ごく最近発売したばかりの「BETAFPV Meteor65 HD Whoop Quadcopter(1S)」の2機種しかありません。せっかくなんで、両者のスペックを比較しておきます。

Happymodel Mobula6 HD レビュー
ライバルのBETAFPV Meteor65 HDは、バッテリーコネクタがB2.0というBETAFPV製品専用のもので、電気効率が良い分、バッテリーに汎用性がありません。モーターのKV値(高いほどスピードは出るが、操縦が難しく燃費が悪い)はMeteor65 HDの方が高いので、Mobula6 HDよりもレース向けのスピーディーな調整がしてある機体のようです。録画可能なカメラを積んでこのKV値だと、あっという間にバッテリーが蒸発しそうですが、それは専用コネクタによる効率アップでなんとかしているんでしょう。

カメラ性能は一見同等ですが、Meteor65 HDのキャノピーは、カメラ角度の調整ができません。つまり、のんびり飛行には向かないということ。また、Meteor65 HDは「60FPS」「30FPS」での撮影にしか対応していないのに対し、Mobula HDのカメラはこれらに加えて「50FPS」での撮影にも対応しています。これが案外重要というのは、後述します。基本的には、汎用性のMobula6 HDに対する、ピーキーなMeteor65 HDという認識でよかろうかと思います。なお、実売価格は、Mobula6 HDの方が圧倒的に安いです。

「Happymodel Mobula6 HD」は、最先端技術の詰まった「夢」の機体

Happymodel Mobula6 HD レビュー
Meteor65 HDとの比較はさておき、これら、「1Sバッテリーでまともに撮影可能」というのがどれほどすごいことかというと、従来、同様の性能のカメラを積むには、最低限、2Sバッテリー以上の電力と、75mmフレーム以上のサイズが必要でした。画像は、左側が「Happymodel Mobula6 HD」、右側が「Happymodel Mobula7 HD」です。

Mobula7 HDは、2S-3Sバッテリー対応です。例によって、規定の構成からかなり手を加えていますが、その辺は省きます。もう、見た目だけで、ゴツさがまったく違いますね。Mobula7 HDだって、1年半前の最新鋭機で、これが出たときには「2Sバッテリーで1080P画質の撮影ができる!」「軽い!小さい!」と、かなり話題になった画期的な機体なんですが、ドローンの進歩の早さを感じてしまいます。

「1Sバッテリー、65mmフレームサイズ」であることのメリットは、なんといっても、その小回りの良さです。つまり、うちの狭いマンションの自宅内でも、バンバン飛ばせます。一方のMobula7 HDは、かなり使い込んでいる機体でもあるので、Betaflightも操縦機の側も、屋内向けの精密動作を追求した設定を自分なりに練ってはきたつもりなんですが、自宅内を楽しくぶん回すのは、パワーがありすぎてとてもできません。

管理上の問題としても、「1Sバッテリー」と、2S以上の多セルバッテリーとでは、その管理のめんどくささと費用に大きな差があるというのは、前にも記事にしたとおりです。要するに、飛ばす気軽さがずいぶん違うということです。

「1Sバッテリー」「実質最小サイズの65mmフレーム」で撮影可能なFPVドローンというのは、いわば、長年の「夢」であって、実際、世界中の人がそれぞれに部品を工夫して組み上げてきました。が、なかなか、燃費が悪すぎたり、運動性能がひどかったり、電気的に安定しなかったりで、まっとうな性能をもたせるのは困難でした。Mobula6 HDの発売は、2020年5月末。YOUTUBEで、検索期間をこれ以前に設定して「65mm」「Cinewhoop」などで検索をかけると、世界中の猛者たちの試行錯誤が大量にヒットします。それらを克服したのが、このHappymodel Mobula6 HDというわけです。Mobula6 HDは、現在のドローンの技術発展を象徴する、革命的な機体なんです。

