こんにちは、かのあゆです。ONE-NETBOOKのポータブルゲーミングUMPC新モデル、「ONEXPLAYER mini Ryzen版」の実機レビューです。ウインタブでもすでにONE-NETBOOKのゲーミングUMPCは数機種レビューしていますが、かのあゆ自身はこのタイプの製品のレビューを担当するのが初めてだったこともあり、短期間ではありましたが楽しみながら試用することができました。
なお、CPUに第11世代Core i7(Tiger Lake)を搭載しているモデルに関してもウインタブで実機レビュー記事を公開済みですので、こちらもご参照いただければ幸いです。
ONEXPLAYER miniの実機レビュー - PCゲームを持ち運べる!高品質な筐体も魅力!7インチのゲーミングUMPC
・いつでもどこでもお気に入りのPCゲームを楽しめる
・質感の高い筐体
・別売のドッキングステーション(近日発売予定)と組み合わせればデスクトップPCとしても活用できる
ここがイマイチ
・ファン音は大きめ
・タイトルによってはデフォルト設定ではプレイが厳しいものもあり
販売サイトはこちら
ONEXPLAYER mini Ryzen版(FHD):ONE-NETBOOK公式サイト
ONEXPLAYER mini Ryzen版(HD):ONE-NETBOOK公式サイト
目次
1.ONEXPLAYER mini Ryzen版 スペック
スペック表
ONEXPLAYER mini Ryzen版 |
|
OS | Windows 11 Home |
CPU | AMD Ryzen 7 5800U |
外部GPU | なし |
RAM(メモリ) | 16GB(LPDDR4x 4266MHz) |
ストレージ | 512GB/1TB/2TB M.2 SSD(PCIE3.0×4) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ |
7インチIPS(1,920 × 1,200)タッチ 7インチIPS(1,280 × 800)タッチ |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB 3.2 Type-C × 2(映像出力対応)、USB 3.0、オーディオジャック |
カメラ | なし |
バッテリー | 12,600mAh |
サイズ | 262 × 107 × 23~35 mm |
重量 | 619 g |
バリエーションモデル
HDモデル
・512GB SSD
・1TB SSD
・2TB SSD
FHDモデル
・512GB SSD(レビュー機の構成))
・1TB SSD
・2TB SSD
※ディスプレイ解像度とストレージ容量以外の構成は共通です。
コメント
ONEXPLAYER mini Ryzen版は搭載CPUを除けばIntel版とほぼ同一の仕様です。OSはWindows 11 Homeです。リリースされていた期間が長かったWindows 10と比較すると、まだシステム要件の高さもあって普及していない印象があるWindows 11ですが、ゲームのロード時間を大幅に短縮する「DirectStorage」がサポートされ、さらに現在リリースされているWindows Insider Previewではお気に入りのゲームを簡単に呼び出すことができる「コントローラーバー」がテストされているなど、ゲーミング機能が強化される方向になっています。
CPUはAMD Ryzen 7 5800Uです。Zen3アーキテクチャを採用した型番で、内蔵GPUにAMD Radeon Graphicsを採用しています。Intelが第11世代Core以降で採用しているIris Xe Graphicsも含め、近年内蔵GPUの性能も大幅に向上しており、タイトルによってはグラフィックや解像度設定を調整する必要もありますが、XBOX ONEでもリリースされている「FORZA Horizon 5」もプレイすることができました(後述します)。RAMは16GB、内蔵ストレージは512GB/1TB/2TB PCIe-NVMe SSDという構成です。PCゲームはタイトルによっては容量が100GBを超えるものも存在するので、「より多くのタイトルを持ち歩きたい」のであれば(SSDを換装できない仕様になっていることもあり)大容量ストレージを搭載するモデルを選択した方が良いでしょう。
ディスプレイは7インチサイズで、解像度はHD(1,280 × 800)とFHD(1,920 × 1,200)のいずれかを選択可能です。IPSパネルを採用しており、高リフレッシュレート表示には対応しません。今回レビューした実機は高解像度なFHDモデルでしたが、タイトルによっては解像度を落とすことになると思いますので、正直なところHDモデルでも満足できるだろうと思います。
ワイヤレスネットワークは802.11a/b/g/n/ac/axとBluetooth 5.0に対応します。入出力ポートはUSB 3.2 Type-C × 2(Display Alternative Mode対応)、USB Type-A × 1、3.5 mmイヤホンジャックを装備しています。また、今回はレビューできませんでしたが、オプションでドッキングステーションも用意され、HDMIポートやUSB Type-Aポートを増設可能です。外に持ち出せるポータブルゲーム機としてだけでなく、自宅では仕事でも使いたい場合は必須アイテムになると思います(ただし、この記事執筆時点でドッキングステーションはまだ発売されていません)。
