
HPの法人向けノートPC「EliteBook X Flip G2i 14 AI PC」の実機レビューです。製品名にFlipとある通りコンバーチブル2-in-1 PCで、HPの法人向けノートPC最上位モデルという位置づけです。なお、HPの法人向けノートPCは個人顧客も問題なく購入ができますので、「個人向け、法人向け」ということはあまり意識する必要はありません。
このレビューは株式会社日本HPよりレビュー機の貸し出しを受け実施しています。
・搭載CPUのCore Ultra X7 358Hは超高性能
・デザイン・質感の高い筐体
・のぞき見防止効果の高いHP SureView 6
・Web会議用のツールが充実
ここはイマイチ
・モバイルノートとしてはやや重い
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目次
1. スペック表
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU | Intel Core Ultra X7 358H |
| RAM | 32GB (LPDDR5X, オンボード) |
| ストレージ | 1TB SSD (M.2, PCIe Gen 5 NVMe) |
| ディスプレイ | 14インチ (1,920×1,200)タッチ対応 |
| 無線通信 | Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0 ※法人のみ5G/LTE選択可 |
| インターフェース | USB Type-C (Thunderbolt 4)×2 USB Type-C (10Gbps, 映像/PD対応) USB Type-A (5Gbps)、HDMI 2.1 オーディオジャック、nanoSIMスロット※ ※nanoSIMスロットはeSIMモデルのみ |
| カメラ | Webカメラ(5MP)顔認証対応 |
| バッテリー | 56 Wh |
| サイズ | 312.7×219.90×17.2 (最薄部) mm ※突起部含まず |
| 重量 | 1.457 kg~ |
※5G/LTEモデルが設定されていて「5年間au回線データ通信無制限 」なのですが、「法人限定」です。
2. 外観
ACアダプター

ACアダプターは出力が65Wでかなりの小型サイズです。ケーブル込みの実測重量も158 gと軽量でした。このサイズ感は持ち運びには大きなメリットだと思います。
搭載CPU (Core Ultra X7 358H)の最大ターボパワーは80Wですが、このアダプターを使用して測定したベンチマークテスト ではスコアも良く、挙動も極めて安定していました (後述します)。
天板と底面

天板です。筐体素材は「剛性と軽量性に優れた マグネシウムボディ」で筐体色は「アトモスフィアブルー」という濃いブルーです。2-in-1筐体ということもあり、公称重量は1.457kg~とやや重いです。ちなみに実測値は1.379 kgと公称値よりも少し軽かったですね。

底面です。中央に通気口があります。ユーザーが簡単に筐体内部にアクセスできるメンテナンスハッチのようなものはありません。
側面

前面

背面
前面と背面です。ポート類やボタン類はありません。

右側面
右側面です。画像右にUSB4 Type-C (Thunderbolt 4)、USB 3.2 Gen 2 Type-A、セキュリティロックスロットがあります。中央にある半円状のものはペンガレージ (ペンホルダー)です。

付属のペンは「HP AES リチャージブルペン」といいます。4,096段階の筆圧に対応し、ガレージに収納しておけば自動的に充電されます。
このペン、一般的なボールペンや鉛筆よりも一回り細く、ちょっと頼りない印象がありましたが、描き味はよく、筆圧の効きや視差の小ささについても良好でした。

左側面
左側面です。画像左からHDMI、USB4 Type-C (Thunderbolt 4)、イヤホンジャックがあります。
ディスプレイ

ディスプレイは14インチでWUXGA (1,920×1,200)解像度です。発色はよく、手持ちのモニター (27インチIPS液晶、99%sRGBのもの)と比較しても全く見劣りしませんので、少なくとも100%sRGBクラスの色域を備えていると思われます。