2.筐体

箱と同梱品

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では、開封です。Banggoodは、ドローン系の配送は、箱をビニール袋に突っ込んだだけの場合が多いです。写真は、撮影のために丁寧にはがしてありますが、紙箱だろうが専用ケースだろうが、伝票や梱包テープ類も、そのまま容赦なくベタベタに貼っちゃいます。

Happymodel Mobula6 HD レビュー
それでも、多くのドローンは、箱の内部に緩衝材がしっかり入っているので問題ないんですが……、このMobula6 HDは、プチプチで包んでありました(写真では外しています)。箱そのものはかなり頑丈で、そう簡単に潰れることはなさそうです。製造元のHappymodelは、もちろん中国のメーカーなので、こういう配送品質を織り込み済みで製品は作っているはずですけどね。ともかく、海外通販のお約束ではありますが、開封時は動画を撮っておくというのは、ちゃんとやった方がよさそうです。

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同梱品一覧です。


バッテリーは、もちろん1SのHVリポバッテリーで、4本付き。って、250mAh!? ノーマルのMobula6でも、300mAhなのに。素人考えだと、カメラに電力とられる分、容量を減らすのは電気的に不安定になりそうな気もするんですが、容量を増やしても重量増でパワーを消費するから同じということか? 

後述のように、実際に300mAhのバッテリーと350mAhのバッテリーでも飛ばしてみましたが、飛行時間はほぼ変わりませんでした。ならば、運動性能的には軽い方がいいですからね。絶妙のバランスを狙った容量のようです。充電器は、1つしか充電できないので、さすがに別に買った方がいいでしょう。1SHVバッテリーの充電器で、個人的なお勧めは「AOKoda CX405」。Banggoodなら、セール価格で500円台くらいだと思うので、ついでに買っておくとよいと思います。

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ドライバー、プロペラ外し器具、スペアのネジとスペアのプロペラです。

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こちらは、カメラの設定用のスイッチ。Runcam社製のカメラに、ある程度汎用的に使えるはずです。カメラの設定については、後述します。

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説明書です。特にFCの配線図は重要。このFCは、ノーマルなMobula6と全く同じもので、受信機とVTXまで一体化しているのが特徴です。すると、さぞかし端子も最小限なんだろうと思いきや、非常に充実しているんですよ。その気になれば、ブザーの他に、LED、さらに外部受信機まで取り付けることが可能です。

さすがに、端子は非常に小さく、やるとするとハンダ付けの工作難易度は高いです。実際問題として、外で飛ばすつもりなら、普通ならブザーを増設したいところですが、一方で、この機体は、0.1gでもダイエットさせたくもあるので、これは悩ましい。ペイロードの大きい75mmフレームサイズに移植して、こういう周辺アタッチメントを取り付けるのも面白そうです。

この他、バインド方法も読んでおくべきでしょう。もちろん、英語です。これは、受信機のタイプが何かによって変わってきます。

本体

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本体をみていきます。レンズのデカさが目を惹きますね。目玉のおやじみたい。

Happymodel Mobula6 HD レビュー
やっぱり、このサイズ感は本当に感動。

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モーターは、「Happymodel EX0802 KV19000」です。ノーマルのMobula6に積んでいるモーターは、「Happymodel SE0802」で、微妙に型番が違っています。何が違うかというと、「SE0802」がひとつ1.9gと、これでも十分軽量なのに対し、「EX0802」は、ひとつ1.7gというさらなる軽量化を果たしています。4つで0.8gの軽量化になるので、これは大きい。本当に、ドローンの世界は日進月歩です。なお、回転数は、KV19000のみです。運動性能で攻める機体ではないということですね。

プロペラは、信頼の有名ブランドGemfanの3枚羽根。性能からいっても、見た目のカッコ良さからいっても、Gemfanは鉄板です。

Happymodel Mobula6 HD レビュー
microSDカードスロットです。画像は、すでに差し込んだ状態です。64GBまで対応。もちろん、付属はしていないので、こういうときにこそ、中華激安microSDカードの出番です。どうせ、飛行後にすぐデータを取り出すので、耐久性とかこだわらなくていいですから。

