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法令遵守でなんとかドローンを楽しみたい(その18) ―「Eachine Cinefun 75mm」FPVで手軽に空撮なら絶対これだ!自作機の経験からもお勧め

法令遵守でなんとかドローンを楽しみたい(その18)
こんにちは、natsukiです。ドローンはやっぱり空撮してこそ楽しめるってものですよね。前回、1Sバッテリーで手軽に空撮できる「Mobula6 HD」の実機レビューをさせていただき、これが想像以上に楽しく、やはり狭い日本では1Sバッテリー機こそ、実用性も高いとあらためて実感しました。そしてここに、75mmとワンサイズ大きな、1Sバッテリー空撮機「Eachine Cinefun 75mm」が発売されました。うむ、これは絶対よいものだ。実機を手に取っていませんが、個人的にほぼ同等の機体を組んで試行錯誤しているので、自信を持ってお勧めします。

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今回の記事は、まず、その試行錯誤の話からはじまります。経験談があった方が、このEachine Cinefun 75mmの素晴らしさが伝わると思うからです。ので、製品紹介だけ知りたい人は、前半はすっ飛ばしてください。

※ドローンに必要な資格や免許について知りたい人はこちらをご覧ください
今こそドローンをはじめよう! 日本でドローンを楽しむための資格は?免許は?

1.Mobula6 HDの良さと不満点

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さて、前回レビューした「Mobula6 HD」。これはこれで非常に完成度の高い機体なんですが、飛ばし慣れてくると、不満点も出てきました。すると、そこを解決した機体を組み上げたくなるのがドローン魂ってもんなわけです。

Mobula6 HDの良い点

まず、Mobula6 HDの良い点。ここは潰したくない。

・狭い屋内を自在に飛び回れる精密性
・比較的小さいプロペラ音
・1Sバッテリーの手軽さ

プロペラ音は、2Sバッテリー機になるだけで一気にうるさくなり、3S機以上だと、慣れない人にとっては身の危険を感じるレベルでうるさいです。要は、パワーを抑えた精密性にしろ、あくまでオモチャレベルで済まされるプロペラ音にしろ、1Sバッテリーであることが実現しているわけです。それでいて、撮影まで可能というのがMobula6 HDのスゴさ。

Mobula6 HDの不満点

・飛行の安定性にやや欠ける
・VTX出力が低い
・解像度はFHD止まり
・ジェロ(振動による映像の揺らぎ)が出る

特に飛行の安定性ですが、屋内でゆっくり飛んで撮影した映像を見ると、フワフワというか、案外ガタガタしてるんですよね。これについては、PID調整やESCのファームウェア交換とか、ソフト面でできそうなことは色々ありますが、かなり複雑な話になるので割愛。いずれにしても、4Kカメラを積むだけの余裕はない。要するに、パワーがギリギリすぎるんです。もう少し浮力に余裕があれば、飛びの余裕もカメラ性能もアップできるかな、と。

2.75mmフレームサイズで1Sバッテリー、4K撮影の空撮機を組み上げよう!

良い点を活かして、不満点を解消するには「1Sバッテリー」で「パワーをアップ」「VTX出力をアップ」が必要。よし、ならば75mmフレームサイズにすることで、パワーをアップし、必然的にバッテリーの容量を増やして電気的な安定を図る。この方向性だ! 大きく重くなる分、瞬発力に欠けて、アクロバティックな飛行は難しくなるけど、撮影をメインに置くならそっちの性能は削って良し。

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はい、多少の試行錯誤の結果、組み上げた機体がこれです。仮に「1S CineWhoop7 4K」と名付けておきましょう。75mmフレームサイズで、1Sバッテリー駆動、4K撮影も可能!

