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PIPO X10sの実機レビュー -「あの珍品PC」ニューモデル!せっかくなので「モバイル機」としても活用してみました!

PIPO X10S 実機レビュー
こんにちは、かのあゆです。今回は中国メーカーPIPOのニューモデル「PIPO X10s」を実機レビューします。ウインタブで過去に何度か実機レビューをしてきた、ある意味「伝統の珍品PC」の流れを汲む、独特の筐体を備えたPCです。ただ、かのあゆ個人としては初めて触るため新鮮な気持ちで実機レビューを行うことができました。

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なお、レビュー機は中国の通販サイト「Banggood」からサンプル提供していただきました。Banggoodにはこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございます。

1.スペック

  PIPO X10s
OS Windows 10 Pro
CPU Intel Celeron J4105
外部GPU なし
RAM 6GB
ストレージ 64GB eMMC
光学ドライブ なし
ディスプレイ 10.1インチIPS(1,920 × 1,200)
ネットワーク 802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0
入出力 USB3.0 × 4、RS232、HDMI、LAN(RJ45)、microSDカードリーダー、オーディオジャック
カメラ なし
バッテリー 3.7V/10,000 mAh
サイズ 247 × 162 × 68 mm
重量 1,030 g

搭載OSはWindows 10 Proで、工場出荷時にプリインストールされているバージョンは「May 2020 Update」となります。現行バージョンとなる「October 2020 Update」への更新は差分アップデート扱いとなっているため、Windows Update経由ですぐに完了します。英語や中国語など複数のロケールが収録されたマルチランゲージ版ですが、日本語は収録されていないので初期設定後、日本語ランゲージパックを設定から適用する必要があります。

CPUはGemini Lake世代のデスクトップ用CPUであるCeleron J4105を搭載しています。CPUの性能を計測する「PASSMARK」の公表スコアは2,969で、これは第6世代Core i5-6200UやUMPCなどに採用されているCore m3 8100Yとほぼ同等となっており、WEBブラウジングやMicrosoft Officeといったビジネスアプリの利用を快適にこなせる性能です。

RAMは6GB、内蔵ストレージは64GB eMMCという構成です。RAMに関しては、十分な容量が搭載されていますが、ストレージに関しては(SSD搭載が無理であったとしても)贅沢を言うのであれば128GBはほしかったところです。Windows Updateにも対応できる容量ですが、用途によってはMicroSDカードや外付けハードディスク/SSDを併用するとより快適に使えると思います。

ディスプレイは10,1インチIPS、解像度はWUXGA(1,920 x 1,200)で、10ポイントマルチタッチをサポートします。使用感の箇所でも後述いたしますが、発色が美しく動画コンテンツビューアーとしても大いに活躍できる品質です。

入出力ポート類は充実しており、USB 3.0 x 4、RS-232C、HDMI、LAN(RJ45)、MicroSDカードリーダー、3.5 mmイヤホンジャックが備わっています。前モデルであるPIPO X10では搭載されていなかったRS-232Cシリアルポートが追加されていますが、これはエンジニアリング用途を想定してのものなのでしょうか・・・

バッテリー容量は10,000mAhと大容量のものが搭載されています。この機種自体モバイル用途での利用を想定しているわけではなさそうですが、せっかく大容量バッテリーを搭載しているのでモバイルデスクトップ(!?)として持ち出して使ってみたいと思います。

システム情報
ストレージ情報
PIPO X10sのシステム情報です。Windows 10 ProのバージョンはMay 2020 Update(20H1)が適用された状態です。CPUは前モデルであるAtom x5-Z8300からGemini Lake世代のCeleron J4105にアップデートされています。

前モデルのPIPO X10の発売が今から5年前の2016年だったので順当なアップデートとなっていますが、ストレージに関しては64GB eMMCと据え置きのままになっている点がやはり気になりました。

2.筐体

付属品
付属品は保証書と電源アダプター(海外仕様)のみとなっており、今回のレビュー機ではマニュアルは付属していませんでした。変わったPCではありますが、ものとしては通常のWindows 10搭載PCそのものなので、特にマニュアルを見なくても困ることはないでしょう。変換プラグはBanggoodのサービス品です。

前面
前面です。液晶保護フィルムは出荷時点ですでに装着済みです。この写真だけ見ると普通のWindowsタブレットのように見えますね。そう「この写真だけ」見れば・・・

左側面
左側面にはスピーカーホールがあります。

右側面
右側面には電源ボタン、ボリュームボタン、USB 3.0 x 2、イヤホンジャック、スピーカーホールがあります。もうこの時点でPIPO X10sが「普通の」PCではないことがわかりますね。正直この写真だけでもインパクトがあるんじゃないかと(笑)

