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DOOGEE S98の実機レビュー - 性能も質感も満足度が高いタフネススマホ。サブディスプレイの活用方法はまだ限定的

DOOGEE S98 実機レビュー
こんにちは、かのあゆです。DOOGEEより2022年3月に発売されたタフネススマホ、「S98」を実機レビューしたいと思います。この端末はタフネススマホとしての基本性能が高いだけでなく、背面にサブディスプレイを搭載している点が大きな特徴となります。

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なお、今回レビューしているS98はDOOGEEよりサンプル提供していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。

ここがおすすめ
・タフネススマホらしいデザインと質感
・大容量RAM/ストレージ搭載
・3年間のソフトウェアアップデート
・最新のAndroid 12プリインストール
ここがイマイチ
・現状サブディスプレイの使い道は限定的
販売サイトはこちら
DOOGEE S98:DOOGEE Official Store(AliExpress)

1.DOOGEE S98 スペック

スペック表

   DOOGEE S98
OS  Android 12
CPU MediaTek Helio G96
RAM 8GB
ストレージ 256GB
ディスプレイ  6.3インチ(2,340 x 1,080)
LTEバンド FDD-LTE:B1/2/3/5/7/8/12/13/17/18/19/20/25/26/28A/28B/66
TD-LTE:B34/38/39/40/41
SIM  nanoSIM × 2
ネットワーク IEEE 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0
入出力  USB Type-C、MicroSDカード
カメラ  イン16MP/アウト64MP + 20MP + 8MP
バッテリー 6,000 mAh
サイズ  172 x 82 x 15.5 mm
重量  320 g

コメント

OSはAndroid 12です。Android 12はリリースから時間が経過したこともあり、中国メーカーでも採用している端末が増えてきた印象を受けます。このバージョンでは「Material You」と呼ばれるデザインが採用されており、設定されているテーマに応じてボタンなどの配色が変更される「ダイナミック・テーマ」がサポートされるようになりましたが、S98ではカスタマイズを行なっているため、この機能を利用することはできませんでした。他メーカーでもカスタムUIを採用している機種ではダイナミック・テーマをサポートしていないものが多いので、この点は仕方ないかもしれません。

中国メーカーのスマートフォンではOSのアップデートどころかセキュリティアップデートすら提供されない端末がほとんどという状況でしたが、S98では3年間のOSアップデート、セキュリティアップデートを保証しています。まだ実績がないためOSアップデートが配信されるタイミングやセキュリティアップデートの提供頻度は未知数ですが、近年販売されているスマートフォンはミッドレンジモデルであっても性能が向上してきているので、(本当にしっかりと実施されるのであれば)長期間アップデートが受け取れるようになったのは歓迎されるべきだと思います。

CPUはMediaTek Helio G96です。MediaTekの4G対応製品としては性能が高めということもあり、今年になって海外では採用機種が増えてきた印象にあります。RAMは8GB、内蔵ストレージは256GBとハイエンドクラス並みの構成となっており、MicroSDカードによるストレージ拡張にも対応します。

ディスプレイは6.3インチサイズで、解像度はFHD+(2,400 × 1,080)です。パネルはIPS液晶が採用されており、強化ガラスとしてコーニング・ゴリラガラス(バージョン非公開)が採用されています。近年ミッドレンジモデルでも高リフレッシュレート表示をサポートする端末が普及し始めていますが、S98では残念ながら対応していません。

カメラはイン16MP、アウト64MP(メイン) + 8MP(超広角) + 20MP(ナイトビジョン)という構成です。中国メーカーが販売するスマートフォンでは搭載機が増えてきたナイトビジョンカメラが搭載されており、白黒撮影にはなるものの、暗所でもはっきりとした写真が撮影可能です。

DOOGEEではV20でサポートされていた背面サブディスプレイがS98にも搭載されています。ただし、現時点でのファームウェアではまだそのメリットが生かし切れていない印象を受けました(後述します)。

