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MSI Prestige15 レビュー - ゲーミングノートの性能と高級モバイルノートの筐体品質を両立した15.6インチ・クリエイターノート(実機レビュー)

MSI Prestige15
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回はMSIのクリエイターノート「Prestige 15」の実機レビューです。15.6インチというサイズながら、そして外部GPUのGeForceを搭載する高性能マシンながら、薄型で1.6kgというサイズを実現した、非常に魅力的な製品と言えます。クリエイターはもちろん、ハイスペックマシンを探しているビジネスマンにも向くと思います。

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1.スペック

MSI Prestige15 スペック表
MSI Prestige 15のOSはHome版とPro版の2種類があり、CPUは「6コア12スレッド」のCore i7-10710Uです。第10世代(Comet Lake)に属しますが、高性能ノートPCに一般的に使われるCore i5-10510U(4コア8スレッド)よりも格段に高いベンチマークスコアを記録します。今回の実機レビューでもその実力を発揮してくれるものと期待しています。

外部GPUにはゲーミングノートにも使われるGeForce GTX1650 Max-Qが搭載されています。このCPUとGPUの組み合わせであれば、この製品の主用途であるクリエイティブワークはもちろん、ほとんどのオンラインゲームが十分動作するはずです。

RAMは最低でも16GB、最大で32GBで、仕様上は最大64GBまで増設が可能です。また、ストレージも最低で512GB、最大で1TB SSDとなりますが、M.2スロットの空きが1つありますので、さらなるストレージ増設もできます。ただし、MSI製品のRAMやストレージの増設はMSI指定販売店でのみ可能となっています。

ディスプレイは2種類、15.6インチで4K(3,840 × 21,60)解像度とFHD(1,920 × 1,080)解像度が用意されます。4K解像度の方はAdobe RGB相当、FHD解像度のほうはsRGB相当と、どちらも色域の広さ、色の再現にこだわった、クリエイターノートらしい品質になっています。

と、いうことで、Prestige 15には4つのバリエーションモデルがあります。

A10SC-026JP:Home/RAM16GB/512GB SSD/FHD DP
A10SC-272JP:Pro/RAM32GB/512GB SSD/FHD DP
A10SC-025JP:Pro/RAM32GB/512GB SSD/4K DP
A10SC-066JP:Pro/RAM32GB/1TB SSD/4K DP
※左からOS/RAM/ストレージ/ディスプレイ
※すべてGeForce GTX1650 Max-Q搭載

最下位グレードの026JPでもノートPCとしてはハイエンドと言えそうな構成ですよね。また、クリエイターPCということもあり、基本構成の段階でRAMが32GBになっているものが多数を占めます。

通信まわりではWi-Fi6(ax規格)に対応します。レビュー機ももちろんWi-Fi6対応していたわけですが、残念ながら私の自宅がWi-Fi6に対応しておらず、今回は通信品質のテストが出来ませんでした。ちなみに光回線そのものが非常に低品質なんで、私の自宅の現状だとルーターが良くてもあまり意味を成さないような気がします。

入出力ポートも高規格です。2つあるUSB Type-CポートはいずれもThunderbolt 3ですね。さらにどちらもUSB PD対応です。一方で、ハイスペックマシンながら、ゲーミングノートでは当然に装備されている有線LANポートはありません。ただし、アダプターが同梱されていて、LAN(RJ45)の利用は可能です。それと、SDカードリーダーがmicro規格ですね。この製品はクリエイターノートなので、カメラマンならフル規格のSDカードリーダーが欲しいのではないか、という気はします。

サイズは15.6インチとしては非常にコンパクトです。実機レビューなので、実機をあちこち触ってみたり、持ってみたりしましたが、15.6インチとは思えないくらいに軽いです。1.6 kgというのは13.3インチとか14インチのモバイルノートよりは重いものの、たまに持ち出すくらいは十分可能ですし、少々重いのを我慢すればモバイルノートとしても使えるサイズ感だと思います。

MSI Prestige15 システム構成

MSI Prestige15 ストレージ構成

MSI Prestige15 GPU
レビュー機のシステム構成です。最下位グレードの「026JP」で、Windows 10 Home/GTX1650 Max-Q/RAM16GB/512GB SSD/FHDディスプレイという構成でした。

