Lenovoが15.6インチスタンダードノート「ideapad S540」にスペック強化版と言える「S540ゲーミングエディション」を追加しました。大手PCメーカー各社は独自のゲーミングブランドがあり、例えばDELLはALIENWARE、HPはOMEN、ASUSはROG、LenovoはLegionといった具合です。しかし、一方でゲーミングブランドを冠さないゲーミングノート、あるいはゲーミングノートを称していないが中身的にゲーミングノート、という製品も増えていて、HPだとPavilion Gaming 15だったり、DELLだとInspiron 15 7000だったりと、一般的な製品ブランドの名称を使いつつGPUにGeForce GTXシリーズを搭載していたりもします。
今回紹介するideapad S540は、つい先日発売されたばかりのideapad S540(15.6インチ)をベースとしつつも、GPUにGeForce GTX1650を搭載する高性能マシンです。なお、この製品は既存のS540とスペックや筐体に共通点が多いので、こちらのS540の紹介記事も合わせてご覧ください。
Lenovo IdeaPad S540 (15) - 15.6インチながら重量1.8 kgのコンパクトサイズ、コスパ抜群のスタンダードノート
※なお、この紹介記事のスペック表は6月22日現在販売されているモデルと若干相違があります。
1.スペック
S540はWhiskey LakeのCore iプロセッサーを搭載するスタンダードノートですが、S540ゲーミングエディションはS540とシステム構成の大部分を同じものとしつつ、GPUを搭載してしまった、という製品です。CPUはCore i5とCore i7ですが、ゲーミングノートによく使われるCoffee Lake(型番末尾がH)ではなく、一般的なノートPC用の省電力タイプ、Whiskey Lakeが搭載されています。一方でGPUはGeForce GTX1650と、上位モデルではないにせよゲーミングPC向けのものが搭載されます。
このようにWhiskey Lake + GTX1650という構成の製品にはほかに「MSI PS63 Modern」があります。「何をもってゲーミングノートと言うか」というのは簡単な話ではなく、言っちゃえば「メーカーの打ち出し方による」わけですが、PS63 Modernはゲーミングノートを称しておらず、MSIは「ビジネス&クリエイター向け」という打ち出しをしています。
このS540ゲーミングエディションに関しても、純然たるゲーミングPCというよりは、高性能ビジネスマシン、もしくはクリエイター向けマシンという性格が強いと思います。もちろんエントリーゲーマーやサンデーゲーマー(ウインタブ用語。普段はビジネスマシンとして使い、休みの日に軽くゲームをプレイする感じの人)にも向くでしょう。
Lenovo製品はThinkPadシリーズを除き、多くの場合注文時に構成のカスタマイズができないため、下記のラインナップから選ぶことになります。
Core i5/RAM8GB/512GB SSD
Core i7/RAM12GB/1TB SSD
次にディスプレイですが、これは普通のS540と変わりません。15.6インチのIPS液晶、FHD解像度なので、スペック的に不足はありませんが、リフレッシュレートについては開示がなく、開示がないということは一般的な60Hzなのだろうと思います。
入出力ポートの構成もS540と同じです。数と種類は標準的ですが、ゲーミングノートのように有線LANポートがあるわけでもないですし、映像出力ポートの数が多いということもありません。
サイズも基本的にS540と同じですが、厚さが2ミリ、重量が0.1 kg増加しています。ただ、ゲーミングエディションの画像というのはLenvo直販サイトには用意されていませんので、筐体は変わっていないと考えていいと思います。
2.筐体
繰り返しますが、S540ゲーミングエディションの専用画像、というのはありません。また、筐体色(ゲーミング系のPCはブラック基調の筐体色が多いです)についても「ミネラルグレー」となっていて、特別な装飾などはないようです。なので、既存のS540の画像をもとに説明します。
この製品の横幅358 mmからイメージできる通り、ディスプレイ面のベゼルは非常に細くなっており、とても美しいデザインと言えます。
天板です。ideapadシリーズは基本的に共通のデザインになっていて、この製品も左端に小さく「Lenovo」のロゴがあるのみです。
キーボードです。既存のS540は日本語配列のバックライトつきキーボードが装備されます。ゲーミングエディションに関してはメーカーのスペック表に「JIS配列」の文言がありませんでした。なので「ひょっとしたら」Legionシリーズのように英語配列となる可能性がありますが、おそらくは日本語配列のままだろうと予想します(あえて英語配列を採用するほどゲーミングに強いこだわりのある製品とも思えないので)。
側面と入出力ポートの配置です。なお、「NOVOボタン」というのはPCリカバリー用の特殊なボタンでして、ideapad(の一部?)に装備されています。詳しくはこちらをご覧ください。
NOVO ボタンの概要 – Idea ノートブック
3.価格など
Lenovo ideapad S540ゲーミングエディションはLenovo直販サイトで6月21日に発売され、価格はCore i5モデルが税込み102,384円、Core i7モデルが税込み132,581円となっています(セール価格です)。GeForce GTX1650を搭載するノートPCとしては価格が安いほうだと思います。
この製品は名称が「ゲーミングエディション」となっていますが、CPUにせよ筐体品質にせよ、既存のS540と同じなので、ゲーミングノートを購入しようとする人にはあまり向かないのではないか、と思います。むしろ、高性能なビジネスノート、あるいはクリエイターノートと認識するほうが妥当でしょう。また、S540自体がコスパに優れた製品ということもあり、MSI PS63 Modernよりもかなりお買い得に感じられます。しかし、製品としての仕上がりはPS63 Modernほどのこだわりがあるとも思えず、個人的には「価格なり」なのかな、と思いました。