底面
底面には排気口。

前面
前面にはボタンやポート類はありません。


背面には排気口とアンテナ、MicroSDカードリーダー、USB 3.0 x 2、HDMI、LAN(RJ45)、DC-IN、RS-232Cが用意されています。拡張性の高さもこのシリーズの売りの一つですが、やはりニューモデルになって新設されたRS-232Cシリアルポートが目を引きます。

3.使用感

ディスプレイ

10.1インチサイズ、WUXGA(1,920 x 1200)解像度のディスプレイはIPS液晶が採用されており、視野角は広くなっています。起動してまず驚いたのはその表示の美しさで、EIZOが配布しているディスプレイチェックツールで確認してみましたが色合いも綺麗に出ている印象です。形状的に寝ながら利用しても快適に使えるようになっているので、動画コンテンツを楽しむビューアーとしても活用できそうです。

スピーカー

スピーカーはステレオ出力で、筐体左右に配置されています。音質に関しては昔の中華スマホのように音が割れるということはないのですが、全体的に音がこもっていて、作業中のBGMとして音楽を流し聞きする分にはよいのですが、本格的に音楽や動画コンテンツを楽しむには少し物足りなさを感じます。せっかくマルチメディアプレイヤーとしても活用できそうな機種なので次期モデルでは是非スピーカーの音質は改善してほしいところです。

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バッテリー

いつも通りバッテリーベンチマークソフトの「BBench」を使用し、フル充電の状態で

●ディスプレイ明度設定40%(工場出荷時設定)
●電源管理設定「バランス」
●10秒ごとにキーストローク送信、60秒ごとにWEBサイト巡回

という設定でバッテリー切れになるまでの時間を計測してみたところ、約7.1時間で0%まで使い切りシャットダウンされていました。10,000 mAhと大容量のバッテリーを搭載していることもあり、稼働時間はかなり優秀と言えます。モバイル用とでもしっかり活躍できますね!(笑)

「せっかくだから」俺はこのPIPO X10sをモバイルして使ってみるぜ!

  • 職場で持ち運んでみる

メーカーであるPIPOとしては初代PIPO X10の頃から「TV BOX」という位置づけで開発しているようで、据え置きメインでの運用を想定しているような気がするのですが、せっかくACアダプターを持ち歩かなくても1日はしっかり使える大容量バッテリーを搭載しているので職場やカフェに持ち運んで使ってみました。

仕事に持ち出せば注目されること間違いなし
まずBluetoothキーボード、マウスとともに職場に持ち込んでみました。仕事仲間から真っ先に言われたのが「何これ!?」でした。明らかにタブレットPCでもノートパソコンでもない珍品PCなので、そりゃ目立ちますよね!

Microsoft Officeを導入し、普段はモバイル用のPCであるLet’s Note RZ5One-NETBOOK A1で行っている作業をPIPO X10sだけで行ってみましたが、快適にこなすことができました。またバッテリー稼働時間が長いので仕事が終わった後に充電しておけば1日分は十分対応できます。

  • おしゃれなカフェで作業してみた

スタバで作業
「何がMa○B○OKだ!こちとらPIPO X10sだ!」ということで、スタバことスターバックスコーヒーでもキーボード、Bluetoothマウス込みで連れ出してこのレビュー記事の執筆作業をしてみました。某リンゴマークのノートパソコンで作業している方が多いカフェですが、特に注目・・・されることはありませんでした。(苦笑)

見た目はかなりインパクトのあるPIPO X10sですが、バッテリーの持ちが優秀でギリギリリュックには詰め込めるサイズ感となっているので「やろうと思えば」モバイル機として活用することも可能です。小型デスクトップが持ち運べると思えばかなり魅力的・・・かもしれません。