ワイヤレスネットワークは802.11a/b/g/n/acとBluetooth 5.1に対応します。5Gネットワークはサポートされていませんが、4Gネットワークは国内主要4大キャリアの通信バンドをフルサポートしています。VoLTEの利用も問題ありません(ただし、全てのキャリアでテストしてはいません)。また、DOOGEEはかつてAmazon.co.jpでも製品を正規販売していたこともあり、技適も取得済みのようです(パッケージに技適マークと番号の表記あり。ただし、レビュー機では本体側で技適の電磁表示はできませんでした。後日OTAアップデートで対応するのではないか、と思います)。

バッテリー容量は6,000 mAhで、33W出力の急速充電に対応するほか、15W出力のワイヤレス充電をサポートします。おサイフケータイはサポートされていませんが、NFC(Type A/B)を搭載しているため、海外旅行時に各種決済サービスを利用可能です。

2.DOOGEE S98 筐体と使用感

DOOGEE S98 付属品
付属品はUSB-C to Aケーブル、SIMトレイ取り外し用のイジェクトツール、液晶保護フィルム、マニュアル(日本語表記あり)、ACアダプター(海外仕様)です。液晶保護フィルムは出荷時にすでに一枚貼り付け済みとなっていますが、もう一枚予備で付属しています。PETタイプのフィルムは消耗品と言うこともあり、最初からもう一枚付属しているのはありがたい配慮です。なおS98用の液晶保護フィルムはすでにPDA工房で製品化済みです。

DOOGEE S98 保護フィルム:PDA工房

DOOGEE S98 キャリングバック
DOOGEE S98 キャリングバック
今回DOOGEEから純正キャリングケースも提供していただきました。本体だけでなく、ACアダプターやケーブル類なども収納できるしっかりした作りのケースです。またケース内にはDOOGEEロゴの入ったUSBメモリ(8GB)も同梱されており、中にはプレスイメージなどが収録されていました(市販品にはこのケースは付属しないものと思われます)。

前面
前面です。ディスプレイにはティアドロップノッチが採用されています。タフネススマートフォンとしては比較的ベーシックなデザインですね。ベゼルも太めですが、この方が個人的にはいかにも「頑丈」に見えます。

背面
背面にはサブディスプレイが配置されています。サブディスプレイ搭載端末というとSamsungのGaalxy Z FlipシリーズやHuawei P50 Pocketなど高価なハイエンドモデルが中心となるので、これだけでも目立つと思います。アウトカメラの配置もなかなか個性的です。なお派生モデルのS98 Proではサブディスプレイの位置にサーマルレンズが配置されています。今回のレビュー機は「クラシック・ブラック」ですが、このほか「ボルケーノ・オレンジ」と「ワイン・レッド」も用意されています。

左側面
SIMトレイ
左側面にはSIMトレイ、プログラムボタンがあります。SIMトレイは一見するとそのまま取り外せそうですが、結構固めに装着されているので付属しているイジェクトツールを使わないと開口させることができません。SIMトレイはトリプルスロット仕様となっており、デュアルSIM運用時でもMicroSDカードによるストレージ増設が可能です。

右側面
右側面には電源ボタンとボリュームボタン。

上部
上面には何もありません。

下部
USB-Cポート部
下面にはマイクとUSB-Cポート、モノラルスピーカーが配置されています。

システム

デフォルトランチャー

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中国メーカーのスマートフォンだと素のAndroid OSが搭載されていることがほとんどなのですが、S98ではカスタマイズが行なわれており、Pixelシリーズなどで利用できるAndroid 12とは若干UIが異なります。新しいデザインの通知領域やウィジェットも利用可能ですが、前述の通り「ダイナミック・テーマ」機能はサポートされていません。プリインストールアプリはシステム標準アプリ、Google純正アプリのみとシンプルな構成です(上記画像に含まれているTikTokは初回セットアップ後にインストールしたもので、プリインストールはされていません)。

