こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。ウインタブを始めてから、なるべくタブレットを中心に使う生活を送ろう、ということを考えていまして、一時期は手元にAtom機しかない環境に身を置いていたのですが、一日に10時間以上パソコンでテキスト入力中心の作業をしていると、やはり10インチくらいのモニターだと疲れますし、しばしば挙動が不安定になってしまう中国製品「だけ」使う、というのが辛くなってきました。そんなわけでこの夏に思い切ってLenovo ThinkPad 13を購入し、ThinkPadを使って長時間のテキスト入力をこなすようになりました。そうするとやっぱり格段に快適になりまして、次に中国のTV BOXやミニPCの試用時に便利なように、ということで23インチの液晶ディスプレイと格安なキーボードを購入しました。つい最近のことです。
で、現在どうやって日々仕事をしているかというと、出先ではThinkPad 13を使い、自宅ではThinkPad 13に液晶ディスプレイとキーボードを接続して使っています。やはり大型のディスプレイとフルキーボードというのは便利、というか疲れませんね。
「おい、ちょっと待て!タブレットはどうしたんだ?」って思うでしょ?安心してください。移動中と寝入りばなにはTeclast X89 Kindowが友達ですし、連日国内外のAtom機の試用に明け暮れています。なので、長時間のテキスト入力が本業なのか、Atom機の試用(たまにCore i7とかGPU付きのゲーミングノートが回ってきますけどね)が本業なのか、よくわからん、という状況ではあります。
というのが私の現況なのですが、今回はテキスト入力をより快適にすべく、最近頭の中を離れなかった「メカニカルキーボード」を思い切って購入しました。デスクトップでの作業に使うので、フルサイズのものを探し、結局「FILCO Majestouch BLACK(赤軸)」にしました。
1.軸色を選ぶ
ご存知の通り、メカニカルキーボードには「青軸」「茶軸」「黒軸」「赤軸」など、スイッチの色がいくつかあり、どれを選ぶかによって使用感がことなります。FILCOの公式サイトにわかりやすい説明がありますので、詳しくはこちらをご覧ください。
CHERRY MXスイッチとは?
これを読んで理屈はわかったのですが、実際自分はどの軸色を選べばいいのか、ということは理屈だけでは判断できないので、実際にショップに行き使用感を比較してみました。「メカニカル初心者は茶軸」ということなので、茶軸を中心に試しました。
一番わかりやすく、イメージ通りの挙動だったのが青軸です。キーを押し込むと「カチッ」と大きめの音がします。いわゆる「カチャカチャ音」ですね。押下圧はやや大きめなはずなのですが、実際に自分で打鍵してみるとかなり軽快に使えました。ただ、短時間ならこの打鍵音は気持ちいいかもしれませんが、長時間イライラしながらテキスト入力する私には、これは向かんなあ、と思いました。
赤軸、茶軸、黒軸については、事前に知識をつけてから試したにも関わらず、打鍵感の差は押下圧だけで、それ以外の違いはピンときませんでした。「赤<茶<黒」の順で重くなっていくなあ、ということを感じた程度です。黒は私にはやや重すぎに感じ、最も軽い赤でも決して軽すぎとは感じませんでした。また、日頃モバイル系のキーボードを使用する時間が長いこともあり、「一番軽いのでいいや」ということで、赤軸に決めた、というのはその日の夜熟考して出した結論です。
ご注意:ここでの記述は私の感想であり、すべての製品について当てはまるわけではありません。茶軸と赤軸は打鍵感がはっきり異なる、という人のほうが多いですし、赤軸より茶軸が重い、というのもすべての場合に該当するわけではありませんので、ご注意ください。
2.製品概要
まずは製品のスペックから。
キースイッチ: Cherry MX 赤軸 (linear)
キー数: 108キー(かな印刷なし)
キーピッチ: 19 mm
キーストローク:4 ± 0.5 mm
サイズ: 440 × 138 × 38.5 mm(スタンド使用時49.5 mm)/ 1.2 kg
インターフェース: PS/2、USB(PS/2は変換コネクタを使用)
ケーブル長: 1.5m
これまで書いてきたとおり、キースイッチはCherry MXの赤軸を選びましたが、この製品は他に茶軸、黒軸、青軸を選ぶことができます。キーピッチは一般的な 19 mm、キーストロークはモバイラーにはかなり深めに感じられる4 mmとなっています。あと、「重さ1.2 kg」というのが私には驚異的な重さと感じられました。
同梱物です。キーボード本体のほか、取扱説明書、PS/2端子変換アダプター、キープラー、そして取り換え用の「Windowsボタンのキートップ」があります。