左:SureView 6 OFF、右:SureView 6 ON
HP SureView 6という内蔵プライバシースクリーン機能を搭載しており、F7キーを押すと瞬時に視野角が狭くなり、のぞき見を防止します。
SureView起動時は正面から見ると少し暗く見える程度、角度をつけるとほとんど何も見えなくなりますので、のぞき見防止機能として秀逸です。ただし、画像左側を見ていただくとわかると思いますが、角度をつけてみた際にはSureView OFFの状態でも画面の端のほうがやや暗く見えてしまいます。普通に使っている分には全く問題がありませんでしたが、この点が気になる人もいるかもしれません。とはいえ、個人的には「メリットのほうが数段大きい」と感じました。
キーボード

キーボードは「日本語 HP Premium Keyboard (電源ボタン搭載) 、防滴機能付き、キーピッチ:18.4×19mm、キーストローク:1.3mm、JIS標準準拠・OADG準拠配列、バックライト機能付き」と開示されています。
キーとキーの間に隙間がない (あるいは小さい)構造でキーサイズは大きめです。タイピング音はかなり小さく、静音と言っていいレベル。押下圧 (キーの重さ)がやや大きめと感じましたがしっかりとした感触で長時間のテキスト入力も苦になりません。タッチパッドも大型で、タイピング中に掌が触れても誤動作しません。
2-in-1筐体

タブレットモード

テントモード

メディアモード
HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PCはコンバーチブル2-in-1筐体なので、タブレットモード、テントモード、メディアモード (スタンドモード)にして使うことができます。高品質なペン入力にも対応しているので、タブレットモードにすれば本格的なイラスト制作も可能です (この場合、ペンが細いのでお好みに合うAES方式のペンを用意するほうがいいかもしれません)。
また、テントモードやスタンドモードは (法人向けのビジネスPCではありますが)動画視聴やゲームなどの際に便利です。
カメラ/スピーカー/マイク
EliteBook X Flip G2i 14 AI PCにはカメラアプリ「Poly Camera Pro」が入っています。このアプリは「非常に優秀」です。この画像の中央はMagic Backgroundという機能を使って私の作業部屋を装飾したものですが、ご覧の通り非常に見栄えが良くなっています。また、背景だけでなく人物の画質修正や名刺 (プロフィールカード)の表示なども可能です。このアプリは一度使ったらやめられないと感じられるでしょう。

ノイズキャンセリングはHP設定アプリで行います。他社製品と同様、マイクのノイズキャンセリング機能は優秀で、見事に雑音 (周囲の騒音)を消してくれます。
底面前方に2つ、キーボード面左右に2つ、合計で4つのスピーカーを搭載しており、音質は非常に素晴らしいです。低音もしっかり効いていて、「音圧が強い」という印象で、ノートPC用のスピーカーとは思えないくらいです。HPの上位モデルは本当に音質が素晴らしいと思います。
セキュリティ

個人ユーザーであってもあえてHPの法人向けPCを購入する理由として、「強力なセキュリティ機能の実装」が挙げられます。この画像はHP Wolf Securityのものですが、OSがウィルスに感染し、まったく起動しなくなった場合でも、自動的にネットワークからPC稼働に必要なイメージをダウンロードし、正常な状態にリカバリする「HP Sure Recover」やBIOSが攻撃されても自己回復できる「HP Sure Start」などの機能もあり、非常に心強いです。
3. 性能テスト
ベンチマークテスト

ベンチマークテストの実施にあたり、レビュー機を付属のACアダプターで電源に接続し、Windowsの電源設定を「最適なパフォーマンス」に、HP設定アプリのパフォーマンスコントロールを「パフォーマンス」にしました。

