こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。実はひそかに「TV BOX」にも力を入れたいと思っております。スティックPCやミニPCも同様です。そう思っていたところ、中国の通販サイト「Everbuying」に最新のAndroid TV BOX「YOKA KB 2」をご提供いただきましたので、実機レビューをします。Everbuyingにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。
1.スペック
OS: Android 6.0
CPU: Amlogic S912(オクタコア)
RAM: 2GB
ストレージ: 32GB
ディスプレイ: なし
ネットワーク: 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.0
カメラ: なし
入出力: USB 2.0 × 2、HDMI、microSDスロット、LAN(RJ45)、DC-IN、オーディオ、SPDIF
サイズ: 130 x 109 x 24 mm / 206 g
最初にスペック表を確認します。この製品は中国のAndroid機としてはほぼ最新と言っていいスペックになっています。OSは最新ではなくなりましたが中国製品としてはごく新しいAndroid 6.0、CPUはグラフィック処理に強く、中国のTV BOXではデファクトともいえる位置づけのAmlogicで、最新のS912が搭載されています。RAMは2GB、ストレージは32GBと、これまたTV BOXとしてはごく上位の構成です。
ネットワークも5GHz帯に対応する上、日本でも安心して使える有線LAN対応です。比較的低価格(100ドル未満)で購入できるAndroidのTV BOXとしてはトップレベルのスペックだと言っていいでしょう。
2.筺体
同梱物です。本体のほか、TV BOXという製品特性上、立派なリモコンが付属します。それ以外にHDMIケーブル、ACアダプター、英語表記(つまり、役に立ちます)の取扱説明書、そして、この画像には写っていませんが、本体に接続するアンテナがついていました。
筺体についている「YOKA TV」というロゴを基準にして、この面を「上面」としますw 上面にはたくさんのポート類があり、画像左から有線LAN(RJ45)、SPDIF、AV端子、HDMI、DC-INです。SPDIFは対応するオーディオ機器があれば接続して使うことができますね。AV端子は使っているテレビにHDMIがついていない場合に使う、昔からあるアレです。
筺体素材はあまり自信ありませんが、多分アルミ合金、もしくはプラスティックですが、よくわからないくらいに質感はいいです。安物感はないですね。
続いて左側面です。この面にはUSBポート × 2とmicroSDスロットがあります。
下面です。この面にはLEDインジケーターがあり、電源オンのときにはブルー、スタンバイ状態のときにはレッドに光ります。インジケーターの横、筺体右側にあるのは電源ボタンです。
右側面はアンテナ端子のみです。この画像はアンテナを取り外した状態で撮影しています。
底面です。この面はおそらく金属製ですね。通気口があります。筺体を開口することは想定していないらしく、ネジらしきものはありません。おそらく四隅のゴム足を剥がせば出てくるような気がしますが、そういう作りになっていない、つまりゴム足を外してしまうともとに戻せないようなので、試していません。
アンテナをつけるとこんな感じです。
アンテナはプラスティック製(内部は金属が入っていると思いますけど)で、接続部は金属製のナットがついており、機材を使わず手で調節することができます。
スタンバイ時にはロゴとLEDインジケーターがレッドに、電源オン時にはブルーに光ります。わりといい感じっす。
リモコンは非常に立派です。単3乾電池2本(同梱されていません)が必要ですが、ご覧の通りボタンの数が非常に多く、取扱説明書にある程度詳しい解説が記載されているものの、フルに使いこなすのは大変そうです。また、独自UI上での操作はある程度快適にできますが、使い始めはマウスとキーボードを使ったほうがストレスがたまりません。
3.設定など
電源を入れるとゲーム専用機のようなオープニングムービーが流れ、上の画像(メニュー画面)が起動します。パソコン製品でオープニングムービー(サウンド付き)が流れるのは初めての経験なので、ちょっと面食らいました。
TV BOXの多くがそうであるように、この製品も独自UIが採用されています。画像の右下にあるのはブラウザーを起動するアイコンですが、なつかしのインターネットエクスプローラーのロゴが使われています。Android機なんだから、それってどうなのよ?と笑ってしまいました。
