えー、この記事ではCOMPUTEX TAIPEI 2019のイベントレポートとして、主にMSIとASUSについて記事を書こうとしているのですが、トップ画像はMSIでもASUSでもないです。すみません…。いやね、こっちのほうが読者の皆さんに喜んでもらえそうな気がしたんで…。
先に掲載した記事で、「ゲーミング系のメーカーの勢いがすごい」ということを書いたのですが、ブースの広さとか人だかりとかでみると、やはり地元の大手企業であるMSIとASUSが群を抜いてすごかった、と感じました。ブースの広さはASUSのほうが上でしたが、人だかりという点ではMSIは「やばい」くらいで、ゆっくり製品に触れることが難しかったです。
ではまずMSIから。この記事を書く前に、日本の大手情報サイトの記事をチェックしてみましたが、いまいち話題になっていなかったように思われたMSI。ちゃんと新製品も展示されてました。
まずはこれ、「GT76 Titan」です。MSIのGT Titanシリーズと言えば、「最もいかつい」ゲーミングノートですが、つい先日「GT75 Titan」がスペックアップして発売されたばかりなのに、もうニューモデルになってしまいました(正確にはまだ日本発売が発表されていませんけどね)。
従来モデルのGT75 Titanと比較すると、ベゼル幅が思いっきり細くなりましたし、筐体後部のヒンジより後ろの部分(オーバハング)が伸びています。完全に新設計の筐体になりました。また、展示会場では以前も日本でお世話になっていたMSIのご担当者(台湾の方ですが、流暢な日本語を話されます)からもいろいろとご説明をいただきました。GT75 Titanの紹介記事を書いた際に「なぜ低リフレッシュレートの4Kディスプレイしか選べないんだろう?」という疑問がありまして、それを素直に聞いてみたところ、「GT76では4KディスプレイとFHD(1,920 × 1,080)が選べ、FHDのほうはリフレッシュレートが144 Hzになります」というご回答をいただきました。なので、ウインタブ的には疑問解消、という感じです。
もともとGT 75 TitanでもノートPCとして考えうる最高のスペックだったので、カタログスペック的には性能は大きくは変わらず、と思ったんですが、CPUに関しては強烈にパワーアップしている、と言えます。上位グレードにデスクトップPC用のCore i9-9900K(GT75はCore i9-9889HK)が搭載されます。また、GPUはGeForce RTX2080(RTX2070も設定があります)で、ここはGT75 Titanと変わりません。日本での価格はまだ未定とのことでしたが、購入するには「相当な覚悟」が必要なんだろうなあ、とは思います。
続いてはMSIとしては中位クラスのGPシリーズの新顔「GP65 Leopard」です。先日発売された「GP75 Leopard」の15.6インチ版で、第9世代のCore i7-9750HとGeForce RTX2060(GTX1660Tiもあり)の組み合わせとなります。サイズ以外はGP75と同スペックと考えていいようです。
先日一挙に発売された新製品の中でもGP75はトップクラスの売れ行きになっているそうです。私もこのGP65とGP75の両方の実機を見せてもらいましたが、ナローベゼルで金属製の筐体が非常にカッコいいですし、MSI製品としては比較的安価で購入できることから、大人気となるのもうなずける感じがしました。
この2モデル、日本での発売時期がいつになるかは明言されていませんが、そう遠くはないと思われます。
MSIのご担当者によれば、「今後はRAM16GBを標準仕様にしたい」とのことでした。それと、DIYによるRAM増設やストレージ増設を「保証対象外」としているのは、往々にして初心者の人が自分で作業しようとして「詰む」ケースがかなり多いということと、内部構造上、単に底面を開口すればRAMやストレージのスロットが見えるというわけではない、とのことでした。それもあって、出荷時にRAM8GBの状態にはしたくない(要するに、標準でRAMが16GB以上になるような設定にしたい、という意味です)そうです。
この辺の姿勢がMSI製品の高評価につながっているんでしょうね。
さて、次にASUSです。ASUSはCOMPUTEXに合わせ、たくさんの新製品を発表しています。ただ、ウインタブ的には「展示会に直接出向くことのデメリット」と言えると思うのですが、もれなく新製品情報記事を掲載するだけなら自宅でメーカーサイト(この場合はASUSの英語グローバルサイト)をガン見しているほうが話が早いんですよね。また、海外のニュースサイトの紹介記事なんかも合わせてチェックし、必要に応じて引用(引用元を明記しないと盗用です、と誰に言うでもなく書いておきます)すると、ある程度まとまった情報を掲載できます。
展示会で取材する場合、メーカーの人と直接話ができ、その場で気になることを質問できたりもするので、とっても有意義ではあるものの、短時間で新製品全部を網羅するのが難しいです。ということで、ASUSの新製品情報については帰国後改めて紹介記事を書かせていただくことにして、ここでは「一番目立つやつ」をご紹介します。