表計算ソフトやビデオチャット、画像加工など、実際のビジネスシーンをシミュレートしたテスト、PCMarkのスコアです。ビジネス系のPCの性能測定で重視すべきベンチマークテストと言えます。ウインタブが最も重視しているテストです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 7 355:8,254
Core Ultra 9 185H:8,099
Ryzen AI 9 365:7,896
Ryzen AI 7 350:7,791
Ryzen AI 9 HX 370:7,511
Core Ultra 7 258V:7,527
Ryzen 7 8845HS:7,446
Ryzen 9 8945HS:7,110
Ryzen 9 PRO 6950H:6,987
Ryzen 7 8840U:6,949
Ryzen 7 PRO 6850H:6,858
Core Ultra 7 155H:6,849
Ryzen AI 5 340:6,767
Ryzen 5 8645HS:6,708
Core 7 150U:6,700
Core i9-13900H:6,542
Core Ultra 5 135H:6,485
Core Ultra 7 255U:6,404
Core Ultra 7 155U:6,392
Core Ultra 5 125U:6,376
Core i9-13900HK:6,344
Core Ultra 5 225U:6,334
Ryzen 5 7535U:6,021
外部GPUを搭載しないノートPCでは過去最高のスコア…、というかダントツですね。レビュー機が搭載するCore Ultra X7 358Hは16コア (4P+8E+4LPE)16スレッドでGPUにIntel Arc B390を内蔵するCore Ultraシリーズ3 (Panther Lake)の中でも非常に高性能な型番です。ウインタブでも初めてこの型番を搭載するノートPCをレビューしましたが、期待を上回る性能だと感じました。

グラフィック性能を測定する3DMarkのスコアです。
参考(過去データから一部抜粋):
Core Ultra 7 258V:4,397、8,611、35,677
Core Ultra 9 185H:4,143、8,223、31,710
Core Ultra 7 155H:3,924、8,338、24,476
Ryzen AI 9 365:3,895、8,885、34,303
Ryzen AI 9 HX 370:3,800、8,026、31,138
Core Ultra 5 135H:3,454、7,235、24,791
Core Ultra 5 125H:3,392、7,301、23,168
Ryzen 7 8845HS:3,330、7,908、29,873
Ryzen 9 8945HS:3,282、7,893、31,591
Ryzen AI 7 350:3,268、6,991、28,542
Core Ultra 7 355:3,224、6,391、29,902
Ryzen 7 8840U:2,943、7,206、27,471
Ryzen 5 8645HS:2,437、6,253、24,401
Core Ultra 7 255U:2,430、4,916、20,096
Core Ultra 5 225U:2,372、4,897、20,396
Core Ultra 7 155U:2,319、5,162、19,024
Ryzen AI 5 340:2,123、5,159、22,941
Core Ultra 5 125U:2,081、4,826、19,421
Core 7 150U:1,512、4,138、14,563
Core i5-1334U:1,386、3,672、13,157
※左からTime Spy、Fire Strike、Night Raidのスコア
3DMarkのスコアも「とても外部GPUを搭載しないノートPCとは思えない」くらいのスコアです。もっとも先日レビューしたMSI Katana 17 HX B14W (GeForce RTX 5060搭載)ではTime Spyで12,835というスコアが出ましたし、過去データでもRTX 4050搭載機でもTime Spyが1万点オーバーだったりしますので、さすがにGeForce RTXシリーズと互角、というわけにはいきません。しかし、このスコアであれば多くのPCゲームは動作すると思います (グラフィック設定を低くする必要があるゲームタイトルもあります)。
まあ、この製品はゲーミングPCではないので、ここまでのスコアが出るのなら大満足、というところでしょう。