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Mobula6 HDとのサイズ比較はこんな感じ。スペックは、Mobula6 HDと比べて以下の通り。

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フレームとモーター・プロペラ

フレームは、Mobula7 V2フレーム。が、これはもっと頑丈なのにした方がよかった。脆くて、屋外のクラッシュだと簡単にポキッといっちゃうんですよ。現状、比較的手軽に手に入る75mmサイズのフレームには、「Mobula7 V2」「Mobula7 V3」「BETAFPV 75mm(新)」があります。このうち、「Mobula7 V2」「BETAFPV 75mm(新)」は、バッテリーベイが1Sバッテリー用、「Mobula7 V3」は2S~3Sバッテリー用になっています。

強度を考えると、「BETAFPV 75mm(新)」がベスト、もしくは「Mobula7 V3」にクッションを詰めてバッテリーを装着するかでしょうか。新発売の「Eachine Cinefun 75mm」は、製品画像からは「Mobula7 V3」フレームを採用しているように見えます。じゃあ、1Sバッテリーを積むためになんか改造してるかというと、バッテリーの方が特殊です。まあ、その話は後で。

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モーターは、当然ワンサイズ大きいもので、「MANBA 08028 KV16000」を採用。パワーはこれで十分。ただ、やや高さのあるモーターなので、形状的にはもう少し平べったい方がいいかも。ベストは1102サイズでしょう。プロペラは、効率からすれば3枚でもいいんですが、動作の精密性を優先して4枚羽根で。

こだわったキャノピー

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キャノピーは、かなりこだわったところです。多くのFPVドローン用キャノピーは、重心をできるだけ中心に持ってきて運動性能を上げるために、低めの位置にカメラがあります。ところが、今回の機体はのんびり空撮をしたいので、通常のキャノピーでは、プロペラやプロペラガードがカメラに写ってしまう。

そこで、Anger 75X / ANGER 85X用の大柄なキャノピーを使用。重心が高くなって、アクロバティックな飛行は難しくなりますが、撮影が主目的なので、そこは織り込み済み。

カメラは4K撮影が可能な「Runcam Split4」

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カメラには、4K撮影能力のある「Runcam Split4」を搭載。このカメラの優れたところは、2.7Kと1080P撮影時に、60FPS、50FPSを切り替えて撮影ができることです。この話は、Mobula6 HDのところでもしましたが、日本は電気の周波数が東日本で60Hzと西日本で50Hzのため、照明もこの周波数に従って点滅しているので、屋内での撮影の場合、この周波数と撮影FPSをずらしてやらないと、干渉が発生してしまうんです。そんなこともあって、屋内撮影は、2.7K解像度で運用。それでも十分です。

ちなみに、実際の動画としてはFHD解像度でも十分きれいですが、手ぶれ補正やトリミングなど、後から加工することまで考えると、高解像度で撮っておいた方が、素材として使いやすいというのがあります。

FCとVTX

VTXの出力増も課題だったので、当初はBETAFPVの1S~2S対応FCに外付けVTXをつなぐつもりでした。が、実際に組んでみて、ここに撮影可能なカメラまで積むとなると、どうにもうまく収まらず、無理すると排熱も不安だったので、とりあえずMobula6のVTX内蔵FCを流用しました。

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ここは、諦めていません。新発売の出力の高いVTXを内蔵したFC「CrazybeeX v2.2」をすでに発注済み。ところが、これが品薄で、11月頭に注文したのに発送されたのは12月半ば過ぎで、未だ届かず! 届き次第換装予定です。なお、「Eachine Cinefun 75mm」は、はじめからこの「CrazybeeX v2.2」を採用しています。

そうそう、「CrazybeeX v2.2」はVTXを内蔵しているため、使用には新たに無線局の「開局(変更)」手続きが必要です。その手続きに不可欠な系統図ですが、戸澤事務所にて1,100円で分けていただけます。購入済みなんで間違いないです。

ジェロ対策は力業

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ジェロ対策は力業です。1眼レフ用のNDフィルター(Aliexpressなら1枚150円くらいで手に入る)を、適当なサイズに切り抜いて、テープで貼ります。バラクラバみたい(笑) NDフィルターがなんなのか、なぜジェロが改善するのかという話は、長くなるのでここでは省きます。