2.筐体

MSI Prestige15 同梱物
同梱物です。右側にあるペーパー類は上から「ポストカード(絵葉書)」「ステッカー」「取扱説明書」です。上部にあるACアダプターは90Wで重量は432 g(電源ケーブル込み)と、微妙な重さ(ゲーミングノートのものよりは軽く、スタンダードノートよりは重い、という意味です)です。また、画像にはありませんが、USB Type-C用の「USB 3.0以上のType-A × 2、microUSB、SDカードリーダー、microSDカードリーダー、LAN(RJ45)」が使える多機能ハブが付属します。Prestige 14の実機レビューでも書かせてもらったんですけど、この多機能ハブはメーカー純正品ですし、買えば1万円くらいはしそうです。なので、ラッキーというか得した気分になれます。もちろん実用性も非常に高いと言えます。

MSI Prestige15 スリーブケース
それとスリーブケース。これもなにげに便利です。素材はPUだと思いますが、表面に起毛処理がしてあり、少し高級感もあります。非常に強い衝撃に耐えられる、という感じではありませんが、そこそこ肉厚ですし、少なくとも筐体の傷つき防止には大いに役立つでしょう。

MSI Prestige15 天板
天板です。筐体色は「カーボングレイ」といいます。見た感じ、グレーとも濃紺とも言える印象ですね。筐体素材はアルミ合金です。表面にサンドブラスト加工が施され、触るとわずかにざらつく感じがして、手によく馴染みます。

MSI Prestige15 底面
底面です。ユーザーが気軽に開口できるような構造にはなっていません。また、左右にスピーカー穴が見えます。この製品はステレオスピーカーを搭載しています。

MSI Prestige15 右側面
右側面です。通気口はなく、スッキリしたデザインになっています。画像左からmicroSDカードリーダー、USB Type-A × 2があります。

MSI Prestige15 前面
前面です。こちらにはポート類やボタン類はありません。

MSI Prestige15 前面
エッジ部分にはダイヤモンドカット加工が施され、周囲の光を反射して「青く光る」ようになっています。筐体がグレーにも濃紺にも見える、と書いたのはエッジ部分のこの加工も影響しているんでしょう。とても美しい処理だと思います。

MSI Prestige15 左側面
左側面もスッキリしていますね。画像左からUSB Type-C(Thunderbolt 3)× 2、HDMI、オーディオジャックがあります。この製品の充電/給電はType-Cポートから行い、どちらのType-Cポートからでも充電/給電が可能です。

MSI Prestige15 背面
背面です。ここでようやくハイスペックマシンらしく見える、というか、やや大きめの通気口があります。全体的にかなりスリムなPC、という印象がありました。

MSI Prestige15 キーボード
キーボードです。15.6インチサイズですがテンキーはありません。ご覧のように日本語配列です。ただし、スペースキーの幅が狭いなど、少しばかり英語配列の香りが残っている感じですね。打鍵時に特に違和感があるということはないです。それと、この製品はタッチパッドが非常に大きくなっていますし、エッジ部分には筐体表面と同じく「青いダイヤモンドカット加工」があります。タッチパッドに無意識に手のひらなどが触れてしまっても誤動作しない(ペンタブで言うパームリジェクション機能)ので、その点は安心です。タッチパッドを常用している人にはこのサイズは歓迎されると思います。

MSI Prestige15 キーボード
キートップはフラットで特に加工はされていません。また、ホワイトのバックライトが装備され、明るさも3段階で調整可能です。

MSI Prestige15 正面
正面から見たところです。左右だけでなく上部のベゼルも非常に細くなっています。スリムな筐体と合わせ、とてもハイパフォーマンスPCとは思えない美しさです。

MSI Prestige15 ヒンジ開口
ヒンジは水平位置(180度)まで開口できます。また、Prestige 14のようなリフトアップヒンジ構造も採られていません。ヒンジの開口角度は大きいに越したことはないので、ここは高く評価できます。

一通りPrestige 15の筐体を確認してみました。繰り返しになりますが、外観だけ見て、この製品がハイパフォーマンス機である、ということに気づくことは難しいでしょう。どちらかと言うとデザイン優先のモバイルノート、という雰囲気です。また、アルミ筐体は質感もよく、高級感があります。「優等生的」というか「破綻のないデザイン」というか、ですね。私なんかは「MSIなんだから、天板のロゴが赤く光るようにしたらいいのに」なんて思っちゃいましたけど、そんなのは大多数のユーザーには受け入れられないでしょうw

