
Blackview LINK 5の実機レビューです。11インチサイズのAndroidタブレットで、システムスペックは「エントリークラス」ながら、キーボードやマウス、タッチペンなど、周辺機器が多数付属しています。
なお、このレビューはメーカーよりレビュー機のサンプル提供を受け実施しています。
・背面ガラス貼りなど、筐体の質感が高い
・Android 17搭載、ディスプレイなどで細かい設定が可能
・キーボード、マウス、ケースなど豊富な付属品
ここはイマイチ
・SoC性能が低く、挙動はもっさり気味
・NetflixではWidevine L3
・カメラアプリに不具合あり
1.スペック表
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | Android 17 |
| SoC | Allwinner A537 |
| RAM | 4GB/8GB (+仮想RAM最大12GB/24GB) |
| ストレージ | 128GB |
| ディスプレイ | 11インチIPS (1,280×800) 90 Hz |
| バンド | 5G/LTE非対応 |
| 無線通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.4 |
| ポート類 | USB Type-C、microSDカードリーダー |
| カメラ | 前面 5MP/背面 8MP |
| バッテリー | 8,300 mAh ※18W急速充電対応 |
| サイズ | 257×168.6×8.4 mm |
| 重量 | 567 g |
※レビュー機はRAM4GB版です
2. 確認事項
LINK 5の設定メニューからOSのバージョン、RAM容量、ストレージ容量を確認したのに加え、アプリCPU-ZでOSのバージョン、SoCの型番、RAM容量、ストレージ容量をチェックし、メーカー公称値通りであることを確認しました (なお、Android版のCPU-Zで確認可能な項目は、メーカーに偽装意図がある場合はそれを見破れない、と言われています)。
次にウイルス対策アプリAnti-virus Dr.Web Lightにてフルスキャンを実施し、「検出された脅威がゼロ」であることを確認しました (画像左)。また、アプリFake Device Testにてストレージ容量のテストを実施し、その時点での空き容量が 104.08GBであることを確認しました(レビュー機のストレージ容量は128GB。画像右)。
アプリDRM InfoでWidevineがL1であることを確認しました。また、NetflixアプリにてWidevineはL3となることを確認しました。よって、(この記事の公開時点では)NetflixではHD以上の画質で視聴できません。

Antutu Ver.11のスコアは248,814点でした。ウインタブが昨年まで頻繁にレビューしていたエントリーSoC「UNISOC T606」のAntutu Ver.11のスコアは約33万点 (出所:Nanoreview)ですが、それよりも25%ほど低いスコアです。もともとウインタブではUNISOC T606の性能を「快適に使える下限」と評価していますので、それを大きく下回る性能だと普段使いでストレスを感じる場面が多くなるものと思われます (使用感については後述します)。
以上、レビュー前の確認事項でした。マルウェア混入やストレージ容量の齟齬は認められませんでした。また、NetflixでWidevineがL3になっているという点と、ベンチマークスコアがかなり低めであるという点には注意が必要と思われます。なお、ウインタブではこれ以上の検証は行いません。
3. 外観

同梱物です。取扱説明書や保証書などのペーパー類に加え、Bluetoothマウス、有線イヤホン、タッチペン、タブレットケース、キーボード、ガラスフィルムが付属します。また、これは一般的な中国タブレットの多くに同梱されるものですが、充電器 (出力18Wで日本のコンセント形状に合うもの、LINK 5は18Wの急速充電に対応します)、USB Type-A – USB Type-Cのケーブルも付属しています。

ケースは樹脂製で、蓋の部分を変形させるとスタンドとして使えます。質感は「可もなく不可もなく」という感じで、特筆すべきことはありません。また、LINK 5はホールセンサーを搭載しているため、ケースの蓋を閉じると自動的に画面OFF、蓋を開けると画面ONになります。