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ツールボックスアプリ

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タフネススマートフォンと言うことで、コンパスや歩数計、分度器など便利なツールを一つにまとめた「ToolBox」アプリがプリインストールされています。かのあゆ個人としてはあまりアウトドアに出かけることはないので、これらのツールを使うことはないのですが、コンパスや分度器は日常生活でも活用できるかもしれません。

簡単ランチャー

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重量があるタフネススマホなので、S98を小さいお子様やお年寄りが使う・・・というのは厳しいかもしれませんが、標準ランチャーとして採用されている「QuickStep」には「簡単ランチャー」という機能が用意されているので、いわゆる「らくらくフォン」のような操作性に変更することも可能です。

ストレージ情報

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工場出荷時のストレージ情報です。S98では256GBと大容量ストレージを採用していることもあり、工場出荷時の空き容量は約244GBと余裕があり、一般的な使い方であればMicroSDカードの増設は不要です。

ファームウェア情報
工場出荷時のファームウェアに適用されているAndroidセキュリティパッチは「2022年2月5日」のものが適用されていました。なお、レビュー時点でセキュリティアップデートはありませんでしたが、すでに不具合修正を含むOTAアップデートの配信も開始されています。

ディスプレイ

ディスプレイは6.3インチサイズで、解像度はFHD+(2,400 × 1,080)です。パネルは視野角が広いIPS液晶で、発色も良好で十分満足できる表示品質になっています。ただし高リフレッシュレート表示には対応していないので、(個人的に90Hz以上の表示に慣れてしまったこともあり)画面スクロールに若干違和感を覚えました。タフネススマホで高リフレッシュレート表示に対応している機種はまだ多くありませんし、この点に関しては仕方ないかな、と思います。

スピーカー

スピーカーはモノラル出力のものが搭載されています。端末のコンセプト上、スピーカー性能にそこまでこだわっているというわけではなさそうですが、ステレオ出力のものと比較するとどうしても物足りなさは覚えてしまうものの、音質自体はそこまで悪くはありませんでした。ただ本格的に音楽や動画を楽しむのであればワイヤレスイヤホンを利用した方が良いでしょう。

筐体その他

サブディスプレイ設定画面

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S98のセールスポイントの一つとなっているのが背面に配置されているサブディスプレイです。前述の通りサブディスプレイを搭載するスマホはかなり限られてくるので、これだけでもなかなか個性的です。

時計表示
音楽再生
ただし現状のファーームウェアでできることは

電話の着信
時計の表示
再生している音楽のコントロール

のみにとどまっており、現状「スマートウォッチの劣化版が背面に配置されている」程度にとどまってしまっているのが残念です。ウォッチフェイスも追加することはできませんし、公式サイトでは好みの画像を表示できるように見えるのですが、現状のファームウェアにはそのような項目は存在しません。スマートウォッチを使用しているのであればあえてサブディスプレイは使わないな・・・というのが正直な感想です。ただし、サブディスプレイもファームウェアアップデートで機能追加できるような設計にはなっているようですし、メーカーサイトでも多彩な機能を説明していますので、今後のアップデートに期待したいところです。

カメラ

標準カメラアプリUI

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標準カメラアプリです。機能としては「ナイトビジョン」「動画」「画像」「スーパークリア」「夜の撮影(ナイトモード)」、「ダイナミック写真」「プロモード」などの機能が備わっています。日本国内向けに販売されているスマートフォンではシャッター音をミュートにできないものがほとんどですが、S98では設定よりシャッターオンをオフにすることが可能です。

カメラサンプル1

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S98のアウトカメラはメインレンズに64MPのセンサーを採用しており、明るい場面ではきれいな写真が撮影可能です。数年前の中国メーカー製スマートフォンはカメラのチューニングが微妙な(というか、悪い)ものも見られたので、このクラスの製品の品質もかなり向上したなぁと感心させられます。