3.使用感

Creator Center

MSI Prestige15 Creator Center

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MSIのゲーミングノートには設定アプリの「Dragon Center」がインストールされていますが、Prestige 15はクリエイターノートなので「Creator Center」という名称の設定アプリがインストールされています。主にパフォーマンスの調整に使うものですが、この画面ではアプリごとにCPUやGPUの最適化(実際どう最適化するかはよくわかりません。スイッチのオン/オフで設定する仕組みです)、該当アプリの処理の優先順位などを決めることができます。メジャーなアプリはリストされていて、もちろんAdobeのPhotoshopやIllustratorなどもリストに入っていました。

MSI Prestige15 Creator Center

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こちらはよくある「パフォーマンスモニター」

MSI Prestige15 Creator Center

この画面でパフォーマンスのシナリオ(高性能、バランス、サイレント、スーパーバッテリー)を選択し、CPUのパフォーマンスやファン風量のモードを変更することができます。また、後述する音響アプリ「Nahimic」や画質設定アプリ「True Color」のオン/オフも可能です。

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MSI Prestige15 Creator Center

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実際のところ、この製品は「素の性能」が非常に高いので、非ゲーミングの場合に細かくパフォーマンス設定をする必要性は低いと思います。というか、デフォルトの設定で不満を感じることはまずないでしょう。しかし、「バッテリーヘルスオプション」だけは設定しておくのがいいと思います。バッテリーを保護する目的で、充電を60%とか80%で止める機能です。

ディスプレイ

スペック説明のところでふれたとおり、Prestige 15のディスプレイは2種類あり、4K(3,840 × 2,160)解像度でAdobe RGB相当のものと、FHD(1,920 × 1,080)解像度のsRGB相当のものです。今回のレビュー機はFHD解像度のほうなので、ディスプレイ品質という点では下位となります。

いつものようにブラウザーのEdgeで「花」を画像検索し、手持ちのディスプレイ(23インチIPS液晶、FHD解像度、ノングレアタイプ)と比較してみました。

発色は素晴らしいの一言です。輪郭がくっきりとして、個々の色も鮮やかですね。手持ちのディスプレイがピンボケしてるんじゃないか、と思ったくらいです。これで下位グレードだというのだから驚きです。

MSI Prestige15 True Color
また、この製品はTrue Colorというソフトウェアが入っていて、私のような視力の良くない人間はデフォルト(sRGBモード)にしておけばあとはノーケアでいいですが、クリエイターの人など、繊細な色の識別が必要なお仕事の人は、マニュアルで色味を調整できます。

そのあたりも併せて評価すると、このディスプレイは専門職の人が使っても満足できる品質だと言えます。

キーボード

この製品のキーボードはキーピッチが上下左右に19 mm強(手採寸で19.2mmくらいでした)で、キーストロークはノートPCとしては標準的な深さだと感じました。15.6インチながらテンキーが装備されておらず、その代わり「ENTERキーの右に一列ある」タイプです。

15.6インチでテンキーがないので、キートップのサイズとかキーピッチで狭苦しさは一切ありません。また、配列に関しても私が1時間ほどテキスト入力をした限り、特に違和感とか使いにくさは感じませんでした。また、「MSIといえばSteelSeries、ゆえにWindowsキーはスペースキーの右側」と考えてしまいますが、ご安心ください。この製品のWindowsキーは標準の位置(スペースキーの左側)です。

筐体説明のところでも記載しましたが、この製品は大型のタッチパッドを備えています。この大きさだと当然打鍵中に手のひらがタッチパッドに触れてしまうことが多くなりますが、そのせいでカーソルがぶっ飛んだり、といった誤動作はありませんでした。このタッチパッドは積極的に指で操作しないと反応しません(感度が悪いという意味ではありません)。そのため、タッチパッドを常用する人には非常に使いやすいのではないか、と思います。