バッテリー容量は12,600mAhで、65W出力の急速充電に対応するACアダプターが付属しています。
2.ONEXPLAYER mini Ryzen版 筐体
付属品はUSB-C to Cケーブル、65W出力のUSB PD急速充電に対応するACアダプター、マニュアルです。マニュアルは今回のレビュー機では中国語のみの表記となっていましたが、国内で正規販売されるモデルに関しては日本語版が付属するものと思われます。USB-CケーブルはONE MIX 1SやONE-NETBOOK A1に付属していたものと同じくナイロン編組み加工が施されています。
前面です。比較写真がありませんが、サイズ感としてはNintendo SwitchやNintendo Switch Liteに近いものになっています。こんなにコンパクトなのにPCゲームがどこでも楽しめるってわくわくしませんか?かのあゆはしました(笑)
コントローラーはXBOX 360以降で採用されている「XInput」互換です。個人的によくプレイしているレースゲームには必須だと思っているアナログタイプのLT、RTトリガーもあり、細かいアクセル、ブレーキ操作に対応できます。下部にはゲームプレイ中も即座に戻れるホームボタン、ソフトウェアキーボードボタン、ファンの回転数を変更できるナイトモードボタンが用意されており、ホームボタン + ナイトモードボタンを押すことでスクリーンショットも撮影可能です。
左、右スティックは定評のあるALPS社のものが採用されています。機種によっては何もしていない状態で勝手に入力されてしまう「ドリフト問題」が発生することがありますが、ONEXPLAYER miniではレビュー期間中ドリフト問題が発生することはありませんでした。
背面には通気口があります。
左側面、右側面には何もありません。
上部にはUSB 3.0 Type-Aポート、USB 3.2 Type-Cポート、3.5 mmイヤホンジャック、ボリュームボタン、電源ボタンがあります。
下部にはUSB 3.2 Type-Cポート。
3.ONEXPLAYER mini Ryzen版 システムと使用感
システム構成です。今回レビューしたのは「FHD/ストレージ512GB」という構成です。ストレージ容量のスクリーンショットは工場出荷時のもの・・・ではなく、ベンチマークソフトや今回レビューで試用したゲームを何本かインストールしてからのものになります。申し訳ございません。
独自のユーティリティなどはインストールされておらず、OSとしては本当に「素の」Windows 11 Homeそのものという印象です。内蔵GPUの場合ビデオメモリを共有するのでフルに使用できるわけではありませんが、RAMは全モデルで16GB搭載されていますので、外部ディスプレイとドッキングステーションを活用すればメインPCとしても活躍できそうですね。
4.ONEXPLAYER mini Ryzen版 性能テスト
ベンチマークスコア
参考:
ONEXPLAYER mini(Core i7-1195G7):1,623、4,222、10,346
※左からTime Spy、Fire Strike、Wild Lifeのスコア
先にIntel版が販売されていることもあり、内蔵GPUの性能差が気になるところ・・・ということでまずは3Dmarkでベンチマークを実施しました。「あくまでも3D Markで測定した」GPU性能はIntel版のほうが高くなっています。
参考:
ONEXPLAYER mini(Core i7-1195G7):1,495、3,105
左からFHD(高品質)、HD(標準品質)
リリースから時間が経っているものの、PCゲームの中では比較的「重い」こともあり、いまだにショップでデモを見る機会が多い「ファイナルファンタジーXV」ベンチマークも実施してみました。HD設定ではIntel版とほぼ同等の結果でした。また、申し訳ありません、FHDはIntel版では高品質で、今回のRyzen版では標準品質で測定していますので、妥当な比較ができません。
参考:
ONEXPLAYER mini(Core i7-1195G7):4,996
今回は完全にゲーム中心で実機レビューを行いましたが、最新のWindows 11をプリインストールするれっきとしたパソコンでもあり、また前述の通りドッキングステーションも近日発売されますので、仕事でも使いたい・・・という方もいるかもしれません。ビデオチャットやオフィススイート、動画編集などを前提にした「PCMark 10」ではIntel版を上回る5,812点という総合スコアを計測しました。動画編集や画像編集などを前提にしている「Digital Content Creation」のスコアも高いので、ゲーム配信も快適にこなせそうです。Intel版もそうなのですがこれだけコンパクトなのにここまで高いパフォーマンスを計測するとは・・・本当にいい時代になったなぁと思います。
5.ゲームプレイの感想
実は先日かのあゆはXBOX Game Passのプランを「Ultimate」にアップグレードしたので、XBOX ONE向けに配信されているタイトルをクラウド経由でプレイできる「XBOX Cloud Gaming Beta」も利用できるのですが、やはりこの機種のコンセプト上ストリーミングではなく実機にインストールしてプレイしてみたい・・・ということで、実際にかのあゆが普段プレイしているタイトルをいくつかONEXPLAYER mini Ryzen版で試してみました。
FORZA Horizon 5