とりあえず初期設定の言語は英語なので、上の画像の「SETTINGS」を選択して、「Language」から日本語を選びます。この作業はリモコンでも可能です。
日本語化できてしまえばあとは全然難しくないです。設定メニューはかなり親切にできていて、初期設定は簡単にできます。
私は例によってマウスとキーボードを接続して作業したのですが、ひとつ困ったことが…。マウスが「画面の左上、全体の4分の1」の範囲でしか動かせないんです。いろいろ試行錯誤した結果、設定メニューにある「Screen Position」のところで「Zoom out Scereen」に切り替えたら何事もなかったかのうようにマウスが画面全体を動けるようになりました。
設定メニューの「詳細設定」からおなじみのAndroidの設定メニューを開くこともできます。これでいざという時安心、ということではありますが、独自UIだけでも十分使い勝手はいいと思います。
4.使ってみた
まずは本来のTV BOXらしく、テレビにつないで動画を観る、ということをやってみます。
ご存知の人も多いと思いますが、Google Playには日本のテレビ局が独自の視聴アプリを用意してくれています。東京だけでなく大阪のテレビ局などもありますね。多くの場合、放送から1週間以内の番組を無料で視聴できるしくみになっています。テレビ局によってUIは若干異なりますし、使いやすいとか使いにくいというのもあるのですが、これらのアプリはTV BOXにインストールしておくべきでしょう。
Google Playでテレビ局のアプリをダウンロードしたら、それをスタート画面に登録することができます。赤枠で囲んだ「Add App」のところを選択してアプリを選ぶだけです。
読売テレビのアプリを見ていたら、こんなのがあり、関西以外に住んでる人は面白いんじゃないか、と思います。個人的に関西のセンスというのが大好きで、今から15年くらい前、多分関西限定だと思うのですが、
こんなCMを観てしまい、相当な期間が経過したにも関わらず、強烈に記憶に残ってまして、以来このノリをリスペクトしています。映像も強烈ですが、フリーダイヤルの語呂合わせもすごいですよね。
すいません、脱線しました。Google PlayにあるAndroidアプリなので、スマホやタブレットでも同じことはできるのですが、家庭用のテレビで、普通にリモコンを使う感覚で地上波テレビをオンデマンドで視聴できる、というのはTV BOXのいいところだと思います。
あと、TV BOXを使う上でさけて通れないのが「KODI」の使いこなしです。KODIというのは単体ではローカルストレージに保存した動画を視聴するアプリであり、同じネットワーク上(自宅にある他のPCなど)にある動画すべてを一元管理できるメディアサーバーとしても使えます。
また、アドオンとして海外のインターネットテレビ局を視聴する機能もあります(ただし、日本からはうまく視聴できないものが多いです)。私はそもそもストレージ内に動画をほとんどストックしておらず、ホームネットワークを試す機会もなかったのですが、自宅で無線LANなどを使っている人は、手持ちのすべての動画をKODIで視聴できるので、非常に便利だと思います。もちろん身ぎれいにしておかないと恥ずかしい思いをする可能性もありますけどねw
KODIの概要について、こちらのサイトが分かりやすかったので、興味のある人は見てください。
サーバーソフトKodiの使い方:LANHOME
せっかくのAndroidですから、動画系以外のアプリも、ということでひとつだけ試してみました。
「Asphalt 8」っすね。少し遊んでみた限り、挙動がおかしくなったりはせず、グラフィックが省略されることも少なかったように思います。ただ、私Android用のゲームコントローラーを持っていないので、キーボード操作となり、それがちょっと不満でした…
5.性能テスト
Android機なので、AntutuとGeekBenchをやってみました。ただし、GeekBenchのほうはこれまで使っていた「3」ではなく「4」になってしまったので、これまでのテスト結果と整合性が取れていない可能性があります。
参考
BungBungame KALOS 2(Samsung Exynos 7420): 88,439
Chuwi Vi 10 Plus(Remix OS、Atom X5-Z8300): 64,259
Chuwi HiBook(Atom X5-Z8300): 56,728
Cube iWork 8 Air(Atom x5-Z8300): 55,918
Onda V80 Plus(Atom x5-Z8300): 55,473
