Blackviewの最新スマートウォッチ、Blackview X20の実機レビューです。通常の腕時計として使っても違和感ない高級感のあるデザインと、常時点灯表示をサポートする美しいOLED(有機EL)ディスプレイを備ええながら、AliExpressのワールドプレミアセール価格だとわずか19.99ドル(約3,200円)で購入できます。
他社スマートウォッチと比較すると機能面で物足りなさを感じる部分もありますが、スマートフォン・タブレットでも高品質な製品を手かけているBlackviewらしい、満足度の高い製品に仕上がっていました。
・デザインと質感が高く、3,000円強で購入できる製品とは思えない
・有機ELディスプレイは発色が良く、常時表示にも対応
・精度が低いものもあるが、健康管理機能を一通り搭載
ここがイマイチ
・防水性能が低く、水泳などには使えない
・GPS非搭載でルート記録にも非対応
販売サイトはこちら
Blackview X20:Blackview Official Store(AliExpress)
1.スペック
スペック表
Blackview X20 | |
SoC | ATS3975L |
ストレージ | 128MB |
ディスプレイ | 1.43インチAMOLED(466 × 466) |
Bluetooth | 5.3 |
バッテリー | 380 mAh |
サイズ | 45.5 × 22.0 × 10.9 mm |
重量 | 49g(ストラップを含む) |
コメント
AliExpressやBlackviewの製品ページには記載がありませんが、Wear OS含むAndroidベースではなく、組み込み用のものがベースになっている独自OSが搭載されているものと思われます。アプリの導入はサポートされていませんが、ミニゲームと電卓はあらかじめインストールされています。
スマートウォッチに必要な機能は一通り備わっていて、24時間リアルタイム記録に対応する心拍数測定、血中酸素濃度測定、ストレスモニタリング機能、運動データの記録、母艦スマートフォンで受信した通知の表示、音楽コントロールなどの機能があります。
GPSは内蔵されておらず。同期アプリの「Iowofit Lite」経由でランニング、トレイルランニングのみ母艦のスマートフォンに内蔵されているGPSを使用して走行ルート記録を行えますが、Blackview X20単体での走行ルート記録は対応していません(後述します)。
スポートモードで記録できる項目に水泳が存在しておらず、AliExpressの製品ページのスペック欄でも「生活防水」までの対応となっているため、水場では基本的に使用できないと考える方が良さそうです。
濡れて壊れてしまうのが怖かったので、実機レビュー中は入浴はもちろんのこと、水洗い時も濡れないよう注意しながら使用しました。
2.筐体
付属品はマニュアル(日本語表記あり)、充電ケーブル、交換用ナイロンバンドです。
前面です。筐体色はブラック、ゴールド、シルバーがあり、今回のレビュー機は「ゴールド」です。フレーム部は金属ではなくプラスチック素材ですが、安っぽさは感じられません。
ディスプレイは周辺部がラウンドしていてベゼルも狭く、いい意味で期待を裏切ってくれました。バンドは普通の腕時計用(22mm)のものを流用できます。
背面は充電用のPOCOピンと各種センサーがあります。
左側面にボタンなどはありません。
右側面は電源ボタン、メニューボタンがあります。
3.使用感
ディスプレイ
ディスプレイは1.43インチサイズで、解像度は432 × 432です。安価なスマートウォッチ・スマートバンドだと解像度が低く、表示される文字が見にくい製品もありますが、Blackview X20では高品質なAMOLED(有機EL)パネルを採用していて、画質は他社メーカーが販売している高価格帯の製品と比べても劣りません。
常時表示(Always On Display)も利用可能で、腕をいちいち上げることなく時刻の確認ができます。Wear OS搭載スマートウォッチやApple Watchと比較すると常時点灯を有効にしてもバッテリーの消費は抑えられているようで、2~3日間は充電することなく使用することができました。
ただ、常時点灯が有効になっている際はディスプレイの輝度が低くなり、調整も出来ないので直射日光が当たる場所では少々見にくくなってしまうのは少し気になりました。
専用アプリ「Iowofit Lite」
同期アプリは「Iowofit Lite」です。iOSとAndroidに対応していますが、今回はAndroidスマートフォンとペアリングしてレビューを実施しています。
Iowofit Lite:Google Play Store
Iowofit Lite:App Store
