2021年6月に発売された5G対応ミッドレンジスマートフォン「OnePlus Nord CE 5G」の実機レビューです。「Nord」は2020年より展開されているシリーズで、フラッグシップシリーズ(OnePlus 9/9 Pro)よりも性能は控えめになっているものの、その分購入しやすい価格帯に設定されています。今回レビューするNord CEの“CE”は”Core Edition”の略で、5G対応機種としては最もベーシックなモデルとなりますが、OnePlusらしさはしっかり受け継がれています。
なお、レビュー機はOnePlus Official Storeにサンプル提供していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます。
目次
1.OnePlus Nord CE 5G スペック
スペック表
OnePlus Nord CE 5G | |
OS | Oxygen OS 11(Android 11ベース) |
CPU | Qualcomm Snapdragon 750G 5G |
RAM | 6GB/8GB/12GB |
ストレージ | 128GB/256GB |
ディスプレイ | 6.43インチAMOLED(2,400 x 1,080) |
LTEバンド | LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28/39/40/41 5G:n1/3/5/7/8/20/28/38/40/41/77/78 |
SIM | nanoSIM x 2 |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.1 |
入出力 | USB Type-C |
カメラ | イン16MP/アウト64MP + 8MP + 2MP |
バッテリー | 4,500 mAh |
サイズ | 159.2 x 73.5 x 7.9 mm |
重量 | 170 g |
ポイント
OSには現時点で最新バージョンとなるAndroid 11をベースに開発された“Oxygen OS 11”を搭載しています。中国向けモデルではGoogle Play非対応のHydrogen OSが搭載されており、今後OnePlusの親会社であるoppoのColor OSに入れ替わる予定ですが、グローバル版に関してはGoogle Play対応のOxygen OSが引き続き採用される予定となっています。細かい部分でカスタマイズは行われているものの、基本的には「素の」Androidに近い、癖のないUIです。
CPUはQualcomm Snapdragon 750G 5Gです。2020年9月に発表されたCPUで、ドコモから発売された「Galaxy A52 5G」にも搭載されています。750 5Gは全体的には2018年~2019年のハイエンド機に搭載されていたSnapdragon 845に近い性能ですが、GPU周りは845の一つ前、Snapdragon 835とほぼ同等の性能になっています。一部の重量級のタイトルを除けばゲームも十分楽しめると思います。
RAMは6GB/8GB/12GB(レビュー機は8GB)、内蔵ストレージは128GB/256GB(レビュー機は128GB)という構成で、MicroSDカードによるストレージ拡張には対応していません。
ディスプレイは6.43インチサイズで、解像度はFHD+(2,400 x 1,080)です。AMOLED(有機EL)パネルを採用しており、画面消灯時も時計や通知などを表示してくれる「アンビエントディスプレイ」にも対応しています。また指紋認証センサーもディスプレイに内蔵されています。
カメラはイン16MP、アウト64MP(メイン) + 8MP(超広角) + 2MP(モノクロ)という構成です。近年になり、ミッドレンジクラスの製品でもメインカメラに高画素センサーを採用する製品が増えてきました。超広角撮影やナイトモードなど、近年のスマホカメラに求められる機能は一通り搭載されています。
バッテリー容量は4,500 mAhです。ワイヤレス充電には非対応ですが、付属する30W出力のWarp Charge対応ACアダプター経由で充電することにより、わずか30分で70%まで急速充電が可能です。
2.OnePlus Nord CE 5G 付属品、外観
同梱物です。マニュアル類や専用ケース、ACアダプターなどのほか、OnePlus製品では「おなじみ」のステッカーが付属しています。ACアダプターはOnePlus独自の急速充電技術である「Warp Charge」に対応するものになりますが、プラグ形状が日本のコンセントには合わないため別途変換プラグが必要です。またNord CE 5Gは一般的なUSB PDでの急速充電にも対応しています。
