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HiRise Wireless レビュー - ガンメタルの暗い輝きとレザーの質感が卓上を引き締める、デキる大人のワイヤレス充電器(実機レビュー:natsuki)

HiRise Wireless レビュー
こんにちは、natsukiです。謎ポエムなタイトルではじまった今回は、ちょっと芸風(?)を変えて、普段のウインタブや私のライターとしての方向性とは180度真逆な製品のレビューをさせていただきます。

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モノは、画像をご覧のとおり、ワイヤレス充電器です。で、何が普段と違うかというと、ウインタブはどっちかというと、「コスパ万歳」だったり「奇抜上等」な製品が好物で、ロゴやデザインがダサかったり、構成がアンバランスだったり、クセが強くてじゃじゃ馬ぶりを飼い慣らすのに苦労したり、そんな製品こそ嬉々として扱う傾向があります。はい、そんないつものノリは今回は忘れてください。堅実なものをカッコよく使う、そこにお金をかける、そんな製品です。

仕切り直しまして、このたびレビューするのは、フォーカルポイント株式会社が輸入する、アメリカはTwelve South社製のワイヤレス充電器「HiRise Wireless」です。この製品は、フォーカルポイントより提供していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。製品紹介は、すでに記事もありますのでそちらも合わせてご覧ください。

HiRise Wireless レビュー
製造元のTwelve South社は、Apple対応製品を専門とする、ということはデザイン性とブランド性をガチで追求しているメーカーです。ちょっとラインナップをのぞいてみると、このワイヤレス充電器も含めて、なかなかいいお値段ながらしっかりキマった製品が並びます。ギミック満載のタブレットスタンドや、純正アダプターとパズルのように組み合わせ可能な電源アダプターなんかも……、いやいやだから今回はイカンって、ついキワモノに寄っていくこの癖をなんとかしないとダメですね。そんな茶目っ気ある製品も交えつつ、基本的にはスタイリッシュな「Appleと合う」デザインで攻めるブランドです。

ではでは、襟を正してレビューに参ります。

1.スペック

まず、スペックを見ておきます。

筐体

サイズ:幅96 × 高さ125 × 奥行き96 mm
重量:454 g
スタンド角度:75度

充電パッド部分(パワーディスク)取り外し可能

パワーディスクのみ
サイズ:幅57 × 縦87 × 厚さ12 mm
重量:約64 g

入力ポート:USB Type-C

充電性能

Qiワイヤレス規格に対応
出力:最大10W

以上、正直なところ、スペックについては特筆すべきことはあんまりありません。実用性に関わるギミックとして、充電パッド部分(「パワーディスク」と呼びます)が取り外し可能というくらいですかね。Qi規格の出力は、規格上の最大は15Wですが、現実には15Wフル出力をうたう製品はごくわずかです。ワイヤレス充電で出力を上げると、放熱しにくくって充電対象に悪いという話もありますし、ほとんどの製品は、この製品と同じくMAX10Wになっています。その辺が堅実ということでしょう。ちなみに独自形式まで目をやると、例えばXiaomi Mi9専用ワイヤレス充電器はワイヤレスで20Wとかいう出力をうたっていますが、これはこれでワイヤレスでそんな出して大丈夫かとかえって不安だったり(笑)

2.筐体

では、実際の製品を見てみます。先にお断りしておくと、今回のレビュー、何が一番苦労したって、我が家にこの充電器に合う机がない!! ってことです。重厚なウッドデスクなんかが似合うのは百も承知なんですが、ない袖は振れない。背景はいつも通りのちゃぶ台でご勘弁ください。

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開封です。何がすごいって、包装から外箱のしっかりしたとこ。プチプチはグルグル巻きのテープ止めじゃなくって、ピッタリサイズの袋状。箱には贈答品のような薄紙が巻いてあり、箱のフタは、なんとマグネット内蔵でぴっちり止まる。説明書はフタの裏側の専用ポケットに入っている。あんまりここに紙幅を割いても仕方ないんでまとめちゃいましたが、電化製品で、ここまで凝った箱を見るのははじめてです。

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同梱品一式です。ブランドのシールが、大1つ、小2つ、付いている! ……えー、どこに貼れと(笑)

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説明書の言語は英語のみですが、使い方もなにも、ケーブルをつないでスマホを置くだけなので、特に読む必要はないでしょう。画像は、スペック部分です。

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そしていざ箱から取り出すときに、その重さにビビる。実測457.4g。数字以上に、体積にくらべて重量感がすごいです。そりゃそーだ、スマホどころか、8インチタブレットより重いですから。重さって高級感、って部分ありますよね。

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パワーディスクと呼ばれる充電パッド部分は、ご覧のように外れます。ここだけだと、ご覧の軽量。ずっしり卓上据え置き、省スペースや持ち出しにパワーディスクのみと、使いやすいスタイルで使えますね。

