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Vento Conductor VC T-500PROの実機レビュー - 高音域がきらびやかで印象的なダイナミック1基のエントリークラスイヤホン!

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こんにちは、ゆないとです。今回は「VentoConductor VC T-500 PRO」という製品の実機レビューをお届けします。この製品は、中国の深センに2019年に設立されたばかりの新しいメーカー「ダルマオーディオ」の製品です。クラウドファンディングで「T-800」というモデルが最初に販売されましたが、T-500 PROはVentoConductorシリーズの中でもエントリークラスに位置していて、ダルマオーディオの音を比較的手頃な価格で楽しむことができるモデルです。

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数日使用してみましたが、楽器やボーカルの分離感が非常に心地良くて驚いたのが第一印象で、普段自分では選ばないような音質で新鮮な気持ちで楽しむことができました。迫力よりも高音域の表現力が強いイヤホンのため好き嫌いが分かれるとは思いますが、落ち着いて1つ1つの楽器やボーカルを楽しみたい場合におすすめできるイヤホンだと思いますので、詳しく見ていきましょう。

なお、レビュー機はHiFiGoよりサンプル提供していただきました。この場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。

1.Vento Conductor VC T-500PRO スペック

スペック

■ドライバーユニット: φ8.6mmダイナミックドライバー
■インピーダンス: 16Ω
■周波数特性: 20Hz ~ 20kHz
■出力音圧レベル: 100dB
■材質: 合金(リア)、銅(フロント、ノズル)
■コネクタ形状: 2pinタイプ
■重さ: 11g(片側・本体のみ)

スペックについて

上位モデルT-800では、ダイナミック型1基、knowles社製バランスド・アーマチュア型2基(一組なのか1基ずつか不明)のハイブリッドタイプの構成でしたが、このT-500 PROではダイナミック型1基という構成です。材質は最近話題の”ベリリウム”に迫る音質を持つ自社開発の素材を用いたものになっています。

明確にどのような素材なのかは公開されていませんが、似た音質を得られるのかもしれません。ベリリウムを振動板にするには加工が難しいこと、歩留まりが低いことなどのハードルがあり、採用されるのも高級機か一部の中華製イヤホンだけでしたが、それに迫る音質ということであれば期待ができますね。

インピーダンスは16Ω、出力音圧レベルも一般的なものなので、機種を選ばず使うことができると思います。材質は金属製で強度に期待ができます。コネクタ形状は2pinタイプでリケーブルもできるようになっています。ケーブルはAmazonでも5,000円前後でたくさん販売されているため、わりと気軽に音質変化を楽しむことができます。付属品として3.5mmジャックのケーブルが同梱されています。

2.VentoConductor T-500 PRO 外観

取り扱い説明書
取り扱い説明書には付属内容やスペックなどが記載されている他に、2pinタイプのケーブルについて注意が記載されています。

ポーチ
専用のポーチが付属しています。毛羽立った表面で気持ち良い触り心地です。

ケーブルとイヤピ
ポーチの中には2pinタイプのケーブルとイヤホンに装着済みのイヤーピースのスペアが入っています。なお初期装着されているイヤーピースはMサイズです。

イヤピ2種
装着済みのイヤーピースとは別の種類のシリコン製イヤーピースが2種類も付属しています。装着済みのイヤーピースよりも若干柔らかめであること、軸部分が薄くなっているという違いがあります。

フェイスプレート部分
本体です。カスタムIEMのフェイスプレートなどでよくあるデザインの1つの螺鈿細工のような見た目のフェイスプレートになっています。中央にはVentoConductorというシリーズ名の頭文字を取ったロゴがゴールドで印字されています。フェイスプレートは艶感のあるデザインで高級感があります。

シェル部分
シェル部分です。この部分の色はブラックで、フェイスプレートのブルーとの組み合わせがとてもキレイです。マットな仕上げで皮脂などが目立ちにくくなっています。イヤーピースを付けるノズル部分は金色です。ノズルは手持ちのユニバーサルイヤホンと比べると太めで、耳の穴が小さい私にとってはイヤーピース選びに苦戦しそうです。

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コネクタ部分
ダイナミックドライバーなので、側面にベント(空気穴)が空いています。コネクタがこの部分に配置されていて、2pinタイプであることがわかります。こちら側には左右を判別するため「L/R」が印字されています。

ケーブル
ケーブルはくすんだ銅色という感じで、派手さは抑えられているものの黒色や白色などのケーブルよりは目立ちます。2pinコネクタに近いところにはイヤーガイド(イヤーフック)が備わっているので、耳に沿って軽くフィットするようにできています。3.5mmのプラグの方はL字プラグになっているので、ジャック部分への負担が少なく済みそうですね。