スピーカー

Prestige 15は底面にステレオスピーカーを装備しています。また、音響アプリはMSI PCの標準装備品といえるNahimicですね。

MSI Prestige15 Nahimic

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Nahimicは賢いというか、基本的に操作項目が多くはなく、グラフィックイコライザーで細かい設定ができるというわけではありません。しかし、個々の機能は確実に効いていると感じますので、ここを調整していけばお好みの音質に仕上げることができます。

で、音質なんですけど、悪くはないです。ただし、この製品の「格」から言うと不満が残ります。音楽を聴いていると、中音や高音はきれいに、自然に聞こえますが、低音が弱すぎますね。ノートPCなので低音が弱いのはある意味仕方のないことですが、この製品の低音はハイスペックな15.6インチとしてはよろしくありません。Nahimicで最大ブーストしてもまだ弱いです。

ポップ系の音楽、女性ヴォーカルなんかだと十分楽しめると思いますが、ロック系、ダンスミュージック系には向きません。同じことはゲームプレイでも言えるでしょう。戦場の臨場感は少し弱くなると思います。

バッテリー

Creator Centerでユーザーシナリオを「バランス(高性能でもなく、省電力でもない、普通のモード)」に、ディスプレイ輝度を75%に設定し、ブラウザーのEdgeでYouTubeの音楽を20分ほどバックグラウンドで流し(ボリューム40%)、テキストライティングやwebブラウジングなどで1時間ほど使用して、バッテリー消費は13%でした。この使い方だと稼働時間は7時間強~8時間弱、ということになります。

製品コンディションが新品に近かったせいかもしれませんが、それにしてもバッテリー持ちは非常にいいと評価できます。もちろんGeForceが仕事をするような使い方をしてしまうと稼働時間は一気に短くなると思いますが、Office系のアプリで作業する分には終日バッテリー稼働が可能だと思います。これは予想外でしたね。

4.性能テスト

MSI Prestige15 3D Mark
参考:
Lenovo Legion Y740(17)(i7-9750H、RTX2080Max-Q):7,655、16,867、39,482
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):7,545、16,652、40,212
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(i7-9750H、RTX2070):7,219、16,668、35,109
マウス NEXTGEAR-NOTE i7901BA1(i7-7700K、GTX1080):6,703、17,345、37,589
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(i7-9750H、RTX2060):6,566、15,229、36,469
Lenovo Legion Y740(15)(i7-9750H、RTX2070 Max-Q):6,508、14,067、36,491
MSI GP65 Leopard(i7-9750H、RTX2060):6,397、14,646、35,296
OMEN X by HP(i7-7820HK、GTX1080):6,283、15,476、30,804
MSI GL63 8SE(i7-8750H、RTX2060):6,205、14,838、33,985
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(i9-9980HK、RTX2060):5,850、13,667、28,140
GALLERIA GCR1660TNF-E(i7-9750H、GTX1660ti):5,837、13,402、34,468
Lenovo Legion Y540(15)(Core i7-9750H、GTX1660Ti):5,777、13,259、34,332
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(i7-9750H、GTX1660Ti):5,610、12,852、34,583
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(i7-8750H、GTX1070):5,583、15,146、36,268
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(i7-8750H、RTX2060):5,453、13,800、33,609
ドスパラ GALLERIA GKF1070NF(i7-7700HQ、GTX1070):5,280、14,030、30,686
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):-、13,719、31,513
DELL ALIENWARE 17(i7-7700HQ、GTX1070):5,257、13,233、29,845
HP Pavilion Gaming 15-dk0000(i7-9750H、GTX1660Ti Max-Q):5,096、11,802、26,814
ASUS ROG Zephyrus G GA502DU(Ryzen7 3750H、GTX1660Ti):4,219、10,223、20,073
ドスパラ GALLERIA GCF1060NF(i7-8750H、GTX1060):3,965、10,506、29,442
ドスパラ GALLERIA GKF1060GFE(i7-7700HQ、GTX1060):3,808、9,888、26,344
Lenovo Legion Y7000(i7-9750H、GTX1650):3,722、8,164、26,019
GALLERIA GKF1060NF(i7-7700HQ、GTX1060):3,717、9,989、24,824
DELL G7(i7-8750H、GTX1060):3,703、9,743、26,843
ドスパラ GALLERIA GCR1650GF7(Core i7-9750H、GTX1650):3,686、8,290、26,358
ドスパラ GALLERIA GCR1650GF(Core i5-9300H、GTX1650):3,627、8,240、24,774
GALLERIA GKF1060GFE(i7-7700HQ、GTX1060):3,625、9,784、24,233
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(i5-7500、GTX1060):3,583、9,276、22,203
MSI GF63 Thin(Core i7-10750H、GTX1650Ti):3,530、8,372、26,065
ドスパラ raytrek RKF1060TGK(i7-7700HQ、GTX1060):3,518、9,207、23,689
ASUS TUF Gaming FX505DT(Ryzen5 3550H、GTX1650):3,441、8,036、19,066
MSI Prestige 14(i7-10710U、GTX1650 Max-Q):3,111、6,973、22,126
ASUS ZenBook 15 UX534FT(i7-8565U、GTX1650):2,988、6,789、20,260
ドスパラ GALLERIA GCF1050TNF(i7-8750H、GTX1050Ti):2,528、6,776、17,005
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(i5-8300H、GTX1050Ti):2,523、6,802、20,045
GALLERIA GKF1050TNF(i7-7700HQ、GTX1050Ti):2,492、6,858、18,179
NEXTGEAR-NOTE i4400GA1(i7-7700HQ、GTX1050Ti):2,449、6,852、20,453
Lenovo ThinkPad X1 Extreme(i7-8750H、GTX1050Ti Max-Q):2,393、6,490、19,506
GALLERIA QSF965HE(i7-6700HQ、GTX965M):–、5,344、16,987
ドスパラ Critea VF-HGK1050(i7-7700HQ、GTX1050):1,826、5,553、17,109
HP Pavilion Power 15(i5-7300HQ、GTX1050):1,797、5,230、14,052
※左からTime Spy、Fire Strike、Sky Diverのスコア

