Blackviewといえばやっぱり「タフネススマホ」。ここ最近は非タフネス系でも折りたたみスマホのHERO 10をはじめ魅力的なスマートフォンも立て続けにリリースしていますし、タブレット製品も多く手掛けていますが、ウインタブは6年くらい前からBlackview製品をご紹介・レビューしていますので、「本流はタフネス系だろ!」と思っています。
中国メーカーを軸にスマートフォン市場を見てみると、数年前に「フラッグシップキラー(大手メーカーのフラッグシップモデルよりも低スペックだが、ミッドハイクラスと言えるくらいの製品を激安価格で販売するようなイメージです)」を謳って日本でも人気となったUMIDIGIは現在すっかり影が薄くなり、大手メーカーのパクリと言われつつもデザインやスペックがよくて低価格だったElephoneとか、あとVerneeとかも市場から姿を消したようです。どうしてこうなったのか、ということは正確にはわかりませんが、ウインタブとしては「XiaomiのRedmiとかOPPOとか、大手メーカーの製品が低価格帯ジャンルでも存在感を増した結果、大手との差別化が不十分な中国の新興メーカーが駆逐された」ということなんじゃないか、と思います。XiaomiのRedmi 12 5Gなんて5Gスマホなのに日本で25,000円弱(ドル建てに換算すると150ドル強)で買えてしまいますからね。
一方で元気なのがタフネススマホのジャンルです。日本では京セラのTORQUEが気を吐いていますが、製品数は少なく、Xiaomiなども今のところこのジャンルには手を出していません。そのためか今回ご紹介するBlackviewをはじめ、DOOGEEやOUKITELなどタフネススマホに強いメーカーはウインタブから見て依然元気です。
タフネススマホは必ずしも万人受けするジャンルとは言えないでしょうね(だから大手メーカーが参入しないんでしょう)。しかし、アウトドア用のサブ機として、また、ゴツいデザインが好きなアウトドア嗜好の人のメイン機としてはとても面白いと思います。読者でもスマホ2台持ち、3台持ち、という方が増えているんじゃないか、と思いますので、ここで少し解説し、おすすめ製品をピックアップしてみます。
なお、BlackviewはAliExpress内に複数の直営店を開設していますが、日本からの購入の場合、下記の2店舗を押さえておけばいいかと思います。
Blackview Official Store:AliExpress
Blackview Global Store:AliExpress
目次
1.Blackview タフネススマホの特徴
以下にタフネススマホの主な特徴についてご説明します。これらの特徴が「メリット」なのか「デメリット」なのかは簡単には決めつけられません。使う人の嗜好とかニーズによってメリットにもデメリットにもなり得ます。でも、一般的なスマホとは大きく違っている、ということは言えますし、面白い、とも言えますね。
外観がゴツいw
外観は迫力満点です。見るからにアウトドア用、という感じがしますよね。また後述する「頑丈」「大容量バッテリー搭載」という要因もあって、サイズも大きいです。ざっくり「普通のスマホ2台分の厚さと重さ」になっていると考えていいです。そのため、街なかでの普段使いには向かないかもしれません(やたらと目立つ、シャツの胸ポケットに入れるとシャツがベローンと伸びてしまうなど)。しかし、アウトドア好きな人には刺さるデザインだと思いますし、サイズで犠牲を払った結果、以下の「個性」を手に入れています。
頑丈
ウインタブが知る限り、BlackviewのタフネススマホはすべてIP68/IP69Kの防水・防塵性能とMIL規格(MIL-STD-810GもしくはH)の堅牢性を備えています。さすがに最近は見かけなくなりましたが、以前のBlackviewはプロモーションで製品を歩道橋から落としたり、自動車に轢かせたりしていました(いま同じことをやるともったいないマンとか正義マンとかが暴れるんだろうと思います)。
なので、スマホケースは基本不要ですし、乱暴に扱っても故障する危険は小さいです。ある意味「傷ついてなんぼ」くらいに考えていいんじゃないでしょうか。また、前面ガラスもゴリラガラスなどの強化ガラスが使われていますが、強化ガラスでもキズが付くときは付く(ライターのかのあゆさんの定番のセリフ)ので、保護フィルムくらいは貼ってあげたほうがいいと思います。
バッテリーが大容量