GOLE 1(Atom x5-Z8300): 55,436
Teclast X89 Kindow(Atom Z3735F): 47,495
Teclast X10(MediaTek MT8392): 31,561
Cube T8 Super Version(MediaTek MTK8735P):23,925
Antutuの結果を見る限り、Amlogic S912の性能はAtomには及ばない、ということが言えます。しかしMediaTek系のCPUよりは高性能ですね。実際ある程度動きの激しいゲームなどをやると上位CPUとの差を感じる可能性はあると思います(Asphalt 8は問題ないと思いましたが)。
参考
BungBungame KALOS 2(Samsung Exynos 7420):1,530、5,386
Chuwi Vi 10 Plus(Remix OS、Atom X5-Z8300): 772、2,226
Cube iWork 8 Air(Atom x5-Z8300): 745、2,136
GOLE 1(Atom x5-Z8300): 738、2,123
Onda V80 Plus(Atom x5-Z8300): 717、2092
H96 Plus(Amlogic S905): 554、1603
次にGeekBench 4です。参考として掲載している他機種のスコアはGeekBench 3のものなのでスコア体系が変わっている可能性があり、まともな比較ができない可能性があります。一応スコアに整合性があるものと仮定すれば、マルチコアの処理能力がかなり高い、ということはできますね。
6.まとめ
YOKA KB2は中国の通販サイト「Everbuying」で販売中で、価格は72.36ドル(約7,350円)です。この製品はOSも新しく、RAM、ストレージ容量とも余裕がありますので、純粋にAndoroid機としてOfficeアプリなどを使ったデスクトップマシンとして使うことも可能です。ただ、今回はエンタメ系の用途に特化して、特にテレビに繋いでどのくらい楽しめるか、ということを試してみました。YOKA KB2がTV BOXとして比較的高いスペックであり、独自UIもよくできているというのもありますが、Google Playに各テレビ局がアプリを用意していたり、KODIのような有力なソフトウェアがあったりと、利用環境もどんどん整ってきていると思いました。
そろそろテレビに接続するためのPC、というのを検討し始めてもいい時期に来ているかもしれません。YOKA KB2というのはそのための有力候補になるかな、と思います。一家に一台あってもいいでしょうね、価格も手頃ですし。
7.関連リンク
YOKA KB2 Android TV Box:Everbuying
※この記事のレビュー機はEverbuyingの提供品です
コメント
脱線部分へのコメントで恐縮ですが、CM、強烈すぎて、言葉を失いました
あと、twitterにあったよしもと新喜劇もいいですね
ポチっとなさん、こんにちは、コメントありがとうございます。多分、このCMを観てしまったら、15年は忘れないと思います。私がそうでしたから…
6の所でKODI KB2になってますよw
NASに動画入れてる人はこういうTV BOXとKODI使ってTVで見るのは本当に便利ですよね。私はFire TVでやってますけど家中どこでも見れるし。
こんにちは、コメントありがとうございます。ご指摘に基づき記事を修正しました。なんかね、記事書いていて「YOKA」と「KODI」がごっちゃになっちゃうんですよ。なんか似てません?
PCで構成していたメディア再生専用機が壊れたためTVBOX(MXIII-G)を初めて購入してみましたが・・・問題点が結構あります.動画の再生はKodi一択といった感じで再生や動作速度は及第点だと思いますがかなり使い難い部分がありますね.まずリモコンです.
こちらの製品は問題ないですが多くのTVBOXはなんと付属リモコンに再生停止早送り早戻しボタンがありません.一々OKボタンを押してメニューを出さなければなりません.キーボードを使わなければならない事も多くあるのでキーボード付きリモコンとフライマウスが一体になった製品を別に買う人が多いようです.
一応早送り巻き戻しは方向ボタン左右で出来なくはないですが通常の家電プレイヤーと異なる操作になります.
次に設定や操作に関しての説明が一切なく少なくともAndroidの仕組みを理解している必要があります.更に少ないとは思いますがコンポジットで使いたい場合初期状態でPALに設定されているためPAL表示可能なモニター,またはHDMI接続できるモニターが必要です.またケーブルに関しても日本で売っている4極ケーブルは使えません.