残念ながらGoogle Fitとの同期機能は備わっていませんが、日本語にもローカライズされていて、健康管理アプリとして必要な機能は一通りそろっています。Blackview X20のファームウェア更新や、母艦スマートフォンから受け取る通知の設定の変更、追加ウォッチフェイスのダウンロードもIowofit Liteから行えます。
追加ウォッチフェイスはすべて無料でダウンロード可能です。デザインが凝ったものも多数用意されているので飽きることはありません。ただ、中には、「どこかでみたことあるような」ウォッチフェイス(上記画像)もあり、いろいろな意味で心配にはなりました・・・。
ミニアプリ
前述の通り、Blackview X20ではWear OS搭載スマートウォッチやApple Watchとは異なり、ユーザーが後からアプリを追加することは出来ませんが、ミニアプリとしてかつて人気だった「フラッピーバード」によく似た作品を含むミニゲーム(3タイトル)と電卓が用意されています。
バッテリー消耗が激しいので長時間プレイするのは厳しいのですが、「フラッピーバード」風ミニゲームは地味に中毒性があるので、待ち合わせなどの時間つぶしにちょうどいいと思います。
AIアシスタント機能も備わっていますが、残念ながら現時点では日本語はサポートされていないため、今回のレビューでは試すことができませんでした。
通知機能
スマートウォッチには必須機能とも言える、母艦スマートフォンで受信した通知を表示する機能もあります。GmailアプリやX(旧Twitter)アプリの通知は全文表示できず、返信機能もありませんが、その場で母艦スマートフォンのメッセージを確認する分には特に困ることはありませんでした。
健康管理機能
Blackview X20では心拍数の24時間リアルタイム記録と血中酸素濃度(SpO2)の測定が可能です。あくまで医療機器ではないため、参考程度にとどめた方が良さそうですが、一緒に装着しているApple Watch Series 7と比較してみたところ、心拍数、血中酸素濃度ともにほぼ同じ数値を計測できています。
ストレスモニタリング機能もあり、自分のストレス度を目に見える形で確認できます。
睡眠記録も備わっているのですが・・・眠りについた時刻が実際とは異なっていて、一緒に睡眠を記録したApple Watchのデータと比較してみたところ、「深い眠り」「浅い眠り」「レム睡眠」の記録も大きな差がありました。
ただ正確な睡眠時間を記録するには医療機関で脳波なども測定する必要がありますし、メーカーによって採用しているアルゴリズムも異なっているため、スマートウォッチが記録している睡眠データははあくまで「参考値」でしかありません。そのため、大まかな就寝時間を確認するのであればBlackview X20でも特に問題はないと感じました。
運動記録
スポーツモードは「ウォーキング」「ランニング」「サイクリング」と言った基本的なものから「喧嘩(おそらく本当に喧嘩を記録しているわけではなく、ボクシングなどの誤訳かと思われます・・・)「サッカー」「テニス」などの運動データを記録できます。
GPSが備わっていないスマートウォッチ・スマートバンドでは母艦スマートフォン経由で走行ルートを記録できる場合がありますが、Blackview X20を装着してウォーキング、サイクリングのデータ記録を試したところ、母艦スマートフォンのGPS経由での走行ルートの記録には対応していませんでした。
消費カロリーや移動した距離、歩数はほぼ正確に取得できていましたが、自転車で長距離走行した記録を後で見直すとモチベーションが上がるという方だと不満に感じるかもしれません。かのあゆ自身もウォーキングやサイクリングで走行したルートを後で見直すことが多いので、今後のアップデートで対応されることを期待しています。
4.まとめ
Blackview X20はAliExpress内のBlackview Official Storeにて6月1日午後4時(日本時間)からワールドプレミアセールを開催され、セール価格は19.99ドル(約3,200円)です。防水性能を備えていない、運動データのルート記録に対応していないなど、不満点もありますが、この価格帯で高級感のあるデザインと美しいOLEDディスプレイを搭載しながら、3,000円台で購入できるのは驚異的です。
腕時計用のバンドも使えるので、革製バンドと組み合わせればビジネスシーンでも違和感なく使えますし、バッテリー稼働時間も長いので、スマートウォッチを初めて購入する方はもちろんのこと、普段使いできる手頃な製品を探している方にもおすすめです。予想以上に高い品質なので、とても気に入りました。
5.関連リンク
Blackview X20:Blackview Official Store(AliExpress)