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斜めから見たところです。スタンドの角度は75度。角度調整はできません。また、スタンド部分は渋いガンメタリック色ですが、ここは実は素材はプラスチックだったりします。頭でっかちにならないよう、バランスの問題ですかね。強度や、ひっかいて塗装がはがれたりには、一応気をつけた方がよさそうです。

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パワーディスクを外して、UMIDIGI Z2と並べてみました。サイズはこんな感じ。

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手のひらに収まるサイズ感で、これなら出先にも気軽に持って行けます。

この、スタンドとパワーディスクが分離するというのは、なかなかコロンブスの卵なギミックで、実用性は意外に高いです。また、デザインとしては、プラスチック感はなく(実際はスタンド部分はプラスチックなわけですが)、金属やガンメタル塗装も暗く、もちろんレザー面はしっとりで、ほとんど反射のない落ち着いた存在感があります。見た目からして「ずっしり」して、「重量」=「高級感」というシンプルなオーラがあります。実際重いんですけどね。

3.使用感

実際に使ってみましょう。例によって、Apple製品を持っていないので、充電にはXiaomi Mi9()を使ってます。Mi9は、先ほどちょっと触れたように、Xiaomi独自規格により最大20Wのワイヤレス充電に対応していますが、一般的なQi規格での充電も可能となっています。

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置いてみると、あたりまえですが、このように充電が開始されました。対ショック性を重視した、ややゴツめのスマホカバーを付けているんですが、問題なく充電されます。公称、厚さ3mmまでOKとのこと。間に通常の印刷用紙を10枚程度挟んでみても、問題なく充電されたので、素材にもよるでしょうが、手帳型でも常識的な厚みなら大丈夫だと思います。

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充電中は、パワーディスクのインジケーターが青く光ります。この位置なんで、確認はしにくいのですが、さほど必要な機能ではないので問題ないでしょう。

さて、気になる充電速度はどうでしょうか? 困ったことに、ワイヤレスなので電圧電流の計りようがありません。スマホ側でのアプリを使っての計測も、スマホとアプリの相性があったりとイマイチ信頼できない。そこで、アダプターから出力するときの電流電圧を見るとともに、一定時間で何パーセント充電されるかを計るという、原始的な方法で比較してみました。

充電対象は、Xiaomi Mi9。電源供給アダプターはAnkerの「PowerPort+5 USB-C Power Delivery」の、通常ポート(最大5V/2.4A)とUSB PDポート(最大 20V/1.5A = 30W)のそれぞれで。スマホの充電状態によって充電速度は変わるので、いずれも残量30%から充電をスタートし、30分で何%充電されるかを計測しました。電圧/電流は、アダプターのポート部分での計測なので、通常の充電ではほぼロスなしで充電されるのに対して、ワイヤレスでは一定のロスがあるはずです。結果は次の通り。

HiRise Wireless レビュー
ほとんど、期待通りの数値が出ました。先述のように、Qi規格の充電は規格上は15Wが最大ですが、実際に汎用で使われる場合は、10W~5W程度の出力の場合がほとんどです。さらに、特にワイヤレス高速充電をうたっていない限りは、たいてい最大5Wの出力しか出ません。HiRise Wirelessはスペック上は最大10Wで、Mi9もハイエンドスマホの一角ですから、もうちょっと出ないか期待しましたが、一般的な数値となりました。これはHiRise Wireless側よりも、Mi9側の問題もあるでしょう。Xiaomi的には、そうしないと独自規格の充電器が差別化されませんからね。というわけで、どうしてもUSB PDと比べてしまうと遅く感じますが、ワイヤレス充電器としては安定した出力があると評価できます。また、ポートの段階では5V×1.3A=約6.5Wなので、30%弱のロスがあることになります。もっとも、実際には充電中に電流はブレてますので、あくまでの目安です。

そして、気になる発熱は、ほんのり温かくなる程度。USB PDで充電するとホカホカするくらいには暖かくなるので、それよりはずっと落ち着いています。先述のように、ワイヤレス充電は発熱が問題になる場合もあるので、むしろこのくらいの出力の方が安心と言えるかもしれません。もちろんこの話も、充電対象によって変わってくることなので、目安に過ぎませんが。

ワイヤレス充電スタンドというのはその手軽さこそがウリなので、「充電するという目的意識を持って使う」というよりは、「使っていないときに置いておく場所」というつもりで使うのが正解でしょう。そういう使い方であれば、この速度でも十分です。急いでいるときは、パワーディスクからケーブルを引っこ抜いて有線で直接充電すればいいわけで(笑)

