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富士通 arrows Tab WQ2/D1(QHシリーズ)レビュー- 抜群に頑丈!周辺機器も豊富に揃う10.1インチでタフネスなWindowsタブレット(実機レビュー)

富士通 arrows Tab WQ2/D1
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。久しぶりにウインタブらしい製品の実機レビューです。富士通のタフネスな10.1インチWindowsタブレット「Arrows Tab WQ2/D1」で、カタログモデルとしては「QHシリーズ」に属するのですが、この製品はWeb販売限定モデルなので、富士通WEB MARTのカスタムメイドモデルとしての型番「WQ2/D1」のみが冠されます。

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もはや「Windows タブレット」というジャンルは非常に製品数が少なくなり、そのかわりにPCとしてもタブレットとしても使える「コンバーチブル2 in 1(ディスプレイ面とキーボード面が分離しないもの)」や「デタッチャブル2 in 1(ディスプレイ面とキーボード面が分離するもの)」が増えています。このWQ2/D1はそもそもの製品名が「arrows Tab」ですし、キーボードは別売りなので、「純タブレット(キーボード接続を前提としないタブレット製品という意味で使っています)」と言っていいと思います。ただし、WQ2/D1には非常に豊富な純正パーツが用意されていて、今回のレビューでも別売りのキーボードやカバーを一緒に試用させていただいております。

1.スペック

富士通 arrows Tab WQ2/D1 スペック表
富士通WEB MARTの「カスタムメイドモデル」は注文時に構成のカスタマイズができます。私が知る限り、タブレット製品でCPUやストレージをカスタマイズできるものは非常に珍しいです。また、この製品は個人でも法人でも購入できますが、かなりの「プロ仕様」になっています。

OSはWindows 10 Pro「のみ」です。Home版は選べません。CPUはGemini LakeのCeleron N4000かN4100を選べます。N4000とN4100、型番は100しか違いませんが、実は構造も性能面も大きな差があります。もちろん4コアのN4100のほうがずっと高性能(N4000は2コア)なので、ウインタブ読者ならN4100を選ぶほうがいいでしょう。また、RAMはCPUをどちらにするかによって変わり、N4000を選ぶとRAM4GB、N4100を選ぶとRAM8GBとなります。

ストレージはeMMCで、64GBと128GBを選べます。SSDではありませんが、タブレット製品ということもあり、ここは仕方ないかなと思います。ディスプレイは10.1インチと「かつて見慣れたサイズ」でIPS液晶、WUXGA解像度となります。もちろんタッチ対応です(そうでないとタブレットとは言えませんよね…)。

入出力ポートは10.1インチタブレットの水準を越えていると思います。この構成だとモバイルノートに近いくらいと言えますね。また、カメラもイン側とアウト側にそれぞれ装備されています。

サイズは「でかい」ですね…。この製品は防水(IPX5/7/8)防塵(IP5X)仕様になっている「タフネス・タブレット」なんです。Androidスマホだと防水・防塵仕様の製品というのは結構見かけますが、Windows PCで防水・防塵仕様というのは非常に数が少ないと思います。

そんなわけで、一般的な10.1インチよりは一回りサイズが大きく、100グラム弱は重いです。しかし、今回一緒にレビューする「軽量スリムキーボード」込みでも重量が約1 kg(実測値では988 gでした)なので、問題なくモバイル利用が可能です。

富士通 arrows Tab WQ2/D1
富士通 arrows Tab WQ2/D1
レビュー機のシステム構成です。OSはもちろんPro版、CPUはより高性能なCeleron N4100、RAMは8GB、ストレージは64GBでした。必ずしもキーボード接続を前提としない10.1インチタブレットとしてはかなり高性能な部類だと思います。

