DELLが13.4インチのモバイル2 in 1「XPS 13 2-in-1 (7390)」を国内で発売しました。この製品に関してはすでに概要と発売時期(8月中旬)が明らかになっていて、「存在することは知ってた」わけですが、日本発売が開始されたことにより、詳細な製品スペックも明らかになりました。あと、価格も…。私が知る限り、XPS 12 2-in-1は国内で最初のIce Lake(CPUの開発コードネーム)搭載機となります。
1.スペック
DELLはBTOメーカーではなく、注文時に細かく構成をカスタマイズすることはできませんが、OSはHome版とPro版を選択可能です。また、DELLらしく、英語版OSも選択できます。
CPUは第10世代、開発コードネーム「Ice Lake」のCore i3/Core i5/Core i7を搭載します。Ice Lakeの性能に関しては現状具体的なことは言えませんが、当然従来のモバイルCPU(Whiskey LakeやKaby Lake R」よりは性能向上しているものと思われます。というか、早く試してみたい、と読者の誰もが思っていることでしょう。私もです…。
RAMは最低で8GB、最大で32GB、ストレージは256GBから1TBのSSDとなりますが、選択するCPUによって容量に制約があります。
Core i3:RAM8GB/ストレージ256GBのみ
Core i5:RAM8GB/ストレージ256GBのみ
Core i7:RAM16GB・32GB/ストレージ512GB・1TB
ベースグレードを見ると、Core i3モデルとCore i5モデルは製品版Officeの付属有無だけが選択でき、RAMとストレージ容量は選べません。逆にCore i7モデルは好むと好まざるとにかかわらずRAMは16GB以上、ストレージも512GB以上となります。
ディスプレイは13.4インチで1,920 × 1,200が標準、4K(3,840 × 2,400)も選択可能です。なお、4KディスプレイはCore i7モデルしか設定がありません。新しいXPS 13 2-in-1の大きな特徴として、ディスプレイのアスペクト比が一般的なノートPCの16:9ではなく、WindowsやAndroidのタブレットでよく採用される16:10になっていることが挙げられます。
また、コンバーチブル2 in 1筐体なので、全モデルタッチ対応ディスプレイで、どちらの解像度を選んでも500nitと、非常に明るいものになっています。さらに、この製品は「Dell プレミアム アクティブ ペン」に対応(別売りです)し、4,096段階の筆圧と傾き検知に対応します。
Wi-Fiの仕様も最新で、Wi-Fi 6(ax)も使えますね。しかし、別の製品の紹介記事でも書いたんですけど、世の中的には対応する通信環境がまだ十分ではないような気もします。それと、無線のチップはKiller Wireless AX1650と、高品質なものが搭載されます。
入出力ポートは厳しいですね。2つのUSB Type-CはいずれもThunderbolt 3なので、規格としては新しく、高水準ではありますが、いかんせんポートの絶対数が少ないと思いますし、Type-Cのうちの一つは給電/充電ポートも兼ねますので、ビジネスで利用する際はハブがないと心配になりそうです。
サイズについて、XPS 13のクラムシェルと比較してみましょう。
XPS 13 2-in-1: 296.4 x 207.4 x 6.94-13.1 mm / 1.33 kg
XPS 13: 302 x 199 x 7.8-11.6 mm / 1.23 kg
XPS 13(クラムシェル)は13.3インチとしては世界最小なのですが、2 in 1のほう、横幅がさらに小さくなっています。一方で奥行きは大きいですね。これ、ディスプレイのアスペクト比の影響をモロに受けていると思います。クラムシェルにせよ2 in 1にせよ、ギリギリまでベゼルを細くしていますので、ディスプレイの形状が変わってしまうと、それがもろにサイズの違いになって現れてしまう、ということでしょう。
あと、重量ですが…、期待の製品だけに、ちょっと重いかもしれん…、というのが正直な感想です。
2.筐体
「XPSなので」非常にベゼルが細く、美しいデザインになっています。他社製品とは異なり、左右だけでなく上部ベゼルも細いのが特徴と言えます。また、カメラは新設計の薄型のものになっていますので、(これだけ細いベゼルなのに)上部ベゼルに配置されます。
キーボードです。この製品は天板色が「プラチナシルバー」のみですが、内装(キーボード面)色は「アークティックホワイト」と「ブラック」が選べ、アークティックホワイトはグラスファイバー製、ブラックはカーボンファイバー製となります。
キーボードの形式は、XPS 15 2-in-1から採用されたMagLev(磁気浮遊式)というもので、浅いキーストロークながら確実な打鍵感が得られます。また、キーピッチは上下左右とも19.05 mmと余裕があります。もちろんバックライトも付属します。
それと、この製品はキーボードの配列を日本語のほか英語にすることもできます。でも、ちょっと残念なんですけど、日本語配列のキーボードでは内装色はブラックのみになってしまいます。
筐体は「アルミ削り出し」で、エッジ部分にはダイヤモンドカット加工も施されます。XPSシリーズの筐体品質とか筐体の質感は抜群です。
コンバーチブル2 in 1筐体なので、タブレットモード(この画像)やテントモードなどに変形しての利用も可能です。特にXPS 13 2-in-1の場合、別売りのスタイラスペンの性能が非常に高いようなので、タブレットモードでのイラストやマンガの制作は快適だと思います。
側面と入出力ポートの配置です。「1.Thunderbolt 3、2.オーディオジャック、3.Thunderbolt 3、4.microSDカード リーダー」です。うーん、やっぱこの部分だけはネックになるかも…。
3.価格など
DELL XPS 13 2-in-1 (7390)はDELL公式サイトで販売中で、8月21日現在の価格は124,483円(税込み134,441円)から、となっています。なお、この価格はセール価格です。
一言でいうと「プレミアムなモバイル2 in 1」だと思います。ということはHPのプレミアムPC「Spectre」「ENVY」の2 in 1がライバルということになるでしょう。価格帯から見て特にSpectre x360 13が競合しそうです。
XPS 13 2-in-1はCPUがIce Lakeであるという点に大きなアドバンテージがありますよね!というか、他社ではまだIce Lake搭載機がない状態なので、これだけを理由に購入する人もいるかも知れません。でも、XPSシリーズというのはDELLのトップブランドなので、CPUの型番だけでなく、筐体の質感なども素晴らしいです。「持っていて誇らしくなる」ような製品だと思います。
コメント
こんにちは!
いつも拝見してます。
>4,096段階の筆圧と傾き検知に対応します。
とありますが、傾き検知を試されました?
方法をご存じでしたら教えて頂けませんか?
Dellサポートも検知確認できずに不明ですとのことでした。
よろしくお願いします。
こんにちは、すみません、試していません。旧N-trigだと思うのでペンに依存しますね。記事の方は注記を入れます。ご迷惑をおかけしすみませんでした。
いえいえ。
Dellさんに聞いても営業さんも技術さんも、仕様がはっきり分からないところが多いようです。最新すぎですね。
ペンは手持ちの一本のN-trig認識せず、PN579XのAES/N-trig両方とも認識というわけのわからない状態です。
ドライバーが間に合ってないのかな?
お手数おかけしました。
傾き認識出来てました。
Windows10のスケッチだと鉛筆に切り替えないと傾き認識しないんですね……
ClipStudioPaintでも筆ペンでいい感じに動作OKです。
どうやらAESで動いているのかな?
結構前に解決してたのですがご報告遅れました。
これからも良い記事お願いします!