ただ、この機体の場合、屋内なら必要なし。屋外では、直射日光下でもND8だとやや暗すぎ。ND4でちょうどよいくらいでした。直射日光下でなければ、必要なし。まあ、これはそのときのバランスで。

3.自作「1S CineWhoop7 4K」の問題点

自作ドローン「1S CineWhoop7 4K」の飛行動画

さて、こうして組み上げた「1S CineWhoop7 4K」は実際に飛ばしています。本当は屋内撮影こそ、こいつの真価が発揮されるんですが、すべてプライベートなものが色々映ってしまっているので、屋外映像のみでご容赦を。さて、
・のんびり屋内空撮が可能な動作の精密性
・飛行の安定性
・屋外でもそこそこ飛べるパワー
・あまりうるさすぎないモーター音
・4K解像度で撮影
と、ここまでは、満足なできでした。精密性とある程度の静音性はそのままに、飛行もずいぶん安定しました。

残る課題は、
・フレームの脆さ
・VTXの出力の低さ
・電気的な不安定さ
の3点です。

うち、フレームの脆さは、「Mobula7 V3」フレームに換装することで解決。VTXの出力の低さも、「CrazybeeX v2.2」が届いて開局すればOK。

そして、新たに出てきた問題が、電気的な不安定さです。まず、ちょっとへたったバッテリーだと、すぐ電圧が下がって、操縦不能になる。飛行時間は、バッテリーの健康度にかなり左右されます。屋外の場合、落ちるとまずいところまでは怖くて飛ばせません。それから、カメラの録画が、途中で止まってしまうことがたびたび起こる。瞬間的に電圧が下がると、そこで録画がストップしてしまうようです。Mobula6のFCは、カメラ電圧がやや不安定というのは、時々聞く話なので、これは、FCの性能でカバーできることなのか?「CrazybeeX v2.2」が届けば、確認してみたいところです。もっとも、「CrazybeeX v2.2」はVTXの出力も高められるため、そっちにも電力を喰うので、これはこれで、電気的な安定性は実際に動かしてみないと分かりませんが。

ちなみに、それなりに運用していたんですが、最終的にFC内蔵VTXが逝ってしまいました。空冷のためのクリアランスは十分に取れていたし、季節がら冷却効果は十分だったはずなんですが、むむむむ。直接の原因は不明です。

4.問題点をすべて解決した「Eachine Cinefun 75mm」

法令遵守でなんとかドローンを楽しみたい(その18)
そんなこんなの経験を踏まえて、新製品の「Eachine Cinefun 75mm」を紹介します。この素晴らしいところは、実際に組んでみて分かった問題点をすべて解決しているところです。さすがはEachine! スペックを、自作の「1S CineWhoop7 4K」と比較してみましょう。

法令遵守でなんとかドローンを楽しみたい(その18)

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フレームとモーター・プロペラ

フレームは、特に言及はありませんが、製品画像から、頑丈さに定評のある「Mobula7 V3」でしょう。モーターは、1102サイズで19000KVと、1Sバッテリーの75mmなら、十分すぎるパワーです。プロペラは、4枚羽根。やはり動作の安定と精密性重視の構成ですね。これなら、かなり安定したなめらかな飛行が期待できそうです。

FCとVTX

FCには、レシーバーとVTX内蔵型で、初のVTX出力調整が可能な最新の「CrazybeeX V2.2」を搭載。注目は内蔵VTXで、FC内蔵型ながら、最大200mWの出力を実現。200mWは、これまで外付けVTXの定番だったEachine VTX03やWhoop VTXの最大出力と同じです。つまり、このサイズのFPVドローンとしては、屋外で飛ばすのにも十分な出力だと言えるでしょう。レシーバーとVTX内蔵型のFCがはじめて登場してから約1年、まさに技術の進歩を感じさせるFCです。

