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Xiaomi Mi 9 レビュー(第2回)- Xiaomiのフラグシップスマホ、自慢のカメラを使い込んでみた(実機レビュー:natsuki)

Xiaomi Mi9 レビュー第2回
こんにちは、natsukiです。前回に引き続きXiaomiのフラグシップスマホ「Mi 9」のレビューをお送りします。今回は、カメラに焦点を当てて見ていきたいと思います。
Xiaomi Mi 9 レビュー(第1回)- 買ってしまった!ひとつひとつの操作に持つ喜びを感じるXiaomiのフラグシップスマホ(実機レビュー:natsuki)

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1.その後買い足したアクセサリー

先に、買い足したアクセサリーについて少し触れておきます。

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まず、ディスプレイ保護フィルムですが、安心のPDA工房製高硬度フィルムを購入、貼り付けました。決め手は、ディスプレイ指紋認証に対応していると明記してあること。このMi 9がディスプレイ指紋認証であることは、前回のレビューでも触れましたが、実用的には、結局これをメインの認証に使っています。顔認証は、スマホがこっちに向いているだけで認証するので、予期せぬタイミングで認証しちゃうのがいまいち使いにくいんですよね。

まあ、他社製フィルムでも大丈夫だろうとは思うんですが、万が一感度が悪くなったらお話にならないので、きちんと対応を明記してあるPDA工房製に。実際、問題なく使えています。もちろん、画像をご覧のとおり、サイズはピッタリ。透明感も申し分なし。

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ケースは、これをAliexpressにて900円弱で購入。「XUNDO」というブランドです。周囲をきっちりガードしてくれる耐衝撃性の強そうなもので、背面はクリアに本体のグラデーションを楽しめるものを選びました。重要な点としては、このケースならカメラ回りが分厚くなっているので、机に裏返しにおいてもカメラが接地することはありません。前回レビューでも触れたように、Mi 9の3眼カメラは付属のケースの厚さよりも出っ張っているので、付属のケースでは裏返して置いたときにカメラ画直接地面に触れるんですよね。ついでに、一応、カメラ保護フィルムも貼ってます。Aliexpressなら100円しません。個人的な好みとしては窓付き手帳タイプが欲しかったんですが、管見の限りでは無かったもので。

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こういうイロモノも惹かれはしたんですが、とりあえずは、保護性能重視で。あとは、ワイヤレス充電器を買うかどうか迷うところです。ただ、充電速度は18Wで十分早いし電池保ちは良いしで、さほど必要性を感じないので、当面は無しでいきます。

2.リヤカメラで遊ぼう

いよいよ、最大のウリである、トリプルカメラを使い倒してみます。このての記事ではお約束ですが、「クリックして拡大」で原寸大画像を見る場合は、通信データ量が相応にかかるのでご注意ください。特に、48MPの画像はゴリゴリとあなたの通信データ量を喰らうことでしょう、フハハハハハ。Wi-Fi環境での閲覧をお勧めします。

ウインタブ注:これ以降掲載するMi9の撮影写真はすべて「クリックで拡大」します。また、画像が非常に多いため、特にPCで閲覧する場合、お使いの回線速度によってはうまく表示されない場合があります。そのようなときは、1~2回リロード(再読込み)してください。よろしくお願いします。


比較対象として、UMIDIGI Z2にちょいちょい出てきてもらいます。これは、UMIDIGI Z2が、中華スマホとしてはそこそこのカメラ性能を持ち、また、すでにウインタブの記事でも、その性能の詳細を見ているからです。細かいことですが、外で両者を撮り比べるような余裕のある日はたまたま曇天ばかりだったので、ちょっとUMIDIGI Z2には厳しい撮影環境ばかりとなってしまいました。その点は、あらかじめかばっておきます。4月は曇りが多かったですよね~。

なお、Mi 9デフォルトのロゴ以外にも、適宜分かりやすくするために写真の左下に説明を入れています。jpg画像のため、その作業によってある程度の劣化が生じてはいますが、基本的には画像の評価に影響するほどのものではないと考えています。加工には「XnConvert」を使用し、jpg圧縮率は「95」に設定しています。