まずはグラフィック性能をテストする3D Markから。この製品のGPUはGeForce GTX1650 Max-Qですが、「ほぼ順当」なスコアかな、と思います。Max-QがつかないGTX1650のゲーミングPCよりは少し低く、やや古いCPUやGPUを搭載するゲーミングPCよりは高く、といった感じです。また、同じCPUとGPUを搭載するPrestige 14よりは高いスコアとなりました。

このスコアであれば最新のAAAタイトルとかでなければ、オンラインゲームのプレイも十分可能と思われます。

MSI Prestige15 FF15ベンチ
参考:
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070):7,440
MSI GL63(i7-8750H RTX2060) :6,982
ドスパラ GALLERIA GCF1070NF(i7-8750H GTX1070):6,691
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):6,041
MSI GS65(i7-8750H GTX1070 Max-Q) :5,821
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(i7-8750H GTX1060):4,675
MSI GF63 Thin(Core i7-10750H、GTX1650Ti):3,911
ドスパラ GALLERIA GCR1650GF7(Core i7-9750H、GTX1650):3,865
MSI GF75 Thin(i7-8750H GTX1050Ti Max-Q):2,990
ドスパラ GALLERIA GCF1050TNF(i7-8750H GTX1050Ti) :2,914

続いて、誰に聞いても口を揃えて「重い」というFINAL FANTASY 15のベンチマークテストです。こちらもMax-QがつかないGTX1650搭載のゲーミングPCよりは若干低いスコアとなりました。これもまあ、順当なスコアでしょう。