2.筐体

富士通 arrows Tab WQ2/D1 同梱物
別売りのキーボードやフォリオカバーを別にすると、付属品はこんな感じです。取扱説明書、保証書、ACアダプター、スタイラスペン、スタイラスペン用のストラップ(ひも)がついていました。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 前面
前面です。両サイドが別素材になり、補強されているのがわかると思います。この製品のサイズが少し大きめなのは、このように随所に耐衝撃性や防水性を高めるための工夫が凝らされているためです。また、両サイドの下部にはスピーカー穴が見えます。小型Windowsタブレットで前面にスピーカーが装備されている製品は珍しいですよ。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 左側面
左側面です。こうしてみると筐体の厚みも結構なものですよね?それと、パッキンで覆われていてポートが全然見えません。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 左側面
パッキンを外してみました。画像左から、スタイラスペンのストラップを通すひも穴、オーディオジャック、パッキンの中にmicroSDカードリーダー、別なパッキンの中にUSB 3.0とUSB Type-C(Type-Cの下にある小さい穴はリセットボタンです)、続いて充電インジケーター、そしてさらに別なパッキンの中にDC-INがあります。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 上面
上面です。左からスタイラスペンホルダー、ショートカットボタン、音量ボタン、電源ボタンがあり、中央部にある2つの穴はマイクです。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 スタイラス入れ
スタイラスペンはご覧のとおり、本体にきれいに収納できます。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 右側面
右側面にはなにもありません。画像左端にある穴は、左側面にあるスタイラスペンのストラップを通すひも穴だと思います。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 下面
下面です。こちらはキーボード接続面になりますので、中央部に接続コネクター、両サイドにキーボードの「ツメ」を受けるガイド穴があります。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 背面
背面です。こちらもかなりゴツいですね。樹脂素材で滑り止め加工(模様というか凹凸)が施されています。また、画像左上にあるのは指紋センサーです。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 フォリオカバー
次にオプション品のフォリカバーを見てみましょう。ご覧のとおり、四隅をツメにはめ込んで固定するタイプです。タブレット本体と同じく、かなり丈夫そうな作りになっていて、装着には少し力がいりました。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 フォリオカバー装着
こんなふうにタブレットスタンドとしても使えます。ただし、「座りが悪い」といいますか、あまり安定はしません。タブレットの下面が滑りやすいです。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 フォリオカバー収納
折りたたんだところです。たぶん「わざと」だと思いますが、マジックテープやスナップボタンではなく、ゴムバンドで固定します。過酷な環境でも壊れにくいように、という配慮なのではないか、と思います。

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富士通 arrows Tab WQ2/D1 スリムキーボード
富士通 arrows Tab WQ2/D1 スリムキーボード
次に軽量スリムキーボードです。なんかですね、ヒンジ部分が非常に大きく、しかも頑丈に感じられ、思わず圧倒されてしまいました。他社のどのタブレット製品のキーボードにも似ていません。「作りのしっかり感」はすごいですね。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 キーボード底面
このゴツい物体は軽量スリムキーボードの底面です。このキーボード、10.1インチタブレット用の外付けキーボードとしては最高レベルの作りになっています。打鍵感については後述します。

富士通 arrows Tab WQ2/D1
キーボードを装着してみました。装着はワンタッチで、しっかり固定されますし、脱落防止用のストッパーもついていますので、不安定な場所でも問題なく使えます。ただ、やはりヒンジ部分がかなり大きいので、ノートPCとしては結構縦長に見えますね。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 横から
開口角度はあまり大きくありません。実用上は問題ありませんが、この画像の位置で最大開口となります。タブレット本体の重量があるので、あまり寝かせてしまうと不安定になってしまうんだろうと思います。

富士通 arrows Tab WQ2/D1 キーボード収納
ヒンジを閉じるとこんな感じです。それなりに厚みは出てしまいますが、携帯するのに問題はありません。キーボード込みの重量も実測値で988 gと、1 Kgを切っていますので、そこらへんのモバイルノートよりも軽量です。このままの状態で携帯すると、突起のあるものにぶつかったりして傷がついてしまう場合もあるかもしれませんが、もともと非常に堅牢な作りになっていますので、本体やキーボードを破損するようなことはまずないでしょう。

一通り筐体をチェックしてみましたが、さすが富士通といいますか、「富士通がタフネスと言ってるんだから本当にタフネス」なわけで、レビュー前の期待を裏切らない品質だと感じました。また、スマホでもそうですが、堅牢な筐体というのは剛性感もありますので、表面が樹脂製であろうと質感は高く感じられます。「ミシミシ」言ったりしませんしね。

3.使用感

ディスプレイ

輝度が高く、タブレットとして十分な品質になっていると思います。発色について、いつものようにブラウザーのEdgeを使い、Bing検索で「花」の画像を表示させ、手持ちのディスプレイと比較してみました。色の鮮やかさという点ではThinkPad 13(13.3インチで1,920 × 1,080のIPS液晶)には一歩譲る感じですね。原色が少し淡い感じになっているのと、黒があまり強調されないため、くっきり感が少し落ちます。