モード一覧

リヤカメラには、以下のモードが用意されています。
「ショートビデオ」:15秒の動画を撮ります。
「スローモーション」:120FPS、240FPS、960FPSのスローモーションが撮影できます。
「ビデオ」:動画撮影です。
「写真」:写真です。
「48MP」:48MPで撮影します。
「ポートレート」:ボケみのついた撮影を行います。撮影後に調整可能。
「夜景」:暗所に特化したモードです。
「パノラマ」:パノラマ撮影モードです。
「Pro」:「ホワイトバランス」「焦点」「シャッター速度」「ISO」「使用レンズの指定」を手動で設定できます。

細かく紹介しだすとキリがないので、よく使いそうな機能、特にAI補正とズーム、そして暗所性能を重点的に見ていきたいと思います。「48MP」「夜景」が、「写真」の内部ではなく独立した機能になっているのが特徴的ですね。

通常の写真でAIの効果を見てみる

まずは、通常の写真。道端の花壇をUMIDIGI Z2とMI 9で撮り比べてみます。上がUMIDIGI Z2、下がMi 9でAIはONです。

Xiaomi Mi9 レビュー第2回
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この日は曇天だったので、色彩はもともとシャープではありません。ほとんど違いはありませんね。もう一枚、これも曇天だったんですが別の日に。

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今度は、はっきり違いが出ました。前のレビュー記事でもそうだったけど、どうもUMIDIGI Z2は天候運に恵まれない。ただ、AIが入ることでちょっとは鮮やかになりますが、決定的な差はないように見えます。UMIDIGI Z2も、それなりの実力を持っているんですよ。

花ばっかりもなんなんで、神社の境内を撮ってみます。曇天ということもあり、暗所は非常に暗いです。

Xiaomi Mi9 レビュー第2回
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やはり、暗所性能の差が強く出る結果となりました。後述しますが、Mi 9の暗所性能は非常に優れていて、常時HDRをONにしているかのような写真になります。ちなみに、実際の肉眼で見た感じは、両者の中間くらいかな?

では今度は、Mi 9だけで、AIのON/OFFの違いを見てみます。上がAIをOFF、下がAIをONです。

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晴天の花壇です。細かい部分に注目するとあんまり違いがないように見えますが、全体をぱっと見たときの印象は、やはり違います。ただ、基本的にMi 9のAI補正はおとなし目で、極端に実際と違うようなことはあまりありません。この場合は、晴天時の日光に反射した植物の輝きが、よりよく出ている感じです。

さて、AIで極端に色が変わりやすい色として、よく赤と緑があがります。そこで、道路脇の植え込みのツツジをアップで撮ってみます。上がAIをOFF、下がAIをONです。

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これも、曇天時になります。明確に違いは出ていますね。実際の見た目に近いのは、もちろんAIがOFFの場合です。ただ、そんなにどぎつい補正ではなく、自然なかたちで仕上げてくれています。

定番のラーメンはどうでしょう。UMIDIGI Z2も加え、UMIDIGI Z2、Mi 9のAIをOFF、Mi 9のAIをONの順に並べてみます。

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思った以上に、UMIDIGI Z2との違いが出ました。UMIDIGI Z2は、明暗の幅が大きいのに対して、Mi 9は同程度の明度にまとまった感じがします。で、実物はどうかというと、これは、ぱっと見た感じの印象は、UMIDIGI Z2の方が近いです。つゆの背脂やチャーシューはかなり白に近い感じだったので。ただし、UMIDIGI Z2は、やや全体的に青みが入っています。これは後述しますが、UMIDIGI Z2の弱点の1つです。Mi 9だけのAIのON/OFFでみると、やはりAIがONの方が、コントラストがあります。今回は、AIがONの方が実物に近いかな。

他にもいろいろ撮ってみましたが、総じてソフトな補正で、実物とかけ離れた印象に仕上がることはまずありませんでした(後述の暗所撮影を除く)。対照的だなと感じたのは、ネットにいろいろ上がっているHUAWEI P30 Proの作例です。レビュアーによるHUAWEI P30 Proの作例を見ていると、幻想的なほどにビビットな色彩のものが多くありますが、Mi 9は、それとは方向性が異なる感じがします。もっとも、写真のウデの差、対象物の選択、それとHUAWEI P30 Proの撮影場所のほとんどがパリなため、文化による人工物の色彩の差や、気候の差といった外部要因もあるので、それだけのことかもしれません。個人的な好みで言えば、スマホのカメラには芸術性より記録性を求めているので、Mi 9の優しい補正は好感が持てます。

