HPが13.3インチモバイルノート「Pavilion 13」のニューモデルを発売しました。既存モデル「Pavilion 13-an」の後継機種ですが、単にCPUの世代が新しくなっただけでなく、筐体も一新され、価格もお手頃になりました。
1.スペック
Pavilion 13-bb |
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OS | Windows 10 Home |
CPU | Intel Core i3-1115G4 / Core i5-1135G7 |
外部GPU | なし |
RAM | 8GB |
ストレージ | 256GB / 512GB PCIe NVMe SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3インチ(1,920 × 1,080) |
ネットワーク | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
入出力 | USB 3.1 Gen2 Type-C、USB3.1 Gen1 × 2、HDMI、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(92万画素) |
バッテリー | 稼働時間8.5時間 |
サイズ | 304 × 205 × 16.9-20 mm |
重量 | 1.3 kg |
HPの製品ページには「もうスタンダードクラスとは言わせない」という記載がありましたが、HPのノートPCブランドでは「Spectre、ENVY」がプレミアム、Pavilionはスタンダード、という位置付けにはなっています。そのせいもあって、Pavilion 13にはCore i7の設定はありません。第11世代(Tiger Lake)のCore i3とCore i5を選べ、RAMは全モデル8GB、ストレージはCore i3モデルが256GB、Core i5モデルが512GBとなります。
ウインタブは日頃、一般的なビジネス利用ならCore i3で十分、ということを主張していますが、ちょっとPassmarkスコアを見てみましょう。これからPCを買い換える人が現在使っているであろう、第7世代、第8世代CPUと比較してみます。
第11世代(Tiger Lake)
・Core i5-1135G7:9,548
・Core i3-1115G4:6,436
第8世代(Whiskey Lake)
・Core i7-8565U:6,412
第7世代(Kaby Lake)
・Core i7-7500U::3,663
※12月21日現在のPassmark公表値。数値が大きいほうが高性能
こんな感じです。個人的にはPassmarkスコアのうちで古いデータの精度に少し疑問を感じていますが、無償でスコアを公開してくれていることには感謝しています。CPU性能は単一のベンチマークテストで完全に説明しきれるようなものではありませんが、とりあえずPassmarkのデータを見る限り、Kaby LakeとかWhiskey LakeのCoreプロセッサー搭載機からの買い替えであれば、Tiger LakeのCore i3でも十分かと思います。
また、Pavilionに搭載されているCore i3とCore i5は内蔵GPUが異なります。Core i3はIntel UHD Graphics、Core i5はIntel Iris Xeなので、グラフィック性能にはかなりの差があると思います。なので、Core i5を選択する価値も大きいですね。
ディスプレイは従来モデルから変更があります。13.3インチのFHD解像度、IPS液晶というのは変わりませんが、「タッチ対応ではなくなりました」。同時期に発売されたPavilion 14が全モデルタッチ対応していますので、Pavilion 14との差別化、という意図もあるのだろうと思います。
通信まわりではWi-Fi6には対応していません。Wi-Fi6対応のルーターが必要とは言え、この時期発売のCoreプロセッサー搭載機としてWi-Fi6に対応していないのは少し不満です。また入出力ポートは13.3インチノートとしては標準的な構成だと思います。
サイズは従来モデルよりも小さくなりました。特に奥行き(短辺)が小さくなっていて、その影響でベゼル(特に下部ベゼル)が細くなっています。ただし、厚みは少し大きくなり、重量も若干ですが重くなりました(従来モデルは1.26 kg、ニューモデルは1.3 kg)。
2.筐体
Pavilionシリーズの筐体はシンプルで美しいものです。従来モデルからサイズが絞り込まれ、ベゼルもさらに細くなりました。
天板です。Pavilion 13の筐体素材は天板とキーボード面がアルミ、と開示されています。天板のHPロゴはプレミアムタイプではなく、ひと目でHP製とわかる、おなじみのロゴになっています。
筐体色は従来モデルから変更されました。「ナチュラルシルバー」と「セラミックホワイト」から選べます。特にセラミックホワイトのほうは「AED(アニオン電着塗装)」が施され、とても感触がよく、指紋がつきにくい加工になっています。
キーボードの拡大画像がありませんでした。この画像は英語配列になっていますが、日本仕様は日本語配列のバックライトキーボード(キーピッチ約18.7×18.7mm、キーストローク約1.3mm)です。日本仕様のキー配列が不明なのですが、おそらく従来のHP製品と同様、ENTERキーの右に一列あるタイプと思われます。
側面と入出力ポートの配置です。オーソドックスで使いやすそうに見えますね。なお、Pavilion 13にはBang&Olufsenのデュアルスピーカーが搭載されています。
3.価格など
HP Pavilion 13-bbはHP Directplusで販売中で、12月21日現在の価格は59,000円(税込み64,900円)から、となっています。この価格はCore i3モデルのものですが、Core i5モデルの価格も69,000円(税込み75,900円)なので、内蔵GPUがIris Xeになり、ストレージ容量も2倍ということでCore i5モデルを選択してもいいのではないか、と思います。
ちなみに、先に紹介記事を掲載した14インチサイズのPavilion 14-dv、15.6インチのPavilion 15(eg, eh)とほぼ同一仕様・同価格です。ただし、Pavilion 13のみディスプレイがタッチ対応しません。
自宅で据え置きPCとして使うのがメインであれば15.6インチ、HPのいう「据え置き時々モバイル」なら14インチ、バリバリのモバイルPCとしてなら13.3インチがいいと思います。どのサイズも初めてPCを購入する人からPC上級者まで、使う人を選ばない素晴らしい製品だと思います。
また、今回のニューモデル群の価格設定は「HPは他社を潰しに来ているのか?」と感じるくらいに安いと思いますね。単に価格勝負なだけでなく、誰もが使いやすいプレーンなデザイン、それでいて高い質感と十分な性能を備えた製品、というのがすごいです。これからノートPCの購入をしようとしている人にとって「有力候補」になる製品だと思います。
4.関連リンク
HP Pavilion 13-bb 製品詳細:HP Directplus