Blackviewのタフネススマホはほとんどが超大容量バッテリーを搭載しており、10,000 mAh越えのものも珍しくありません。当然バッテリー駆動時間はめちゃめちゃ長いですし、リバースチャージ(タフネススマホをモバイルバッテリー代わりにして、イヤホンとか他のスマホ、タブレットを充電できる)にも対応する製品がほとんどです。そのため、アウトドアだろうと街なかだろうと、ご自身やお友達のガジェットをレスキューすることができます。あと、あまりいい例ではありませんが、アウトドアで道に迷ってしまったり、非常時に電源が確保できないような場合でも、いくぶん安心かと思います。…そのかわり筐体が厚くて重いんですけどね…。
独自のDoke OS
タフネススマホだけでなく、BlackviewのスマホやタブレットはAndroidベースの独自UI「Doke OS」を搭載しています。Doke OSには様々な独自機能が搭載されており、それらの機能は「別にタフネススマホ向けではない」んですが、結構便利なものもあります。この画像は「ワークスペース」というもので、個人用と仕事用にアプリのアカウントを分けて使えます。なので、個人用のスペースに普通にアプリを入れ、仕事用のスペースにはアウトドアで使うアプリを入れる、といった運用もできます。
この他に「凍結室(登録したアプリのアイコンをホーム画面やアプリ一覧画面に表示させない)」とか「フォーカスモード(登録したアプリを所定の時間起動できなくする)」など機能もありますし、アウトドア用として「ツールボックス(コンパスや気圧計、高度計などが入っている)」というのもあります。
特殊機能
Blackviewに限らず、タフネススマホはカメラにちょっと特殊な機能を搭載しているものが多いです。この画像は「サーマルカメラ」で、被写体の温度がわかる、というもの。サーマルカメラ搭載機は少しお値段が高くなってしまいますが、直近だとハイエンドモデルBL9000 Proに搭載されています。
また、このあとご紹介する製品には搭載モデルがありませんが、「ナイトビジョンカメラ」を搭載するものもあります。ナイトビジョンカメラはいわゆる「夜景モード、ナイトモード」とは異なり、赤外線を使って「モノクロにはなるが、暗闇でも鮮明な画像・映像を撮影できる」というものです。
あと、この画像がわかりやすいですが、背面にサブディスプレイを搭載していたり、明るいLEDライトを搭載する製品もあります。普通のスマホでもライト付きのものは珍しくありませんが、タフネススマホのLEDライトは上側面にあって非常に明るかったりしますので、懐中電灯代わりにも使えます。
なお、これらの特殊機能はすべてのBlackviewタフネススマホに搭載されているわけではなく、製品によって仕様は異なりますので、この点はご了承下さい。
2.おすすめ製品3選
BL9000/BL9000 Pro
基本スペック(BL9000)
OS:DokeOS 4.0(Android 13)
SoC:MediaTek Dimensity 8020
RAM:12GB(拡張機能により最大24GB)
ストレージ:512GB
ディスプレイ:
メイン:6.78インチ(2,460 × 1,080)120Hz
サブ:1.32インチ(240 × 240)60Hz
カメラ:イン50MP/アウト50MP+13MP
バッテリー:8,800 mAh
サイズ:179.5 × 82.6 × 17 mm / 385 g
基本スペック(BL9000 Pro)
OS:DokeOS 4.0(Android 14)
SoC:MediaTek Dimensity 8020
RAM:12GB(拡張機能により最大24GB)
ストレージ:512GB
ディスプレイ:6.78インチ(2,460 × 1,080)120Hz
カメラ:イン50MP/50MP+13MP+FLIR製サーマルカメラ
バッテリー:8,800 mAh
サイズ:179.5 × 82.6 × 17 mm / 412 g
※5Gスマホで、開示上は日本の5G/LTE主要通信バンドをフルカバーしています
現行のBlackviewフラッグシップモデルです。BL9000とBL9000 Proがあり、外観や基本スペックは同じですが、BL9000は背面にサブディスプレイを搭載しており、BL9000 Proは背面にサブディスプレイがなく、かわりにサーマルカメラを搭載しています。また、細かい話ですが、発売時期の関係でBL9000はAndroid 13、BL9000 ProはAndroid 14搭載です(ただし、Doke OSのバージョンが同じなので、機能面ではほとんど違わないと思います)。