MSI Prestige15 PC Mark
参考:
HP OMEN X 2S 15(i9-9880H、RTX2080 Max-Q):6,447
Lenovo Legion Y740(17)(Core i7-9750H、RTX2080Max-Q): 6,151
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS、RTX2060 Max-Q):5,852
Lenovo Legion Y740(15)(Core i7-9750H、RTX2070 Max-Q): 5,830
ASUS ZenBook Pro Duo UX581GV(Core i9-9980HK、RTX2060): 5,727
Lenovo Legion Y7000(Core i7-9750H、GTX1650): 5,618
ドスパラ GALLERIA GCR1660TGF-QC-G(Core i7-9750H、GTX1660Ti): 5,573
ASUS ROG Zephyrus S GX502GV(Core i7-9750H、RTX2060): 5,506
ドスパラ GALLERIA GCR2070RNF(Core i7-9750H、RTX2070): 5,505
DELL G7(Core i7-8750H、GTX1060): 5,401
ドスパラ GALLERIA GCF2060GF-E(Core i7-8750H、RTX2060): 5,328
MSI GP65 Leopard(Core i7-9750H、RTX2060): 5,299
ドスパラ GALLERIA GCF1070GF(Core i7-8750H、GTX1070): 5,122
MSI GF75 Thin(Core i7-8750H、GTX1050Ti): 5,009
ドスパラ GALLERIA GCF1060GF-E(Core i7-8750H、GTX1060): 4,976
ドスパラ GALLERIA Mini 1060(Core i5-7500、GTX1060): 4,906
ドスパラ GALLERIA GCF2070GF-E(Core i7-8750H、RTX2070): 4,893
ASUS ZenBook 15 UX534FT(Core i7-8565U、GTX1650): 4,709
ドスパラ GALLERIA GCF1050TGF-E(Core i5-8300H、GTX1050Ti): 4,545
ASUS ROG Zephyrus G GA502DU(Ryzen 7 3750H、GTX1660Ti): 4,365
OMEN X by HP(Core i7-7820HK、GTX1080): 4,290
iiyama STYLE-17FH054-i7(Core i7-8750H) : 4,281
HP Spectre x360 13(Core i7-8565U): 4,223
Lenovo ThinkPad T490(Core i7-8565U、MX250): 4,158
ASUS VivoBook S15 S531FA(Core i7-10510U): 4,155
Lenovo ThinkPad X1 Carbon(Core i7-8665U): 4,132
ASUS TUF Gaming FX505DT(Ryzen 5 3550H、GTX1650): 4,124
Lenovo ThinkPad X1 Yoga(2019)(Core i7-8665U):4,120
ASUS X545FA(Core i7-10510U): 4,114
ASUS ZenBook 14 UX434FL(Core i5-8265U、MX250):3,933
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 3,909
ドスパラ raytrek VF-HEW(Core i7-8565U、MX150):3,861
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8350U): 3,778
HP Spectre 13(Core i5-8265U): 3,766
HP ENVY X360 13(Ryzen 7 3700U): 3,728
Lenovo ThinkPad E595(Ryzen 5 3500U): 3,714
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
ドスパラ Critea VF-HEKS(Core i7-8550U、MX150): 3,704
ASUS ExpertBook B9: 3,674
マウス X5-B(Ryzen 5 3500U): 3,673
マウス m-Book X400B(Ryzen 5 3500U): 3,659
HP ENVY x360 15(Ryzen 3500U): 3,617
DELL Inspiron 17 5000(5770)(Core i7-8550U、Radeon 530): 3,607
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,546
HP ENVY 13(Core i7-8550U):3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 3,492
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,491
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,399
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 3,353
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 3,350
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 3,341
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 3,199
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y): 3,108

続いて、グラフィック性能だけでなく、表計算ソフトやビデオチャットなど、ビジネスシーンもシミュレートするPC Markのスコアです。GPU性能が全く関係ないということはありませんが、どちらかと言うとCPU性能が重視されると言われています。

スコアは高いですね。第9世代(Coffee Lake)のCore i7とRTX2060を搭載するゲーミングノートとほぼいい勝負です。搭載するGPU性能が低めな割に大健闘していると言えるでしょう。このあたりからCore i7-10710Uの本領が見え始めました。

MSI Prestige15 CINEBENCH
参考1:
ASUS ROG Zephyrus G14(Ryzen 9 4900HS Max-Q):485、4,226
MSI GF63 Thin(Core i7-10750H): 466、2,572
参考2:
Core i7-10750H: 484、2,732
Core i7-9750H: 441、2,653
Core i7-10710U: 460、2,364
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
※データ出所:Core i7-10750HCore i7-9750HCore i7-10710U

純粋にCPU性能だけを測定するCINEBENCH R20のスコアです。ウインタブでデータをとり始めて日が浅いため、過去データが十分になく、CPU Monkeyというサイトで公表されているスコアを「参考2」として掲載しています。

スコアのほう、Comet Lake-HのCore i7-10750Hに迫る結果となりました。一方でRyzen 9のマルチコアのスコアは別次元で高い、ということも改めてわかりました。もうね、Core i7-10710Uって、ゲーミングPC用のCPUと遜色ないくらいの実力があります。なので、CPU性能が要求される動画のエンコーディングとかRAW現像、高度な技術系の演算とか、そういう作業をやらせたら非常に快適でしょうね。