ついでに、いくつか作例を。すべてAIはONで。

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タイヤで爪とぎにゃんこ。シャキーンと出した爪までよく撮れています(ナンバープレートは加工で塗りつぶしてあります)。

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炎です。みんな大好きマシュマロファイアー。これは、炎の揺らめきがかなり美しく撮れていますね。

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積んである薪です。青天であれば、このように空気感もよく出ます。

以下、特に断りがない場合、Mi 9の写真はAIをONで撮っています。

正確な色味

さて、スマホの写真は、ときにより、視野全体の色調によって色の感度が狂う場合があります。特にUMIDIGI Z2では、先程のラーメン画像で見られたように、光量が不足したときや、全体の色調が黄色よりのときに、青みがかかる現象が出ます。同様の色彩のブレは、他のスマホでも確認していますが、UMIDIGI Z2と前機種UMI Zで特に顕著なので、UMIDIGIスマホのクセかもしれません。動画にするとわかりやすいので、ご覧ください。

Xiaomi Mi9 レビュー(動画撮影:背景色による肌色の変化を比較)

UMIDIGI Z2は、白系のキーボードの上に手があるときは、肌の色は比較的よく撮れていますが、明るい木の色のテーブルの上に移動した途端、青くなるというのがよく分かると思います。Mi 9では、それほど色味に変化はありません。というわけで、色の再現性、というより、シチュエーションの違いに寄る安定性は、Mi 9は非常に優秀と言えます。

期待のズーム機能

得意のズーム機能です。光学2倍ズームに加え、デジタル処理で最大10倍のズームができます。バケモノHUAWEI P30 Proの50倍とは比べるべくもありませんが、それでも、一般的なスマホとは1線も2線も画す品質です。ちなみに、UMIDIGI Z2はデジタルズームのみで最大4倍。普通はそんなもんでしょう。UMIDIGI Z2の4倍ズーム、Mi 9の4倍ズーム、Mi 9の10倍ズーム、の順に並べてみます。いずれも曇天だったので、色味がくすんでいるのは目をつぶってください。まずは神社の境内。

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桜です。同じく、UMIDIGI Z2の4倍ズーム、Mi 9の4倍ズーム、Mi 9の10倍ズーム、の順です。

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UMIDIGI Z2は、ズームといっても、単にソフト面で加工しているだけの「なんちゃってズーム」です。Mi 9の場合、4倍くらいまでなら、スマホの画面で見る分には十分な画質ですね。さすがに、10倍はかなり画像が粗くなりますが。

以下、作例を。

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多少警戒心の強いにゃんこも、ズームで捉えます。これは2倍。2倍なら、通常は光学ズームだけあってほとんど劣化は見られないのですが、この写真は半分車の下に入っているという光量的に厳しい位置だったこともあって、わずかにブレました。

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4倍で鳩ポッポ。鳩がこっちを向いていることから分かるように、まったく警戒されない距離から、これだけくっきり撮れます。

超広角レンズと48MPモード

広角レンズと、超高解像度の48MPモードをまとめてみてしまいます。

公園の写真で、上から順に、通常、48MP、超広角、です。

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前回のレビューでも書きましたが、48MPはさほど輪郭がくっきりしているわけでもなく、ただデカいだけで、これなら12MPを引き延ばした方がいい気がします。被写体にもよりますが、この写真でも1枚の容量は圧巻の20MB越え(解説を入れる際に再圧縮しているので、減っています)。ついでに言えば、48MPモードでは、ズームとHDRも設定不可能です。正直なところ、あまり使う機会はないでしょう。

一方の広角レンズですが、周囲の木を見て分かるように、周辺部のゆがみはほとんどありません。ただし、それを修正しているせいなのか、周辺部はややブレます。後で、夜景も広角で撮ってみるので、そちらもご覧ください。

HDR要らずの優れた暗所性能

これもMi 9のウリの1つの、優れた暗所性能を見てみましょう。暗所を撮影するとき、Mi 9にはいくつかの選択肢があり、適宜それを選択することになります。まずは、そのまま撮る場合。次に、HDRをONにして撮る場合。以上の2つの場合は、AIをONにすると、AIによる夜景モード(上部に月マークが表示されます)が適用されます。さらに、独立した「夜景」モードがあり、この場合はAI補正のON/OFF選択はありません。つまり、「HDR:OFF×AI:OFF」「HDR:OFF×AI:ON」「HDR:ON×AI:OFF」「HDR:ON×AI:ON」「夜景モード」の計5種類から適当なものを選ぶことになります。ただ、いくつか撮ってみたところ、AIのON/OFFは、明度調整にはあまり影響しませんでした。なので、以下もAIはONのまま撮っています。