問題は、あまりに隙間が狭すぎて、カードの抜き差し時に、フレームとカードにいやーなテンションをかけないといけないところ。これは、後述のように、少し手を加えてやりました。いずれにしても、ピンセットは必須です。

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こちらは、録画ボタンと、カメラ設定用コネクタ。左側が録画ボタン。録画は、デフォルトの設定では、電池接続と同時に自動ではじまるようになっています。録画停止は、ボタンを押してもいいし、電池を抜くなどして電源供給が途絶えても、そこまでは録画してくれます。ボタンを押して録画を停止しないと、録画内容が消えてしまうタイプもあるので、これは嬉しいですね。つまり、実質的に録画ボタンを押す必要がないですから。設定で、録画ボタンを押してから録画開始にも変えられます。

右側が、カメラ設定用コネクタ。先ほど同梱品のところでみたボタンをつなぐと、ゴーグル画像に設定が表示されるので、そこで設定します。OSDと重なるのが見にくいですが、Betaflightは設定によって、操縦機からOSD表示のON/OFFをコントロールすることも可能なので、こういうカメラを装備している機体のBetaflightは、そこも設定しておくといいかもしれません。

Happymodel Mobula6 HD レビュー
底面です。操縦電波の受信アンテナは、こっちから引き出してありますね。ご覧のように、モーターもカメラも、コネクタによる接続なので、組み替えや部品の換装が容易です。このメンテナンス性の高さは、Mobula6の魅力のひとつです。バッテリーコネクタも、レガシーながら汎用性の高いJST PH2.0。最近は、BT2.0とか、ET2.0とか、バッテリーコネクタの形状を工夫して性能アップを図るというのが、ひとつの流行のようなんですが、すると当然、バッテリーに汎用性がなくなってしまうので、これはこれで困りものなんですよ。

フレーム形状は、特に変わったところはなく、一般的なブラシレスモーター用65mmフレームです。

Happymodel Mobula6 HD レビュー
総重量は、バッテリー抜きで27.3g。録画可能なカメラを積んでこの重量は、やはりすごい。

Happymodel Mobula6 HD レビュー
キャノピーを外してみます。キャノピーは、この「Runcam Split3-Lite」カメラ専用のものです。部品構成は、ご覧の通り、とてもシンプル。黄色いテープは絶縁用ですね。カメラの角度が調整できるのは嬉しい。

さてここで、今回はレビューをスムーズに行うために、このもともとのFCは使わずに、前回レビューしたMobula6のFCに換装してしまいます。このFCは、先述のようにVTXが一体化しているため、このままでは合法で飛ばすことができません。合法で飛ばすための「開局(変更)」手続きには、約1ヶ月の時間がかかるので、ここは、ハードとしてはまったく同じノーマル版Mobula6のFCに換装してしまって、換装後、Betaflightの設定のみをMobula6 HDの本来のものと同じに変えます。先ほどみたように、部品はプラグ接続のため、換装は容易です。

手を入れた部分

今回、飛行前に手を入れた部分が2カ所あります。1カ所は、今触れたように、受信機VTX一体型FCを、開局済みの手持ちのMobula6のものと換装し、設定を写しました。ハードは全く同じものなので、性能上の変化はないはずです。

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もうひとつは、microSDカードの出し入れをしやすくするために、FCとカメラの間のダンパー(緩衝材)を1mm程度追加しました。これは、きちんと別買いのダンパーを切って使っていますが、なければ、厚紙の切れ端にキリなどで穴を開けたもので十分です。見栄えが悪ければ、油性ペンで黒く塗っておけばいいし。

