こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。どんどん数が増えてきた感のあるUMPC。すでに購入された人も多いと思いますし、購入していなくとも気になって仕方がない、という人もいるでしょう。UMPCと言っても、最近多いのは「ノートパソコンを小さくしたタイプ」と「ゲームパッドにWindowsを載せたタイプ」に大別され、中にはOckel Siriusのように、どちらのタイプでもない製品もあります。この記事ではまず「王道」といいますか、「ノートパソコンを小さくしたタイプ」について少し考えてみたいと思います。
なお、ウインタブのライター陣だと、私がOne Netbook One Mix(初代)を、かのあゆさんとnatsukiさんがGPD Pocket(初代)を使っています。
目次
1.GPD Pocketシリーズ
GPD Pocket(初代)
Atom Z8750/RAM8GB/128GB eMMC
※紹介記事:GPD Pocket - 7インチの超小型ノートパソコン(UMPC)、期待を裏切らない品質だし、思ったより使いやすいよ!(実機レビュー)
※紹介記事:GPD Pocket - 1か月使ってみて、魅力・利点・欠点・使用の工夫などをレポートします(実機レビュー:natsuki)
※TSUKUMO製品ページ:GPD Pocket ※オータムセール! 《送料無料》
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GPD Pocket 2
Core m3-7Y30/RAM8GB/128GB eMMC
※紹介記事:GPD Pocket 2 - 注目の高性能なUMPCがINDIEGOGOに出品されました!狙っている人はお早めに!
※Amazon製品ページ:GPD Pocket2
※11月1日現在税込み79,800円
日本でのUMPC人気を牽引しているのがGPD社だと思います。GPD Pocketシリーズは日本に正規輸入(代理店があるという意味)され、技適マークも取得しています。このあとに紹介するOne Netbook One MixシリーズやFalconの製品デザイン・パッケージングの雛形になっているとも言えます。正規輸入品(並行輸入でも買えます)ということもあり、またユーザー数が最も多いこともあり、安心して購入できるUMPCであると言えるでしょう。
なお、初代モデルはCPUにAtom Z8750を搭載、「2」はCPUにCore m3-7Y30を搭載しており、表面上のスペック差はこれだけですが、処理性能には大きな差があります。そして、実売価格もそれを反映したものとなっています。
2.One Netbook One Mixシリーズ
One Mix(初代)
Atom Z8350/RAM8GB/128GB eMMC
※紹介記事:One Netbook One Mix レビュー - 7インチのUMPC…いや違う!7インチのコンバーチブル2 in 1だ!(実機レビュー)
※Banggood製品ページ:ONE-NETBOOK One Mix
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One Mix 2(S)
Core m3-8100Y/RAM8GB/256GB SSD
※紹介記事:One Netbook One Mix 2S - 話題のUMPCが「S」つきに!CPUがCore m3-8100Yになりました。唖然…
※geekbuying製品ページ:One Netbook One Mix 2S
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中国のVOYOというメーカーの系列企業、One Netbookが放つUMPCです。GPD Pocketに対しては「後発」なので、外観はGPD Pocketそっくりに仕上げられていて、さらに後発らしいギミックが追加されています。GPD Pocketがクラムシェルノートであるのに対し、One Mixはコンバーチブル2 in 1筐体を備え、2,048段階の筆圧に対応するペン入力が可能です。
初代となるOne MixはCPUがAtom Z8350と低スペックで、そのぶん低価格です。また、現在プレオーダー中のOne Mix 2SはAmber Lake YのCore m3-8100Yと、最新かつ高性能なCPUを搭載しているだけでなく、ストレージもSSD化しており、性能面ではGPD Pocket 2を上回るものと予想されます。なお、「S」がつかないOne Mix 2という製品もあり、こちらはCPUがKaby LakeのCore m3-7Y30となっていますが、先日geekbuyingが2Sについて価格破壊的な値下げを行いましたので、「Sなし」のほうにはあまり大きな価格メリットがなくなっています。
3.Falcon
Pentium N5000/8GB/128GB or 256GB SSD
※紹介記事:Falcon - ちょっと大きめ、8インチサイズのUMPCがKICKSTARTERに登場!