ではでは、曇天の神社の暗がりにある浮き彫りを、UMIDIGI Z2のHDRをOFF、UMIDIGI Z2のHDRをON、Mi 9のHDRをOFF、Mi 9のHDRをON、の順で。

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肉眼で見たものは、UMIDIGI Z2のHDRをOFFのものです。UMIDIGI Z2は、HDRの効果が非常に分かりやすいですね。一方のMi 9は、……違いが分からん。しっかり、ブレやすいという部分だけは出てしまっていますが。これは、HDRをONにする意味はないのでは?

もう1枚いってみよう。晴天時の太陽という、ウルトラ逆光を撮ってみます。

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えーっと、HDRをOFFの方が木の幹が明るいってどういうこと? 他にも撮ってみた限り、素の状態での暗所性能が高すぎて、HDRをONにする意義がまったく見いだせません。ONにすると、むしろブレやすくなる。暗いところを「暗いまま」に撮れないのが、欠点といえば欠点と言えるかも。

暗所撮影の本領発揮の、夜景を撮ってみましょう。ここからはMi 9のみで。まずは、夜桜。意地悪く、街灯と一緒に。通常の撮影(AIによる補正は入っています)に、注目の「夜景」モードの順です。「夜景」モードは、数秒間カメラを固定する必要があります。

Xiaomi Mi9 レビュー第2回
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いずれも、肉眼で見た感じより明るく撮れています。この「夜景」モードこそ、一般的なスマホでのHDRに相当するような撮れ方になりますね。

夜の上野です。通常撮影、「夜景」モード、超広角撮影(「夜景」モードでは超広角撮影は選べません)、の順で。

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「夜景」モードは本領発揮ですね。ネオン看板の細部までくっきり撮れています。もちろん、実際はこんなに明るくありませんけど。

拡大とも組み合わせてみましょう。上野公園の西郷隆盛像です。夜間は、街灯のようなライト1本のライトアップで、非常に暗いです。「夜景」モード、超広角撮影、通常、通常4倍、通常10倍、の順で。

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拡大すると、さすがに画質は荒くなるものの、この暗さでこのノイズの少なさはやはり凄い!

応用編です。警戒心が強く、車の下に逃げ込んだニャンコを、2倍ズームの「夜景」モードで。

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すべてが暗い夜間と違って、撮影している側の周りは明るく、被写体まわりだけ暗いという極悪な撮影条件ですが、このくらい撮れます。

月は出ているか?

ところで、Mi 9には、究極の暗所撮影モードともいうべき「Moon Mode」なるものが実装されています。これは、手動で設定するのではなく、通常のAI撮影時に「月を被写体に捉えたときに発動する」特殊モードで、倍率も通常撮影では選択不可能な20倍まで上がるそうです。なにそのガ○ダムX。「そうです」と伝聞なのは、私はいまだ発動できていないからです。もともと、アップデートによって実装される機能で、そのアップデートは導入済みのはずなんですが、どうにも、曇っていたり月の出ている時間に寝ていたりで、ここ数週間月に出会えていないんですよ。うまいのが撮れたら、コメント欄にでもアップしようかと思います。

ボケみをいじるのが楽しい「ポートレート」モード

もはやスマホではおなじみ、ボケみを出す「ポートレート」モードも、さすがはハイエンドと思わせる楽しいものです。ただし、ポートレートモードでは、ズームやHDRは設定できません。

まずは、シンプルな作例から。ニャンコです。

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これもハイエンド機なら昔からある機能ですが、ポートレートモードで撮影した写真は、撮影後にボケみの具合をいじれます。しっかりと、「距離」も計っているようで、こんな芸当もできます。

Xiaomi Mi9 レビュー第2回
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同じ写真から、ボケみを出すときに、「焦点位置」をタップで指定して変化させています。

多少複雑な形でも、きっちり輪郭を追いかけます。

Xiaomi Mi9 レビュー第2回
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注連飾りは、さすがに乱れが出ますね。それでも、こんな細いものができるだけでも驚愕でしょう。