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これで、カードとフレームにテンションをかけることなく出し入れが可能になりました。相変わらず、ピンセットがないと抜き挿しは難しいものの、ずいぶん楽にはなりました。爪が伸びていれば、指でもなんとかなるかな? 重量は0.2g増えてしまいましたが、まあ、しゃーない。

3.1080P撮影が可能な超軽量カメラ「Runcam Split3-Lite」

Happymodel Mobula6 HD レビュー
メインディッシュのカメラ性能をチェックしておきましょう。カメラには、実測8.0gという、1080P解像度での撮影が可能なカメラとしては超軽量な、「Runcam Split3-Lite」を装備しています。特徴は次の通りです。

・1080Pでの撮影が可能。
・1080PでのFPSは、60、50、30が選択可能。
・基板の穴が65mmドローンのフレームサイズに合わせてある。
・キャノピーは専用のもの。角度調整可能。

すでに、1080P画質の録画が可能なFPVドローン用カメラとして定評のある「Runcam Split3」を、Mobula6 HD用にさらに軽量化して再設計したものですね。同様のコンセプトで、ほぼ同スペックのカメラとして、先述のBETAFPV Meteor65 HDに積まれている「BETAFPV Nano HD Camera」ってのもあり、そっちは驚異の7g弱ですが、角度調整ができないのと、FPSを60と30しか選べません。

すでに世の中には、重量10g強で4K動画を撮影可能なカメラ「Caddx Loris」や「Runcam Split4」が出回っていて、私も「Runcam Split4」を使っていますが、これらは、重量からいっても、消費電力からいっても、まだ1Sバッテリーの65mmフレームサイズで運用するのは厳しいです。最近の技術の進歩速度をみていると、半年もすれば、4Kカメラで、1Sバッテリー、65mmフレームサイズで安定稼働というのも出てきそうですけどね。現在のところ、65mmフレームサイズで飛ばすなら、まだ1080P画質が技術的限界でしょう。

屋内撮影でなにげに重要な、「50FPS」撮影機能

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このカメラは、先ほど触れたように、専用部品をつないで、撮影画質の設定が可能です。設定項目はいろいろありますが、個人的にいじる(確認する)必要があると思うのは次の3点です。第1に、解像度。1080Pと720Pを選択可能。これは、せっかくこのカメラを使うなら、1080P固定でかまわんでしょう。第2に、縦横比。3:4と9:16を選択可能。そして第3に、選択可能な「FPS」に「50FPS」があることです。

これは、Mobula7 HD搭載の「Caddx Turtle V2」で苦労したことなんですが、Runcamと双璧をなすFPVドローン部品のCaddx社製品は、基本、FPSは30・60・120からの選択になります。まあ、汎用的に使うなら、60FPSを選ぶでしょう。ところが、屋内で撮影する場合、東日本では交流電源周波数が60Hzのため、実は、照明もそれに合わせて点滅しています。このため、60FPSで撮影すると、照明と干渉して録画映像がチカチカするということがよく発生してしまうんです。

Runcam社製のカメラは、他に「Runcam Split3 Nano(Whoop version)」と「Runcam Split4」も使っていますが、いずれも、「50FPS」での撮影が可能です。これなら、東日本なら50FPS、西日本なら60FPSで撮影することで、照明との干渉を軽減することが可能です。Mobula6 HDは、機体の特性上、屋内での撮影機会が多いと思うので、なおさら「50FPS」が選択できるというのは、東日本在住の場合は、非常にありがたいんです。

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なお、干渉の軽減には、NDフィルターの導入という手もあり、実際、「Caddx Turtle V2」には装着しているのですが、これはこれで、重量増、キャノピー改造の必要性、画質の低下、クラッシュ時の紛失の危険など、管理がやっかいです。

4.開局(変更)申請

さて、面倒なVTXの「開局(変更)」申請についてです。繰り返し言及しているように、このドローンのVTXは、FCと一体化しています。ハードは、Mobula6とまったく同じものなので、書類も、Mobula6とまったく同じで、系統図は戸澤事務所や国内ドローン専門店で手に入ります。もっとも、ドローン専門店は、系統図のバラ売りはしてくれないでしょうけれど。なお、受信機の種類は、この申請にはまったく関係ありません。と、いうわけで、この点は前回のMobula6の記事をご覧ください。