※KICKSTARTER製品ページ:Falcon, Best Ultraportable 2-in-1 Laptop
※11月1日現在399ドル(約45,100円、128GB版)から
最初に言っておきます。この製品はまだクラウドファンディングに出品されている状態(目標出資額はクリア済み)なので、日本に正規輸入されているGPD Pocketシリーズや中国通販で多くの販売実績のあるOne Mixシリーズとは信頼性に差があります。価格もかなり低めに抑えられていますが、それは通常販売と異なり、顧客保護が十分ではない海外のクラウドファンディングでの取り扱いであるため、と考えるのが妥当だと思います。購入(出資)にあたっては、この点にご注意ください。
さて、この製品は面白いです。外観は「やはり」と言うか、GPD Pocketシリーズに強くインスパイアされたものになっていますが、ディスプレイサイズが8インチと一回り大きくなっていますし、One Mixシリーズと同様にコンバーチブル2 in 1筐体を備え、1,024段階の筆圧対応のペン入力が可能です。
また、CPUもGemini Lake世代のPentium N5000が搭載されていて、Core mよりは低性能、Atomよりは高性能ということで、個人的には「UMPCにはちょうどいいのでは?」と感じます。あと、通常販売と異なるというリスクはありますが、価格も低く抑えられているのが魅力です。
4.サイズを見てみる
Falcon: 200 × 130 × 20 mm / 650 g
GPD Pocket 2: 181 × 113 × 8-14 mm / 465 g
GPD Pocket: 180 × 106 × 18.5 mm / 480 g
One Mix 2: 182 × 110 × 17 mm / 518 g
One Mix: 182 × 110 × 17 mm / 515 g
UMPCは「ウルトラ・モバイルPC」の略です。サイズが大きくなってしまっては意味がありません。しかし、タイピングが出来ないくらい小さくても困ります。Falconを除く各製品のディスプレイサイズは7インチ、Falconのみ8インチです。当たり前ですがFalconのみ一回り大きい、ということになります。
超小型サイズの各製品ながら、GPD Pocketの薄さと軽さは頭一つ抜けていると感じます。個人的には「どれでもいいだろ」くらいの差ではありますが、「この薄さにロマンがある」と感じる人も少なくないでしょう。また、サイズが大きいぶん、おそらくFalconの操作性が最もいいだろうと感じますが、この点についても「大きいUMPCなんて意味がない」と思う人もいると思うので、「人それぞれかな」ということでしょう。個人的にはFalconのサイズは許容範囲で、使い勝手が他の製品と比べてどのくらい異なるのか、ということが気になります。
5.パソコンとしての性能は?
UMPCはパソコンです。なので、誰しも性能が高いほうがいいと思うでしょう。あとは予算との兼ね合いですね。One Mixは2Sとなり、システム構成の多くの面でGPD Pocket 2を上回りました。CPUがCore m3-7Y30からCore m3-8100Yに変更されたことの恩恵はそれほど大きくはないと思いますが、ストレージがeMMCではなくSSDになり、容量も倍増された、というのが大きいです。ただし、読者から頂いたコメントを拝見すると、「SSDになって、発熱による弊害がないのか心配」という趣旨のものがいくつかありました。
逆に最も低性能なのはOne Mix(初代)です。Atom Z8350というのは低価格(100ドルくらいから買えます)なタブレットに使われているもので、タッチ操作かつシングルタスクでの利用を想定しているタブレットならまだしも、ノートPCとして多彩な用途に使うCPUとしては力不足と言えるでしょう。また、GPD Pocket(初代)に搭載されるAtom Z8750はZ8350とは別物で、段違いに性能は高いです。Core mには及びませんが、Celeronクラスの実力はあります。
ここでも個人的に「ちょうどいいのでは?」と思うのはFalconです。Pentium N5000というのは、必ずしもタイピングが高速にできるわけではなく、その結果できることに制約がありがちなUMPC用のCPUとして必要十分かと思います。
6.用途を決めるか決めないか
上の性能に関する記載に関係しますが、UMPCになにを求めるのか、ということによって要求スペックは大きく異なります。「とりあえずUMPCを手にとってみたいだけ」という人もいるでしょうし、「このゲームをやりたい」という人もいるでしょう。
私の場合、UMPCのキーボードでウインタブの記事を完結させることは拷問に近く、やるとすれば、半分完成した記事を手直しして完成させるとか、他のPCが不調でやむを得ずUMPCを使う、というパターンです。あとは外出先で簡単なメモを作成するとか、プロジェクターとPowerPointを使ってプレゼンするとかですね。もちろん出先でWebブラウジングをしたり動画を観たりといったことにも使うと思います。ただし、ライターのnatsukiさんはGPD Pocketでウインタブの記事を書いたりしているようですし、同じくライターのかのあゆさんも最近GPD Pocketを購入して、「これがあれば外でも記事が書ける」と言っているので、個人差はあります。