超広角撮影は画素数が8MPということもあり、若干ぼやけた印象になるものの、ブログやSNS等の共有であれば十分すぎる画質です。

夜景撮影サンプル

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夜景に関しては光がある場所ではノイズも抑えられており、予想以上に検討しているものの、光がない場面での写真撮影はやはり「苦手」という印象を受けます。

ナイトビジョンモード

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ただしS98では画素数20MPのナイトビジョンカメラを搭載しているため、ナイトモード撮影では黒く潰れてしまっている川もはっきりと撮影することが可能です。白黒撮影となってしまうこともあり、普段使いだとなかなか活用するのが難しい機能ではありますが、プレビューでも有効になるので「暗闇で何か落としてしまった」ようなときには便利でしょう。

3.DOOGEE S98 性能テスト

AnTuTu Benchmark

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参考:
Xiaomi 12 Pro(Snapdragon 8 Gen 1):971,423
ASUS ROG Phone 5s(Snapdragon 888+):846,862
ASUS Zenfone 8(Snapdragon 888):785,280
Mi 11T(Dimensity 1200 Ultra):582,178
Xiaomi Pad 5(Snapdragon 860):566,309
realme GT Master Edition(Snapdragon 778G):542,182
Xperia 1 SOV43(Snapdragon 855):511,163
Xiaomi Mi 11 Lite 5G(Snapdragon 780):500,573
Oneplus Nord CE 2 5G(Dimensity 900):430,049
Redmi Note 11 Pro + 5G(Dimensity 920):427,053
Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
OnePlus Nord CE 5G(Snapdragon 750):384,505
iiiF150 R2022(Helio G95):350,565
POCO M4 Pro 5G(Dimensity 810):349,498
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
Redmi Note 11 Pro(Helio G96):336,280
POCO M4 Pro 4G(Helio G96):311,030
Redmi Note 11S(Helio G96):307,755
realme narzo 50(Helio G96):287,043
Redmi Note 11(Snapdragon 680):277,105
Blackview A95(MediaTek Helio P70):227,817
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
Samsung Galaxy Note FE(Exynos 8890):177,984
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
AGM H3(Helio P22):84,184
BlackView A55S(Helio A22):78,630
geanee ADP-503G(MT6737M):46,316

搭載されているCPUはウインタブでも何かと実機レビューする機会が増えてきたMediaTek Helio G96です。端末としてはRedmi Note 11SRedmi Note 11 Pro(4G)に近い構成なのですが、AnTuTu Benchmark v9での総合スコアは277,159点とHelio G96搭載機としては低めのスコアを計測しています。

同じく低めのスコアを計測しているrealme narzo 50は搭載RAMが4GBという構成なのでまだわかるような気もするのですが、大容量メモリを搭載しているS98のスコアがなぜ低めなのかは不明です。

とはいえこの端末の立ち位置上「原神」のような重量級3Dゲームをプレイする用途ではまず使わないでしょうし、WEBブラウジングやSNSの利用などに関してはストレスなく動作します。以前実機レビューを行なったiiiF150 R2022もそうですが、5Gネットワークが不要でゲームもプレイしない、という方であればメイン端末としても十分活躍できると思います。

4.DOOGEE S98 レビューまとめ

DOOGEE S98はAliExpress内DOOGEE Official Storeにて販売中で、価格は259.99ドル(35,106円)です。

DOOGEEというと、過去の実機レビューで低価格エントリーモデルのみ試したことがありますが、タフネススマホであるS98はBlackviewやUlefoneなどのメーカーと比較しても決して劣ることがない、完成度の高い一台に仕上がっていると感じました。ベンチマークスコアはなぜかHelio G96搭載機としては低めでしたが、実際の動作は快適でメイン端末としても活躍させていけそうです。

ただしサブディスプレイに関しては現状まだできることが少ないので、いまのところは期待外れと言わざるを得ません。ただし3年間のソフトウェアアップデートを保証する、ということなので、今後の機能追加に期待したいところです。

5.関連リンク

DOOGEE S98:DOOGEE Official Store(AliExpress)

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