4.性能テスト

ドラクエベンチ

参考:
Teclast X6 Pro(Core m3-7Y30): 3,572
PEPPER JOBS GLK-UC2X(Celeron N4100)(TDP Unlocker最大): 3,127
ドスパラ raytrektab DG-D10IWP(Celeron N4100): 2,348
ドスパラ raytrektab DG-D10IWP2(Pentium N5000): 2,314
YEPO 737A6(Celeron N3450)(SSD換装): 2,239
Jumper EZBook X3 Air(Celeron N4100):1,870
BMAX Y11(Celeron N4100):1,845
Ockel Sirius A Pro(Atom X7-Z8750): 1,823
ドスパラ Altair VH-AD3S(Celeron N3350):1,816
T-bao Tbook 4(Celeron N3450): 1,794
Jumper EZBook 3L Pro(Celeron N3450): 1,774
YEPO 737A6(Celeron N3450): 1,696
Jumper EZpad 6 Plus (Celeron N3450) : 1,677
Jumper EZBook X4(Celeron N4100): 1,582
Teclast F7 Plus(Celeron N4100): 1,537
BMAX X14(Celeron N4100): 1,522
Chuwi UBook(Celeron N4100): 1,521
PIPO X12(Atom x5-Z8350): 1,513
CHUWI UBook X(Celeron N4100): 1,490
One Netbook One Mix(Atom X5-Z8350): 1,359
CHUWI HeroBook(Atom X5-E8000):1,353
ドン・キホーテ NANOTE(Atom X5-Z8350): 1,135
Chuwi UBook Pro初期状態(Celeron N4100): 1,077
Teclast F7S(Celeron 3350): 981

今回「3Dmark」に関してはうまく動作しなかったため、3Dを駆使したオンラインゲームの中では軽めのタイトルとなる「ドラゴンクエストX オンライン ベンチマーク」でGPU性能をテストしました。エントリーノートによく使われているCeleron N4100と比較しても高めなスコアを計測していますが、解像度1,280 x 720、グラフィック設定標準で「やや重い」というスコアなので、基本的にPIPO X10sでは2D主体のノベルゲームなどを除いて快適に楽しむには厳しそうです。

PCMark
参考:
Lenovo ThinkPad X280(Core i7-8550U): 3,909
ドスパラ Altair F-13KR(Core i5-8350U): 3,778
NEC LAVIE Direct NEXT(Core i7-8550U): 3,704
ドスパラ Critea VF-HEKS(Core i7-8550U、MX150): 3,704
DELL Inspiron 17 5000(5770)(Core i7-8550U、Radeon 530): 3,607
東芝 dynabook AZ65/G(Core i7-8550U): 3,546
HP ENVY 13(Core i7-8550U):3,534
DELL XPS 13(9370)(Core i7-8550U): 3,518
ドスパラ Critea VF-HGK1050(Core i7-7700HQ、GTX1050): 3,492
東芝 dynabook VZ82/F(Core i7-8550U): 3,491
富士通 LIFEBOOK WS1/B3(Core i7-8550U): 3,479
Microsoft Surface Pro 6(Core i5-8250U): 3,399
東芝 dynabook DZ83/J(Core i7-8550U): 3,353
マウス m-Book J(Core i5-8250U): 3,350
東芝 dynabook UZ63/F(Core i7-8550U): 3,341
Microsoft Surface Laptop 2(Core i5-8250U): 3,199
HP Spectre Folio 13(Core i5-8200Y): 3,108
ドスパラ Critea DX-KS F7(Core i7-8550U): 2,921
富士通 LIFEBOOK WU2/B3(Core i7-8550U): 2,873
DELL Inspiron 15 7000(7570)(Core i7-8550U、GeForce MX130): 2,824
HP Spectre x2(Core i5-7260U): 2,822
ドスパラ Magnate IM(Core i5-7400): 2,763
ONE-NETBOOK One Mix 2S(Core m3-8100U): 2,664
HP ENVY 12 x2(Core i5-7Y54): 2,606
HP 15-db0000(AMD Ryzen 3 2200U): 2,455
ドスパラ Critea DX-KS H3(Core i3-7100U): 2,198
ONE-NETBOOK One Mix 1S(Celeron 3965Y) : 1,728

WEBブラウジングやビデオチャット、Office互換ソフトでのドキュメント作成など、一般的なビジネスシーンでの利用を想定しているベンチマークソフト「PCMark」でのベンチマークスコアは元々Atom系列のCeleron J4105ということで、ONE-NETBOOK One Mix 1Sに搭載されているCeleron 3965Y(Kaby Lake-Y)を下回る総合スコアを計測しています。WEBブラウジングやビデオチャットの性能を計測する項目は十分なスコアが出ているのですが、アプリの起動速度やドキュメント作成の性能を計測する項目のスコアに関してはやや低めになっているので、ExcelでマクロやVBAを駆使したファイルを編集する際は多少時間がかかるかもしれません。ただかのあゆが普段仕事で行っている作業(GIMPでの画像編集、Microsoft Wordでの文章作成、Microsoft Excelでの表の編集)に関してはストレスなくこなすことができました。