接写は苦手

いろいろ撮っていて、UMIDIZI Z2の方が明確に優れている点が、1つだけありました。接写能力です。Mi 9は、接写能力も公称「4cm」と宣伝しているんですが、かなりクセがありました。

狛犬の上にいたテントウムシさんです。上がUMIDIGI Z2、下がMi 9です。

Xiaomi Mi9 レビュー第2回
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それぞれで、これ以上寄るとボケてしまう限界まで寄った写真です。UMIDIGI Z2は、青みが強くなる悪いくせがまた出ています。しかし、ご覧のとおり、接写能力はUMIDIGI Z2の圧勝。……えーっと、なになに、接写は超広角レンズで? なるほど確かに超広角レンズを使うと、通常よりも接写はできる。しかし……、以下は、UMIDIGI Z2、Mi 9の通常撮影、Mi 9の超広角撮影で、寄れる限界まで寄ったものです。

Xiaomi Mi9 レビュー第2回
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超広角撮影は確かに寄れるけれど、もとが超広角レンズなので、今度は限界まで接近しなくてはならず、撮る側の影が入っちゃうんですね。上の写真は、超広角撮影のときだけ影が入りにくい角度にずらしたんですが、それでもこのありさま。もしくは、被写体が虫なんかの場合、さすがに逃げられます。

これは、UMIDIGI Z2の接写能力が優れているというのもあるでしょう。レビュー記事のための細部を捉えた写真を撮る際、UMIDIGI Z2のカメラは、色味にやや難があるものの、ディティールをしっかり捉えるという点では非常に扱いやすいです。意外なところで、UMIDIGI Z2が一矢報いました。Mi 9で接写を試みる場合は、裏技的な方法になりますが、通常撮影で限界まで寄ってからズーム機能で拡大する、というのが無難かと思います。手ぶれはしやすくなりますけどね。

スローモーション

ビデオカメラも、もちろん優秀です。先ほどの色味のところでみたように、画面全体の色調が変わっても、撮影動画に不自然な変化は現れません。特筆すべきは、手ぶれ補正機能でしょうが、む、すいません、ちょっといい作例が思いつきません。

せっかくなんで、「スローモーション」モードで遊んでみましょう。120FPS、240FPS、960FPSの3段階から選べます。以下の撮影は、もちろん960FPSで。

定番の水滴を撮ってみました。高さを色々調整したんですが、意外とこれが、王冠にはなかなかなってくれないんですよね。「スローモーション」として撮れるのは、ほんの1秒程度。タイミングは非常にシビアで、何度も撮り直して、ちょうどよいのを選ぶ作業は必要です。また、後からの操作で、音楽を自動でつけてくれます。

Xiaomi Mi9 レビュー(動画撮影:スローモーションテスト1)

今度は、水を飲むときのニャンコの舌です。

Xiaomi Mi9 レビュー(動画撮影:スローモーションテスト2)

うーん、あんまり面白くはなかったかな。下側に曲げているのは分かると思います。余談ですが、BGMの中にニャンコの鳴き声が入っているのは、録音ではなくBGMの一部です。Mi 9のAIが、そういう曲をつけたんです。

スローモーションモードは、焦点、タイミングともに非常にタイトなので、継続的に反復される運動じゃないと撮影は難しく、例えば、鳥が飛び立つ瞬間とかの「1回もの」は絶対無理です。それでも、お遊びとしてはなかなか楽しめるんじゃないでしょうか。

3.フロントカメラ

フロントカメラは、単眼です。ノッチはティアドロップ型、つまり、単眼カメラ以外何もない。従って、複数カメラを活かした様々な効果は望めない……ハズです。実際、フロントカメラでは、使用可能なモードは「ショートビデオ」「ビデオ」「写真」「ポートレート」に限定されます。「写真」モードにおいても、超広角撮影ができないのはもちろん、倍率も固定でズームはできません。

もちろん、通常性能は十分優秀で、しかし特殊なこともないので、特筆すべきことは特にありません。やっぱりここは、「ポートレート」モードに注目ですね。単眼カメラで、いったいどこまでやれるのか。ちょっと説明しておくと、ボケみを出すには複眼が圧倒的に有利です。その仕組みは、前にUHANS i8の記事でざっと説明してあるので、興味のある方はご覧ください。ともかく、ハード的にいえば、単眼では距離をつかんでボケみ出すことはできないはずで、実際、多くのスマホは、フロントカメラでのボケみは画面の周辺を機械的にぼかす「なんちゃってボケ」でごまかしています。しかし、Mi 9は、ダテにフラグシップを名乗っていない。そのハードの制約を、ソフト面でどうねじ伏せるのか、非常に興味深いわけです。

焦点を顔認識に依存している?