これです。「ZenBook Pro Duo(14インチ版はZenBook Duo)」。キーボード面に大型のサブディスプレイを装備する、非常にとんがった製品です。15.6インチと14インチの2サイズあり、15.6インチ版はメインディスプレイが有機ELの4k解像度、CPUには第9世代のCore i9、GPUにはGeForce RTX2060を搭載します。RAMは32GB、ストレージは1TB SSDですから、ここまで見ただけで「相当なお値段」にはなりそうです。
展示されていた実機を前に、ASUSのご担当者にいろいろ教えてもらいました。ひと目見てびっくり、というのはあるのですが、キーボード面のサブディスプレイはややくすんだ感じに見えてしまい、非常に高精細なメインディスプレイと比較するとややギャップが大きいと感じました。正確ではないと思いますが、「TN液晶の暗いもの」という感じです。
この画像を見ていたけると、TN液晶っぽいのがわかると思います。
この件に関し、ご担当者からは「だって、キーボード面のディスプレイがあんまり明るいと眩しいし、変なふうに反射されても辛いじゃないですか」という、極めてわかりやすいご説明をいただいております。なるほど、確かにそうですね…。
それと、この製品も「エルゴリフトヒンジ(ヒンジを開口すると筐体後部がせり上がり、キーボード面に適度な角度がつく構造)」を採用しています。最近のASUS製品はこの構造のものが増えていますよね。
これがキーボード面です。サブディスプレイの存在が気になりますが、それだけはなく、全体的にかなり特異な仕上がりになっています。まず、パームレストがありません(展示はありませんでしたが、外付けのパームレストが用意されているとのことでした)。そして、テンキーがあるべき部分がタッチパッドになっていて、さらにテンキーを表示させることができるようになっています。
ある意味、「タッチパネルの塊」みたいな製品と言えます。というか、物理キーボード以外、ヒンジの内側は全部タッチパネルですから…。
こちらが14インチ版。こちらは製品名に「Pro」がつきません。ちょっとややこしいですが、14インチ版のディスプレイはタッチパネルではなく、解像度も普通のFHD(1,920 × 1,080)となります。CPUは第9世代のCore i7、GPUはGeForce MX250、RAM16GB、1TB SSDという構成です。
また、タッチパッドの位置は特殊ですが、クリックボタンが2つついていて、機能としてはオーソドックスです。
サイズは下記の通り。
15.6インチ: 359 × 246 × 24 mm / 2.5 kg
14インチ: 323 × 223 × 19 mm / 1.8 kg
やはり、どちらも少し重量が重くなっていますね。また、個人的に少し心配なのが14インチ版のキーピッチです。横幅323 mmというのは14インチノートとしてはむしろ小さいほうで、この横幅でありながらタッチパッドがスペースを取ってしまっているので、使っていて狭くないかな、という気はします。ただ、私はごく短時間このキーボードに触れましたが、その際にはあまり狭さを感じませんでした(そのほうが不思議)。
この製品の日本発売時期は未定で、ASUSのご担当者も、「そこはよくわかりません」とのことでした。また、価格についても「なんとも言えない。というか知らない。」とのこと。
機能的にはメインディスプレイ、サブディスプレイともタッチ対応し、指でウインドウを(サブ→メイン、メイン→サブ)移動できてしまうという15.6インチ版の使い勝手がかなり良さそうに思われました。逆に14インチ版のほうは(試せてないものの)メインディスプレイがタッチ対応しないという時点で、ちょっと中途半端な気がしました。
初日のCOMPUTEXでは、特定のブースで話し込んでしまい、あちこちをうまく巡回することができませんでした。なので、おまけ画像を。というのは冗談ですが、COMPUTEXが17:30に終了した後、台湾名物「夜市」に行ってきました。寧夏夜市(ニンシア・イエシー)という、台北駅から比較的近い、小規模な夜市でしたが、以前から気になっていた「臭豆腐」と読者の方からコメントで推薦されていた「マンゴーシャーベット」をいただいてまいりました。臭豆腐のほうは、確かに臭いんですけど、屋外の屋台で出来たてを食べるぶんにはそれほど気にならず、普通にうまい、と感じました、豆腐というよりは油揚げに近かったかな。でも、個人的には臭いを我慢してまで食べる必要もないかな、って感じ。
また、マンゴーシャーベットのほうは、「明らかにカップル用」というくらいのサイズで、見た目を裏切ることなく、非常に美味しかったです。
美味しいものを食べたところで元気を出して、29日もしっかり視察したいと思います。できればスタートアップ企業のおもしろ製品なんかを探してみたいですね。
関連リンク
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COMPUTEX TAIPEI 2019:公式サイト