メカニカルキーボードの知識がない人は「キープラーって何?」ってなると思いますが、後ほど説明します。また、Windowsボタンですが…
このキーボードはキートップに文字の刻印がなく、側面(前面)に小さく文字が印字されています。いやこれ、スゲーカッコいいんです。私にとってはこの製品を購入した最大の理由でもあります。で、デフォルト状態だとWindowsキーのみキートップに刻印があるんで、これが気に入らないなら付属のキートップに取り替えろ、ということなんですね。とりあえずこのままの状態でキーボード本体をじっくりみてみます。
ひとことでいうと、びっくりするくらいゴツいです。もちろん私がメカニカルキーボードを初めて購入した、というのがその理由なんですが、筺体に厚みがあり、なにしろ重いです。筺体の表面は金属ではなく、ABS樹脂などだと思いますが、内部には鉄板が入っているようです。
個人差があると思うので、あくまで参考程度に見ていただきたいのですが、私が実際に操作する際、視点はこのくらいの位置になります。ちゃんとキーの刻印が見えますよね?真上から見下ろすとキーの刻印は見えなくなりますが、実際の利用シーンだと特に問題がないと思われますし、実際私はキー刻印の位置について何ら不自由は感じません。ただ、キートップに刻印があるほうがはるかに親切であることは間違いないので、ブラインドタッチに慣れていない人は慣れるまで苦労するかもしれませんね。
先日の記事でちらっと紹介した「Microsoft Wired Keyboard 600」というキーボードと並べてみました。左がMicrosoft、右がFILCOです。FILCOのほうがかなり厚みのある筺体であることがわかると思います。また、Microsoftの方はキーボード面の傾斜がキツイですね。
底面のスタンドを立ててみるとこんな感じです。Microsoftのほうはかなり傾斜がきつくなりましたが、FILCOのほうはそれに比べるとややマイルドです。また、FILCOの場合、打鍵する際、一番下の列(スペースキーのある列です)でも高さ(段差)があるため、パームレストなどを使って段差をなくすような工夫が必要になるかもしれません。
底面です。このキーボードは分解が可能ですが、ただネジを外せばいいというものでもなく、ややコツが必要らしいです。まだ新品なので私は試してませんけどね。
キートップをアップで見てみます。なんか昔ながらのキーボードって感じですよね。ひとつひとつのキーが山みたいに見えます。無刻印のキートップですが、中央部がくぼんでいるものの、表面に何か特別な加工を施しているわけではありません。
ではここでWindowsボタンの交換をしてみます。私はキープラーを使ったことがなく、初めての体験となりました。結論から言うと超簡単です。画像のようにキーの角のところにプラーを引っ掛けて、そのまま引っこ抜くだけです。
おお、ちゃんとスイッチが赤いわ…。「Cherry」の刻印も見えます。あとはスペアのWindowsボタンを押し込むだけです。作業時間は1分以下ですね。
これで完成形です!
3.使用感
今まさにこの記事をメカニカルキーボードで書いています。打鍵音はショップで試したときよりもかなり大きめに感じます。当然ショップの中のほうが自宅よりも騒々しいので、これはまあ当然だと思います。打鍵音は「カチャカチャ」ではなく「シャカシャカ」って感じでしょうか。音質はメカニカル特有だと思います。子供の頃初めて触ったキーボードがこんな感じだったよなあ、と思いました。現代においては、普段使っているどのキーボードとも似ていません。
ただし、底打ちしなくても入力できるのが赤軸のいいところ(「赤軸は撫でるように打つ」らしいです)なので、赤軸マスターな人は打鍵音も小さいのだろうと思います。
赤軸を選んだのでメカニカルっぽさは少なめなのかもしれませんが、それでも明らかに打鍵感は別物ですね。ただし、キーボードを変えるとしばらくの間、ブラインドタッチの際に戸惑う(要するに押し間違える)ということが発生してしまいますが、それはこのキーボードでもあります。おそらくずーっとデスクトップ用のフルキーボードを使っている人はそんなことはないと思いますが、私の場合基本的に小さめのキーボードを使う頻度が高いので、どうしても若干慣れが必要になりますね。
あと、せっかく高価なキーボードを買ったので、一緒にパームレストとマウスパッドも購入しました。
これが完成形っす。ただ、まだ十分にこの環境を経験していないというか、使い込んでいないので、これは素晴らしい!とかを言える段階でもないです。この辺は後日改めてレビューできれば、と思います。
4.まとめ
FILCO Majestouch BLACKはAmazonなどネット通販、また家電量販店(取り扱いは多くないと思います。多分お取り寄せ?)で販売中で、価格はAmazonでは11,716円となっています。