こうして、最近の廉価なFPVドローンのFCは、もはやVT内蔵が当たり前になりました。ということは、現行の日本の制度下では、いちいち系統図を入手して無線局の開局(変更)手続きを行わなくてはいけない。短距離通信で「無線局の開局手続き」が必要なのか、登録をするにしてもはじめの1人は系統図が要るとして、手続き者全員に系統図の提出をさせる必要があるのか。電波という、産業にも生活にも深く関わる分野で、いつまでも70年前の技術水準で長距離の音声通信しか想定していない制度の運用を続けているのは、本当にいかがなものかと思います。

カメラは「Runcam Split3-Lite」「CADDX Loris 4K」のどちらか

カメラは、1080PのFHD解像度で撮影可能な、Mobula6 HDと同じ「Runcam Split3-Lite」か、4K解像度で撮影可能な「CADDX Loris 4K」とを選べます。記事執筆現在、価格差は1,000円程度なので、「CADDX Loris 4K」の方がかなりお得感があります。もっとも、「CADDX Loris 4K」は、50FPSでの撮影ができないので、先述のように周波数の関係から、東日本での屋内の撮影には向かなかったりしますが。お好みで選びましょう。

ちなみに「CADDX Loris 4K」には、専用NDフィルターも売ってます。ただ、ND16だけなので、ちょっと濃すぎないか?という懸念はありますけど。

バッテリープラグが、まさかの「XT30」

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製品画像を見て、一番ビックリするのは、ここです。い、1SバッテリーなのにXT30コネクタだと!? こんなもの、はじめて見ました。XT30コネクタは、2S~4Sバッテリーで多用される、高出力用のコネクタで、管見の限り、1Sバッテリーでは見たことありません。最近は、1Sバッテリーでも「BT2.0」とか「ET2.0(GNB27)」とか、メーカー独自規格のコネクタで電力効率を良くする流れが進んでいますが、まさかXT30を使うとは……。バッテリーも、1SながらXT30コネクタを備え、見た感じ、通常の650mAhバッテリーよりも分厚く見えます。ともかく、これで4Kカメラや高出力VTXの電力をまかなおうということのようです。自作の「1S CineWhoop7 4K」で課題となった、電力不足を見事に解決していますね。

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ということは、既存の電池が使えないという不便さはあります。とりあえず、4本は付属してくる模様。うーん、電池のコネクタ付け替えは、やってできなくはないけれど、危険性が非常に高いのでできれば避けたいんだよなぁ……。

5.まとめと価格

ご覧の通り、手軽に安定したFPV空撮を行うなら、「Eachine Cinefun 75mm」は、これまでの不満や課題をすべてクリアした理想的なドローンと言えます。

販路については、EachineはBanggood傘下のブランドなので、当然、基本的にBanggoodで買うのがお得です。さてその価格は、記事執筆現在、Frsky受信機内蔵型で、「Runcam Split3-Lite」バージョンが199.99ドル(20,993円)、「CADDX Loris 4K」バージョンが208.99ドル(21,937円)です(いずれも1月3日現在のフラッシュセール価格)。Eachineブランドとしてはやや高めの価格設定ながら、それだけ、性能と構成に自信アリということでもあるのでしょう。まあ、EachineとHappymodel(余談ながら、この2つのブランドは製造元が露骨に同じ)は、他の製品の価格が安すぎるんで、BETAFPVとかだと、こんなもんだろうなという価格ではあります。

いずれにしても、性能的に期待できる製品なのは間違いありません。前半で見たように、私も同じコンセプトの機体を組んで運用しているだけに、その完成度の高さにはうならされます。いやもう、こうしてどんどん新しい技術と構成アイデアを活かした製品が出てくるから、ドローンの世界は面白い。

6.関連リンク

39g Eachine Cinefun 1S 75mm:Banggood

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