また、この製品にはペン入力を快適にするため、少し抵抗のある液晶保護フィルムが貼られていますが、これが少し画面を白っぽく見せているのではないか、と思われます。実際に購入したとすると、必要に応じて保護フィルムを貼り替えることになると思われ、その場合はこのレビューでの評価よりも好印象になるものと思われます。。

若干厳し目の評価になっていますが、個人的には他のPCモニターとサイドバイサイドで見比べてみて理解できるくらいの差異だと思っていますので、普通に使う分には全く問題なく、満足できる品質であると思います。

スピーカー

この製品のスピーカーは前面左右にあり、配置は素晴らしいと思います。また、タブレットが本体である、という形状面での制約もありますので、試用前から過度の期待は禁物であると考えていました。

富士通 arrows Tab WQ2/D1
実際に使ってみると、あまり期待していなかった割には健闘していると思いました。上級クラスのモバイルノート、あるいはスタンダードノートのようにはいかないものの、付属するRealtek Audio Consoleで音質を調整してやると思いのほか高音質を楽しめます。

音質へのこだわりが強い人には不満が出ると思いますが、普通の人なら他の作業をしながらBGMを流すくらいなら十分満足できるのではないかと思います。タブレットとしてできる範囲では十分頑張った、という感じですね。

キーボード

アルファベットキーのキーピッチは手採寸で左右に約17.5mm1、上下に約16 mmほどでした。実際に打鍵してみるとさすがに狭さを感じます。しばらく使っているうちに少しずつ慣れてきまして、そうなると実用性も評価できる水準だと感じられますね。わりと快適に打鍵ができました。おそらく、多くの人も私と同じような感想になると思います。

ただし、打鍵音はあまりよくありません。正しい表現ではないかもしれませんが「キーボード面の中に空洞があり、打鍵すると少しビビリ音がする」という感じで、一般的なキーボードの打鍵とは少し感覚が異なります。バシャッという感じの打鍵音です。おそらく軽量化していることが原因と思われますが、ともかく感触はいまいちですね。

しかし、このような小型の製品の、しかも携帯用キーボードにまでタッチパッド下の物理ボタンを取り付けているあたり、さすが富士通だと思います。こういうところのコストを惜しみませんよね。

バッテリー

ディスプレイ輝度を100%にして、YouTubeの音楽をボリューム70%から100%の範囲で調整しながら音楽を20分流し、テキストライティングをして、30分強で12%のバッテリー消費でした。次に、タブレット単体にして、ディスプレイ輝度を50%程度の状態でペン入力を30分ほどやってみたら、バッテリー消費は8%のみでした。単純計算だとキーボード接続をした状態では1時間に20%ほど、タブレット単体だとそれよりも少しバッテリー消費が押さえられ、1時間に16%くらいの消費になると思われます。この製品のバッテリー稼働時間公称値は約12.8時間ですが、実際のところは5時間~6時間強くらいではないかと感じました。公称値はウインタブが全く信用していないJEITA2.0による測定ですから、だいたい他社製品といい勝負くらいの誤差だと思います。

手書き入力

富士通 arrows Tab WQ2/D1
フィルムとの相性も良く、非常に描きやすいです。一方で、この画像(落書きですみません…)を見ていただければ分かる通り、筆圧に関しては少し効きが弱めと感じました(筆圧は2,048段階対応です)。ペンは電池式ではなく、おそらくワコムのデジタイザーかと思われますが、ワコムのドライバーは見当たりませんでした。ペンは細くて短く、長さは手採寸で11.6センチほど、太さは直径7ミリほどでした。

