こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。Microsoftがサンフランシスコで開催している開発者向けイベント「Build 2015」ではWindows 10関係の情報がいろいろと発表されています。でも、「開発者向けのイベント」ということなので、システム開発経験のない私にとって、開発環境うんぬん、という説明を見てもちょっとピンとこない、というのが正直なところで、知ったかぶりして何か書いても逆に恥ずかしい思いをすることになりそうです。
でも、ユーザーレベルで気になる話がいくつかありました。
目次
1.iOSやAndroidからのアプリ移植をMicrosoftが支援
具体的な開発環境の話はわからないのですが、この話は私達ユーザーにとって非常に大きなニュースだと思います。Windowsタブレット(現・Windows 8.1)とWindowsPhone(現・WindowsPhone 8.1)が抱える最大のウイークポイントが「アプリ不足」だからです。結局は開発者側がMicrosoftの思惑通り動いてくれるかどうかにかかっていますが、常識的に考えて開発者としてもアプリを販売するマーケットが大きいほうがありがたいわけですから、iOSやAndroidのアプリがどんどんWindows側に流れ込んでくるシナリオが期待できます。ただ、WindowsストアアプリやWindowsPhoneアプリをもっぱら開発していたような人にはちょっと気の毒な話かな、とも思いますけどね。
関連リンク:マイクロソフト、Windows 10で iOS / Androidアプリも動かす支援策を提供。Visual Studioでコンパイル:TechCrunch Japan
2.新ブラウザ「Edge」はChromeとFirefoxの拡張機能が使える
まだ詳細情報はないんですけど、「Project Spartan」あらため「Edge」はGoogle ChromeとFirefoxの拡張機能と高い互換性を持っていて、開発者は非常に簡単にこれらの拡張機能をEdge向けに改良できるそうです。もう何年もの間、Internet ExplorerからChromeへの民族大移動が続いていましたが、私の周辺では、最近Chromeが重くなりすぎて少しばかり不評になってきています。そんな中でのこの発表、Windows 10の標準ブラウザーとしてEdgeが一気にシェアを獲得する可能性も出てきたのかもしれません。
関連リンク1:Microsoftの新ブラウザ「Edge」はChrome・Firefoxの拡張機能をそっくりそのまま奪い取る驚愕の仕様であると判明:GIGAZINE
関連リンク2:Microsoft’s Edge browser can steal Chrome and Firefox extensions:THE VERGE(英語)
※GIGAZINE、タイトルそのまんまやん…
3.Continuumの全貌
そして、この記事の本題です。「Continuum」。私がこれまで理解していたContinuumの機能というのは、「タブレットや2 in 1を使っている時に、キーボードを接続すればデスクトップモードに、キーボードを外せばタブレットモードに自動的に切り替わる」でした。しかし、今回明らかになったのはそれをはるかに越える内容でした。私、2月にこんな記事を書きました。
Windowsタブレットでタッチ版Office(Office for Windows 10) Previewを試してみた
この記事ではWindows 10 Technical Preview専用のWindowsストア(ベータ)にユニバーサル化(PCでもスマホでも使える)されたExcel、Word、PowerPointのベータ版が登場して、実際試してみたら結構使いやすかったよ的なことを書いていたのですが、Microsoftの狙いはもう一枚、いや数枚、数十枚上手でした。
ユニバーサルアプリ版のOfficeをWindowsPhoneにインストールして、そのWindowsPhoneに外部ディスプレイ、キーボード、マウスを接続すれば、(VBAは使えないと思いますが)デスクトップ版のExcelとほぼ同じデザイン、同じ使い勝手になる、ということなんですね。
上の画像は、WindowsPhoneを外部ディスプレイに接続したところです。これを見ると、WindowsPhoneのスマホ画面がそのままスタートメニューとなり、PCと同じようなデスクトップも表示されています。Continuumは使用しているディスプレイのサイズを検知して、アプリを最適な見せかたで表示するんです。
上の画像もWindowsPhoneを外部ディスプレイに接続したときのExcelのスクリーンショットです。WindowsPhoneで表示するとスマホ用に「編集する気が起きないようなインターフェース(ごめんなさい)」なのに、例えば23インチのディスプレイをWindowsPhoneに接続したら「PC版と変わらないインターフェースに早変わり」というわけです。これがユニバーサルアプリの真髄なんでしょうし、それを設定作業なしで実現してくれるのがContinuumということです。
面白いのがこれ。画面奥のディスプレイにOutlookを表示させつつ電話してます。このようにWindowsPhoneでも複数のディスプレイを使うことが可能になっています。
ちょっとイメージしてみました。例えば学生さん。彼らはスマホの達人なんだろうと思いますが、帰宅してからそのスマホをテレビにつないでExcelやWordで課題に取り組む、なんてことができますから、PCはおろかタブレットもいらなくなるかもしれません。あとスティックPCも立ち位置が微妙になるのかも。もっと言うと、Windowsタブレットでモバイル版のWindows 10を選択する人が増えるかもしれませんね。
記事のタイトルに「世界制覇」なんて書いてしまいましたが、ベストシナリオとして「iOSとAndroidからアプリの移植が進み、ユニバーサルアプリとContinuumの活用が広く普及」となった場合、iOSとAndroidに押されっぱなしのWindowsPhoneが息を吹き返すという展開は十分ありうるのかもしれません。