で、私の用途なんですけど、これだとCore m3はいりません。Atomで十分です。しかし、「UMPCでAsphalt(レースゲーム)をやりたい」のなら、Core m搭載機のほうがいいでしょう。自宅で外部ディスプレイとキーボードを接続してデスクトップPCがわり、もっと言うとメインPCがわりに使いたいというニーズもあると思います。
UMPCにどこまでのスペックを要求するかは人それぞれです。お金が十分にあり、特に用途も定めない場合はCore m機にしたらいいと思いますし、私のように補助的な用途でしか使わないというならAtom機でもいいと思います。
7.中古機を安く買う手もあり
特にGPD Pocket(初代)と、この記事では取り上げていないGPD Winに関してですが、中古市場にも製品が出回っています。ライターのかのあゆさんは中古でGPD Pocketを購入したそうです。ということでイオシスをチェックしてみたところ、GPD Pocketが40,800円(税込み、11月1日現在)から購入できるようです。
言うまでもなく中古製品には個体差がありますし、購入するお店や購入条件によっては十分な保証が得られないこともありますし、購入の際に注意しないと不具合とかパーツの欠品とかに泣かされることもあります。そのため、すべての人におすすめできるわけではありませんが、ある程度PC知識のある人なら、中古を買うというのも悪くない選択肢だと思います。
8.まとめ
ウインタブが大好きで、ウインタブ読者の多くも大好きだと思われる、「ロマンあふれるデバイス」がUMPCです。いやね、正直私もOne Mix(初代)を手元に置いているんですけど、そんなに頻繁には使ってないです…。しかし、「一台は持っておきたい」と強く思っていて、それは理屈じゃないです。こういう小さいデバイスって、なぜかすごい魅力があって、持ってるだけで満足しちゃう、というのが大きいです。
これからUMPCを購入される人に言いたいのは上の「4.用途を決めるか決めないか」のところですね。実際ね、ただ眺めてニヤニヤする、というのでも全然OKだと思うんですよ。あるいは、決して使いやすくはないキーボードに慣れるための苦行を繰り返す、というのでもいいです。また、はっきりした使いみちがあって、バリバリに実用品として使っている人も少なくないと思います。やっぱり「人それぞれ」なんですよね…。
買って楽しい製品ジャンルであることは間違いありません。でも、「なにがなんでもCore m3」ということでもないでしょう。無理な買い物にならないようにしたいですね。
コメント
こんにちは。onemix(初代)の日本語/英語入力の切り替え方法をご存知でしょうか。3ボタン同時押しだったと記憶しているのですが忘れてしまいました。
One Mix(初代)の半角英数/全角かなの入力切替ですが、Shiftを押しながらCapsで出来ませんか?
ご返信いただきありがとうございます、Shift +Capsで出来ました。。。なぜか3キー同時押しという認識が頭を離れず数週間困っていました。
危うく5、6万円を無駄にするところでした、ありがとうございます。
conさん、こんにちは。私自身は全くお役に立てずすみませんでした。読者の方のフォローで解決してよかったです。
こんにちは、フォローありがとうございました。私のレスが遅く、すみませんでした。
お役に立って良かったです。
全角かな/全角英数(全角同士)の切り替えの事をお尋ねなのだとしたら、的外れな答えになってしまうなと思いつつコメントしてました苦笑
全角かな/全角英数切り替えのキーコンビネーションは見つかって無いですよね…?
こっちが3キーだったりして?
wintab様、匿名の読者様
中国のサポートデスクの方にも問い合わせしたのですが解決せず。。。本当に助かりました、ありがとうございます。
また全角かな/全角英数の切り替えについてですが、私は発見できていません。おそらく3キーはほかのデバイスと勘違いしていたのかなと思います。
こんにちは。「見つかってないですよね?」というところがジワりました…。なんか数学の難解な定理の証明みたいですよね。キーボードなのに…。
シグマリオン4待ちなのですが
発表はまだですかね…
なおさん、思わずググってしまったじゃないですか!そしたら、2004年位の掲示板の書き込みがヒットしまくりました…。
ThinkPad 8で電子書籍を読んでおります。ウィンタブ様も愛用
されていたとのこのタブレット、後継機にUMPCはどうかと思い、
候補はむろん8インチでタブレットに変形するFalconです。
現行機種はAtom Z8795、128GB、4GBメモリですが、Falconは
その名の通りThinkPad8より素早い操作が望めそうでしょうか。
SDスロットがないのがかなり残念です。動きの早いメーカー
であれば、後継機種での仕様変更があるかどうか。
こんにちは。FalconはPentium N5000ですよね。ThinkPad 8よりは速いと思います。これって体感の問題になると思うので確証はありません。電子書籍くらいなら差はないかも。