5.Betaflight設定

Betafligtの設定を、要点のみ見ていきます。実際には、ハード的にはまったく同じの前回レビューしたMobula6のFCに換装しているのですが、設定値については、もちろん、Mobula6 HDの本来のFCの設定値に直しています。Betaflightの概要については、連載の第15回をご覧ください。

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やっぱり、2020年のドローンでありながら、なぜか、Betaflightのバージョンは「3.5.7」と、かなり古いんですよね。というわけで、設定のための「Betaflight Configurator」も、古いバージョンの「10.4.0」を使う必要があります。なお、自前で、最新バージョンのBetaflightの導入は可能なはずなので、興味のある人は調べてやってみてください。

「セットアップ」メニューの「水平キャリブレーション」は、もちろんやっておきます。「ポート」メニューは、「受信機」「VTX」が一体化しているので、いじる必要なし。

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「基本設定」メニューの右上部分、デフォルトの設定だと、「MOTOR_STOP アーム後にモーターを回転させない」が「OFF」に、「モーターアイドルスロットル値」が「10」になっています。この値だと、アームした瞬間にフワフワ滑り出しちゃったので、変更が必要です。ところが、なぜか「MOTOR_STOP」の変更が反映されず。原因は不明で、特に追求していません。「モーターアイドルスロットル値」を「5」に下げて、それで解決しています。

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「アーミング」は「180°」に。

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外部ブザーの増設はしていないので、内部ブザーを鳴らす「Dshotビーコン設定」のみONにしておきます。が、実際にはなぜかうまく鳴らず。んん? 屋外だとそもそも音量が足りないし、屋内なら、鳴らさなくても見つかるので、原因追及はやってません。屋外メインで飛ばすなら、重量アップにはなりますがブザーを増設した方がいいでしょう。

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「電池・バッテリー」メニューは、こんなもんでしょう。初期設定は、

・1セルあたりの最小電圧:2.9
・1セルあたりの最大電圧:4.5
・1セルあたりの警告電圧:3.0

でした。ただし、後述のように、このMobula6 HDは、電圧が低下すると、突然カメラがブラックアウトしてモーターも止まるので、「1セルあたりの最小電圧」「1セルあたりの警告電圧」は、画像のように、0.1Vくらい上げておいた方がいいと思います。このMobula6 HDのFCには、低電圧ギリギリまで飛ばすと、Betaflightの設定が初期化されるというバグが出るとの話もあるので、なおさらです。

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「PIDチューニング」です。ノーマルのMobula6とは、かなり違う値が入っていました。ので、こっちの値に修正。

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「受信機」メニュー。バインドした後、ちゃんと動作するか確認すればOKです。

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「モード」メニュー。お好みですが。私は最小限の設定で、こんな感じ。飛行モードについて、HORIZONモードは入れず、ANGLEモードを切る(=ACROモードになる)と、自動でAIRモードがONになるようにしてあります。

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「OSD」メニューです。とりあえず、こんなもんで。

最後に、「CLIコマンドライン」メニュー。まずは、周波数を設定しましょう。Mobula6 HDのVTXはFCと一体型で、周波数を調整する物理的なボタンが存在せず、また、現在の周波数を示すダイオードなどもないので、周波数を設定するには、基本的にCLIコマンドラインで指定するしかありません。OSDから操縦機を使って設定することもできますが、それだと、「設定している間は違法電波を飛ばしている」ことになり、また、実用面でも、電池を抜いたりなどの、何かの拍子でCLIコマンドラインで指定してある周波数に戻ってしまうので、やはり、CLIコマンドラインで指定しておくべきです。私は、基本的には5705MHzを使うので、その場合は、以下のように入力してEnter。

set vtx_band=3
set vtx_channel=1
set vtx_freq=5705
save

他の周波数を使う場合は、マニュアルの周波数表を見て、適宜指定してください。なお、日本で合法的に使用できる周波数は、「5705、5740、5745、5780、5785、5790、5800」の7つです。