この2機種はウインタブで実機レビューをしています。BL9000は私が、BL9000 Proはライターのnatsukiさんがレビューを担当し、いずれも非常に高く評価しています。SoCのDimensity 8050はAntutuで80万点に迫るスコアをマークし、ライターのnatsukiさんによれば原神も快適にプレイできたとのこと(natsukiさんは原神をやり込んでおり、少し前に聞いてみたら、その時点までに開放されているステージは全クリしていました)。
カメラについては若干クセのある画質ですが、設定を少し調整してやればキレイに撮影ができます。また、ディスプレイの発色品質も高いですし、スピーカーは(音量が大きめですが)HARMAN監修で音質もいいです。
BL9000の実売価格は5万円台前半、BL9000 Proは6万円台後半です。システムスペックと価格からみて、「メインスマホ」という位置づけで購入を検討されることになるだろうと思いますが、スマホ好きの方やスマホにある程度お金を突っ込める方であればアウトドア用のサブ機としてもいいんじゃないかと思います。Blackview製品としてはお高めですが、それに見合う価値のある製品です。
AliExpress製品ページ:
Blackview BL9000:Blackview Official Store
Blackview BL9000 Pro:Blackview Official Store
ウインタブの実機レビュー:
Blackview BL9000 レビュー - 背面のサブディスプレイがアクセント!Blackviewの5G対応フラッグシップ・タフネススマホ
Blackview BL9000 Pro レビュー - 高度なサーマルカメラを備え、高負荷ゲームをプレイ可能、独自機能も備える贅沢タフネススマホ
N6000
基本スペック
OS:Doke OS 3.1 (Android 13ベース)
SoC:Helio G99
RAM:8GB(拡張機能により最大16GB)
ストレージ:256GB
ディスプレイ:4.3インチ(1,200 × 540)
カメラ:イン16MP/アウト48MP
バッテリー:3,880 mAh
サイズ:133 × 65.25 × 18.4 mm / 208 g
※5G非対応で、LTEは日本の主要通信バンドをフルカバーしています
Blackviewが放つ「小さなタフネススマホ」です。タフネススマホが好きな人と小さなスマホ(小型デバイス)が好きな人の双方に魅力的な製品です。この製品はAmazonでも販売されていて、AliExpressでの価格と同水準なので、Amazonで購入してもいいと思います。
ウインタブではライターのかのあゆさんがレビューを担当しました。彼はもともと小型のガジェットが大好きなので、レビュー終了後もこの製品を継続使用し、自発的に2回目のレビュー記事を投稿したり、年末の「お気に入りガジェット」にこの製品をピックアップしたりしています。
上でもご説明しましたが、タフネススマホというのはよくも悪くも普通のスマホとは違っていて、「頑丈でバッテリーも大型」であるかわりに「大きくて重い」です。しかし、N6000はサイズを小さくすることによってこのウイークポイントを克服しています。一方でバッテリー容量は「並」ですし、カメラは48MPと高い画素数ではありますが、特殊な機能は搭載していません。もちろんIP68/IP69Kの防水・防塵機能とMIL規格(MIL-STD-810H)の堅牢性は備えていますけどね。また、コンパクトな製品ですが、SoCはHelio G99ですし、RAMとストレージの容量も十分です。
まあ、この画像を見ていただければそのコンパクトさがよく分かるかと思います。
N6000の実売価格はAliExpress、Amazonとも27,000円程度です(Amazonは複数の出品者がありますが、Blackview直営店の価格を参照しました)。この製品の場合は「メイン機とは明らかに芸風の異なるサブ機」と捉えると非常に魅力的なのでは?と思いますね。
製品ページ:
Blackview N6000:Blackview Official Store(AliExpress)
Blackview N6000:Amazon
ウインタブ関連記事:
Blackview N6000 レビュー - 4.3インチサイズのコンパクト・タフネススマホ、性能も本物!