2021年10月にリリースされたばかりのFORZAシリーズ最新作です。XBOX ONEやXBOX Series X/Sでもリリースされているタイトルですが、このタイトルを「モバイル」できてしまうのもゲーミングUMPCならではの魅力の一つだと思います。
前述の通り細かいアクセル・ブレーキ操作に対応できるトリガーボタンも搭載されているのでONEXPLAYER miniとの相性はバッチリだと思います。このタイトルは初回起動時にベンチマークが実行され、自動的に最適な設定にしてくれるのですが、テクスチャーの質が若干かのあゆがメインで使用しているLEGION 550iより落ちた印象はあるものの、気になるフレーム落ちもなく予想以上に快適にプレイすることができました。
Need For Speed Heat
EAからリリースされている大人気レースゲーム「Need For Speed」シリーズの(現時点での)最新作です。FORZA Horizon 5よりも2年前にリリースされているタイトルですが、こちらはデフォルトの設定では処理落ちが激しく快適にゲームプレイするには厳しい印象です。解像度設定をHDに変更し、各種グラフィック設定を落とせばプレイすることは可能です。
このタイトルで採用されている「Frostbite」は元々重めのゲームエンジンなので、内蔵GPUのONEXPLAYER mini Ryzen版ではXBOX Cloud Gaming Betaを使用してのプレイが快適かもしれません。
ディアブロII リザレクテッド
2000年にリリースされた名作ハック・アンド・スラッシュ「ディアブロII」のリマスター版となる「ディアブロII リザレクテッド」です。オリジナル版も日本語版が存在しましたが、今回音声も日本語ボイスが追加され、シリーズを初めてプレイする方もよりその世界観を楽しめるようになりました。かのあゆがメインPCをゲーミングノートに乗り換えたのはこのタイトルをプレイしたかったからだったりします。
グラフィックがリマスターされたことにより、システム要件は高めになっているのですが、ONEXPLAYER mini Ryzen版では場面によってはフレーム落ちする場面も見られたものの、割と快適にプレイすることが可能でした。元々Nintendo Switchでも展開しているタイトルと言うこともあり、携帯機での操作性もバッチリです。
騒音レベル
モバイルゲーム機としても活躍できるコンパクトなUMPCですが、パワフルなRyzen 7 5800Uが搭載されていることもあり、ゲームプレイ中やベンチマークを回している際のファン音はかなり大きめという印象を受けました。
ONEXPLAYER mini Intel版の実機レビューでも指摘されていたフォースフィードバックのバイブ音の大きさはRyzen版でも変わっていません。確かにファン音よりさらに目立つ、という印象でした。これでも個人的には問題ないと感じたのですが、気になる方もおられるでしょうね。ファン音にしてもバイブ音にしても、ヘッドセット(イヤホン)を使ってしまえばいいわけですが…。
バッテリー
いつもは実際に仕事でMicrosoft Office等を使用してバッテリー稼働時間をテストしているのですが、今回はゲームプレイを中心に稼働時間を計測してみました。プレイするタイトルによって稼働する時間は異なるかと思われますが、「ディアブロII リザレクテッド」をディスプレイ輝度30%でプレイした際は概ねメーカー発表通り、2時間程度稼働しました。
モバイルバッテリー経由での充電も可能ですし、標準で付属しているACアダプターもコンパクトなのでこれらを一緒に持ち運べば基本的にバッテリー切れの心配はしなくてもよさそうです。
6.まとめ
ONEXPLAYER mini Ryzen版は現在ONE-NETBOOK公式サイトにて販売中で、現在10%オフとなるクーポンを配布中のため以下の価格で購入可能です。
HDモデル
・512GB:134,640円
・1TB:144,540円
・2TB:156,420円
FHDモデル
・512GB:139,590円
・1TB:149,490円
・2TB:161,370円
近年このタイプのゲーミングUMPCが充実してきており、日本国内では未発売ですがValveの「Steam Deck」やAYA NEOの「AYA NEOシリーズ」、そして今回レビューしたONE-NETBOOKの「ONEXPLAYER mini(7インチ)」「ONEXPLAYER(8.4インチ)」など選べる機種も充実してきた印象です。
家庭用ゲーム機ではNintendo Switchも販売されていますし、価格に関してはSwitchの方がより「気軽」に使えるものの、やはり「移植されていないPCゲームがいつでもどこでもモバイルできる」というのがゲーミングUMPC最大の魅力だと思います。
ONEXPLAYERシリーズは以前から実機レビューしたいと思っていましたが、今回のONEXPLAYER mini Ryzen版は「ゲーム機」としての性能はもちろんのこと、「Windows搭載UMPC」としての性能も高いのでメインPCとしてもしっかり活躍できそうな印象を受けました。ONEXPLAYER miniを購入したら多分かのあゆのライフサイクルもいろいろ変わってしまいそうなので、ある意味怖い、と言えなくもないです。
7.関連リンク
ONEXPLAYER mini Ryzen版:ONE-NETBOOK公式サイト 製品紹介ページ
ONEXPLAYER mini Ryzen版(FHD):ONE-NETBOOK公式サイト 販売ページ
ONEXPLAYER mini Ryzen版(HD):ONE-NETBOOK公式サイト 販売ページ