4.性能テスト

富士通 arrows Tab WQ2/D1
参考:
※PEPPER JOBS GLK-UC2X(Celeron N4100): 3,127
GPD WIN(Atom X7-Z8700): 2,829
T-bao Tbook Air(Celeron N3450): 2,814
ドスパラ Altair VH-AD3(Celeron N3450): 2,652
ドスパラ Diginnos DG-CANPC(Atom X7-Z8700): 2,618
Beelink BT7(Atom X7-Z8700): 2,488
Teclast TBook 16 Power(Atom X7-Z8700): 2,463
GPD Pocket(Atom X7-Z8750): 2,436
VOYO VBook V3(Pentium N4200): 2,369
ドスパラ raytrektab DG-D10IWP(Celeron N4100): 2,348
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK5S(Celeron N4000): 2,330
KINGJIM PORTABOOK XMC10(Atom X7-Z8700): 2,304
Chuwi Hi 13(Celeron N3450): 2,288
※YEPO 737A6(Celeron N3450)(SSD換装): 2,239
Jumper EZBook 3 SE(Celeron N3350): 2,087
マウス m-Book C(Celeron N3450): 2,075
Jumper EZBook 3 Pro(Celeron N3450): 1,965
Jumper EZPad 6 Pro(Celeron N3450): 1,914
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK4S(Atom X5-Z8500): 1,871
VOYO VBook A1(Celeron N3450): 1,867
Chuwi LapBook 12.3(Celeron N3450): 1,845
Onda Xiaoma 41(Celeron N3450): 1,842
Chuwi LapBook 14.1(Celeron N3450): 1,835
※Ockel Sirius A Pro(Atom X7-Z8750): 1,823
※ドスパラ Altair VH-AD3S(Celeron N3350):1,816
※T-bao Tbook 4(Celeron N3450): 1,794
※Jumper EZBook 3L Pro(Celeron N3450): 1,774
ドスパラ raytrektab DG-D08IWP(Atom X5-Z8350): 1,747
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL(Atom X5-Z8350): 1,732
※YEPO 737A6(Celeron N3450): 1,696
※Jumper EZpad 6 Plus (Celeron N3450) : 1,677
※Jumper EZBook X4(Celeron N4100): 1,582
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3(Atom X5-Z8300): 1,570
Jumper EZBook 3(Celeron N3350): 1,540
※Teclast F7 Plus(Celeron N4100): 1,537
Jumper EZPad 6(Atom X5-Z8300): 1,536
※PIPO X12(Atom x5-Z8350): 1,513
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2SL(Atom X5-Z8350): 1,509
GOLE 1 Plus(Atom Z8350): 1,492
※One Netbook One Mix(Atom X5-Z8350): 1,359
※印は、ドラクエベンチが新バージョンのため、旧バージョンより数値は厳しめになります。

TDP Unlockerを搭載するPEPPER JOBSを別とすれば、Celeron N4100搭載機としてはトップレベルのスコアとなりました。10.1インチタブレットは「Atom搭載」のイメージが強いのですが、この製品に関しては、Celeron搭載のモバイルノートに一歩も引けを取らない実力があると言えます。まあ、お値段もそれなりにはする製品なので、このくらいのパフォーマンスは欲しいと思いますけどね。

5.まとめ

富士通 arrows Tab WQ2/D1は富士通WEB MARTの限定販売で、5月13日現在の価格は税込み80,919円から、となっています。レビュー機の構成(Celeron N4100/RAM8GB/64GB eMMC)だと税込み89,667円、レビューで仕様した軽量スリムキーボードをセットすると税込み103,488円です(ただし、5月13日現在、軽量スリムキーボードは一時的に在庫切れです)。

一般的に、というかある程度Windowsタブレットについて知識がある人なら、10.1インチサイズの製品としては最高レベルの品質だと思うでしょう。私もそう思います。しかし、価格はモバイルノートなどと比較して決して安くはありません。価格がやや高く感じられる要因はやはり筐体品質にあると思います。これだけのタフネスさを備えていて、しかもWindows搭載機であることを考慮すれば仕方ないと言えるのかもしれません。それと、指紋センサーとかデジタイザー、ステレオスピーカー、充実した入出力ポートなど、富士通らしく「全然簡略化していない」装備になっている、というのも大きいでしょう。

「10万円ならCore i5以上」と考える人も多いと思います。しかし、私はこの製品に関しては10万円を払う価値はあると思います。あとは、利用シーンでこの製品の特性(防水・防塵性能とか堅牢性とか)が必要と考えられるのであれば購入しても後悔はしないと思います。なんなら登山とかにも持っていけそうですしね。

6.関連リンク(富士通WEB MART)

arrows Tab QHシリーズ
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コメント

  1. 匿名 より:

    10インチ以下ならoffice無料なのに、あえて10.1インチというところが憎い!
    マイクロソフトへの忖度ですかそうですか

    • 匿名 より:

      Office Mobileの無料利用が可能なのは10.1inch以下ですよ。
      この製品はギリギリ対象の筈です。

  2. 匿名 より:

    ちょうどイオシスで祭りになってるやつの1世代前ですかね。

    頑丈でとてもよいとは思いますが,やはり厚みはタブレットとして考えると二度見しますね(笑

  3. 匿名 より:

    フォリオカバーの写真を見ると、指紋認証の穴の位置が合っていないように見えるのですが、フォリオカバーを着けた状態で指紋認証は正常に使用できますか?