CineBench
参考:
MINISFORUM EliteMini X400(Ryzen 5 PRO 4650G):1,245、8,651
MINISFORUM H31G(Core i5-9500F):1,105、5,922
MSI GP65 Leopard(Core i7-9750H)(注):1,077、5,999
ひつじ 自作PC(Core i7-6700 GTX980ti):1,031、5,078
ASUS ZenBook 14(Core i5-8265U)(注):1,023、3,691
Microsoft Surface Laptop Go(Core i5-1035G1(注):1,006、3,559
ひつじ 自作PC(Core i3-7100T):840、1,826
HP Pavilion x360(Core i5-7200U)(注):790、1,740
CHUWI Gemibook(Celeron J4115)(注);145、333
※左から順にシングルコア、マルチコアのスコア
(注)ノートPC、(注)ないものはデスクトップPC

CPU自体の性能を計測する「Cinebench R20」でのスコアは同じくGemini Lake世代のデスクトップ用CPUであるCeleron J4115を搭載するCHUWI Gemibookとほぼ同じスコアを計測していますが、Core i3やCore i5には届かないスコアです。シングルコア、マルチコアともにスコアは高くないので負荷のかかる作業は苦手ですが、そもそもPIPO X10sで動画編集や本格的な画像編集を行う方はいるのでしょうか・・・(汗

5.まとめ

PIPO X10sは1月24日現在、Banggoodにて279.99ドル(29,492円)にて販売中です。前モデルとなるPIPO X10はウインタブライターのnatsukiさんがレビューしており、個人的にも気になっていたのですが、なるほど実際に使ってみるとこれは不思議と魅せられる機種だなと感じました。

ストレージ面に関しては64GBと若干心ともないので、本格的に使うのであればクラウドストレージの併用やMicroSDカード、USBメモリ、外付けHDD/SSDといった外部ストレージの増設が必須になりますが、10,000 mAhと大容量のバッテリーを搭載していることもあり、実はモバイル機としても優秀なのでは・・・!?と思っています。

スペック面でもAtom x5-Z8350からCeleron J4105にアップグレードされたことにより、快適度は増していますし、このジャンルのPCにはPIPOしか作れない(あるいは作らない)んじゃないでしょうか。

Jasper Lake世代のCeleronにアップグレードされた次期モデルが登場するのであればまた実機レビューしてみたいなと思っています。しかし、使っていて楽しくなってくるPCで、こんな気持ちになるのはGOLE 1以来久々でした。

6.関連リンク

PIPO X10s - 「あの中華の珍品PC」にまさかの後継機!ウインタブ絶賛の製品コンセプトを試すなら今だ!
PIPO X10s:Banggood

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コメント

  1. 匿名 より:

    >おしゃれなカフェで作業してみた
    全俺が泣いたっ(ノД`)泣きました
    その心意気や良し!!です( ;∀;)
    自分も12インチ3.4kg(2000年製)のノートを
    カフェに持ち込む勇気が出てきました!!

    • かのあゆ より:

      >>匿名さん
      やっぱりいろんな意味でほかにはないPCなので、持って行ったら注目されるかなとは思っていたのですが意外と層でもありませんでした・・・w

      2000年頃のノートというとMobile Pentium IIIとかその辺あたりの世代ですね!懐かしい!ただOSは軽量系Linuxディス取り入れてなんとかしたとしてもバッテリー周りがへたってるのでモバイルするのは厳しそうな気がします・・・昔はPC-98ノートとか持ち歩いてたんですけどねw

      • 匿名 より:

         返信ありがとうございます。
        海外だとあのオシャレカフェにデスクトップPC持ち込んでる方々もいらっしゃる?ようですし、多様化文化があるんだと思います(違。
        >MobilePentium!!!
        ご明察です。概ねその世代です。
        デスクトップ版CPU搭載ノートです(ENM260TX2)。
        >昔はPC-98ノートとか
        ”A4サイズ”と大体の括りで表現してた頃ですね(最近カフェでEPSON PC-286NFを使い衆目を集めたのはヒミツです)。
        PIPOさんのような中華メーカーが面白い製品を出してくれるので、Windowsモバイル系界隈も楽しめそうですね。
         これからも良質な記事を期待しています。

  2. なお より:

    スタ…。おしゃれカフェでアイポンやMac以外を出すと
    おしゃれ民から「アップル製品以外を使う奴は人に有らず!」と攻撃を受けると聞いたのですが…( ´△`)

    怖いなぁ。スタ…。おしゃれカフェ

    ペンティアムじゃなくベンティとか、おしゃれ語を使いこなせないから行くのに勇気がいります