Blackview N6000 レビュー(第2回)- コンパクトサイズのタフネススマホ、しばらく使ってみて「最高の相棒」になりました
BV9300 Pro
基本スペック
OS:Doke OS 4.0 (Android 13ベース)
SoC:MediaTek Helio G99
RAM:8GB/12GB(拡張機能により最大24GB)
ストレージ:256GB
ディスプレイ:6.7インチ(2,388 × 1,080)120Hz
カメラ:イン32MP/アウト64MP+8MP
バッテリー:15,080 mAh
サイズ:184.6 × 85.6 × 22.8 mm / 525 g
※5G非対応で、LTEは日本の主要通信バンドをフルカバーしています
Blackviewの5G非対応モデルとしては最上位に位置する製品です。そして「期待を裏切らない、最もタフネススマホらしいタフネススマホ」だと思います。SoCはHelio G99でRAMは8GBもしくは12GB、ストレージは256GB、ディスプレイは6.7インチのFHD+解像度でリフレッシュレートは120Hzと、「4Gのミッドレンジスマホ」として悪くないスペックですが、「それ以外」が強烈です。
…バッテリー容量15,080 mAh…。よって厚さは22.8 mmで重さは525 g。下手すると普通のスマホ3台分ですね、これ。また、上側面には明るいLEDライトも搭載していますので、暗い夜道も安心です。背面には上にご紹介したBL9000と同様にサブディスプレイを搭載しており、カメラは64MPと高い画素数です。
5G対応にこだわらないなら、そして半端なくガチなタフネススマホにしたいなら、このBV9300 Proがおすすめです。というか私も欲しいです。さすがにこのサイズ感だと街なかでの普段使いはちょっとやりにくいかもしれませんけどね。
BV9300 ProはAliExpressのほか、Amazonでも購入ができますが、価格差が7,000円~1万円弱ありますので、AliExpressのほうがお買い得です。AliExpressでの実売価格は8GB/256GB版が35,000円程度、12GB/256GB版が38,000円程度です。
製品ページ:
Blackview BV9300 Pro:Blackview Official Store(AliExpress)
ウインタブの製品紹介記事:
Blackview BV9300 Pro - Blackviewの4Gフラッグシップモデル、カメラの画素数が上がり、背面にサブディスプレイを搭載!
3.関連リンク
Blackview Official Store:AliExpress
Blackview Global Store:AliExpress
コメント
こういうのって結局どこで使うの?って毎回思う
高スペックのスマホで何するの?と同じくらいに
山登りやキャンプで宿泊するとき便利よ。キャンプにバイクで行ってて往復のナビと現地で電子書籍読んでると結構電池食うから。落としたり雨降ってきたりもするし。グローブつけながら使えるやつとかは冬助かるし。
子供に持たせる!
フィルムだけ貼っとけば壊れにくい
重いゲームはできない
勉強用のアプリなんかは普通に動く
最悪壊れてもお財布の痛みが最小限で済む
重いことを除けば最強だと思うよ
まさにこれ!特に、N6000などミニサイズのタフネススマホが最適です。やはり大きいのは子供には厳しいですから。利点は、ご指摘の通り。
うちの下の子は4年間ARMOR X5で、小学生男子の過酷な扱いにも、さすがARMORなんともないぜ!
ということで、実経験からも、子供向けスマホとして非常におすすめです。
私もタフネススマホが好きなんですけど、理詰めの説明はできないですねー。結局「好きだから」になっちゃう…。ただ、キャンプ場では安心でした。川に落としても大丈夫だったとか、(キズは付くけど)地面に落としても平気とか。あと、明るいライトとバッテリー切れの心配が皆無、というのも良かったですね。