CPU性能を測定するCINEBENCHです。ウインタブではまだCINEBENCH 2026のデータが少ないので、ここでは主にCINEBENCH 2024の過去データで比較をしてみます。
CINEBENCH 2024の過去データ (一部抜粋):
Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100:147、1,622
Core Ultra 9 275HX:132、2,094
Core Ultra X7 358H:124、881
Core i7-14700:122、1,177
Core Ultra 7 258V:121、676
Core i9-13900HK:117、827
Core i9-13900H:117、687
Core i7-14650HX:115、1,244
Core Ultra 7 355:115、552
Ryzen AI 9 HX 375:114、1,144
Ryzen AI 7 350:114、878
Core Ultra 9 185H:111、910
Ryzen AI 9 HX 370:110、942
Ryzen AI 9 365:109、1,008
Snapdragon X Elite:108、1,038
Snapdragon X Plus X1P-42-100:108、754
Core Ultra 7 155H:105、964
Core Ultra 7 155U:101、533
Core Ultra 7 255U:101、516
Core Ultra 5 225U:98、482
Core Ultra 5 125U:95、533
Core Ultra 5 125H:95、516
※左からシングルコア、マルチコアのスコア
CINEBENCH 2026のスコア
Snapdragon X2 Elite Extreme X2E-94-100:618、6,689
Core Ultra X7 358H:512、3,548
Core Ultra 7 355:469、2,190
※左からシングルスレッド、マルチスレッドのスコア
シングルコア (シングルスレッド)、マルチコア (マルチスレッド)とも非常に高いスコアです。

SSDの読み書き速度を測定するCrystalDiskMarkのスコアです。レビュー機のSSDはPCIe Gen 5規格で、非常に高いスコアが出ています。ビジネスPCとしてはオーバースペックとすら言えるかもしれません。
バッテリー駆動時間
Windowsの電源設定を「最適な電力効率」に、HP設定アプリのパフォーマンスコントロールを「SmartSense」かつ「移動時省電力モード」に、キーボードバックライトをONに (2段階の輝度のうち、暗いほう)に、ディスプレイ輝度を70%に、音量を30%にして、下記の作業をしてみました。
・ブラウザー上でYouTubeの動画・音楽視聴を約50分
・画像加工アプリGIMPで簡単な画像加工を約25分
・テキスト入力やペンのテスト、アプリダウンロードなどを約80分
上記トータルで約155分使用し、その間のバッテリー消費は32%でした。単純計算だと1時間当たり12.4%、バッテリー駆動時間は約8時間となります。ただし、利用シーンにおいて「アプリのダウンロード」「ペンのテスト」でややバッテリー消費量が大きくなったようで、この2つの操作を除いて計算した場合は1時間当たり約11%のバッテリー消費、バッテリー駆動時間は約9時間と計算されました。
CPU性能のわりに非常に良好なバッテリー持ちと評価できます。しかし、同世代 (Core Ultraシリーズ3)のCore Ultra 7 355が軽々と10時間オーバーのバッテリー駆動時間で、同じCore Ultra X7 358Hを搭載するDell XPS 14が約15時間と驚異的なバッテリー持ちになっていたのを思えば、やや物足りない結果とも言えます。ただ、XPS 14はバッテリー容量が70 Wh、EliteBook X Flip G2i 14 AI PCが56 Whと、かなり大きな差がありますので、駆動時間が短くなるのはある程度やむを得ないと言えるでしょう。
4. レビューまとめ
HP EliteBook X Flip G2i 14 AI PCはHP公式オンラインストアで販売中で、5月27日現在の価格は408,660円ですが、ウインタブ読者は後述するクーポン利用で4%OFFで購入できます。
レビューしていてちょっと残念だったのは筐体重量がやや重かった点くらいで、それ以外は非の打ち所がないPCです。筐体デザインと質感、CPU性能、キーボード、スピーカーと、仕事だけでなくプライベート用としても素晴らしい製品だと思いますし、強力なセキュリティ機能やディスプレイのプライバシーフィルター機能などは法人向けPCならではの優位点ですね。
製品価格は安くありませんが、仕事でもプライベートでも非常に快適に使えるメイン・ノートPCとしておすすめです。
5. 関連リンク
この製品はウインタブ読者クーポンにより、製品ページの価格から4%OFFで購入ができます。そのため、まずこちら
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ウインタブ専用リンク(クーポン)法人向けPC
にアクセスしていただき、この後こちらのボタンで製品ページにアクセスしてください。この手順でカート画面に「特別値引き」が表示されます。なお、5月27日現在、「5月度発売の新製品がまた割引適用されていない」との連絡がありましたので、クーポンがうまく適用できない場合は数日待ってからお試しください。
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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