キーボード、マウス、タッチペンです。キーボードはコンパクトサイズで英語配列、キーピッチは手採寸で約17 mmと狭く、スムーズにタイピングするには慣れが必要です (一般的なPCキーボードのキーピッチは約19 mm)。マウスはBluetooth接続でごく普通の3ボタン、タッチペンはペン先に円盤状のものがつき、筆圧には対応せず (正確には「速く描くと線が太く、ゆっくり描くと線が細くなる」)本格的なイラストやマンガの制作には向きません。

前面です。ベゼル幅はやや太めと感じられました。上質そうなガラスフィルムも付属していますが、初期状態で保護フィルムは貼り付け済みでした。

背面です。レビュー機の筐体色は「スペースグレー」でした。他に「オーシャンブルー (明るい水色)」も選べます。背面の質感は「非常に高い」です。ガラス素材が貼られていて、とても低価格帯タブレトトは思えないくらいの高級感があります。おそらくこの点がLINK 5の大きなセールスポイントになっていると思われます。
あと、背面カメラの位置が面白いですね。

横向きで持った際の上側面です。電源ボタンと音量ボタンがあります。それと、この画像だと非常に見にくいのですが…

端っこのほうにイヤホンジャックがあります。

下側面です。左右にスピーカーがあります。この位置にスピーカーがあると、横向きで動画視聴をする際にしっかりステレオ感・臨場感が出ます。

右側面には何もありません。

左側面です。microSDカードリーダーとUSB Type-Cポートがあります。LINK 5は5G/LTE対応しないので、一般的なタブレット製品のような「SIM/microSDトレイ」はなく、microSDカードを直接差し込む形状になっています。


付属のケースをスタンドとして使ってみたところです。上の画像がメーカー推奨の形状、下は私が「こういう使い方もできるよね」ということで試してみた形状です。どちらも問題なく使えましたが、蓋の部分にタブレットを引っ掛ける溝が1つしかなく、角度調整は難しいです。

トップ画像を再掲します。こうしてみると「いい感じにPCっぽい」ですよね!
4. システムと使用感
UI

ホーム画面とアプリ一覧画面です。少数ですがWPS OfficeやBlock Blast (ゲーム)など、メーカー選定のプリインストールアプリがあります。
LINK 5の大きなセールスポイントとして「Android 17搭載」というのがあります。Android 17では大画面デバイス向けの新機能が多数実装されているとされます。ただ、中国タブレットのUIは「何もカスタマイズされていない」イメージがありますが、実は各メーカーとも以前から多少のUIカスタマイズをしており、それがAndroid 17の新機能の先取りだったりもするんですよね。

これはGoogle Playの画面に重ねて、ブラウザーのChromeをウインドウ表示させたところです。このように「全アプリでウインドウ表示が可能」というのがAndroid 17の大画面デバイス向けの新機能とされていますが、中国タブレットでは以前から「PCモード」を実装し、アプリのウインドウ表示が可能なものが少なくないです。
こちらはLINK 5の設定メニューの「ディスプレイ」の項目です。従来のAndroidタブレットよりも格段に多くの設定項目があり、色味の微調整なども可能になっています。ただ、ウインタブとして言えるのは「従来のBlackviewタブレットよりも項目が充実している」ということまでで、「Android 17だから充実している」とは言えません。
ということで、申し訳ないのですが、LINK 5のUIで「これぞAndroid 17!」と断定的に評価できるところはありません。ただし、各種設定項目は低価格帯タブレットとしては非常に充実している、ということは言えます。
カメラ
カメラアプリはごくシンプルです。そして問題もあります。LINK 5のカメラスペックは「前面5MP/背面8MP」ですが、カメラアプリでの設定は「前面、背面とも最大で2.1MPまで」です。低価格帯タブレットなのでもともとカメラ画質には期待していませんでしたが、この点はちょっと問題ですね。Antutuベンチマークアプリでの「デバイス情報」では「前面5MP/背面8MP」と表示されていましたので、おそらくカメラアプリを改善すれば済む話かと思いますので、メーカーには至急対応してもらいたいところです。