以上が終わったら、最後に「Dump all」もしくは「Diff all」で保存。これで設定完了です。

6.実際に飛ばしてみた

冒頭の動画をもう一度。

Happymodel Mobula6 HD 飛行映像

小回りの効くフライト感、ただし、運動性能はそこそこ

いや、飛ばしていてめっちゃ楽しい!!基本的に、急な高度変更や旋回など、鋭角的な動きは苦手ですが、一方で、動画にあるように、狭い廊下を行き来するくらいの精密動作は可能。風さえなければ、のんびり飛んだときの安定感もかなりのもの。ちなみに、映像は撮ったままをつなげたもので、編集ソフトによる手ぶれ修正などはかけていません。

運動性能については、やはりあたりまえですが、Mobula6よりもかなり重く、それだけ難しくはあります。重さのために慣性が強く働いているのか、カメラに多少遅延があるのか、PIDチューニングの問題か、そのすべてか。特にそれを感じるのが高度の調整です。うまくスロットルを扱わないと、すぐフワフワしちゃうし、高度が下がったときの立て直しも大変。例えば、前回のMobula6の飛行映像では、廊下に椅子を置いて、下をくぐってターンというのをやっています。

今回も、同じコースを設定して飛んでみましたが、Mobula6 HDでは、少なくとも私の腕では、非常に困難です。高度調整が難しくて、椅子や地面にぶつかってしまう。そこを抜けても、その先で高度を上げながら旋回するのが、また難しい。旋回性能についても、同様。急旋回をかけると、いわゆる「プロップウォッシュ」が発生するのか、ぐっと高度が下がってしまいます。PIDチューニングを詰めれば、改善するかなぁ?

宙返りなどのアクロバティック飛行も、できなくはありません。が、高度をかなりロスする上に、立て直し時のふらつきも大きいので、かなり広い空間限定です。デフォルトのPID設定だと、高度3mくらいでは厳しいです。まあ、アクロバティックな飛行がしたければ、そもそも2Sバッテリー機でやれって話です。このMobula6 HDの醍醐味は、やはり何といっても、1Sバッテリーと65mmフレームサイズの小回りのよさにあります。あるいは、定まった被写体のまわりをくるくる回りながら撮ったりとかは得意ですね。

飛行時間は2分半くらい

スタミナは、デフォルトの250mAhのバッテリーの他、300mAhや350mAhのHVバッテリーでも飛ばしてみましたが、飛行時間は変わらず、2分半くらいといったところ。無理して限界まで飛ばすと、普通はパワーダウンして墜落し、カメラやVTXはしばらく生きていて、モーターも回転だけならできたりするもんなんですが(その音で探せる)、250mAhと300mAhのバッテリーでの飛行の場合、3分過ぎたところで、カメラが突然ブラックアウトし(OSDも表示されなかったのでVTXが落ちてる)、モーターも動かなくなりました。こ、これは怖い。屋外ならロストまっしぐらです。屋外では、バッテリー警告が出たら必ず下ろすのは心がけ(先ほどのように、Betaflightのバッテリー警告も早めに設定しておきましょう)、基本的に、身の回りから離して飛ばすのはやめたほうがいいでしょう。

幸いにして、JST PH2.0コネクタの250mAhや260mAhのHVリポバッテリーは、Amazonでも安く買えるので、ワンフライトが短いにしても、バッテリーをたくさん買っておけばいいだけの話です。機体の特性上、広い大空をかっ飛ばすタイプではない=操縦に常に高い集中力が要求されるので、2分半って、案外十分なものですよ。

