ポータブル電源でおなじみのBLUETTIがポータブルパワーバンク「X20」を発売しました。X20はAC出力には対応していないので、ポータブル電源というよりも「巨大なモバイルバッテリー」という感じです(ポータブル電源とモバイルバッテリーの「境界」に明確な定義はありませんが、ウインタブではAC出力に対応していればポータブル電源、対応していなければモバイルバッテリーと考えています)。
X20は重さが2.3 kgありますので、モバイルバッテリーと言うには「巨大すぎ」なんですよね。しかし、そのぶん容量も巨大です。
1.概要
スペック表
BLUETTI X20 | |
容量 | 153.6 Wh(48,000 mAh) |
AC充電入力 | USB-C:5~20V,5A,最大100W |
充電時間 | 0%から80%まで1.58時間、100%まで約2時間 ※別売りの100W ACアダプターを使用した場合 |
出力 | DC093ポート:最大20VDC、8A、160W USB-A:最大5VDC、2.1A、10.5W USB-A(QC3.0) :最大5VDC、3A/9VDC、2A/12VDC、1.5A,18W USB-C (PD3.0/QC3.0+/SCP/FCP/AFC):5 V/9 V/12 V/15 V/20 VDC、3 A、20 VDC/5 A (eMarker チップ内蔵) |
充電温度範囲 | 0℃ ~ 40℃ |
放電/保管温度範囲 | -20℃~+40℃ |
騒音 | 45dB |
サイズ | 205 × 205 × 77 mm |
重量 | 2.3 kg |
コメント
BLUETTI X20の容量は153.6 Wh(48,000 mAh)です。定格容量(実際に使える容量)はその55%~60%くらいと思われます。
デバイスの充電回数の目安です。ノートPCなら2回近く満充電にできますね(私が使っているモバイルノートは54.7Whなので、この画像の説明どおりであれば2回は満充電できます)。ただし、BLUETTIのポータブル電源のように電気コンロや電気ポットのようなAC電源が必要な家電製品には使えません。
容量も魅力的ですが、合計最大出力が288Wというのもすごいです。そこらへんのモバイルバッテリーでは無理なレベル。「容量と出力」に関しては過去にウインタブがご紹介した製品で「UGREEN Nexode モバイルバッテリー 48,000 mAh/300W」がありますので、この製品が比較対象になりえます。
BLUETTIはポータブル電源ジャンルでノウハウがあり、それはX20でも活かされています。独自の「BMSアルゴリズム」を使用した電力供給の効率化(ロスを減らすという意味です)や冷却ファンを搭載した高い安全性を備えています。このあたり、急速充電器ジャンルに強いUGREEN製品とはいい勝負と言えるかもしれないですね。個人的には「どっちも大丈夫」だと思っています。
前面です。BLUETTIのポータブル電源にも採用されているLCDモニターがついていて、入出力電力の状況や残量、エラー/警告が表示されます。
入出力ポートは4つ。USB Type-Cポートが入出力を兼ね、他は出力ポートです。なお、X20本体も100Wの急速充電に対応しますが、「なぜか」ACアダプターは付属しません。なので、本体を急速充電するためには別途100Wに対応する急速充電器が必要になります。
ACアダプターは付属しませんが、DCプラグ(PCなどの接続用)がなんと12種類も付属します。メーカーによれば「市販のノートパソコンの90%以上と互換性があります」とのこと。
サイズのイメージです。まあ、リュックに入れて持ち運べないこともないですが、重さ2.3 kgというのは「ゲーミングノートをもう一台持ち運ぶようなもん」なので、毎日出先に持っていく、という感じではありません。「ポータブル電源のBLUETTI」だけに、キャンプなどのレジャーなどで威力を発揮する製品かな、と思います。
2.価格など
BLUETTI X20はBLUETTI公式サイトやAmazonで販売中で、10月31日現在の価格は22,990円です。ちなみに記事中で触れたUGREEN Nexode モバイルバッテリー 48,000 mAh/300WのAmazonでの価格は23,983円(10月31日現在)なので、それよりはちょっと安いですね。
このサイズ(筐体サイズ、容量、出力)のモバイルバッテリー(DC出力専用のパワーバンク)についてはニーズのある人方がそこまで多くはなさそうですが、グループでアウトドアレジャーを楽しむとかの用途にはいいと思います。
3.関連リンク
BLUETTI X20 ポータブルパワーバンク | 288W 153.6Wh:BLUETTI 公式サイト
BLUETTI X20 ポータブルパワーバンク | 288W 153.6Wh:Amazon
2014年、低価格な8インチWindowsタブレットに触発されサイト開設。企業でユーザー側代表としてシステム開発や管理に携わっていました。「普通の人」の目線で難しい表現を使わず、様々なガジェットを誰にでもわかりやすく紹介・レビューします。
コメント
このぐらいのサイズならAC出力欲しいなと思うね。世界で売ること考えるとプラグ形状を考えないといけないから省いたんかな?
AC出力対応の場合、どうしてもインバーターでしたっけ?(ニワカ)とかの関係でさらにサイズが大きくて重くなっちゃいますからねー。私もコンセプト的にはちょっと微妙な気もします。ニーズのあるなしがはっきりわかれるというか…。