3.Vento Conductor VC T-500PRO 音質

全体の印象

今回、元から装着していたイヤーピースではどのサイズでも耳にフィットしなかったため、ケースに収納されていた軸がより細い方のイヤーピースに変更しています。

率直な印象は、低域がやや抑えられ、高音域がキラキラな「ドンシャリ」サウンドです。アニソンやオーケストラのような金管楽器がある音源が気持ち良く聞こえます。特にハイハットの“チッ”や”シャーン”はとても心地良いです。高音域好きの自分にとっては非常に楽しめます。

サウンドステージはあまり広くないように聞こえます。ボーカルが中央にあり各楽器もボーカルに近いところで鳴っているように感じ、まとまりのある位置感です。しかし、冒頭で述べたように分離感が良いのであまり気にならず、1つ1つの音を聞き分けて楽しむことができると思います。

後述しますが、低音域はあまり得意ではなさそうで音圧も強いわけではなく高音域が印象的なので、ドンシャリであるものの温かみのある音というよりはスピード感のある硬質な音という印象を受けます。

高音域が特徴で、きらびやかに鳴ります!

高音域は刺さらないレベルできらびやかな音を鳴らしてくれます。ピアノの高音域も残響感が素晴らしいですね。

サウンドステージは広くないとは言いましたが、音が空間にスッと伸びていく響き方はしっかり感じられるのでホールのような場所で聞いているような高音域という印象です。

芯の通ったボーカル

特徴は高音域だとは思いますが、いくつか聴いて試した音源のどれも芯はボーカルにあると感じます。バシッと芯を残したボーカルを邪魔しないように各音域が寄り添うようなイメージです。ボーカルを楽しみたい人に向いているでしょう。

低音域は強くなり過ぎず、邪魔しない程度

ドンシャリサウンドに近いのですが、低音域の圧力は強すぎず、音圧強いのが苦手な自分には丁度良いか若干強いくらいのレベルで鳴ります。ただしあまり上質な低音域ではなく、音源によってはボワつくものやベースがダマになっているように感じるものがあります。ベースがダマになるというのは、例えば“ボンボン“と聴こえるところが”ブーブー“と繋がって聞こえてしまうイメージです。手持ちの他のイヤホンでは大丈夫な音源でもこのような印象なので、EDMのような音源はあまり向いていない印象です。

4.Vento Conductor VC T-500PRO 装着感/遮音性

装着感
気になる装着感ですが、シェル自体はコンパクトで、耳甲介(耳の穴手前のポケットになった部分)があまりにも小さくない限りは収まりが良い形状をしています。ただし、ノズルが長めなので、耳にピタッとフィットするよりは耳とイヤホンとの間に若干隙間が空く印象です。イヤーガイドとイヤーピースで保持しているような感覚ですね。

負担は少ないですが、2時間以上など長時間の使用をする場合は耳の穴付近が痛くなってくるかもしれません。長さの短い完全ワイヤレス用イヤーピースを使うなどして、耳の穴の奥まで挿入できると耳と接することができて圧力を分散でき負担を減らせるでしょう。

イヤーピース比較
すでに装着されていた軸が太めのイヤーピース(画像一番右のもの)だと、自分にはいまいちフィットせず遮音性も全く得られませんでした。そこでケースに収納されていた軸が細めの柔らかいイヤーピース(画像中央と左側のもの)に変更したところ、遮音性をしっかり得ることができて耳への収まりも良いです。

遮音性が良くなったと言っても、屋外で使用すれば車の走行音、今の時期だと蝉の音が普通に入ってきますし、人の話し声も聞こえる程度の遮音性です。そのため、室内でゆったり聞くのに向いていると思います。通勤などそれなりの音が入ってくるような環境では、シリコン製イヤーピースではなくて、装着前に指で押しつぶしてから入れるようなフォームタイプで密着度を高められるようなイヤーピースが合っていると思います。

5.Vento Conductor VC T-500PRO レビューまとめ

「VentoConductor VC T-500 PRO」はHiFiGOにて139ドル(約15,240円)で販売中です。HiFiGOは海外のオーディオ通販サイトですが、日本への発送もしっかり対応しているので安心です。

最近は完全ワイヤレスイヤホンが多くの人とって話題ですが、それをきっかけにオーディオの世界に興味を持つ方も多くなっていると聞きます。そうした人々の入門機としてもおすすめかなと思います。あまりにも特徴的なサウンドというわけではないので安心ですし、リケーブルで音の変化も楽しめるので、個人的にはエントリークラスの中の“優等生“という感じの製品に仕上がっていると思います。

6.関連リンク

Vento Conductor VC T-500PRO In-Ear Headphone:HiFiGo

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