メカニカルキーボード使用歴の長い人はそれぞれ独自のこだわりがあり、「メーカーはどこそこ」「スイッチは○軸」などの主張があろうかと思いますが、私は初めてメカニカルキーボードを購入するにあたって、「比較的評判のいいメーカー製で、価格は1万円くらい」ということを基準に選んでみました。少なくともFILCOというのはメカニカルキーボードのメーカーとして一定の高評価があり、価格は比較的手頃でもあり、そしてなによりキートップ無刻印というシャレ感が気に入った、というのが大きいです。
これから自宅ではこのキーボードを使って作業していくことになりますが、赤軸特有のソフトタッチでの打鍵の仕方も含め、自分なりに試行錯誤しながら使いやすくしていきたいと思います。また、この製品はメカニカルキーボードを購入してみたい、という人にもおすすめできそうな気がしますが、とりあえず購入される前に、この製品である必要はないですから、ショップで赤軸、茶軸、青軸、黒軸と、一般的な軸色のメカニカルキーボードの打鍵感を試してみることをおすすめします。ショップのスタッフの方の接客態度がよく、気に入った製品が見つけられるようなら、そのまま購入しちゃえばいいでしょうし。
5.関連リンク
Majestouch BLACK / NINJA 一覧:ダイヤテック株式会社 製品情報ページ
※「BLACK」は日本語配列、「NINJA」は英語配列です
FILCO Majestouch BLACK 108赤軸 108キー日本語配列:Amazon
コメント
購入おめでとうございます。
実は私もここ2年くらい全く同じ商品の黒軸を使っています。
長期使用でも今のところ問題もなく非常にお勧めできる商品だと思います。
最近よく見ると手あか汚れが結構あって、全部外して洗おうかなとも思っているところです。
takeotaさん、こんにちは、コメントありがとうございます。もう2年もお使いなんですね!メカニカルキーボードはみなさん数年使うみたいなんで、私も見習いたいです。また、分解掃除のやり方も教えてください!
個人的にはモバイルPCの薄型化に合わせて体がキーストローク浅いキーボードに慣れてしまいこのようなキーストローク深いキーボードは疲れて打てなくなっちゃいました。
こんにちは、コメントありがとうございます。それはたしかにありますね。モバイル用よりも全然深いです。私はどうなるのか、身をもって試したいです。
英語配列の方がNINJA…
natsukiさん、こんにちは。NINJAのほうが外人ウケするんでしょうね。
自分も会社でつい先日までFILCOの赤軸を使ってましたので、この商品の使い心地には満足しておりましたが、赤軸でもメカニカルはメカニカルと言うことで、周りから音が気になるとの意見もあり、同じFILCOの静音メカニカルに変更しました。
同じキー配列なのに、ストロークが少し違うだけでずいぶん勝手が違う部分あるので
小さいキーボードからだと少し慣れが必要かもしれません。
でも、高いキーボードは高いだけの価値があるので、これからも
こういった周辺機器のレビューも掲載頂ければと思いますので
楽しみにしております!
ぽんたさん、こんにちは、コメントありがとうございます。先輩っすね。確かに使ってるとそれなりに大きな音であるのに気づきます。静かな職場だと気にする人もいるかも。このさきいろんな製品のレビューをしていくつもりですので、よろしくお願いします!
いらっしゃいませ、Majestouchへ!
と思ったら、ここにはFILCOユーザーが多くて笑いました。
茶軸のMajestoughをつい最近まで使っていましたが、
基板が腐食してしまって使えなくなってしまいましたので、
同じFILCOのExcellio Lite(生産中止品)を買って使っています。
パンタ式でかなりの反発力があります。もう一度生産して欲しい…。
こんにちは、コメントありがとうございます。大先輩ですね。メカニカルからパンタグラフ、というのがプロフェッショナル!いいものを長く使うというのは理想的なので、頑張って使っていきます。
こんにちは
モバイラーとしては、タブレットにFILCOの赤軸Minila Airも捨てがたいです
自宅ではRealforce、出先ではMajestouch Minila Air赤軸を使っています
難点は、キーボードだけで700グラムくらいあるうえに、結構スペースをとることですが、このキータッチに慣れきってしまったせいで、ノートパソコンのようなキーボードを使うと、ミスタッチ連発してすごくストレスが溜まってしまいます
こんにちは、コメントありがとうございます。おっしゃることが少しわかるようになってきました。メカニカルオンリーになってしまうと、ある意味危険かもしれませんね…