レノボがIdeaPadシリーズのCopilot+ PC「IdeaPad Slim 5x Gen 9」「IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9」を発売しました。IdeaPadシリーズは高いコストパフォーマンスが魅力の製品ブランド、Copilot+ PCは高いAI処理能力を備えた高性能マシン、ということで、一見「コンセプトが合わない…」ように感じられましたが、さすがレノボ、高いコストパフォーマンスとCopilot+ PCの要件の両方を満たす製品を作り上げました。
1.製品概要
スペック表
IdeaPad Slim 5x Gen 9 IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9 |
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OS | Windows 11 Home |
CPU | Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
外部GPU | なし |
RAM | 16GB(LPDDR5X-8448MHz, オンボード) |
ストレージ | 512GB/1TB SSD(M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | Slim 5x:14インチIPS(1,920 x 1,200) 5x 2-in-1:14インチOLED(1,920 x 1,200)タッチ |
ネットワーク | Wi-Fi 7 (be/ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.3 |
入出力 | USB3.2 Gen2 Type-C(映像出力、PD対応)× 2、USB3.2 Gen1 Type-A × 2、HDMI、オーディオジャック、microSDカードリーダー |
カメラ | Webカメラ(1080p) |
バッテリー | Slim 5x:57Whr(動画再生 約13.9 時間) 5x 2-in-1:57Whr(動画再生 約14.1 時間) |
サイズ | Slim 5x:312x221x16.9mm(最薄部) 5x 2-in-1:313x227x17.5mm(最薄部) |
重量 | Slim 5x:1.48 kg/5x 2-in-1:1.5 kg |
バリエーションモデル
Slim 5x
・16GB/512GB
5x 2-in-1
・16GB/512GB
・16GB/1TB
コメント
IdeaPad Slim 5x Gen 9はクラムシェルノート(普通のノートパソコン)、IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9はコンバーチブル2 in 1ですが、基本的なスペックはよく似ています。
搭載するCPUはSnapdragon X Plus X1P-42-100です。Snapdragon Xには「Elite」と「Plus」があり、Eliteが上位型番、Plusが下位型番です。両者の違いはCPUコア数(Eliteは12、Plusは10もしくは8コア、X1P-42-100は8コア)とGPUのFLOPS値(Eliteは3.8-4.6TFLOPS、Plus X1P-42-100は1.7TFLOPS)ですが、NPU性能は両者同じ(最大45TOPS)です。
RAMは全モデル16GBでSSDはSlim 5xが512GBのみ、5x 2-in-1が512GBと1TBを選べます。
ディスプレイの仕様は両者「かなり」違います。14インチで解像度1,920 × 1,200というのは同じながら、Slim 5xはパネルがIPS液晶、100%sRGBの発色品質、輝度300nit、リフレッシュレート60Hzで、5x 2-in-1はパネルが有機EL、HDR500・100%DCI-P3の発色品質、輝度400nit、リフレッシュレート60Hzでタッチ対応、ペン入力も可能でLenovoデジタル・ペンも付属します。どちらも素晴らしい品質ですが個人的には5x 2-in-1が特に魅力的と感じられます。
筐体はよく似ていて、強いて言えばこのアングルで違いがわかりやすいです。ヒンジ部分の形状が違っていますよね。筐体色は5x 2-in-1がルナグレー、Slim 5xがクラウドグレーで、クラウドグレーのほうがちょっと淡い色です。5x 2-in-1は「金属製でMIL-STD 810H準拠」と明記されていますが、Slim 5xのほうは「軍用グレードの耐久性」という説明があるのみでした。
キーボードの仕様は共通です。日本仕様は「84キー(Fnキー+Windowsキー+Copilotキーを含む)、JIS配列、バックライト・キーボード」と開示されており、両サイドにスピーカーが配置されています。この位置にスピーカーがあると音質がいいことが多いです。
側面と入出力ポートの配置です。若干ポート位置が異なりますが、ポートの数と規格は同じです。USB4ポートは搭載していません。
2.価格など
Lenovo IdeaPad Slim 5x Gen 9 / IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9はレノボ直販サイトで販売中で、9月8日現在の価格はSlim 5xが129,800円、5x 2-in-1の512GBモデルが119,790円、1TBモデルが129,580円です。また、Slim 5xのみポイント10倍(11,800円相当)です。ここまで記事を書いてきて、この価格ならどう考えても2-in-1のほうがお買い得なんじゃないか、と(ディスプレイがタッチ対応の有機ELになりますし、ペンも付属するので…)。
この製品は「Snapdragon搭載のCopilot+ PC」としてはダントツに安いです。一方でIntelのLunar LakeやAMDのRyzen AI 300シリーズを搭載する製品は「ARM CPU(ARM版Windows)ではなく、アプリの互換性も心配いらないCopilot+ PC」なので、Snapdragon搭載機よりも安心感が大きい、というのはありますよね。華々しいデビューを飾ったSnapdragon X搭載機、パフォーマンスが非常に高いのは間違いありませんが、ベテランWindowsユーザーにとってはやはりx64のCPUのほうがいい、と感じられるかもしれません。ただ、ここまで安いCopilot+ PCというのは素晴らしいですよね!
関連リンク
IdeaPad Slim 5x Gen 9:Lenovo
IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9:Lenovo
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。
コメント
記事の中で「XPlusは10コア」と書かれてますが、この2機種はXPlusの中でも最廉価の8コア版だったと思います..
失礼しました。修正しました。