MSI Prestige15 CDM
ラストはストレージの読み書き速度を測定するCrystal Disk Markです。こちらも全く文句のないスコアと言えます。PCIe ×4接続だとこれよりも早くなりますが、体感的にこの速度で困るような場面はまずないと思います。

発熱について

この製品は本来ゲーミングノートではないのですが、高性能なCPUとGeForce GTXを搭載しているという理由で、各種ベンチマークスコアはゲーミングノートと比較しました。また、このスペックであればオンラインゲームをやってみたくなるのが人情というもの。ということで、いくつかゲームをプレイしてみました。

残念ながら最新のAAAタイトルはプレイしていませんが、リリースが少し前のものであれば、一通りのゲームはプレイできると思います。私が試したのはCS:GOとDEAD OR ALIVE 5ですが、もちろんこのくらいであればストレスなく、というか全く快適にプレイができました。ただ、発熱量は大きめです。一応この製品にはデュアルファンの「Cooler Boost 3」という冷却システムが搭載されていますので、発熱で挙動がおかしくなるという心配はしなくていいとは思いますが、キーボード面上部が結構熱くなります。さわれないほど熱いわけではなく、怖さを感じることもありません。しかし、MSIのゲーミングノートほど高い冷却性能ではないと思います。

なお、ビジネスマンの人が仕事に使う、ということなら発熱を気にする必要は全くありません。また、ファン音も非常に静かで気にならないと思います。

5.まとめ

MSI Prestige 15はMSIストアで販売中で、6月8日現在の価格は下記のとおりです。

A10SC-026JP(レビュー機):179,800円(税込み197,780円)
A10SC-272JP(RAM32GB/FHDディスプレイ):179,818円(税込み197,799円)
A10SC-066JP(RAM32GB/4Kディスプレイ):219,800円(税込み241,780円)

また、MSIストアからPrestige 14とPrestige 15の割引クーポンのご案内も頂いていますので、ご活用ください。

●クーポンコード:
 MSISTOREPRESTIGE3000
●対象商品:
 Prestige-14-A10RAS-085JP(GeForce MX330/RAM32GB/4Kディスプレイ)
 Prestige-15-A10SC-066JP(RAM32GB/4Kディスプレイ)
●クーポン内容…税込金額から3,000円OFF
●期間:2020/6/8-2020/12/8
※他クーポンおよびキャンペーンとの併用不可

「MSIといえばゲーミングPC」「MSIといえばゲーミングPC用のパーツ」というイメージが強いですよね。しかし、私がこの1月に取材させていただいた米国ラスベガスのCES2019での発表会でも、「クリエイターPCへの注力」が明言されていて、ゲーミングPCで培った高性能PCのノウハウをクリエイターPCでも展開していく、という戦略が鮮明になっています。先日レビューしたPrestige 14も、このPrestige 15も、MSIのクリエイターPCへの取り組み姿勢を体現したものと言えます。

まず、性能面ではスペック表の内容通り、ゲーミングPCに匹敵する処理性能であることが確認できました。また、筐体デザインはハイセンスなモバイルノート、クリエイターノートと遜色のない、薄型で高級感のあるものでした。重量1.6 kgということもあり、外出先に気軽に持ち出して使うことも可能です。これらのことから、他社製品とは競合しにくい、独自性の高いノートPCということができると思います。

どこでもゲームをプレイしたいゲーマー、処理性能だけでなく、ディスプレイ品質にもこだわりたいクリエイター、そして凝ったプレゼン資料を作りたいビジネスマンと、この製品が似合う人はたくさんいると思います。平日は仕事に、仕事終わりや休日はゲームに、といった欲張りな使い方もピッタリきますね。さすがに価格は20万円コースになりますが、予算が手当てできるのなら、ぜひともおすすめしたい高性能ノートだと思います。

6.関連リンク(MSIストア)

MSIオンラインストア
Prestige-14-A10RAS-085JP(割引クーポン対象品)
Prestige-15-A10SC-066JP(割引クーポン対象品)
クリエイターノートPC

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