4.まとめ

HiRise Wirelessは、税別9,800円、つまりアバウト1万円という、ワイヤレス充電器としてはかなり高価な製品です。一応、同程度のスペックのワイヤレス充電器をAmazonでみておくと、だいたい2,000円から3,000円がボリュームゾーンです。当然ながら、この製品は、はじめに述べたようにコスパで見る製品ではありません。使用感の最後で述べたように、ワイヤレス充電器というのは、「充電器」としての側面と同時に「スマホ置き場」としての側面も強いものです。極端な言い方をすれば、「家具」の一部です。デザイン性と性能の堅実さはレビューのとおりなので、つまり、そこから先は作業環境次第ということになるでしょう。

率直に言って、今回、この製品のレビューをさせていただいて、「ヤバい」と感じました。グサグサッときました。何がって? 私の作業環境が、この製品とマッチしていないからですよ。タイトルにノリで「デキる大人」とか入れちゃいましたが、ダメダメですね。奇しくも、先日はノイズキャンセリングヘッドホン「Mu6」という、これも、実用性もさるところながら、デザイン面でも優れた製品をレビューさせていただきました。いまレビューを読み返してみると、細かい実用性でスタンドの形状に文句を付けるというみみっちいこと書いてますが、そこは違うんだってば、ってことですね。

買うかどうかとは別の次元で、こういう製品の購入を検討するような、そんな気持ちの優雅さを持たなくちゃいけない。もっと言えば、そういう働き方を意識しないと、このご時世ますます疲弊していくばかり。この製品のメーカーは、Apple製品の周辺機器を専門としているわけですが、私がなんとなくApple製品を忌避してしまっているのは、そんな余裕を持てないことに対する劣等感の裏返しなのかもしれません。おおっと、なんだか危険な方へ脱線してきたのでこの辺で切り上げておこう。うん! この製品が似合うような働き方がしたいぞ!!

5.関連リンク

Twelve South HiRise Wireless:フォーカルポイント公式サイト
【Twelve South / トゥエルブサウス】 HiRise Wireless (ハイライズ ワイヤレス):楽天市場内 フォーカルポイント・ダイレクト
Twelve South HiRise Wireless:Yahooショッピング内 フォーカルポイント・ダイレクト

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コメント

  1. 十夜 より:

    お疲れ様です。
    Qi対応スマホユーザーですのでこの高額商品のレヴューは有難いです。

    Qiという規格は電力のロスが結構大きいらしく、5Wの出力の為に10Wの入力を要求する製品がザラに存在します。
    また、9V / 1.67Aという入力値は今回使用した充電器には存在しない為、高出力を活かすことが出来ないと思われます。

    この数値が存在する規格はQuick Charge2.0ですので、これに対応した充電器とケーブルを使用することで10Wの出力が可能かもしれません。
    他は博打となりますが同じAnkerのPowerPort Atom III (Two Ports)のUSB-A出力側に9V / 1.66Aという入力値が存在するため、0.01Aの差が在りますが或いはいけるかもしれません。

    何れか対応した充電器をお持ちでしたらお試しいただけますでしょうか?

    なお、余談となりますがQiの高出力充電に対応したUSB PD系充電器はドコモのワイヤレスチャージャー04とACアダプタ07の組み合わせのみ(カバー使用不可)のようで。
    それ以外のUSB対応品はQuick Charge系のみのようです。

    AnkerのPowerIQ3.0はUSB PDとQuick Charge双方との互換性を謳っていますので、これが成熟すれば…とちょっと期待してはいるんですけどね。

    • natsuki より:

      Ankerの「PowerPort+5 USB-C Power Delivery」は、現実にはMi9を有線充電する際に、9V/1.67Aくらいの出力を出しますね。9V/2A規格で出力が抑えられている状態と予想しますが、よく分かりません。

      別のPD対応アダプターとしては、先日レビューもしたモバイルバッテリー兼用アダプターのRAVPower「RP-PB122」(MAX18W)を使用して、このワイヤレス充電器でMi9を充電したところ、アダプターのポートで9V強/約0.5A強の出力を確認しました。ここから、30%弱のロスがあることを考えると、実銃電力は、推定でおおむね4W程度と思われます。このRAVPowerの電力判断システムはiSmart 2.0と言うらしいです。

      もうひとつ、もとが何だったかよく分からなくなったんですが、多分GPD Pokcet付属のアダプター(MAX24W)では、アダプターのポートで5V/1A程度の出力でした。このアダプターの電力判断システムは不明です。

      ただし、これらのアダプターで試したとき、Mi9の電池残量が70%以上ある状態だったので、電池が減った状態ならさらに出力がアップする可能性はあります。

      これで、うちにあるPD対応アダプターは全部になります。

      また、ケーブルはエレコムの「USB3-CCP10NBK」とも交換してみましたが、特に電圧電流に変化は見られませんでした。

      ご質問いただいた形式のものは持ち合わせていないので確認はできないのですが、少しでも参考になればと思います。
      3種類のアダプターとも、推定充電電力は結果的に5W程度となっていますが、最も新しいRAVPowerで9Vの電圧が出ているあたり、予想されているようにアダプターによって出力が変わる可能性はありうると思います。