ただし、撮影した写真は思ったよりも悪くないですねw 拡大してしまうと粗さが目立ちますが、Webサイト掲載用、SNS用とかであれば、この画質でもなんとか許せるレベル。

標準倍率

2倍ズーム
ズームは2倍までです。また、もともとの画素数が低いこともあり、2倍でも結構な粗さを感じます。
操作感

上に掲載したAntutuスコア (25万点弱)を考慮すれば、「かなり軽量なゲームでも厳しいかも」と思いましたが、その予想は当たりました。この画像は人気のパズルアプリ「ロイヤルマッチ」のものですが、プレイできないことはないものの、起動が遅く、プレイ中も時おり画面がカクつきます。パズルゲームなので多少カクついても大丈夫ではありますけど、日ごろスマホでこのゲームをプレイしている人にはちょっとストレスがあると思います。プリインストールされていたBlock Blastについても同様で、プレイはできるが起動が遅く、時おりカクつく、という感じでした。
LINK 5の操作感ですが、「全体的にもっさり」と言わざるを得ません。昨年まで頻繁にレビューしていたエントリーSoC「UNISOC T606」については「エントリーSoCとしては高評価」していたのですが、Allwinner A537を搭載するLINK 5は確実にT606搭載機よりももっさり感 (もたつき、反応遅れ)が目立ち、人によってはストレスを感じる可能性があります。
キーボード・ペンなど
キーボードの使用感は「見た目通り」ですね。薄型軽量なので打鍵感がやや安っぽい、キーピッチがやや狭く、英語配列であり、さらにAndroid特有のショートカットなど、慣れる必要があることも多いですが、その「慣れる」前提であれば十分使えます。一方で、サードパーティ製のモバイルキーボードを持っている人なら、あえてこのキーボードを使う必要はないのかな、とも思います。私自身、レビューのためにこのキーボードをしばらく試しましたが、やはり使い慣れたモバイルキーボードのほうが数段快適でした。また、マウスについては「本当に普通」の使用感で、特にコメントすることはありません。
ペンは先端に円盤状のものがついているタイプで、絵を描くことには向きません。また、SoC性能が低いためか、描画の遅延も大きめです。なので、ペンとして使うよりもマウス代わりのポインティングデバイスとして使うのが現実的かと思います。
豊富な付属品について、「ケース、ガラスフィルムは誰もがうれしい」「キーボード、マウスは他にモバイル系キーボード、マウスを持っていないならありがたい」「ペンはよくある『タッチペン』の品質」「充電器やケーブルは『ついていて当たり前』」「イヤホンは『ほとんどの人にはいらない』」だろうと思います。
5. まとめ
Blackview LINK 5はAmazonで販売中で、通常価格39,999円のところ、8月24日現在だと製品ページに割引クーポンがあり、22,999円で購入できます (8月31日まで)。
LINK 5は筐体の品質が高く、この点だけ見れば価格以上と感じます。特に背面がガラス素材になっていて高級感があるのが素晴らしいと思いました。一方で性能面では高く評価できません。せめてUNISOC T606クラスの性能 (Antutuスコア30万点台前半)は欲しかったところです。システムの挙動全般がもっさりと感じられ、アプリの起動も遅いです (起動してしまえばそこそこは動いてくれましたけどね)。
豊富な付属品についても「人それぞれ」という評価になると思います。上にも書きましたが、誰もが歓迎できるのはケースとガラスフィルムで、キーボードやマウス、タッチペンについては購入検討する人にニーズがあるかないかで評価が分かれるところです。まあ、マウスもキーボードも「あって邪魔になるものではない」ので、付属すること自体がマイナスとまでは言えませんが、私なら (もっと高品質なモバイルキーボードとマウスを持っているので)使わないですね。
性能優先でタブレット選びをされる人にはあまりおすすめできないです。しかし、筐体の質感とか、「周辺機器が一通りついてくる」という点に魅力を感じる人には悪くない選択肢かと思います。
6. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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