前面です。フラッグシップモデルとなるOnePlus 9/9 Pro同様、パンチホールノッチデザインを採用しています。エッジディスプレイではなく、フラットディスプレイを採用しているため、液晶保護フィルム選びに関しては比較的容易だと思います。フィルムはすでに本体に装着済みになっているほか、PDA工房ですでに製品化済みです。
OnePlus Nord CE 5G 液晶保護フィルム:PDA工房
背面です。デザインは2020年に発売された初代OnePlus Nordのものをほぼ継承しています。シンプルながら、なかなか所有欲を満たすデザインで、個人的にも気に入りました。
左側面にはSIMトレイ、ボリュームボタンがあります。
右側面には電源ボタンが配置されています。
上部側面にはマイク穴があります。
下部側面には3.5 mmイヤホンジャック、USB-Cポート、モノラルスピーカーが用意されています。
Nord CEのデザインは「シンプルながらスタイリッシュ」で、どなたにもよく似合う、素晴らしいものだと思います。
3.OnePlus Nord CE 5G 使用感
システム
前述の通りOnePlus Nord CE 5GのグローバルモデルにはAndroid 11ベースのOxygen OS 11がプリインストールされています。工場出荷時にインストールされていたバージョンは「11.0.4」でした。
基本的にUIは素のAndroidに準じたものになっており、プリインストールされているアプリに関しても「Community」アプリや「天気」アプリなどを除くとAndroidシステム標準アプリとGoogle関連のアプリ、「Netflix」のみと最小限の構成となっています。Netflixに関してはシステムアプリとして組み込まれているため、アンインストールはできませんが無効化することは可能です。
以前使用していたスマホから簡単にデータ移行できる「OnePlusスイッチ」やLINEやFacebookなどのアプリで複数のアカウントを設定できる「パラレルアプリ」、起動できるアプリを制限できる「アプリロッカー」など、いくつか便利な機能が追加されています。
またNord CE 5Gでは十分な容量のRAMを搭載しているため、あまり頻繁にバックグラウンドタスクを終了する必要はありませんが、自動的にメモリーの状態を最適化してくれる「RAMブースト」機能も搭載されているため、常に快適な状態で使用できます。
工場出荷時のストレージの使用容量は128GB中17.03GBでした。Android OS本体もバージョンアップにつれシステム容量が肥大化している印象ですが、Oxygen OSの場合プリインストールされているアプリが最小限にとどめられていることもあり、比較的コンパクトに収まっている印象です。MicroSDカードによるストレージ拡張が行えない点は残念ですが、GoogleフォトやOneDriveなどのクラウドストレージと併用すれば容量不足に困るケースは少ないでしょう。
ディスプレイ
Nord CE 5Gではフラットな有機ELディスプレイが搭載されています。有機ELならでは、ともいえる発色の良さはとてもミッドレンジスマートフォンとは思えないものになっています。またリフレッシュレート90 Hz表示にも対応しており、画面のスクロールなどはぬるぬる動きます。
画面消灯時も時計やスケジュールなどを表示してくれる「アンビエントディスプレイ」にも対応しています。いちいち画面ロックを解除しなくても通知などの情報を確認できるので重宝する機能です。
残念ながらコストを抑えるためかコーニング社の強化ガラス「ゴリラガラス」は採用されていません。また初期状態で装着されている保護フィルムも傷が付きやすいため、安心して使うのであれば購入と同時に液晶保護フィルムもそろえておくことをおすすめいたします。前述の通り、PDA工房では9Hタイプのフィルムもすでに販売済みとなっているため、こちらに張り替えたいと思います。
設定にある「画面のキャリブレーション」より色合いをプリセットされている「鮮明」「自然」のほか、自分の好みに応じた設定に変更することも可能です。
WidevineはL1に対応しており、各種動画配信サイトのHDコンテンツも問題なく楽しめます。
スピーカー
スピーカーはモノラル出力です。音質は頑張っている印象ですが、日本国内でも展開されている同価格帯のXiaomi製ミッドレンジスマホでステレオスピーカーを採用しているものが増えていることを踏まえると、この点に関してはもう少し力を入れてほしかったところです。ただし「流し聴き」する分には十分な音質です。
3.5 mmイヤホンジャックも健在なので、よりクリアな音質で動画や音楽、ゲーム音声などを楽しみたいのであればこちらを活用すると良いかもしれません。
カメラ
標準カメラアプリはシンプルで使いやすいUIが採用されています。機能としては超広角撮影モードやポートレートモード、夜景撮影モード、プロモードなど、必要なものを一通りそろえています。