中華タブでも同様ですがヘッドフォン端子もリモコン付き4極ケーブルは使えず通常の3極ケーブルヘッドフォンやイヤフォンが必要です.4極でも一応鳴ると言えば鳴りますが,内部ショート状態なのでノイズが酷いとか音が極端に小さいと言った事が起こります.
GUIや操作性も良いとはいえないですね.キーボードがなければPageUp,PageDownが使えないのでファイル選択に時間がかかる上,ファイル選択時の方向キーリピート操作が不確実で引っかかったり音は2回出てるのに1段しか動かない等Androidの入力の弱さがモロに出ています.Androidは基本的にタッチ操作しか考慮されていないため物理キーボードやパッドなどでは反応が悪いとか遅いとか入力しっぱなしで滑るとかそういったことがよく起こります.
映像面でもかなり画質が悪く映像自体はシャープであるものの酷く暗いですし色も悪い.
何故1.5-3万ほどする上位製品TVBOXはWindowsマシンなのかよく分かる結果です.製品レビューでもWinTVBOXがエントリーしている場合大抵は上位に来ますがそりゃそうだろうという.
安価な製品は\2000代からあり高くても\7-8000ですので多くは望めませんが再生機としての基本部分がまともとはいい難いので余りオススメできるとはいえないですね.特に何を置いても画質が低いというのは致命的です.これでは4Kが再生できても意味がないですね.プラグインも出来が悪いです.Youtubeの動画を再生するだけでも一々マウス操作が必要でかなりの手間を要します.リモコンでの再生操作も出来ませんし.と言うより殆どの利用シーンでマウスが必須です.
KODIの名誉のために言っておきたいのですがこれらは全て製品側の問題です.KODIはマルチプラットフォームな高性能メディアセンターです.Android以外で使う場合ほぼ不満がないと思います.WindowsであればMediaPortalと言うメディアセンターが最も使い勝手がよくカスタマイズにも優れていると思います.
最後にAndroid TVBOXのターゲットになり得るのは・・・画質なんて気にしない映りさえすればOK,Youtubeはたまにしか見ない,Androidのタッチ操作以外のゲームは良く遊ぶと言う人向けかと思います.製品の性格からしてちょっとあり得ない感じです.
ゲームも物理入力が弱いためごく軽いものに限られます.
流石は中国製品と言ったものですね.
くまねこさん、こんにちは、コメントありがとうございます。大変お詳しいんですね。私はYOKAの品質に十分満足してしまってるんですが、そもそもKODIも使いこなせていません。この先にTV BOXはもう少し力を入れて紹介していきたいと思うので、KODIにせよ、Android用のゲームパッドにせよ、少し用意しておこうと思います。TV BOXは低価格なものが多いので、どのくらいのレベルで妥協するか、ということになってくると思います。
AndroidのTV BOXの購入を検討していて日本語のレビューサイトを見ていてこちらにたどり着きました。
こちらの商品はhuluも見れますでしょうか?
どうも対応していないデバイスが多いようなので気になってます。
つくわたさん、こんにちは、コメントありがとうございます。私はHuluを使っていないので、明日にでも試してみます。
はじめまして
MINIX NEO X5・X7 RemixMINIに引き続きこの製品(Yoka Kb2)を購入しました。
MINIXと比べると起動・終了時間が早く、反応も良く良い感じです。
質問なのですが、下記の件でご返答頂ければと思います。宜しくお願い致します。
①製品のシステムのUpdateの方法が良く分かりません。(OTA UPDATE Local UPDATEなど)
②radikoをインストールしたのですが、googleMapでは位置情報を正確に把握していますが、radiko起動画面で位置情報を検索中と出て15秒程でradikoが強制終了します。
アンドロイドTVBOX 4台目さん、こんにちは、コメントありがとうございます。すみません、個別アプリ等のお問合わせは対応が難しいです。あと、OTAがあるとしたら、OTAなのでw プッシュで通知してくれると思います。