CES 2022(米国ラスベガスにて開催)で、2012年に登場した初代モデルから数えて10世代目となる「ThinkPad X1 Carbon Gen 10」が正式発表されました。昨年発表されたGen 9ではディスプレイのアスペクト比(画面の縦横比)が16:10に変更されるという大きな変更がありましたが、このGen 10ではどちらかというとマイナーチェンジに近い内容となっています。
目次
1.ThinkPad X1 Carbon Gen 10 スペック
スペック表
ThinkPad X1 Carbon Gen 10 | |
OS | Windows 11 Home/Pro |
CPU | 最高で第12世代Core i7(U/P) |
外部GPU | なし |
RAM | 最大32GB(LPDDR5) |
ストレージ | 最大2TB SSD(PCIe Gen4) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14インチIPS(1,920 × 1,200) 14インチIPS(1,920 × 1,200)タッチ 14インチIPS(2,240 × 1,200) 14インチOLED(2,880 × 1,400) 14インチIPS(3,840 × 2,400) 14インチIPS(3,840 × 2,400)タッチ |
ネットワーク | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2、(5G/LTE) |
入出力 | USB4 Type-C(Thunderbolt 4)× 2、USB 3.2 Gen1 × 2、HDMI、オーディオジャック、(nanoSIMスロット) |
カメラ | Webカメラ(HD/FHD)顔認証対応可 |
バッテリー | 57 Wh |
サイズ | 315.6 × 222.50 × 14.95-15.36 mm |
重量 | 1.12 kg~ |
コメント
OSはWindows 11 Home/Proです。海外ではLinuxディストリビューションであるUbuntuとFedoraプリインストールモデルも用意されるようですが、日本国内で販売される際はおそらくWindows 11のみ選択可能になるものと思われます。
CPUはCES 2022でモバイル版が発表された第12世代(Alder Lake)Core です。現時点では正確な型番がわかっていませんが、現行モデル(Gen 9)でも採用されている「型番末尾U」のほか、よりパワフルな「型番末尾P」も選択可能になるとのことです。また企業向けに「vPro」対応の型番も用意されます。
RAMは最大32GB、内蔵ストレージは最大2TB(PCIe-NVMe)という構成です。現行モデルと同じく購入時に構成のカスタマイズができるものと思われますが、おそらくRAMに関してはオンボードメモリかと思われる(つまり、購入後に増設ができない)ため、大きめの容量を選択した方がよさそうです。
ディスプレイは14インチサイズで、解像度はWUXGA(1,980 × 1,200)、2.2K(2,240 × 1,400)、2.8K(2,880 × 1,800)、4K(3,840 × 2,400)のいずれかを選択可能です。2.8Kディスプレイ選択時はパネルがIPS液晶ではなく、X1 Carbonとしては初採用となるOLED(有機EL)となります。WUXGA、4Kはタッチパネル搭載も選べますし、WUXGAには「プライバシーガード(覗き見防止のため、視野角を狭くする機能)も搭載可能です。
WEBカメラは従来のHD対応のもののほか、FHD対応のものが選択可能となりました。FHD WEBカメラは「マスクを装着した状態での」顔認証も可能となる「コンピュートビジョン」対応のものも選択可能です。
ワイヤレスネットワークはWi-Fi 6EとBluetooth 5.2に対応するほか、オプションでLTE/5Gモジュールの追加も可能です。入出力ポート類はThunderbolt 4(USB 4.0) × 2、USB 3.0 × 2、HDMI 3.5 mmイヤホンジャックと、従来モデル(Gen 9)から変更ありません。
従来モデルとのサイズの違いはわずかです。
Gen 10:315.6 × 222.50 × 14.95-15.36 mm / 1.12 kg~
Gen 9:314.5 × 221.6 × 14.9 mm / 1.13 kg~
Gen 10のほうが若干大きい、と言えますが、体感差はほぼないでしょう。なお、Gen 10の厚さについては、HDカメラ搭載モデルが14.95 mm、FHDカメラ搭載モデルが15.36 mmとなっています。
2.ThinkPad X1 Carbon Gen 10 筐体
筐体デザインに関しては基本的に「Gen 9とほとんど同じ」ですが、若干変更点があります。
上部ベゼルのWEBカメラ付近のデザインが少し変わりました。レノボではこの部分を「Communication Bar」と呼んでおり、プライバシーシャッター(物理シャッター)つきのカメラやAIノイズキャンセリングとドルビーボイス対応のマイクなどを装備します。また、ディスプレイ右下の「X1 Carbon」ロゴも復活しています。
従来から設定があった「より素材感がわかりやすい」カーボン柄の天板もあります。全体的にあまり「かわりばえ」のないデザインですが、これはこれで安心感はあります。
キーボードや入出力ポートの配置も画像で見る限り変わっていません。ただし、レノボによればキーボードは「使いやすさはそのままに、エアフローの改善のために再設計されています」とのことで、フラッグシップモデルだけに、見た目は変わらなくとも、多くの改善が施されているんでしょう。
3.ThinkPad X1 Carbon Gen 10価格など
ThinkPad X1 Carbon Gen 10は米国では2022年3月より出荷される予定となっており、価格は1639ドル(約187,750円)からです。ThinkPadのフラッグシップモデルとなるX1 Carbonもついに10世代目(2011年に登場したThinkPad X1も含めると11世代目)となりました。
昨年筐体デザインの変更が行われたこともあり、見た目に関しては大きな変更こそ行われていないものの、第12世代Coreプロセッサー搭載により、さらにパワフルなモバイルノートに進化したと思います。気軽に購入できる安価なモバイルノートではありませんが、14インチサイズでありながら約1.12kgに抑えた軽さ、そしてThinkPadならではとも言える打ちやすいキーボードは初代モデルからしっかり継承されているはずなので「長く使えるパートナー」になってくれると思います。
4.関連リンク
ThinkPad X1 Carbon Gen 10:Lenovo