レビュー期間中いろいろな場所で写真を撮影してみました。夜景モードに関してはさすがにハイエンドモデルと比較するとノイズが若干目立つ印象ですが、なかなかクリアに撮影できていると思います。明るい場所での画質はなかなかなもので、飯テロ画像もおいしそうに撮影できています。ミッドレンジクラスのスマートフォンに搭載されているカメラも性能向上により、美しい写真を撮影できるようになってきましたが、Nord CE 5Gに関しても十分満足できる性能になっていると感じました。
4.OnePlus Nord CE 5G 性能テスト
参考:
Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
OnePlus Nord N10(Snapdragon 690):342,506
POCO M3 Pro 5G(Dimensity 700):330,303
CHUWI HiPad Plus(MT8183):172,713
OUKITEL C22(Helio A22):99,664
今回もベンチマークはAntutu Benchmark v9.0.1でテストを行っています。総合スコアは384,505点で、Snapdragon 690を搭載するOnePlus Nord N10より全体的な性能は向上しています。CPUのスコアはかのあゆのメイン端末であるGalaxy Foldに搭載されているSnapdragon 855(70,378点)を大きく上回るスコアを計測しています。
一方GPU周りのスコアはSnapdragon 835とほぼ同等となっており、現在のハイエンドCPUを想定した3Dゲームを最高画質設定でプレイするには厳しいですが、設定を変更すれば十分プレイできる性能です。
現在リリースされているスマートフォン向け3Dゲームでは重量級クラスとなる「原神」を軽くプレイしてみました。グラフィック設定を最高にしてのプレイは厳しい印象ですが、デフォルト設定であれば十分快適にプレイすることが可能でした。
5.OnePlus Nord CE 5G レビューまとめ
OnePlus Nord CE 5Gは現在OnePlus Official Storeにて305.54ドル(34,651円、製品ページにある2ドルOFFクーポンを使用)で販売中です。「Core Edition」ということでスピーカーがモノラル出力であったり、ディスプレイにゴリラガラスが採用されていないなどコストが抑えられている部分もあるものの、全体的にOnePlusらしい完成度の高い一台に仕上がっています。
OnePlusのフラッグシップモデルに関してはそれなりな価格帯になってしまいましたが、Nordシリーズはちょうどいい性能と手に取りやすい価格帯を実現したという点で、ある意味初期のOnePlus製品の流れを最も継承したシリーズだと思います。素のAndroidをベースに便利な機能を搭載したOxygen OSも使いやすく、OnePlus製スマートフォンを試してみたい方にもお勧めできる一台です。
OnePlus社のスマートフォンを個人的に使うのは「OnePlus 5」以来久々となりますが、ミッドレンジモデルでありながら本当に完成度が高く、また筐体もシンプルながら所有欲を満たすデザインとなっていることもあり、久々に長く使っていきたいと思える一台となりました。
6.関連リンク
OnePlus Nord 5G:AliExpress内OnePlus Official Store(Aliexpress)
コメント
正式にOPPOの子会社化してもOxygen OS継続なんだ。いいことだね。OPPOとOnePlusの住み分けどうするんだろう?これのようなミドルレンジはOPPOのターゲットな気がするけど。
グローバル版は当面Oxygen継続するようなので、そういう意味でも安心して使っていけそうですよね。癖のないUIで本当によくできてると思います。
>Samsung Galaxy Fold SCV44(Snapdragon 855):414,302
これver8の数字じゃないですかね…? Nord CEはスコアがマシマシになるver9とスクショに書いてあるので比較にならんと思うのですが
Foldもv9.0にアップデートした上で計測したのですがこの数値なんですよね・・・
日本だと5Gを使おうとすると3Gが使えない契約になってVoLTE利用できないと通話できない。
OxygenOSはVoLTEの制約がきつくて公式に対応してる一部のキャリア以外では(かなり無理やりハックしないと)VoLTEが利用できず、もちろん日本のキャリアは非対応。
ということで日本国内ではLTE端末としてしか実質利用できない。
というような基本的かつ致命的な問題にいっさいふれてないのは、公式から端末借りたので配慮ですか?
そのままの状態だとVoLTEが掴めない件は把握していますが、諸事情で海外端末に関しては通信関連の話題はちょっとふれられないのです・・・ご了承ください・・・