私は、顔出しNGで記事を書かせていただいていますが、そのため、いきなりつまづきました。フロントカメラを使用する場合、どうもMi 9は「顔認証」によって焦点を定めているらしく、いろんなものを撮ってみたんですが、「人間以外」のものには、ともかく焦点が合わない。一方で、人間を撮ると、顔から体まで、ぴっちり合わせてくる。ソフトの完成度の高さを体感するとともに、かなり困ったことになりました。以下の作例は、さんざん撮りまくって、わずかに偶然焦点が合ったものです。

なお、フロントカメラのポートレードモードで撮った写真も、後からボケみを調整できます。

Xiaomi Mi9 レビュー第2回
狛犬です。ほぼ完璧に背景のみをボカしています。何が凄いって、これ、ソフトの力だけでメインの被写体と背景を識別しているわけですよ。複眼ではないし、各種センサーもないので、「距離」を計っているわけではありません。その証拠は、次をみると分かります。

Xiaomi Mi9 レビュー第2回
ぬいぐるみを積んでみました。そして、ほとんど同じ状態で撮り直した写真が、下になります。

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違いが分かりますでしょうか? 後ろのカエルがボケていませんね。下側の写真では、実際には積んであるぬいぐるみよりずっと後ろにあるカエルのぬいぐるみも、被写体の一部として間違って認識しているわけです。つまり、被写体までの「距離」は判断要因とはなっていない。こういうミスがあるとはいえ、平面の画像からメインの被写体と背景を識別できるとは、まさにAI=「人工知能」と呼ぶにふさわしい恐るべき性能です。

4.まとめ

UMIDIGI Z2との比較をざっと言えば、ノーマルな状態での写真はさほど変わりはなく、光量が足りなかったり、ズームをしたり、ボケ味を入れたかったりといった、何らかの特殊条件が加わると差が出てくるというのが分かるのではないでしょうか。

通常写真では、UMIDIGI Z2も十分優秀で、価格を考えると基礎的な技術の進歩を実感させます。逆に言えば、ハイエンド機は「付加価値」の部分で勝負するしかないわけで、しかし、Mi 9は、その「付加価値」をぞんぶんに楽しませる性能に仕上がっています。ローエンド機やミッドレンジ機の基礎能力が向上する中で、フラグシップならではの、さらにその先を体感させてくれる。

とはいっても難しいことはなく、私のように写真に関する知識が皆無な人でも、手軽に色々試せて様々な状況に対応できるというのは、「スマホのカメラ」としての面目躍如と言えるでしょう。優れた暗所性能や、4倍くらいまでなら十分使えるズーム機能など、普段使いで「ちょっと欲しい」機能をきっちり抑えて、直感的に使用できる。うん、これは良いものだ。

5.関連リンク

Xiaomi Mi 9 レビュー(第1回)- 買ってしまった!ひとつひとつの操作に持つ喜びを感じるXiaomiのフラグシップスマホ(実機レビュー:natsuki)

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コメント

  1. natsuki より:

    月を撮ったので投稿します。

    発動しました「月モード」!
    倍率は通常の限界を超えて20倍。
    半月ですが、以下のリンクから。
    撮影した画像からExifデータを消去したものです。
    https://www.dropbox.com/s/vn7czfwfw07e86u/mi%209_half%20moon.jpg?dl=0

    さすがにぼやけていますが、「うさぎ」ははっきり確認できます。
    満月だったら、光量が多い分、もっとくっきり撮れるかもしれませんね。

  2. okn より:

    今更ですが Mi9 買いたくなったんですが
    こちらのLink は切れているようです

    在庫ないと 表示されない感じですかねw

  3. 匿名 より:

    見てて酔った。買わない方向で。
    写真的には方ボケというか斜めボケであり得ないんですよ。
    実際にカメラを使った事が無い人達が増えてこういうのが標準になってしまうんですかね・・・お手軽というか貧しいと言うかスマホの値段を考えたら貧しくは無いか。