管理が簡単で、拡張性も高い

Mobula6 HDの優れる点のひとつは、FPVドローンとしては、管理が非常に簡単ということです。ともかく、「1Sバッテリー」という点が、管理上いかに有利かはさんざん述べてきたとおりです。なお、バッテリーはちょっとでもへたっているとダメですね。ノーマルなMobula6ならまだまだ飛べるバッテリーでも、Mobula6 HDだとダメというのがいくつかありました。

また、「受信機」「VTX」が一体化したFCを採用しているため、部品の数も少なく、メンテナンスも非常にしやすい。主要な接続はすべてコネクタ式なので、目的に応じて部品を組み替えることも容易です。例えば、外での飛行をメインにしたいなら、75mmフレームサイズに組み替えて、スタミナとスピードをアップというのも面白そうです。または、単に運動性能を求めるなら、カメラを通常のものに換装して、Betaflight設定を修正するだけでOK。

ジェロはある程度出る

先ほどの録画映像で気づいた人がいるかもしれませんが、ジェロはある程度出ます。ジェロというのは、プロペラなどの微細な振動からくる揺れによって映像が乱れることで、よく見ると、木など、縦方向の物体がコンブのように揺れてしまっているのがそれです。本体そのものの大きな揺れは、あとから画像編集ソフトなどで取り除くことがある程度可能ですが、このジェロをあとから取り除くのは非常に困難です。これは、仕方ないですね。小さいので、モーターの振動を拾ってしまっているんでしょう。

7.まとめと価格

いや、率直な感想として、想像以上に面白い。ちょこまか動き回って撮影するのがこんなに楽しいとは! 2Sバッテリー以上の、カッ飛ばして撮影する爽快感とはまた別の快感です。こんなに素晴らしい機体なら、もっと早く買っておけばよかった。

個人的に、撮影可能なFPVドローンは、先程から何度か引き合いに出している「Happymodel Mobula7 HD」と、カメラなどを換装して空撮機に組み直した「Diatone Hey Tina Whoop」の2台を運用していて、こいつらはこいつらでとても楽しい機体なのですが、いかんせん、2S-3Sドローンのため、パワーがありすぎる。設定で抑え込んでも、自宅内を飛び回らせるのは至難の業です。このHappymodel Mobula6 HDは、思い立ったときにパッと飛ばせて、しかも、かなり思い通りの精密操作が可能。そして、撮ったものを、パソコンなどですぐにワイワイ見られる。FPVドローンの楽しさがすべて詰まっていて、それでいて管理も簡単。……最高じゃないですか!?

価格は、Banggoodで記事執筆現在、124.00ドル(13,098円)の、送料6.73ドル(711円)ですが、クーポンコード「BGJPhm9303」を使えば15%OFFの105.4ドル(11,133円)で購入ができます。

撮影可能なCinewhoopでこの価格帯は、破格と言っていいくらいです。ノーマルなMobula6のセール価格が、だいたい9,000円前後なので、プラス約2~3千円で録画可能なカメラがついてくる! ちなみに搭載しているRuncam Split3-Liteは、録画可能なカメラとしてはかなり安価な方ですが、それでも専用キャノピーも合わせるとコミコミ6,000円ってとこです。1台目のCinewhoopは、管理のしやすさ、操作性、価格、どれをとっても、まずはこの「Happymodel Mobula6 HD」で決まりでしょう。「撮ること」に重きを置いてFPVドローンをはじめたいなら、このMobula6 HDが初めての機体でもよいと思いますよ。

8.関連リンク

「法令遵守でドローン」記事一覧
Mobula6 HD 1S brushless whoop:Happymodelメーカーサイト
Happymodel Mobula6 HD:Banggood
Runcam Split3-Lite(スペアカメラ):Banggood
Happymodel Mobula6 HD Canopy for Runcam Splite3-Lite(専用キャノピー):Banggood

※動画編集ソフト:Movavi Video Editor Plus

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