こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。3月17日にLenovoで製品説明会が開催され、参加してきました。その模様は別途記事を書こうと思っていますが、説明会で非常に面白い製品がありましたので、そちらを先に紹介したいと思います。モノは「プロジェクター」です。でも、普通のプロジェクターではなく、Android OSを搭載したパソコンといっていいようなものなんですよね。「ThinkPad Stack モバイルプロジェクター」といいます。
1.ThinkPad Stackとは
最初にこの製品が属する「ThinkPad Stack」という製品(群)について。ThinkPad Stackというのはビジネスシーン、特にモバイル環境で使える周辺機器をセットにしたもので「Bluetooth スピーカー」「モバイルバッテリー」「ワイヤレスルーター」「1TBハードディスク」の4つのパーツがあり、「Stack」の名称が表すとおり、積み重ねて使用できます。セット販売も単品販売もしており、全てセットで購入すると42,660円(税込み、この記事で紹介するプロジェクターは含みません)と高価ですが、ThinkPadブランドが冠されていることから、極めて高品質で堅牢な周辺機器群です。
2.スペック
ThinkPad Stackシリーズの新顔がモバイルプロジェクターなんですが、まずはスペックを確認してみましょう。
OS: Android 6.0
CPU: Intel Atom x5-Z8550
RAM: 不明
ストレージ: 16GB
ネットワーク: 2.4GHz/5GHz サポート、Bluetooth 4.0
バッテリー: 4500mAh
サイズ: 136 × 76.8 × 32 mm /361 g
以下、主にプロジェクターとしてのスペック
・1Wスピーカー搭載
・タッチパッド搭載
・輝度150lms(ANSI)、光学エンジンDLP
・解像度:720pサポート
・対応距離: 0.2m〜5m(推奨)
–最大画面表示:4.5mの距離で最大120インチ
–最小画面表示:0.2mの距離で最小5.5インチ
・ThinkPad Stack Assistantアプリケーション(Android/iOS)を提供
(Wi-Fi接続によるリモートコントロールおよびファイル操作などをサポート)
この製品は「プロジェクター」なので、基本的にはパソコンに接続して使う、というのが用途なのですが、それ自体がOS、CPU、RAM(ただし容量不明)、ストレージ、そしてバッテリーを搭載していることにより、単なるプロジェクターを越えた使い方が可能です。ぶっちゃけ、「単体でAndroid機として使える」ということです。
これがホーム画面です。ディスプレイが装備されないので、壁とかスクリーンに映し出した状態ですね。なんとWPS Office(旧KINGSOFT OFFICE)」が入っています。ブラウザーもありますね。すごくシンプルですけど、ちゃんとAndroidです。
ちなみにGoogle Playはありません。またGoogle Mobile Service関連のコンポーネントも入っていません。説明会でLenovoの方に聞いてみたところ、「Googleの分類上、スマホでもタブレットでもないため、Google関連サービスはインストールができません」とのことでした。PC経由でこれらGoogleのAPKを入れようとしてもハネられるそうです。また、どこかのツワモノが現れない限りroot化も現状難しいでしょう。ただし、Google関連サービスに依存しないアプリであればAPKでインストールすることは可能です。以前ウインタブで実機レビューした「WinkPax G1」と同じような感じになるので、「単体でAndroid機として運用」する場合はある程度のスキルが必要になります。
3.筺体
Stackシリーズの製品なので、サイズはごくコンパクトです。しかし、ThinkPadブランドの製品ということで筺体はかなりしっかりしています。この画像の上部にタッチパッドが装備されているのがわかると思います。
入出力ポートはこんな感じです。ThinkPad用の電源コネクター(小ぶりなUSBポートのような形状です)が使いまわせるのはもちろん、ThinkPadブランドの外付けキーボードにも完全互換が保証されます。上に書いたタッチパッドと合わせ、外付けのキーボードを接続すれば、「あとは白っぽい壁かスクリーン」があればすぐに使えます。
また、この製品は同梱物もかなり充実していて、上の画像のケースも付属します。
3.PCやスマホとの連携
ThinkPad Stackシリーズには操作用のアプリ(Android/iOS)が用意されており、スマホから操作が可能です。また、スマホに保存した動画をこの製品で視聴することもできます。ただし、Miracastには対応しないため、PCからの操作は有線のみとなります。要するにPCからはプロジェクターとして使う、ということですね。
Lenovoの方の説明では「Miracastというのは現状機器の相性問題が指摘されており、ThinkPadブランドの製品である以上、使えたり使えなかったり、ということは避ける必要があるので、採用を見送りました。」とのことで、今後PCとの無線接続を実装できるようにしたい、ということでした。
もちろん他のThinkPad Stackとの連携も可能で、特にストレージに関してはこの製品の内蔵ストレージが16GBしかないため、1TBハードディスクユニットと連携すればストレージ容量の不安も解消されます。また、バッテリーに関してもこの製品の内蔵バッテリーだけだと稼働時間は70分ですがモバイルバッテリーユニットを接続すれば220分の連続稼動が可能です。
4.ほしいけど、少し高い
ThinkPad Stack モバイルプロジェクターはLenovo直販サイトで販売中で、価格は税込み85,320円となっています。私、この製品の説明をひと通り聞いて「欲しい!」と思ったんですけど、やはり高いっすね。Atom Z8550とか積んでますしねー。
それで、少し意地悪に、でもなるべく失礼のないような言い方で「この製品はかなり魅力があると思いますので、深センのメーカーが真似しそうな気がします(つまり激安価格で類似品が出てくる、という意味ですね)。」と水を向けてみたら、「はい、その可能性はあります。しかし、この製品はThinkPadシリーズで、品質には自信がありますし、周辺機器との連携も取れています。」という趣旨のご回答をいただきました。まあ、深センメーカーだとかなり安く作れるでしょうけど、品質とかは全然違ってくるでしょうね。
説明会で実機に触れてみましたが、ThinkPad Stackシリーズは全般にすごく精緻に作られているような印象があり、単品でもセットでもデザインが素晴らしいと感じられたので、本当にセットで買いたくなりました。でも全部揃えると軽く10万円オーバーなんですけどね。
これは説明会で使われたスライドです。説明をしてくれた担当の方いわく、「私はこのプロジェクターにレトロファミコンを接続して寝室で遊んでいます。これは素晴らしい使い方だと思うので、ぜひ記事に書いて下さい」と冗談とも本気ともつかないようなお話をされていました。しかし、言われてみればそうだよなあ、そうやって使ったら楽しいだろうなあ、と思いました。
5.関連リンク
ThinkPad Stack モバイルプロジェクター:Lenovo公式サイト
コメント
アプリ入れられないならAndroid搭載とか言わなきゃいいのにと思っちゃう。